top of page

施工記録も簡単! ARヒートマップで現場データをクラウド共有

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均4分45秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

ARヒートマップとは?

従来の施工記録の課題

ARヒートマップで施工記録はこう変わる

現場データをクラウド共有するメリット

AR技術で進化する出来形管理

LRTKによる簡易測量

よくある質問


近年、土木・建設業界でも現場のデジタル化が加速しており、その中でAR(拡張現実)技術の活用が注目されています。施工現場でARを活用すれば、これまで図面や数値データだけでは把握しにくかった情報を実際の風景に重ねて直感的に可視化することが可能です。その代表的な例が、今回紹介する「ARヒートマップ」です。


ARヒートマップを使えば、現場の施工結果(出来形)の微妙なズレも見逃さず検出でき、施工記録や品質管理が飛躍的に効率化できます。また、現場で取得したデータはクラウド経由ですぐに共有できるため、遠く離れたオフィスからでも現場の状況をリアルタイムに確認可能です。


なお、こうした現場DX(デジタル化)の流れは国土交通省の i-Construction 施策とも軌を一にしており、ARヒートマップはその一翼を担う最新技術として注目されています。本記事では、ARヒートマップの仕組みとメリットを解説し、さらにスマートフォンとGNSSを組み合わせた手軽な高精度測量ツール「LRTK」も紹介します。現場DXに興味がある方はぜひ参考にしてください。


ARヒートマップとは?

ARヒートマップとは、完成した構造物や地盤を計測して得られた3次元データ(点群)と、設計データを比較し、そのズレを色で可視化したものです。具体的には、施工後の点群データと設計モデル(または基準面)の高さ方向の差分を計算し、ズレが大きい部分ほど赤やオレンジ、小さい部分は緑や青といった色分けで表示します。これにより、現場のどこが設計より高く盛り上がりすぎているか、あるいは掘り下げ不足で低くなっているかを一目で判断できます。実際、ヒートマップ上では設計より高く仕上がってしまった部分が赤やオレンジ、設計値通りの部分は緑や青で表示されるため、良好な箇所と過不足のある箇所を色の違いで直感的に判別できます。


従来は測定データを数値で見比べなければ分からなかった施工精度を、ヒートマップによって直感的に「見える化」できる点が大きな特徴です。また、このヒートマップデータをスマートフォンやタブレットのカメラ映像にAR(拡張現実)表示することで、実際の現場で実物に重ね合わせて確認できるようになります。画面上に表示された色付きのヒートマップを見ながら現地を歩くだけで、施工箇所の出来形が設計通りかどうかその場で把握できるのです。


従来の施工記録の課題

土木工事における施工記録・出来形管理の現場では、これまで主に人力による測定と紙や写真での記録が行われてきました。しかし、この従来手法にはいくつもの課題が存在しました。代表的な問題点を挙げると次の通りです。


測量作業に人手と時間がかかる: 巻尺や測量機器を使った手作業測定では、複数人での作業が必要な上、広い範囲を測るには膨大な時間と労力を要しました。現場規模が大きいほど、全箇所を十分に測定することは困難でした。

部分的な測定では見落としのリスク: 手測りではポイントごとの高さや厚さしか把握できず、測点間の細かな凹凸までは拾いきれません。結果として、測っていない箇所に設計との差異があっても気付かない恐れがありました。

写真記録や書類整理の煩雑さ: 出来形管理では施工中の写真撮影や記録簿の作成が欠かせませんが、紙の台帳に貼り付けたりデータをファイル整理したりする作業は非常に手間でした。忙しい現場では写真の撮り漏れや記録ミスが起きるケースもあり、後々トラブルにつながるリスクもあります。

設計図との照合・報告が大変: 測定結果を設計図の許容値と比較して合否判定する作業は、多くの場合現場での計算や図面への書き込みに頼っていました。点数が多いと手計算では追いつかず、報告書作成まで含めると現場技術者にとって大きな負担となっていました。


