top of page

盛土の体積計算方法で土留め背面の三角土量を分ける5項目

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均6分30秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

土留め構造物の背面に施工する土は、一般的な道路盛土や造成盛土のように、単純な長方形や台形だけで整理できるとは限りません。土留め壁の高さ、背面地盤の勾配、施工前地盤、計画面、基礎の張り出し、裏込め材の範囲などが組み合わさると、断面内に三角形や三角形に近い領域が生じます。


この三角形状の領域を周辺の盛土へ一括して含めると、別途計上した埋戻しや裏込め材と重複することがあります。反対に、構造物周辺を一般盛土からまとめて除外したまま、背面側の三角部を別計算で拾わなければ、計上漏れにつながります。


さらに、図面上で一つの三角形に見える範囲が、すべて同じ工種とは限りません。床掘り部の埋戻し、計画埋戻し線より上の盛土、構造物の裏込め材、排水層、基礎周辺材などが隣接している場合は、形状だけでなく数量区分も分けて整理する必要があります。


この記事では、「盛土 体積 計算 方法」を確認したい実務担当者に向けて、土留め背面の三角土量を分ける5項目を解説します。三角形の断面積、平均断面法、延長方向の変化、材料区分、控除条件を順番に確認し、計算根拠を再現できる形にまとめます。


目次

盛土の体積計算方法で三角土量を分ける理由

項目1 土留め壁と計画地盤の境界を確定する

項目2 三角形の底辺と高さの向きを統一する

項目3 延長方向の変化を区間ごとに分ける

項目4 埋戻し材と一般盛土の数量区分を分ける

項目5 控除対象となる構造物や排水層を確認する

土留め背面の三角土量を計算する実務手順

三角土量の計算例と断面変化の考え方

盛土体積の重複計上と計上漏れを防ぐ確認方法

設計数量と施工数量を比較するときの注意点

まとめ


盛土の体積計算方法で三角土量を分ける理由

土留め背面に三角形状の土量が生じる代表的な場面は、壁の背面から既設地盤や計画地盤へ勾配を付けて擦り付ける場合です。断面図では、壁背面線、施工基面、計画面、既設地盤線などに囲まれた領域が三角形や台形として表れます。


断面形状と延長が一定であれば、三角形の断面積に延長を掛けることで三角柱の体積を求められます。しかし、実際の壁高や地盤高は延長方向に変わることが多く、標準断面を全延長へそのまま適用すると、端部や擦り付け部の数量を過大または過小に算出するおそれがあります。


数量計算では、幾何学的な外形だけでなく、どの領域を盛土、埋戻し、裏込め材、排水材として扱うかを先に決めることが重要です。国土交通省の土木工事数量算出要領では、盛土を現地盤線または計画埋戻し線より上へ土砂を盛り立てる箇所として整理し、床掘りを伴う構造物築造後の土は埋戻しとして区分しています。適用する発注者の要領や特記仕様が異なる場合は、その定義を優先します。国土交通省土地政策研究所+1


三角土量を分ける目的は、図形を細かくすることそのものではありません。どの基準面からどの計画面までを、どの工種として計上したかを第三者が追跡できる状態にすることが目的です。


たとえば、一般盛土の横断面に土留め背面の三角部が含まれているにもかかわらず、その三角部を裏込め材として別途加算すれば重複します。反対に、一般盛土から構造物周辺を広く除外し、埋戻しや裏込め材の計算でもその領域を拾わなければ不足します。


そのため、盛土の体積計算方法を選ぶ前に、境界、断面形状、延長方向の変化、数量区分、控除条件の順で確認することが安全です。


項目1 土留め壁と計画地盤の境界を確定する

最初に、三角土量を囲む境界線を確定します。土留め背面では、土が実際に接する壁背面線、施工基面または掘削後の面、計画盛土面、既設地盤線、計画埋戻し線などが主な候補になります。


壁の外形線を読むときは、前面線と背面線を取り違えないようにします。壁体に勾配がある場合、壁厚が高さによって変わる場合、基礎が背面側へ張り出す場合は、盛土や埋戻しが存在する側の外形を境界にします。


壁背面に排水材、防水層、保護材、吸出し防止材などが配置される場合は、土の境界がコンクリート面と一致しないことがあります。ただし、薄い部材をすべて体積控除するとは限りません。設計図書の数量区分と控除条件を確認し、別工種として数量を求める範囲だけを分けます。


計画面についても、どの仕上がり面を採用するかを確認します。舗装がある場合は舗装表面ではなく、路床や路体の上面が盛土計算の境界となることがあります。表土、植生基盤、路盤、基礎砕石などが別工種であれば、それらの下端または上端を境界として扱います。


