top of page

盛土の体積計算方法を平均断面法で使う6つの基本

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均6分30秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

平均断面法とは何か

基本1 断面位置と測点間距離をそろえる

基本2 各断面の盛土面積を正しく求める

基本3 区間体積を計算して合計する

基本4 地形変化に応じて断面間隔を調整する

基本5 切土と盛土、構造物控除を分ける

基本6 土量区分と補正条件を明確にする

平均断面法による盛土体積の計算例

平均断面法で起こりやすい計算ミス

現況計測と点群データを平均断面法に生かす

まとめ


平均断面法とは何か

盛土の体積を求める方法として、道路、造成、堤防などの線状または帯状の土工で用いられるのが平均断面法です。隣り合う二つの横断面で盛土面積を求め、その平均値に断面間の延長を掛けて区間体積を算出します。区間ごとの数量を順に積み上げられるため、設計数量の算出、施工計画、出来高の確認に使いやすい方法です。


基本式は、区間体積V={断面積A1+断面積A2}÷2×区間長Lです。A1とA2を平方メートル、Lをメートルで扱えば、Vは立方メートルになります。断面が複数ある場合は、隣接する断面の組ごとに同じ式を使い、各区間の体積を合計します。


平均断面法は、断面間の立体を両端断面積の平均で代表させる近似計算です。両端の形状が似ており、断面積がなだらかに変化する区間では扱いやすい一方、中間に谷、尾根、拡幅、すり付け、構造物などがある区間では誤差が大きくなることがあります。一定間隔で機械的に断面を並べるだけでなく、現況地盤や計画形状の変化点に断面を追加することが重要です。


平均断面法で得た数値が、どの状態の土量を表すかも確認が必要です。現況面と計画面の差から求めた体積は、その二つの面と対象範囲で定義された幾何学的体積です。公共土木工事の数量算出では、工種によって地山土量、締固め後の土量、敷均し後の土量などの扱いが区分されるため、すべてを同じ状態の土量とみなしてはいけません。


また、平均断面法の式だけを正しく使っても、契約数量として正しいとは限りません。適用する数量算出要領、設計図書、特記仕様書、発注者との協議条件がある場合は、それらを優先します。断面の作り方、延長の取り方、控除の基準、端数処理を最初に確認しておくことが、後戻りを防ぐ基本です。


基本1 断面位置と測点間距離をそろえる

平均断面法の第一の基本は、断面位置と区間長の基準を統一することです。道路や堤防では、中心線や法線などの基準線に沿って測点を設定し、その測点ごとに横断面を作成します。一般的な横断面は基準線に対して直交させますが、交差部、すり付け部、構造物取付部などでは、設計上の断面方向が別に定められることがあります。断面方向を変更する場合は、平面図と計算書で位置関係を確認できるようにします。


区間長Lには、隣り合う計算断面に対応する延長を使います。道路土工では道路中心線上の距離を標準とする基準があり、半径の小さい曲線などで中心線距離が適切でない場合は、計算断面の図心位置における距離を用いる扱いがあります。河川の築堤では堤防法線の距離を標準とし、曲線部では平均距離を使う場合があります。したがって、平面上の直線距離や斜距離を任意に選ぶのではなく、対象工種に適用される基準と設計図書に合わせます。


測点0メートルと測点20メートルの断面を使う場合、中心線または指定法線上の累加距離差が20メートルであれば、区間長は20メートルです。ただし、測点名が20刻みでも、追加測点、曲線部、距離更正などにより実際の累加距離差が20メートルでないことがあります。測点名称だけで判断せず、累加距離の数値から隣接差を求めます。


測点間隔は全区間で同じである必要はありません。地形がなだらかで計画断面もほぼ一定なら、比較的広い間隔でも変化を把握しやすくなります。一方、現況地盤が急変する場所、法尻や法肩が大きく移動する場所、幅員が変わる場所、構造物の始終点、盛土高が急に変わる場所では、断面を追加して区間を分けたほうが形状を再現しやすくなります。