以上のように、従来の施工記録手法には「範囲に限界がある」「ヒューマンエラーが起きやすい」「記録整理に手間がかかる」といった弱点があり、現場の負担や品質リスクとなっていました。


ARヒートマップで施工記録はこう変わる

そこで登場したのがARヒートマップを活用した新しい施工記録手法です。先に挙げた課題点も、ARヒートマップの導入によって次のように解決されつつあります。


広範囲を短時間で3D計測: レーザースキャナやスマホのLiDAR機能を使えば、1人でも短時間で現場全体の詳細な3D点群データを取得できます。従来は人力では測りきれなかった広い範囲も一度にカバーでき、測量にかかる時間と人員を大幅に削減できます。また、人が立ち入れない急斜面や高所も遠隔から安全に計測でき、危険な作業を減らせます。

面的な比較で見落としを防止: 点群から作成したヒートマップは、現場を面で捉えた合否チェックを可能にします。隅々まで測定された3Dデータを使うことで、わずかな高さの違いも色で強調表示され、従来は見逃していた小さな不陸(凸凹)も検出できます。

データをクラウドで共有・保存: 測定した点群データや生成したヒートマップはクラウド上にアップロードして一元管理できます。メール添付が難しい巨大ファイルでも、クラウド経由ならURLリンクを共有するだけで関係者全員が閲覧可能です。紙の書類や写真帳を作成せずにデジタル記録を残せるため、記録整理の手間も削減されます。

誰でも直感的に結果を確認: クラウド上のヒートマップはパソコンのウェブブラウザやタブレット端末から3Dビューアで確認できます。専用ソフトは不要で、上司や発注者でもURLを開くだけで現場の出来形データを直感的に把握できます。さらにスマホを持って現場を歩けばカメラ越しにAR表示でヒートマップが重なって見えるため、測量の専門知識がない作業員でもその場で問題箇所を理解しやすくなります。

現地で即座に手直し対応: ARヒートマップを使えば、ヒートマップで判明したズレを現場で直ちに是正できます。例えば施工後に一部が盛り過ぎていると判明した場合でも、スマホ画面に映る該当箇所を見ながら必要な削削量を把握できるため、その場で削る手直し作業に着手可能です。従来はデータ分析後に改めて現地でマーキングしていた工程が不要になり、手戻りの防止につながります。


このように、ARヒートマップを取り入れたワークフローにより、施工記録の作業は迅速かつ的確になり、現場品質の向上と記録業務の効率化が両立します。取得した3Dデータとヒートマップは単なる記録に留まらず、リアルタイムで品質を改善するためのツールへと進化しつつあります。


現場データをクラウド共有するメリット

ARヒートマップの活用を支えるのが、クラウドを介した現場データ共有です。従来はUSBメモリでデータを持ち運んだり大量の図面を配布したりしていた工程も、クラウド共有に切り替えることで劇的に効率化できます。その主なメリットを整理してみましょう。


関係者がいつでも最新情報にアクセス: 現場で取得した点群データやヒートマップをクラウドにアップロードすれば、常に最新データがサーバー上に存在する状態になります。離れた支社や本社からでもインターネット経由で好きなときにアクセスして確認でき、現場に行かずともタイムリーに状況を把握可能です。

遠隔臨場で検査や打ち合わせが可能: クラウド上の3Dデータを共有すれば、発注者や上司が現場に赴かなくてもオンライン上で立会検査を行うことができます。実際、国土交通省は現場をリモートで確認する「遠隔臨場」を推進しており、クラウド共有された点群データはそうした新しい検査方式を支える技術として期待されています。

専用ソフト・高性能PCが不要: データはウェブブラウザ上で閲覧できるため、受け取る側は特殊なソフトウェアや高価なワークステーションを用意する必要がありません。現場で作業した担当者から経営層まで、URLを共有するだけで同じ3Dモデルをそれぞれの端末で手軽に見ることができます。