埋戻しを計算するときは、単純に施工前地盤と完成面の差を埋戻しと呼ばないようにします。構造物築造のために床掘りした領域へ戻す土と、計画埋戻し線より上へ新たに盛り立てる土では、数量区分が異なる場合があります。設計数量では計画床掘り線を使い、施工出来形では実測した掘削面を使うこともあるため、両者の基準面を混在させないことが必要です。


平面図、縦断図、横断図、構造図の内容が一致しない場合は、一枚の図だけで決めません。測点、標高、勾配、壁天端高、基礎高、計画幅を相互に照合し、どの図面と数値を優先したかを計算書に残します。


境界を決める際は、断面を一般盛土、埋戻し、裏込め材、排水層、構造物、既設地盤に領域分けして考えると整理しやすくなります。各領域の間に隙間がなく、重なりもない状態を作ることが、数量計算の出発点です。


項目2 三角形の底辺と高さの向きを統一する

三角形の断面積は、底辺×高さ÷2で求めます。このときの高さは、選んだ底辺に対して直角となる距離です。斜面長を水平底辺や鉛直高さの代わりに使うと、実際とは異なる断面積になります。


壁背面が鉛直で施工基面が水平なら、壁に沿う鉛直高を高さ、壁から擦り付け点までの水平距離を底辺として整理できます。たとえば、高低差が2mで、勾配が鉛直1に対して水平2なら、水平底辺は4mです。断面積は4m×2m÷2で4m²となります。


勾配表記は、設計図の定義を確認します。一般に1対2と記載されていても、図面や分野によって縦横の並びを明示しているとは限りません。高低差と水平距離のどちらが先かを、勾配記号、寸法、標高差から照合します。


斜面長しか分からない場合は、斜面長をそのまま底辺にしません。水平距離と鉛直高へ分解するか、座標から直角距離を求めます。断面図を縮尺測定するより、記載寸法や座標を優先するほうが再現性を確保しやすくなります。


壁背面が傾斜している場合や施工基面が傾いている場合、対象領域は厳密な直角三角形にならないことがあります。その場合は、長方形、三角形、台形に分割するか、頂点座標から多角形面積を求めます。見た目が三角形に近いという理由だけで、底辺×高さ÷2へ置き換えないことが大切です。


三角土量の高さを壁全体の構造高と同じにするのも危険です。壁高には、基礎上面から天端までの高さ、前面の露出高、地中部分を含む全高など、複数の意味があります。土量計算に使うのは、対象土が存在する上下境界間の高さです。


断面積を求めた後は、同じ底辺と高さを持つ長方形の半分になっているか概算で確認します。三角形の面積が対応する長方形より大きい場合は、寸法、単位、式の入力を見直します。


項目3 延長方向の変化を区間ごとに分ける

断面積が正しくても、延長方向の変化を無視すると体積は整合しません。壁高、背面勾配、既設地盤、計画幅、基礎形状、材料境界のいずれかが変わる位置では、区間分割を検討します。


断面積が区間内で一定なら、断面積×延長で体積を求められます。始点断面積をA1、終点断面積をA2、区間延長をLとする平均断面法では、体積を(A1+A2)÷2×Lで算出します。国土交通省の数量算出要領では、平均断面法または3次元モデルによる数量算出を標準としています。国土交通省土地政策研究所+1


ただし、平均断面法は、両端の断面積を直線的に平均する計算です。断面を構成する高さと底辺が同時に変わり、断面積が距離に対して曲線的に変化する場合、幾何学的な厳密体積とは一致しないことがあります。このため、平均断面法を使う場合でも、壁高や勾配の変化が大きい区間は短く分け、中間断面を追加することで近似誤差を抑えます。


区間を分ける候補は、壁形式が変わる位置、壁天端や基礎高の折れ点、背面勾配の変更点、道路幅員の変更点、取付道路や水路の交差部、裏込め材の開始点と終了点です。端部で壁高がゼロへ擦り付く場合も、標準断面をそのまま掛けず、端部断面を設けます。


平面曲線区間では、どの線の延長を使うかを統一します。道路土工では道路中心線上の距離を標準とし、半径の小さな曲線部などで不適当な場合は計算断面の図心位置の距離を使えるという整理があります。対象業務の基準線が別に定められている場合は、その線を優先します。国土交通省土地政策研究所


壁の折れ点では、隣接区間の延長を折れ点まで単純に計上すると、内角側で重複し、外角側で隙間が生じることがあります。平面形状の影響が無視できない場合は、隅角部を別領域として平面面積と高さから算出するか、3次元モデルで確認します。