盛土の開始点と終了点も確認します。既存の測点では盛土面積がゼロになっていなくても、その途中で計画線と現況線が一致し、盛土が始まる位置や終わる位置が存在することがあります。この場合は、平面図、縦断図、横断図または三次元モデルから位置を確認し、必要に応じてゼロ断面を追加します。単純な比例補間だけで位置を決めると実際の地形と合わないことがあるため、補間方法と根拠を記録します。


断面データには、測点名だけでなく、累加距離、断面方向、作成日、現況測量の時点、設計面の版、座標系、高さ基準を残します。施工中は設計変更や追加測量が発生しやすく、同じ測点名でも断面形状が更新されることがあります。断面位置をそろえるとは、距離だけでなく、使用した現況面と計画面の時点まで一致させることです。


基本2 各断面の盛土面積を正しく求める

第二の基本は、各横断面における盛土面積を正しく求めることです。横断面では、計画線が現況線または計画埋戻し線より上にある領域が盛土の対象になります。計画線が現況線より下にある部分は切土です。同じ断面内に切土と盛土が共存する場合は、交点で領域を分け、切土面積と盛土面積を別々に算出します。


断面積は、三角形や台形に分割する方法、折れ点座標から多角形面積を求める方法、図面上で閉じた領域を計測する方法などで算出できます。単純な形状なら、三角形の面積=底辺×高さ÷2、台形の面積={上辺+下辺}×高さ÷2を組み合わせられます。現況地盤が不規則で折れ点が多い場合は、座標値を使って多角形として計算すると、再計算しやすくなります。


盛土面積を求めるには、対象領域を正しく閉じる必要があります。法肩、法尻、路床面、造成面、段切り面などの計画線が途中で切れていると、求積範囲が定まりません。とくに法尻と現況地盤の交点は盛土領域の外端になるため、計画法面をどこまで延長するか、施工境界をどこに置くかを統一します。


天端に横断勾配や排水勾配がある場合、水平な矩形に置き換えると断面積に差が生じます。道路の横断勾配、造成面の排水勾配、堤防天端の形状は、実際の計画線として反映します。法面に小段がある場合、段切りを行う場合、法面勾配が途中で変わる場合も、折れ点ごとに形状を作成します。


現況地盤線の作り方も計算精度に影響します。測点数が少ない横断測量では、地盤のくぼみや盛り上がりが直線で補間されます。側溝、既設道路、畦畔、法肩、法尻、河岸などの変化点を取得していないと、断面内の実形状を再現できません。小数点以下を細かく計算する前に、必要な地形変化点が測られているかを確認します。


表土除去、軟弱土の置換、地盤改良、段切りなどがある場合は、盛土の下端となる面を確認します。着工前現況面の上へ直接盛土するのか、表土除去後面や改良後面から盛土するのかで断面積は変わります。置換部への充填、構造物周辺の埋戻し、裏込め材を盛土へ含めるかどうかも、数量区分に従って分けます。


CADや点群処理ソフトで面積を求める場合も、自動計算の結果だけを採用しないことが大切です。閉合漏れ、重複線、不要な地物、単位設定の誤りがあると、数式上は正常でも面積が間違います。代表断面を手計算または別方法で照合し、面積の桁と形状が現場規模に合っているかを確認します。


基本3 区間体積を計算して合計する

第三の基本は、断面積を測点順に並べ、隣接区間の体積を一つずつ計算して合計することです。測点iの盛土面積をAi、次の測点i+1の盛土面積をAi+1、対応する区間長をLiとすると、区間体積Viは、Vi={Ai+Ai+1}÷2×Liで求められます。全体体積は、始点から終点までの各Viを合計した値です。