デジタル記録を資産として蓄積: クラウドに蓄積された出来形データは、工事完了後も価値ある情報資産となります。紙の記録では残せない詳細な3Dの現況を将来にわたって保存でき、維持管理や将来の改修計画に活用することができます。必要なときに過去の現場データをすぐ取り出せるため、長期的なDX推進の基盤にもなるでしょう。


さらに、取得した3D点群データは出来形の電子納品やBIM/CIMモデルとの連携にも有用です。紙の図面や写真だけでなく、完成した構造物の詳細な点群モデルをデータ納品すれば、竣工図書として高精度な現況を残せます。蓄積された3Dデータは将来の維持管理や改修計画でも活用可能で、施工後も価値を持ち続ける情報財産となるでしょう。


このようにクラウド共有を組み合わせることで、現場の記録データは「その場限りの報告」ではなく、リアルタイムに共有され未来にも生きる財産へと変わっていきます。測定翌日まで結果を待っていた従来と比べ、測定直後に即チェック・即共有という新しいスタイルが現場に定着しつつあります。意思決定のスピードが上がり、施工サイクル全体の効率も飛躍的に向上するでしょう。


AR技術で進化する出来形管理

ARヒートマップの登場により、出来形管理(施工後の品質検査・記録)のあり方も大きく変わろうとしています。ヒートマップそのものは合否判定の記録にとどまらず、ARで実物に重ねることで即時に手直し箇所を示す改善ツールへと進化しました。これにより、出来形管理は単なる事後記録ではなく施工中のリアルタイムな品質管理プロセスとなりつつあります。


例えば、これまで出来形検査で不合格となった箇所は、担当者が図面上で場所を確認し現地でマーキングする必要がありました。しかしARヒートマップを使えば、スマホ画面上で問題箇所の位置とズレ量が一目でわかるため、測定直後に現場で補修作業に取り掛かれます。チーム全員が同じ映像を見て共有できるので認識のズレもなく、円滑に是正が進みます。


さらに現場での仕上がりをその都度チェックしながら作業を進めることで、後になって「やり直し」や「手戻り」が発生するリスクも減ります。出来形管理の結果が即フィードバックされるサイクルができ、品質確保と生産性向上の両立が実現します。AR技術は、施工現場のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を力強く後押しするキーとなっているのです。


LRTKによる簡易測量

最後に、ARヒートマップの基盤となる3D測量を誰でも簡単に行うためのソリューションとして「LRTK」を紹介します。LRTK(エルアールティーケー)とは、東京工業大学発のベンチャー企業が開発した小型高精度GNSS受信機の製品シリーズです。スマートフォンやタブレットに装着して使うことで、専門の測量機器がなくてもセンチメートル級の測位を実現できます。最新のiPhoneやiPadに搭載されたLiDARスキャナ機能と組み合わせれば、スマホがそのまま高精度な3Dスキャナーに早変わりします。


LRTKを用いれば、これまで複数人がかりだった測量作業も1人で簡易に実施可能です。例えば、現場を歩きながらスマホ+LRTKでスキャンするだけで、高密度の点群データを短時間で取得できます。取得データはそのままクラウドにアップロードされ、自動でヒートマップの作成や共有まで完結します。重たい三脚やケーブル、特殊なソフトも不要で、現場の誰もが直感的に操作できる手軽さが特徴です。


こうしたスマホ測量デバイスの登場により、「測って・解析して・共有する」作業がすべて現場で完結できるようになりました。高価な専用機材を追加で用意する必要もなく、手持ちのスマホを活用することで低コストでの導入が可能です。実際にLRTKは自治体や建設会社など多数の現場で導入が進んでおり、測量・検査に要する時間を大幅に短縮した事例も報告されています。例えば豪雨災害後の被災地での緊急地形測量でも、スマホとLRTKさえあれば重機を投入せずに迅速な現況把握が可能でした。こうした手軽さと高精度を両立したLRTKは、現場DXの第一歩として最適なソリューションと言えるでしょう。こうした最新ツールを活用し、現場の安全性と生産性を飛躍的に高めるスマート施工に、ぜひ一歩踏み出してみてください。