区間を細かくすれば自動的に正確になるわけではありません。根拠となる標高や断面がない位置を推定だけで多数追加すると、見かけの桁数だけが増えます。形状の変化点と、信頼できる設計点または測量点を基準に分割することが重要です。


項目4 埋戻し材と一般盛土の数量区分を分ける

土留め背面の三角土量は、形状が連続していても、すべてを一般盛土として扱えるとは限りません。床掘り部へ戻す土、計画埋戻し線より上の盛土、構造物に指定された裏込め材、排水用の砕石などは、設計上の区分が異なることがあります。


埋戻しは、構造物の築造や撤去に伴って床掘りした領域を戻す作業として整理されます。土留め背面の全域を自動的に埋戻しと呼ぶのではなく、床掘り線、計画埋戻し線、構造物外形の関係から範囲を確認します。令和8年度の国土交通省数量算出要領では、埋戻工を構造物の築造または撤去後の床掘り部に適用し、土量を締固め後の土量として扱っています。国土交通省土地政策研究所+1


構造物近傍は施工幅が狭く、大型機械を使いにくいことがありますが、狭いからという理由だけで別工種へ変更するわけではありません。設計図書の施工方法区分、埋戻幅、締固めの有無、材料指定に従って整理します。


三角形状の領域を材料別に分ける場合は、元の全体断面積と、分割後の各断面積の合計を一致させます。たとえば、壁側の一定範囲を裏込め材、その外側を一般盛土とするなら、全体三角形から裏込め材の実形状を控除し、残りを一般盛土とします。


このとき、壁側の材料が必ず長方形になるとは限りません。上面が斜面で切られる場合、一定厚さの材料でも断面は台形や不整形になります。厚さ×壁高で機械的に面積を求める前に、材料の上端と下端がどこまで連続するかを確認します。


加算方式と控除方式を同じ計算内で混在させると、重複を見つけにくくなります。全体形状を先に求めて別材料を控除する方法、または最初から材料別の図形へ分割して合計する方法のどちらかへ統一します。


土量の状態も区別します。完成形状から求めた体積、掘削前の地山体積、運搬時のほぐれた体積は同じ意味ではありません。完成形状の体積から搬入台数を検討する場合は、材料試験、施工実績、適用する土量変化率など、別の根拠が必要です。


計算書には、完成後の締固め体積、地山体積、ほぐし土量など、数値が示す状態を明記します。状態の異なる数量を同じ欄で合計しないことが、設計数量と施工実績の混乱を防ぎます。


項目5 控除対象となる構造物や排水層を確認する

三角形状の外形内に構造物や別材料がある場合でも、すべてを無条件に控除するわけではありません。適用する数量算出要領には、控除対象、最小寸法、計上単位、別途算出する工種が定められていることがあります。


国土交通省の土工数量では、横断構造物などについて現地盤線以上の断面積が1m²以上となる場合に盛土量から控除し、構造物に裏込め材を使用する場合は盛土量から控除して別途数量を算出する整理が示されています。この条件を他の発注者や民間工事へそのまま適用するのではなく、当該案件の基準を確認します。国土交通省土地政策研究所+1


壁体や基礎は、最初から土量外形の境界として除外しているなら、さらに控除してはいけません。総体積を壁の外形まで含めて算出した場合だけ、構造物占有部を控除します。境界設定と控除計算を二重に行わないことが重要です。


基礎が背面側へ張り出している場合は、三角土量の下部に基礎が入り込むことがあります。断面の底辺を壁背面から測っただけでは、フーチング部分を土として含める可能性があります。基礎上面、基礎端、施工基面の位置を断面上で確認します。


排水層は、壁面に沿って一定厚さと記載されていても、壁高や上面勾配の変化により断面積が変わります。壁面が鉛直で、排水層の厚さと上下端が一定なら厚さ×高さで求められますが、上端が斜面で切られる場合は台形または多角形として計算します。


排水管や集水管のような小部材は、必ず個別控除するとは限りません。管そのものを控除するのか、管周囲の別材料を分けるのか、一定規模未満を控除しないのかは、数量算出条件に従います。外径、内径、管周囲材の範囲を独自判断で混在させないようにします。


地盤改良体も同様です。既設地盤をその場で改良する範囲は、新たに搬入して築造する盛土と同じ意味ではありません。一方、改良天端から計画面まで新たに盛り立てる部分は、盛土として算出することがあります。改良前形状、改良後天端、盛土計画面を分けて整理します。


控除計算では、総体積、各控除体積、控除後体積を段階的に残します。一つの長い式へまとめるより、断面ごとに全体面積、別材料面積、構造物面積、純土量を示したほうが、重複や符号間違いを見つけやすくなります。