断面積と区間長の対応をずらさないことが重要です。測点0と測点20の断面積には、測点0から20までの延長を掛けます。次の区間では、測点20と測点40の断面積に、測点20から40までの延長を掛けます。途中に追加断面が入った場合は、元の区間を分割し、追加後の累加距離から区間長を再計算します。


単位は計算前に統一します。断面積を平方メートル、区間長をメートルで扱えば、体積は立方メートルになります。ミリメートル単位のCAD図面、メートル単位の測量座標、平方センチメートルの図上求積値などが混在すると、結果が桁違いになります。図面の作図単位と面積表示単位を確認し、換算後の値を計算書へ入力します。


端数処理は、適用基準に合わせます。途中で断面積を整数へ丸め、さらに区間体積を整数へ丸めると、区間数が多いほど丸め差が累積します。一方で、公共工事の数量計算では断面積、平均断面積、土量ごとに数位が定められている場合があります。単に最終値だけを丸めるのではなく、採用する数量算出要領の数位と計算順序を確認します。


計算書には、測点、累加距離、区間長、盛土断面積、平均断面積、区間体積、累計体積を対応させて記録します。累計値を見ると、特定区間だけ体積が急増していないかを確認できます。盛土高や幅員がほぼ一定なのに区間体積だけが大きく変わる場合は、断面積、区間長、単位、測点順序の入力を見直します。


計算後は、別の簡易方法で概算照合すると効果的です。盛土範囲の平面面積に概算の平均盛土厚を掛けた値や、三次元モデルから求めた値と比較すれば、桁違いの入力や大きな拾い漏れを発見しやすくなります。ただし、比較する二つの結果は、現況面、計画面、対象範囲、控除条件、時点をそろえなければ意味がありません。


基本4 地形変化に応じて断面間隔を調整する

第四の基本は、地形や計画形状の変化に応じて断面間隔を調整することです。平均断面法は、区間の立体を両端断面積の平均で近似します。中間部の形状を直接計算しているわけではないため、二つの断面の間で大きな膨らみやくぼみがあると、その変化を捉えられません。


断面を追加する候補は、現況地盤の勾配が変わる場所、谷底、尾根筋、盛土高が急変する場所、幅員が変わる場所、法面勾配や小段構成が変わる場所、構造物の始終点、施工境界が折れる場所です。平面図だけで判断せず、縦断図、横断図、現況点群、三次元モデルを合わせて確認します。


曲線区間では、中心線上の延長が一定でも、内側と外側で法尻の移動量が異なります。道路の拡幅部、すり付け部、ランプ部、造成地の隅角部では、断面間の形状が単純に変化しないことがあります。必要に応じて断面間隔を短くし、平面上の盛土境界と各断面の法尻位置が整合しているかを確認します。


地形変化が大きい区間では、平均断面法と三次元モデルによる数量算出を照合する方法があります。結果が近い場合でも、同じ範囲を比較しているとは限らないため、境界条件を確認します。差が大きい場合は、平均断面法の断面不足、三次元面の穴や外れ値、不要点の混入、計画面の版違いなどを切り分けます。


断面を増やせば必ず正確になるわけではありません。現況地盤線が不正確なまま断面数だけを増やすと、不正確な面積を細かく積み上げることになります。重要なのは、変化点を押さえた計測と、統一した方法による断面作成です。必要な位置へ断面を配置し、各断面の根拠を追える状態にします。


断面間隔を決めるときは、数量の目的も考慮します。概算計画の土量、発注数量、施工途中の出来高、完成後の検証では、必要な精度と利用できるデータが異なります。目的に対して過度に細かい断面を作るより、重要区間を優先して測量し、計算条件を明確にするほうが実務的です。


基本5 切土と盛土、構造物控除を分ける

第五の基本は、切土と盛土を相殺せず、構造物や別材料の控除を区分して管理することです。同じ断面内に切土部分と盛土部分がある場合、切土面積を負、盛土面積を正として単純に差し引くと、施工に必要な盛土量と発生する切土量が分からなくなります。まず切土体積と盛土体積を別々に算出し、その後に土配計画で流用可能量を検討します。


