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建築後の保証とアフターサービスで確認したい7つの内容

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

建築工事は、建物が完成して引き渡された時点で終わりではありません。引き渡し後に使い始めてから、設備の不具合、雨漏り、建具の調整、仕上げの傷み、外構まわりの沈下、図面や施工記録との照合など、さまざまな確認が必要になります。発注者や建物管理の実務担当者にとって重要なのは、問題が起きたときに慌てて施工会社へ問い合わせることではなく、建築後の保証とアフターサービスの内容を事前に整理し、誰が、いつ、何を、どこまで対応するのかを明確にしておくことです。


保証やアフターサービスの内容は、建物の種類、契約条件、工事範囲、施工会社の規定、設備メーカーの保証条件などによって異なります。そのため、一般的な考え方だけで判断せず、契約書、保証書、引き渡し書類、点検報告書を確認しながら、自社や自分の建物に当てはめて整理することが大切です。本記事では、建築後の保証とアフターサービスで確認したい7つの内容を、実務で使いやすい観点から解説します。


目次

建築後の保証範囲を部位ごとに確認する

保証期間と起算日を確認する

無償対応と有償対応の境界を確認する

定期点検の時期と点検内容を確認する

不具合発生時の連絡窓口と対応手順を確認する

図面、写真、検査記録の保管方法を確認する

将来の改修や維持管理につながるアフターサービスを確認する

まとめ


建築後の保証範囲を部位ごとに確認する

建築後の保証を確認するときに最初に見るべきなのは、保証の有無だけではなく、どの部位が保証対象になっているかです。建物は構造体、屋根、外壁、開口部、防水、内装、建具、設備、外構など、多くの要素で構成されています。そのため、「建物全体に保証がある」と大きく捉えるだけでは、実際に不具合が発生したときに対応範囲を判断できません。実務では、保証書や契約書、仕様書、引き渡し書類を突き合わせながら、部位別に対象範囲を確認することが大切です。


特に注意したいのは、構造に関わる部分と仕上げに関わる部分では、保証の考え方が異なる点です。柱、梁、基礎、床などの構造耐力に関わる部分は、建物の安全性や長期利用に直結します。一方で、クロス、塗装、床材、建具の微調整といった仕上げ部分は、使用状況や経年変化の影響を受けやすく、保証の対象や期間が限定されることがあります。雨水の浸入を防ぐ屋根や外壁、防水層、サッシまわりも、建築後のトラブルとして相談が発生しやすい領域です。見た目は小さな染みでも、原因が外壁のひび、シーリングの劣化、防水納まり、設備配管の結露など複数考えられるため、保証範囲の整理が欠かせません。


設備についても、建築工事に含まれる設備と、別途手配した設備を分けて確認する必要があります。空調、給排水、電気、換気、照明、衛生器具、厨房まわりなどは、建築会社が一括で請け負っている場合もあれば、施主支給や別業者施工が混在している場合もあります。保証の問い合わせ先が施工会社なのか、設備工事会社なのか、機器の製造元なのかが曖昧なままだと、初動対応が遅れます。建築後のアフターサービスを円滑に進めるには、どの設備がどの契約に含まれているか、誰が一次対応を行うか、交換部品や消耗品の扱いはどうなるかを、引き渡し時点で一覧化しておくと安心です。


外構や敷地まわりも見落としやすい確認項目です。舗装、排水溝、擁壁、フェンス、門扉、植栽、駐車場、アプローチなどは、建物本体と同時に施工されることが多い一方で、保証条件が建物本体と異なる場合があります。地盤の状況、雨水の流れ、車両の乗り入れ、凍結や日射の影響など、外部環境の影響を受けやすいため、施工不良と使用環境による劣化の線引きが必要になります。建築後の保証確認では、建物内部だけでなく、敷地全体を管理対象として捉えることが重要です。