土留め背面の三角土量を計算する実務手順

最初に、適用する数量算出要領、設計図書、特記仕様、数量計算条件を確認します。一般的な計算方法より、案件ごとに指定された区分、控除条件、丸め方法が優先されます。


次に、土留め壁の始点と終点だけでなく、壁高、背面勾配、材料境界、平面線形が変わる位置を抽出します。これらを区間分割の候補として、対応する測点や座標を整理します。


各区間の始点、終点、必要な中間点で断面を作成します。横断図がない位置は、平面図、縦断図、構造図の標高と寸法を組み合わせて断面を復元します。推定値を使う場合は、その根拠と補間方法を記録します。


断面上では、壁背面、基礎、施工基面、既設地盤、計画面、計画埋戻し線、材料境界、控除対象を明示します。三角形で求められる部分は底辺と高さを記録し、台形や不整形は複数図形へ分割するか、座標法で面積を求めます。


断面積が一定の区間は断面積×延長で算出します。断面積が変化する区間は平均断面法を基本とし、形状変化が大きい場合は中間断面を追加します。指定された3次元モデルによる数量算出を使う場合は、モデルの境界面、対象範囲、属性区分を断面計算と同じ考え方で設定します。


続いて、一般盛土、埋戻し、裏込め材、排水材、その他の材料へ数量を分けます。各断面で分割後の面積合計が全体外形と一致することを確認してから、延長方向の体積を集計します。


最後に、平面図で壁端部、折れ点、取付部、曲線部を確認します。断面だけでは、平面方向の擦り付けや隅角部の重複を見落とすことがあります。端部で土量がゼロになるのか、別構造物や一般盛土へ接続するのかを反映します。


計算書には、測点、区間延長、始終点断面積、中間断面積、使用した算式、材料区分、控除量、丸め前数量、最終数量を同じ順序で記録します。後から別の担当者が同じ条件で再計算できる状態を目指します。


三角土量の計算例と断面変化の考え方

最初に、断面形状が一定の例を考えます。土留め背面に、鉛直高3m、水平底辺4mの直角三角形状の盛土があり、その形状が延長20mで一定とします。


断面積は4m×3m÷2で6m²です。体積は6m²×20mで120m³となります。この計算が成立するのは、三角形の境界と延長が一定で、途中に材料境界や控除対象がない場合です。


壁側に厚さ0.3mの排水層がある場合、0.3m×3mをそのまま排水層断面積にできるとは限りません。三角形の上面が斜めなら、排水層の外側上端は壁際より低くなり、断面は長方形ではなく台形になります。排水層の実際の四隅または境界座標から面積を求め、総断面積から控除します。


次に、壁高が始点で2m、終点で4m、勾配が鉛直1に対して水平2、区間延長が20mの例を考えます。始点の水平底辺は4mで、断面積A1は4m²です。終点の水平底辺は8mで、断面積A2は16m²です。


平均断面法による体積は、(4m²+16m²)÷2×20mで200m³です。適用する数量算出条件が平均断面法を指定している場合は、この算出方法に従います。


一方、この例で壁高と水平底辺が区間内でともに直線的に変化すると仮定すると、断面積は距離に対して直線ではなく二次的に変化します。中間点の壁高は3m、水平底辺は6m、断面積Amは9m²です。プリズモイド公式で比較すると、20m÷6×(4m²+4×9m²+16m²)となり、約186.7m³です。


この差は、平均断面法が誤りという意味ではありません。設計数量は適用基準に定められた算出方法で統一する必要があります。ただし、両端断面だけで形状を代表させると近似差が生じることを理解し、変化が大きい区間では中間断面を追加することが重要です。


たとえば、20m区間の中央に断面を追加し、始点から中央、中央から終点を平均断面法で計算すると、前半は(4+9)÷2×10で65m³、後半は(9+16)÷2×10で125m³となり、合計190m³です。両端だけの200m³より、曲線的な断面積変化を細かく追えます。


区間途中に壁高5mとなる凸部がある場合は、始点2mと終点4mだけで計算してはいけません。高さ5mの位置に断面を設け、前後を別区間として計算します。壁高、底辺、材料境界のどれかが極値を持つ位置は、中間断面の候補です。


盛土体積の重複計上と計上漏れを防ぐ確認方法

重複計上を防ぐには、各計算の境界を同じ座標と標高で揃えます。一般盛土を横断全体から算出した後に土留め背面の三角部を別途加算する場合は、元の横断面に三角部が含まれていないことを確認します。