断面内で現況線と計画線が交差する場合は、交点で切土領域と盛土領域を分けます。隣り合う断面の一方が切土、もう一方が盛土になる区間では、途中に切盛境が存在します。切盛境は、平面、縦断、横断または三次元モデルから確認し、必要に応じて切土面積または盛土面積がゼロになる断面を追加します。端部面積だけの比例補間を使う場合は、地形条件に合うことを確認します。


盛土範囲に管渠、函渠、樋門、擁壁、基礎などがある場合は、適用基準に従って控除します。国土交通省の土木工事数量算出要領では、横断構造物等について現地盤線以上の断面積が1平方メートル以上となる場合は盛土量から控除し、1平方メートル未満の建造物は原則として控除しなくてよい扱いがあります。これはすべての発注者や工種へ自動的に適用されるとは限らないため、案件ごとの基準を確認します。


構造物に裏込め材を使用する場合は、盛土量から裏込め範囲を控除し、裏込め材を別数量として算出する扱いがあります。断面作成時にすでに構造物や裏込め範囲を除いているなら、集計後に同じ体積を再び控除してはいけません。控除を断面段階で行うのか、集計後に別計算するのかを決めます。


舗装、路盤、表土、植生基盤、張りコンクリート下地など、盛土上部に別材料層がある場合も区分が必要です。計画仕上がり面までを一括して盛土にすると、路盤材や表土で施工する部分まで土量へ含まれることがあります。盛土上面を路床面とするのか、造成仕上がり面とするのか、表土下面とするのかを断面図で確認します。


仮設盛土と本設盛土も分けます。工事用道路、作業ヤード、仮締切、仮置きなどの土量は、最終形に残る本設盛土と施工途中で撤去する仮設盛土では目的が異なります。施工段階ごとに基準面を設定し、設置量、撤去量、残置量、復旧量を区分します。


基本6 土量区分と補正条件を明確にする

第六の基本は、平均断面法で求めた幾何学的体積と、調達、運搬、敷均し、締固めで扱う土量を区別することです。設計断面から求めた盛土体積を、そのままダンプの運搬量や採取場の掘削量へ置き換えることはできません。土は掘削、運搬、敷均し、締固めの各段階で密度や体積が変わるためです。


国土交通省の道路・河川土工の数量算出では、掘削、土砂等運搬、整地、押土、積込、残土等処分を地山土量として扱い、路体盛土や路床盛土の土材料を締固め後の土量として扱う区分があります。ICTによる路体盛土と路床盛土も締固め後の土量とする扱いです。実務では、対象工種がどの状態の土量で計上されるかを確認してから、変化率を使います。


土量変化には、掘削によるほぐれ、締固めによる密度増加、含水状態、粒度、土質、転圧方法などが影響します。一般的な係数を無条件に流用せず、適用基準、土質試験、施工計画、過去実績などに基づいて採用値を決めます。係数の定義が、地山からほぐし土への変化なのか、地山から締固め土への変化なのかを取り違えないことも重要です。


軟弱地盤上の盛土では、沈下や地盤へのめり込みを考慮する場合があります。完成高を確保するための余盛り、施工中の沈下追随、段階盛土による追加投入があると、最終断面だけから求めた完成形体積と実際の投入量に差が生じます。沈下量の根拠、余盛りの扱い、将来撤去する部分の有無を整理します。


表土除去、床掘り、段切り、基礎掘削などで盛土前の地盤面が変わる場合は、施工段階に合わせて起算面を設定します。着工前現況面と完成面だけを比較すると、途中で掘削した空間への埋戻し量が抜けることがあります。反対に、掘削後の空間を埋戻しと盛土の両方へ含めると二重計上になります。