よくある質問

Q. ARヒートマップを利用するにはどんな機材が必要ですか? A. スマートフォンまたはタブレットと、高精度GNSS受信機(例: LRTK)をご用意ください。さらに最新のiPhoneやiPadのようにLiDARスキャナを搭載した端末であれば、現場の3Dスキャンが一層簡単に行えます。専用のアプリをインストールし、クラウドサービスのアカウントを設定すれば、誰でもすぐにARヒートマップによる計測とデータ共有を始められます。


Q. 専門知識や特別なソフトがなくても扱えますか? A. はい、専門的な知識がなくても扱えるよう設計されています。計測からヒートマップ生成まではシステムが自動処理するため、ユーザーは画面の指示に従うだけです。生成されたヒートマップを見る際も、ブラウザでURLを開くだけで3Dモデルを確認でき、複雑なCADソフト等は不要です。現場の作業員の方でも直感的に操作・理解できるシンプルな仕組みになっています。実際、初めて使った作業員でも難なく使いこなせた例があり、教育の負担も心配いりません。


Q. 測定データの精度や公式な記録への利用に問題はありませんか? A. 精度は従来の測量機器に引けを取りません。RTK方式のGNSSにより常にセンチメートル単位の高精度測位が行われるため、出来形管理に求められる十分な精度を確保できます。また取得した点群データやヒートマップは、設計図との厳密な照合や合否判定に活用でき、公的な出来形証明の資料として提出することも可能です。国土交通省が推進するi-Construction(ICT施工)の要領にも準拠した手法であり、安心して公式な計測記録に用いることができます。


Q. 現場にインターネット環境がなくても利用できますか? A. オフライン環境でも基本的な利用は可能です。まず現場でスマホとLRTKを用いて測位・点群取得を行い、そのデータは端末内に保存しておきます。電波の届く場所に戻ってからクラウドにアップロードすれば、後で関係者と共有できます。またヒートマップデータについても、事前に端末にダウンロードしておけば現場でインターネットが無い状況でもAR表示による確認が行えます。


Q. 導入コストが心配です。従来手法に比べて費用対効果はありますか? A. スマホと小型受信機を使うARヒートマップなら、専用の大型測量機器を新規導入するよりも費用を抑えられます。初期投資が小さい上、作業効率の大幅向上によって人件費削減などの効果が期待できます。現場ごとの測量・検査時間が短縮されるため、生産性が上がり結果的にコストダウンにつながります。一度機材とシステムを整えれば複数のプロジェクトで繰り返し活用できるため、長期的に見ても十分に元が取れるでしょう。


Q. ARヒートマップはどんな場面で活用できますか? A. 道路工事や造成工事などの土木工事では、盛土・切土の出来形を確認する用途で効果を発揮します。コンクリート構造物の厚みや高さの検測、埋設管の深さ確認など幅広い検査項目にも応用可能です。また施工中だけでなく、竣工後の維持管理や災害後の現況記録など、3Dで現場の状況を比較・共有したいあらゆる場面でARヒートマップが活用されています。


Q. ドローンや地上レーザースキャナーで取得した点群データも利用できますか? A. はい、利用できます。LRTKのクラウドサービスでは外部で取得した点群データをアップロードしてヒートマップを作成できるため、ドローン写真測量や地上型レーザースキャナー(TLS)のデータもそのまま活用可能です。生成したヒートマップをスマホにダウンロードすれば、LRTK受信機が無い場合でもAR表示で現場に重ねて確認できます。既存の測量機器や設計データとの連携にも柔軟に対応しています。


Q. 設計データがない現場でもヒートマップを作れますか? A. 基準となる設計モデルや図面データがない場合でも、点群自体の高さに応じた疑似的なヒートマップを作成することは可能です。例えば地盤表面の点群しかないケースでは、その高さ分布を色分けすることで地形の起伏を視覚化できます。ただし厳密な施工誤差を分析するには、やはり設計図やBIMモデルなどの基準データを用意し、それに基づき点群との差分ヒートマップを生成する方法が望ましいでしょう。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page