また、保証範囲は「直してもらえるかどうか」だけで判断しないことも大切です。不具合の原因調査、応急処置、復旧工事、仕上げの再施工、関連部位の補修、再発防止策の説明など、対応には複数の段階があります。たとえば漏水が発生した場合、単に濡れた内装を張り替えるだけではなく、漏水経路の特定、防水処理の確認、下地材の乾燥状態の確認、再発時の連絡方法まで整理しておく必要があります。保証範囲を部位ごとに確認する際は、対象部位、対象となる症状、対応内容、対象外となる条件をセットで把握することが、建築後のトラブル防止につながります。


保証期間と起算日を確認する

保証内容を確認するときは、保証期間だけでなく、いつから保証が始まるのかという起算日も確認する必要があります。建築工事では、工事完了日、竣工日、引き渡し日、検査合格日、使用開始日など、日付の基準になり得るものが複数あります。実務上は、保証期間の起算日が書類によって曖昧だったり、社内の管理台帳と保証書の日付がずれていたりすると、後日の問い合わせ時に判断が難しくなります。保証は「何年間あるか」だけでなく、「どの日付から数えるか」を明確にしておくことが欠かせません。


建築後の保証期間は、部位や工種によって異なることがあります。構造や雨水浸入に関わる重要な部分、屋根や外壁の防水、内装仕上げ、建具調整、設備機器、外構などでは、求められる耐久性や劣化の性質が異なります。そのため、すべてを同じ期間で考えるのではなく、保証書や契約書に記載された区分を読み解く必要があります。住宅、店舗、工場、事務所、公共施設など、建物の用途によっても確認すべき書類や条件は変わります。保証期間が長い部位ほど安心という単純な見方ではなく、対象となる不具合の条件、定期点検の実施、通常使用の範囲、維持管理義務との関係も合わせて確認することが重要です。


また、引き渡し後すぐに発見された不具合と、数年経過してから発見された不具合では、対応の考え方が変わることがあります。引き渡し直後の傷、汚れ、施工残し、建具の調整不良などは、完成検査や是正確認の延長として扱われる場合があります。一方で、時間が経過してから発生した症状は、施工上の問題なのか、通常使用による劣化なのか、維持管理不足なのかを確認する必要があります。実務担当者は、引き渡し時の状態を記録し、初期不良として扱うべきものと、経過観察すべきものを分けておくと、後日の説明がしやすくなります。


保証期間を確認する際には、保証の終了前に何をしておくべきかも考えておく必要があります。保証終了間際になって慌てて点検を依頼すると、日程調整や原因調査が間に合わないことがあります。特に建物管理者が変更になる可能性がある施設では、保証満了の時期を管理表に入れ、点検予定や確認項目を早めに共有しておくことが大切です。保証期間内に発見した不具合であっても、記録が残っていなかったり、連絡日が曖昧だったりすると、対応範囲の協議に時間がかかる場合があります。


保証期間と起算日は、発注者側の社内管理にも関係します。建物を管理する部署、施設を使う部署、経理や契約を扱う部署が分かれている場合、保証書が現場に保管されているのか、本社に保管されているのか、電子データとして共有されているのかを明確にしなければなりません。建築後のアフターサービスを有効に活用するには、保証期間を把握している担当者だけに情報を集中させず、引き継ぎ可能な形で記録することが重要です。


無償対応と有償対応の境界を確認する

建築後の保証やアフターサービスでトラブルになりやすいのが、無償で対応してもらえる範囲と、有償になる範囲の境界です。発注者側は「保証期間内だから無償で直してもらえる」と考えがちですが、実際には不具合の原因、使用状況、維持管理の有無、自然災害や外部要因、第三者による工事の影響などによって判断が分かれます。施工会社側も、すべてを無償対応できるわけではないため、事前に条件を確認しておくことが重要です。