数量計算書には、対象範囲、現況面、計画面、断面位置、延長の基準、土量の状態、土質区分、構造物控除、裏込め区分、補正係数、端数処理を記載します。数値だけでは、設計変更時や実績比較時に同じ条件を再現できません。平均断面法は式が単純だからこそ、前提条件を文章で残すことが重要です。


平均断面法による盛土体積の計算例

ここでは、一定方向に延びる盛土を四つの横断面で計算する例を考えます。測点0メートルの盛土面積を12.4平方メートル、測点20メートルを18.6平方メートル、測点40メートルを21.0平方メートル、測点60メートルを15.2平方メートルとします。各測点間の延長は20メートルです。


測点0から20メートルまでの区間体積は、{12.4+18.6}÷2×20です。二つの断面積の合計は31.0平方メートル、平均断面積は15.5平方メートルなので、区間体積は310立方メートルです。


測点20から40メートルまでの区間体積は、{18.6+21.0}÷2×20です。平均断面積は19.8平方メートルとなり、区間体積は396立方メートルです。


測点40から60メートルまでの区間体積は、{21.0+15.2}÷2×20です。平均断面積は18.1平方メートルとなり、区間体積は362立方メートルです。


三つの区間体積を合計すると、310+396+362=1,068立方メートルです。この1,068立方メートルは、設定した四つの断面、三つの区間、指定した現況面と計画面に基づく体積です。運搬量や購入土量へ換算する場合は、土量の状態と変化率を別途確認します。


途中の測点30メートル付近に深い谷があり、測点30の盛土面積が28.0平方メートルだったとします。測点20から30までの体積は、{18.6+28.0}÷2×10=233立方メートルです。測点30から40までの体積は、{28.0+21.0}÷2×10=245立方メートルです。二つの区間の合計は478立方メートルとなり、追加前の396立方メートルより82立方メートル大きくなります。


反対に、中間部が尾根状に高く、盛土厚が薄くなる場合は、追加断面によって体積が減ることがあります。断面を増やせば体積が増えるのではなく、中間形状をより細かく反映した結果として増減します。


計算例を実案件へ適用するときは、例の端数処理をそのまま採用せず、案件の数量算出要領に従います。また、区間長がすべて20メートルとは限らないため、各測点の累加距離差を個別に確認します。


平均断面法で起こりやすい計算ミス

平均断面法で起こりやすいミスの一つは、盛土面積と切土面積の混同です。断面内で現況線と計画線が交差しているのに、二つの線に囲まれた全領域を一つの面積として扱うと、切土部分まで盛土へ含まれます。交点を明確にし、盛土領域だけを閉じて求積します。


次に多いのが、区間長の誤りです。途中に追加断面を挿入した後も元の区間長を使うと、延長が重複したり不足したりします。断面を追加、削除、移動したときは、測点の累加距離から隣接差を再計算します。


距離の基準を混在させるミスにも注意が必要です。道路中心線上の距離で計算していた区間に、平面直線距離や斜距離を混ぜると、数量の一貫性が失われます。曲線部で別の距離を採用する場合は、適用基準と採用理由を明記します。


単位ミスも重大です。図面の面積表示が平方ミリメートルや平方センチメートルなのに、平方メートルとして使うと結果が桁違いになります。CAD図面と測量座標を重ねる際に、ミリメートルとメートルが混在することもあります。


法面勾配の表現を取り違えるミスもあります。鉛直1に対して水平1.5なのか、水平1に対して鉛直1.5なのかで形状は大きく変わります。勾配表記の定義を確認し、法肩、法尻、天端幅の位置を断面図と平面図で照合します。


構造物控除の二重計上や拾い漏れも発生します。断面作成時に構造物を除外しているのに、集計後に同じ構造物体積を再度控除すると過小計上になります。反対に、断面内で土として計上し、別計算でも控除していなければ過大計上です。


設計面の版違いも大きなリスクです。平面図は最新でも横断図が変更前のままなら、幅員、勾配、計画高、構造物位置が一致しません。計算前に平面、縦断、横断、構造図、現況測量、三次元モデルの版と更新日を確認します。