反対に、一般盛土から構造物周辺を一括して除外した場合は、埋戻し、裏込め材、排水材の計算範囲との間に隙間がないか確認します。境界線が数cmずれていても、高さと延長が大きければ数量差が累積します。


有効な検算は、全体外形と部分数量の収支確認です。断面全体を一般盛土、埋戻し、裏込め材、排水材、構造物占有部へ分け、各面積の合計が全体外形の面積と一致するか確認します。


たとえば、全体断面積が10m²で、一般盛土5m²、埋戻し3m²、排水材1m²、構造物占有部1m²なら収支は一致します。合計が9m²なら1m²の不足、11m²なら1m²の重複が疑われます。


測点体系の違いにも注意します。道路中心線の測点と壁独自の測点が併用されている場合、同じ番号が同じ位置を示すとは限りません。壁測点を道路測点や座標へ対応付け、区間延長の重複と欠落を確認します。


端部では、断面方向と平面方向の両方で土量が減少することがあります。壁高が低下するだけでなく、壁延長方向にも幅が擦り付く場合、標準断面積×端部延長では過大になります。端部断面や平面形状を追加して算出します。


単位は計算前に統一します。図面寸法がmm、標高がm、延長がmのまま混在すると、面積や体積で大きな誤差になります。断面寸法をm、断面積をm²、体積をm³へ揃えます。


丸めは、適用基準に従います。一般には途中計算で必要な桁を保持し、最終集計で所定の単位へ丸めると累積差を抑えられます。断面積を各段階で大きく丸めると、区間数が多いほど合計差が広がります。


計算結果だけでなく、計算対象を示した着色図や領域番号を残すと、収支確認が容易になります。色分けは説明手段であり、元図の線や寸法を変更しないようにします。


設計数量と施工数量を比較するときの注意点

設計数量と施工数量が一致しない場合は、まず両者が同じ対象範囲と土の状態を示しているか確認します。設計数量は計画地盤、標準断面、計画床掘り線を基に算出し、施工数量は施工前測量、掘削後測量、出来形測量を基にすることがあります。


施工前地盤が設計時の想定と異なれば、必要な盛土や埋戻しの体積も変わります。土留め背面では、地盤の不陸、施工上の余掘り、基礎施工の作業空間などにより、実際に埋めた範囲が設計断面と異なることがあります。


ただし、実際に投入した材料量がそのまま契約数量や設計変更数量になるとは限りません。施工上必要となった範囲と、契約上計上できる範囲は分けて確認します。


搬入車両の台数と積載容積から求めた量は、運搬時の状態を示します。完成形状から求めた締固め後体積と直接比較すると差が出ます。比較には、材料の密度、含水状態、締固め条件、土量変化率など、案件に応じた根拠が必要です。


出来形測量を使う場合は、壁際や狭い箇所の計測欠落を確認します。構造物の陰や接近できない部分では点が不足し、ソフトウェアが周囲の点から面を補間することがあります。補間面が壁や基礎を貫通していないか、欠測範囲をどの形状で補ったかを確認します。


設計モデルと出来形モデルを比較する場合も、座標系、標高基準、対象面、境界線、除外領域を揃えます。モデルの解像度が高くても、境界条件が異なれば数量差の原因を説明できません。


差が生じたときは、対象範囲、基準面、断面間隔、材料区分、控除条件、土の状態、測量時期、丸め方法の順で比較します。一方の数値を直ちに誤りとせず、差を構成する要因へ分解することが実務的です。


まとめ

盛土の体積計算方法で土留め背面の三角土量を分けるときは、三角形の公式だけで判断しません。最初に、壁背面、施工基面、既設地盤、計画面、計画埋戻し線を確認し、土が存在する外形を確定します。


次に、底辺と高さを直角方向の寸法として統一します。斜面長と水平距離、壁全高と土が接する高さを混同せず、直角三角形でない場合は台形や多角形として扱います。


延長方向に形状が変わる場合は、変化点で区間を分けます。平均断面法は設計数量で広く使われる方法ですが、断面積が曲線的に変化する区間では近似差が生じます。壁高や勾配の変化が大きい場所に中間断面を追加し、必要に応じて3次元モデルでも確認します。


さらに、床掘り部の埋戻し、一般盛土、裏込め材、排水材を分けます。構造物や小部材を控除するかどうかは、適用する数量算出要領や特記仕様に従い、境界で除外したものを再度控除しないようにします。


実務では、断面積と体積の結果だけでなく、使用図面、測点、区間延長、基準面、材料区分、控除条件、土の状態、丸め方法を記録することが重要です。計算範囲を再現できる資料を残せば、設計変更、施工管理、出来形確認でも数量差の原因を追いやすくなります。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page