無償対応の対象になりやすいのは、施工上の不備、設計図書や仕様書との不一致、引き渡し時点から存在していた不具合、初期調整で解消すべき不具合などです。たとえば建具の開閉不良、設備の初期作動不良、仕上げの明らかな施工不良、雨仕舞いの不備などは、原因調査のうえで保証対象として扱われる可能性があります。ただし、同じ症状でも原因が異なれば扱いが変わります。ドアが閉まりにくい場合でも、施工時の調整不足なのか、湿度変化による反りなのか、利用者の衝突による変形なのかで対応範囲は変わります。


有償対応になりやすいのは、通常の経年劣化、消耗品の交換、使用方法に起因する破損、清掃や保守不足による不具合、外部からの衝撃、災害や事故による損傷、引き渡し後に別業者が行った改修の影響などです。建築後の施設運用では、利用者の増加、用途変更、設備の増設、間仕切り変更、什器の移動などが発生することがあります。これらが建物に影響を与えた場合、当初の保証対象から外れることがあります。実務担当者は、変更や追加工事を行う前に、既存保証に影響がないかを確認することが大切です。


特に注意したいのは、維持管理義務との関係です。排水口の清掃、フィルターの交換、換気設備の点検、外壁や屋上の定期確認、シーリングの劣化確認、植栽の管理など、建物を適切に維持するために発注者側が行うべき作業があります。これらを怠った結果として不具合が発生した場合、保証対象外と判断されることがあります。保証を受けるためには、建築会社に任せきりにするのではなく、発注者側も日常点検や管理記録を残しておく必要があります。


無償と有償の境界を明確にするには、問い合わせ時に感覚的な表現だけで伝えないことが重要です。「なんとなく調子が悪い」「以前よりおかしい」という説明では、施工会社も原因を判断しにくくなります。発生日時、発生場所、症状、頻度、使用状況、写真、動画、図面上の位置、過去の点検履歴などを整理して伝えることで、無償対応の対象か、有償調査が必要かを判断しやすくなります。建築後のアフターサービスは、対応してもらう側の記録精度によってもスムーズさが変わります。


また、有償対応になった場合の進め方も事前に確認しておくべきです。調査費が発生するのか、見積もり後に承認してから作業するのか、応急処置を優先するのか、夜間や休日の対応は可能なのかといった点は、施設の運用に直結します。特に店舗、工場、医療施設、教育施設、共同住宅、事務所などでは、不具合対応が利用者や業務に影響します。費用負担の話だけでなく、どのタイミングで誰が判断するかを決めておくことが、建築後の混乱を減らします。


定期点検の時期と点検内容を確認する

建築後のアフターサービスで重要なのが、定期点検の仕組みです。建物は引き渡し時点で問題がなくても、使用開始後の温湿度変化、荷重、振動、雨風、日射、設備の稼働、利用者の動線などによって状態が変わります。定期点検は、不具合が大きくなる前に早期発見するための機会であり、保証対応の必要性を判断するための基礎資料にもなります。そのため、点検があるかどうかだけでなく、いつ、誰が、どの範囲を、どの方法で確認するのかを具体的に確認することが大切です。


点検時期は、引き渡し後の初期点検、中期的な点検、保証満了前の確認など、段階的に設定されることがあります。初期点検では、建具の調整、設備の作動、内装の浮きや割れ、排水の流れ、利用開始後に気づいた不具合などを確認します。ある程度時間が経過した点検では、外壁や屋根まわり、防水、外構、設備の運転状況、利用状況に応じた劣化の兆候などを確認します。保証満了前の点検では、保証対象となる症状が残っていないか、将来の維持管理に向けて注意すべき箇所がないかを整理します。


点検内容を確認するときは、目視だけなのか、動作確認を含むのか、測定や写真記録を行うのかも確認しておく必要があります。たとえば建具であれば開閉状態、鍵のかかり具合、隙間、戸当たり、金物の緩みなどを確認します。設備であれば運転音、排水、給水、換気、温度変化、異臭、警報表示などを確認します。外部では屋根、外壁、シーリング、排水経路、雨水桝、舗装、フェンス、外灯などを確認します。建築後の点検は、単に建物を見て回るだけではなく、使用者からの聞き取りと記録の整理を組み合わせることで精度が高まります。