最後に、数式だけを確認して断面図を見直さないことも問題です。式が正しくても、閉合漏れ、不要領域の混入、法尻の誤位置、地盤線の異常があれば結果は正しくなりません。体積が大きい区間や前後差が大きい区間から優先して、断面形状を確認します。


現況計測と点群データを平均断面法に生かす

平均断面法の精度を高めるには、現況地盤を適切な密度で取得することが重要です。従来の横断測量は、計算断面上の地形変化点を直接取得しやすい一方、測点間の地形変化を見落とすことがあります。地形が複雑な場所や施工途中の形状を繰り返し確認する場合は、点群データを併用すると追加断面を作りやすくなります。


点群から横断面を切り出す場合は、基準線、断面方向、抽出幅、地盤線の作成方法を統一します。抽出幅が広過ぎると前後の異なる地形が同じ断面へ混ざり、狭過ぎると点が不足します。点密度、地表の粗さ、計測方法に応じて条件を設定し、代表断面で妥当性を確認します。


草木、車両、資材、人、仮設物など、地盤以外の点は体積計算へ影響します。不要点を除去するときは、法面、小段、側溝、縁石など必要な形状まで消していないかを確認します。自動分類の結果だけでなく、元点群と地盤面を重ねて確認します。


施工中の土量を追う場合は、着工前、掘削後、改良後、盛土途中、完成時など、工程ごとの面を保存します。着工前面と完成面の差だけでは、途中で施工した置換、仮設盛土、撤去、埋戻しの内訳を把握できません。各時点のデータを残すことで、投入量、撤去量、残置量を説明しやすくなります。


点群や三次元モデルから体積を直接算出できる場合でも、平均断面法は区間ごとの形状を確認する手段として有効です。三次元数量を総量の照合に使い、横断面を変化位置の確認に使うことで、どこで差が生じたかを追いやすくなります。


ただし、平均断面法と三次元モデルの結果を比較するときは、現況面、計画面、境界、控除条件、計測時点をそろえます。三次元モデルのほうが常に正しい、または平均断面法のほうが契約上必ず優先されるとは限りません。適用要領、設計図書、監督職員との協議条件に従って採用方法を決めます。


追加測量が必要になったときは、推定値で断面を埋める前に、現場で変化点を再計測できるかを検討します。一つの断面不足が長い区間へ影響することがあるため、重要区間では座標と高さの確認を優先します。現場計測、点群処理、断面作成、数量計算を一つの履歴として管理することが、再現性を高めます。


まとめ

盛土の体積計算方法として平均断面法を使うときは、隣り合う断面積の平均に区間長を掛ける基本式だけでなく、断面位置、距離の基準、現況面、計画面、切盛境、構造物控除、土量の状態をそろえる必要があります。


まず基準線と測点を整理し、対象工種に定められた延長の取り方を確認します。次に、各断面で盛土領域だけを正しく閉じ、切土と盛土を分けて面積を求めます。そのうえで、隣接断面積と累加距離差を対応させ、区間体積を順に計算して合計します。


地形や計画形状が急変する場所では、谷、尾根、幅員変化、法面変化、構造物端部、切盛境へ断面を追加します。点群や三次元モデルを併用する場合は、同じ現況面、計画面、範囲、時点で比較し、差の原因を確認します。


また、盛土数量が締固め後の土量なのか、搬入時の土量なのか、地山換算した土量なのかを明確にします。土量変化率、沈下、余盛り、別材料、裏込め、仮設盛土などを一つの数値へ混ぜず、数量区分ごとに管理します。


平均断面法の信頼性は、式の複雑さではなく、変化点を適切に測り、適用基準に沿って距離と控除を整理し、計算前提を記録できるかで決まります。計算書と断面図を相互に確認し、第三者が同じ条件で再計算できる状態にしておくことが、公開前と提出前の最終確認になります。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page