施設の規模が大きい場合、点検前の準備が点検品質を左右します。各部署や利用者から不具合の情報を集め、場所が分かる図面や写真を用意し、点検当日の立ち入り範囲や安全確認を済ませておくことが必要です。点検時に鍵が開かない、設備室に入れない、担当者が不在、症状が再現できないといった状況になると、せっかくの点検機会を十分に活用できません。建築後のアフターサービスを受ける側も、点検前に情報を整理し、施工会社が確認しやすい状態を整えることが大切です。


点検結果の扱いも重要です。点検で見つかった事項は、すぐに補修するもの、経過観察するもの、発注者側で維持管理するもの、別途見積もりが必要なものに分けて管理する必要があります。すべてをその場の口頭説明で終わらせると、次回点検時に前回の判断が分からなくなります。点検報告書、写真、是正前後の記録、対応予定日、担当者名を残しておくことで、建築後の保証対応が透明になります。実務では、点検で指摘された内容が完了したかどうかを確認するまでが一連の管理です。


不具合発生時の連絡窓口と対応手順を確認する

建築後に不具合が発生したとき、最初に困るのは「どこへ連絡すればよいか」が分からないことです。施工会社の営業担当、現場担当、アフターサービス担当、設備担当、設計担当、管理会社など、関係者が複数いる場合、窓口が曖昧だと連絡が行き違います。特に引き渡しから時間が経つと、当時の担当者が異動していたり、協力会社が変わっていたりすることもあります。建築後の保証を確実に活用するには、一次連絡先を明確にしておくことが重要です。


連絡窓口では、通常時の問い合わせ先と緊急時の問い合わせ先を分けて確認する必要があります。内装の軽微な不具合や点検相談であれば通常窓口でよい場合でも、漏水、停電、設備停止、扉の閉じ込め、外壁材の落下のおそれなど、利用者の安全や業務継続に関わる不具合では、早急な判断が必要になります。緊急時に連絡できる時間帯、休日対応の可否、応急処置の範囲、現地確認までの流れを事前に把握しておくことで、初動対応の遅れを防げます。


不具合を連絡するときの情報項目も、あらかじめ決めておくと便利です。建物名、所在地、連絡者、発生場所、発生日時、症状、写真、動画、図面上の位置、利用への影響、応急処置の有無、過去の同様事例などを整理して伝えると、施工会社は原因を推定しやすくなります。建築後の不具合は、現地を見なければ判断できないことが多い一方で、事前情報が多いほど適切な担当者や部材を手配しやすくなります。連絡する側の情報整理は、結果として復旧までの時間短縮につながります。


対応手順では、受付、現地確認、原因調査、保証対象の判断、応急処置、本補修、完了確認、記録保管までの流れを確認しておきます。とくに原因調査と補修の関係は重要です。原因が不明なまま表面的な補修を行うと、同じ不具合が再発する可能性があります。たとえば漏水の場合、室内側の染みを直すだけでは不十分で、雨水の侵入経路や防水処理を確認する必要があります。床の浮きやひびの場合も、仕上げ材だけの問題なのか、下地や湿気、荷重条件が関係しているのかを確認する必要があります。


発注者側の社内手順も整理しておくべきです。施設利用者から不具合報告を受けた担当者が、すぐに施工会社へ連絡してよいのか、管理責任者の承認が必要なのか、緊急時は誰が判断するのかを決めておかないと、対応が遅れます。建築後のアフターサービスは施工会社だけの仕組みではなく、発注者側の受付体制とセットで機能します。問い合わせの記録を残し、対応状況を共有し、未完了の案件を見落とさないようにすることが大切です。


また、利用者への説明も忘れてはいけません。建物を使う人にとっては、保証対象かどうかよりも、いつ直るのか、安全に使えるのか、どの範囲が使えないのかが重要です。実務担当者は、施工会社とのやり取りを利用者向けに分かりやすく伝える役割も担います。不具合の原因が確定していない段階で断定的に説明すると、後から訂正が必要になることがあります。建築後の保証対応では、事実、推定、今後の確認予定を分けて説明する姿勢が求められます。


図面、写真、検査記録の保管方法を確認する

建築後の保証とアフターサービスを支える基礎になるのが、図面、写真、検査記録の保管です。完成した建物の状態を示す資料が整理されていなければ、不具合が発生したときに原因を追うことが難しくなります。竣工図、施工図、設備図、配管図、配線図、仕上げ表、材料仕様、検査記録、試験成績、引き渡し時の写真などは、建物を維持管理するうえで欠かせない情報です。建築後の保証を有効に使うためには、書類を受け取るだけではなく、必要なときに探せる状態にしておくことが重要です。


図面については、設計時の図面と、実際に施工された内容を反映した図面を区別して保管する必要があります。建築工事では、現場条件や調整により、配管ルート、設備位置、点検口、仕上げ仕様、外構勾配などが変更されることがあります。設計図だけを見て判断すると、実際の納まりと合わない場合があります。建築後に不具合を調査する際は、実際の施工状態を反映した資料が役立ちます。特に隠ぺい部の配管や配線、下地、防水、埋設物などは、完成後に目視できないため、施工中の写真や記録の価値が高くなります。


写真記録は、位置や撮影対象が分かる形で整理することが大切です。単に大量の写真を保管していても、どの場所の何を撮影したものか分からなければ実務では使いにくくなります。写真には撮影日、撮影場所、工種、対象部位、施工前後の状態、是正前後の状態などを紐づけておくと、後日の確認に役立ちます。建築後にひび、漏水、沈下、仕上げ不良などが発生した場合、過去の施工写真と現在の状態を比較することで、原因調査や保証判断が進めやすくなります。


検査記録も重要です。社内検査、監理者検査、施主検査、官公庁関連の検査、設備試運転、性能確認、是正確認など、建築工事ではさまざまな検査が行われます。これらの記録には、どの時点で何を確認し、どの指摘があり、どのように是正されたかが残ります。引き渡し後に同じような指摘が出た場合、過去に是正済みだったのか、経過観察中だったのか、新たに発生した不具合なのかを判断できます。保証対応では、過去の合意や確認結果が重要な判断材料になります。


保管方法については、紙のファイルだけに頼らず、電子データとして整理することも考えるべきです。複数の担当者が関わる施設では、必要な資料が一人の担当者の手元にしかない状態はリスクになります。ファイル名、フォルダ構成、版管理、閲覧権限、更新履歴を整理し、担当者変更時にも引き継げるようにしておくことが必要です。ただし、電子化すればよいというだけではありません。古い図面と新しい図面が混在していると誤った資料を参照するおそれがあるため、最新版と参考資料を区別する運用が求められます。


建築後のアフターサービスでは、現地の状態と記録を結びつける力が重要になります。図面上の位置、写真の撮影場所、点検結果、不具合の発生日、補修履歴がつながっていれば、施工会社、発注者、管理者の間で認識を合わせやすくなります。逆に、記録が散在していると、同じ場所を何度も確認したり、過去の対応が分からなかったりして、時間と手間が増えます。保証とアフターサービスを実務で活かすには、完成時の記録整備を維持管理の出発点として位置づけることが大切です。


将来の改修や維持管理につながるアフターサービスを確認する

建築後のアフターサービスは、不具合を直すためだけのものではありません。建物を長く使うためには、将来の改修、用途変更、設備更新、省エネルギー対応、バリアフリー対応、外装更新、防水改修などを見据えた情報提供や相談体制も重要になります。建物は完成時点が最終形ではなく、利用状況や社会環境の変化に合わせて更新されます。そのため、アフターサービスを単発の補修対応として見るのではなく、長期的な維持管理の入口として捉えることが大切です。


将来の改修を考えるうえで必要なのは、建物の基本情報を継続的に把握することです。構造、設備容量、配管経路、点検口の位置、天井裏や床下の状況、外壁や防水の仕様、荷重条件、避難経路、法的な制約などを把握していなければ、改修計画を立てるときに追加調査が多くなります。建築後のアフターサービスで、施工会社から維持管理上の注意点や将来の更新時期の目安を聞いておくと、長期修繕計画や予算検討に役立ちます。


改修や増設の際には、既存保証への影響も確認が必要です。たとえば屋上に設備を追加する、外壁に看板や配管を取り付ける、床に重量物を置く、間仕切りを変更する、給排水設備を増設するなどの工事は、既存の防水、構造、設備、仕上げに影響を与えることがあります。施工会社に相談せずに別工事を進めると、不具合が発生した際に原因の切り分けが難しくなります。アフターサービス窓口を通じて、改修前に注意点を確認することは、保証トラブルを防ぐうえでも有効です。


維持管理の観点では、日常点検で見るべき場所を教えてもらうことも大切です。建物の管理担当者は、必ずしも建築の専門家とは限りません。雨の後に確認すべき場所、排水詰まりが起きやすい場所、換気設備の点検ポイント、結露が出やすい場所、外壁やシーリングの劣化サイン、建具の調整が必要になる兆候などを知っておくと、不具合の早期発見につながります。建築後のアフターサービスでは、専門業者による点検だけでなく、日常管理者が気づける仕組みづくりも重要です。


また、建物の利用者から寄せられる声を、次の改善につなげる視点も必要です。完成時には想定していなかった動線の混雑、収納不足、照明のまぶしさ、空調の偏り、清掃しにくい箇所、掲示物の増加、荷物の仮置きなど、使い始めてから分かる課題は多くあります。これらは保証対象の不具合ではない場合もありますが、将来の改修や運用改善に役立つ重要な情報です。アフターサービスの場で、保証対応と改善相談を分けて整理できれば、建物の価値を長く保ちやすくなります。


さらに、建築後の情報管理を現場で扱いやすくすることも重要です。紙の図面や写真だけでは、現地で位置を確認しながら記録する作業に手間がかかることがあります。点検箇所、補修履歴、写真、図面情報を現地の位置と結びつけて管理できれば、アフターサービスの説明や改修前の確認がしやすくなります。建築後の維持管理では、現場で見た情報をその場で記録し、後から関係者と共有できる仕組みがあるほど、判断の精度が高まります。


まとめ

建築後の保証とアフターサービスを確認する目的は、単に不具合が起きたときに無償で直してもらうためだけではありません。建物を安全に使い続け、利用者の不安を減らし、維持管理の手戻りを防ぎ、将来の改修や更新に備えるための実務基盤を整えることにあります。保証範囲、保証期間、無償と有償の境界、定期点検、連絡窓口、記録保管、長期的な維持管理の視点を整理しておけば、引き渡し後のトラブルに落ち着いて対応できます。


特に実務担当者にとって重要なのは、契約書や保証書を保管して終わりにしないことです。建築後の現場では、症状の発見、写真記録、図面との照合、関係者への共有、施工会社への連絡、対応完了の確認まで、複数の作業が発生します。これらを属人的に処理すると、担当者変更や時間の経過によって情報が失われます。保証とアフターサービスを実効性のあるものにするには、建物の状態を継続的に記録し、必要な情報をすぐに取り出せる形にしておくことが欠かせません。


建築後の管理では、現地の状態と記録を正確に結びつけることが大きな助けになります。点検箇所、不具合箇所、補修履歴、写真、図面情報を現場で分かりやすく整理できれば、施工会社とのやり取りや社内説明もスムーズになります。建物の保証やアフターサービスを確実に活かすためにも、引き渡し時点の書類整理だけで終わらせず、点検、補修、改修の履歴を継続的に残せる管理体制を整えておきましょう。


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