top of page

盛土の体積計算方法で残土量とのつじつまを合わせる5確認

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均9分30秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

盛土量と残土量が一致しない理由を先に整理する

確認1 掘削土量と盛土量の土量区分をそろえる

確認2 流用できない土と場外搬出土を分ける

確認3 表土、構造物、埋戻しの控除を確認する

確認4 施工時点と測量範囲を一致させる

確認5 計算書と運搬記録を土量収支で照合する

盛土体積と残土量を合わせる実務手順

計算差が残るときに疑うポイント

盛土体積計算を現場管理につなげるまとめ


盛土量と残土量が一致しない理由を先に整理する

盛土の体積計算を行ったあと、掘削土の発生量から盛土への流用量を差し引けば残土量が求まると考えがちです。考え方の骨格は単純ですが、実務では土の状態、品質、利用先、集計時点、数量算出のルールがそろっていないと、正しい引き算になりません。


土には、掘削前の地山、掘削してほぐれた状態、盛土や埋戻しとして締め固めた状態があります。同じ土でも状態によって体積が変わるため、地山土量、ほぐし土量、締固め後土量を同じ数値として比較することはできません。残土量とのつじつまを確認する前に、各資料の立方メートルがどの状態を表しているかを明確にする必要があります。


国や自治体の数量算出要領では、掘削、運搬、盛土、埋戻し、残土等処分について、地山土量または締固め後土量などの扱いが項目ごとに定められていることがあります。ただし、適用する要領、契約図書、特記仕様書によって整理方法が異なる可能性があるため、一般論だけで一律に決めるのは安全ではありません。まず当該工事に適用される数量算出条件を確認します。


設計図から求める盛土体積は、計画面と施工基面の間の完成形状を対象にすることが一般的です。一方、掘削数量は地山状態、土砂等運搬や残土等処分も地山土量として整理される場合があります。埋戻しや盛土の数量が締固め後土量であれば、残土量を求める際には、定義を確認した土量変化率を用いて同じ基準へ換算しなければなりません。


運搬台数から求める数量にも注意が必要です。荷台の公称容積に台数を掛けた数字は、施工管理上の概算値にはなりますが、地山土量や出来形体積そのものではありません。積載形状、土質、含水状態、重量制限、積込みのばらつきが影響するため、運搬記録だけで残土量を確定させるのは避けます。


また、発生した土のすべてが同じ用途に流用できるわけではありません。利用可否は、土質区分、含水状態、粒度、強度、施工性、利用場所の要求性能などに基づいて判断します。掘削直後には使いにくい土でも、含水比低下、粒度調整、選別、安定処理などを行い、処理後の性状を確認することで利用可能になる場合があります。反対に、盛土本体には使えても、路床や構造物周辺には適さないことがあります。


盛土本体以外の土の行き先も見落とせません。構造物周辺の埋戻し、路床、法面の表層、仮設道路、施工ヤード、他工区への引渡しなどに現場発生土を使うと、完成盛土体積だけでは場内利用量を説明できません。残土量を合わせるには、盛土本体だけでなく、場内で土を使ったすべての用途を整理します。


さらに、数量を集計した時点が異なると、土が消えたように見えることがあります。掘削済みで仮置き中の土、盛土へ投入したが出来形測量前の土、改良中の土、他工区へ移動した土などは、期首在庫と期末在庫を含めて管理しなければ収支に現れません。


土量収支の基本は、集計期間の開始時に現場内にあった土と、期間中に発生または受け入れた土の合計が、期間中に利用または搬出した土と、期間末に現場内へ残った土の合計に対応するかを見ることです。ただし、収支表へ入れる前に、すべての数量を同じ土量状態へ換算し、対象範囲と基準日を統一します。


盛土量と残土量の差は、単純な計算ミスだけでなく、土量区分、品質区分、用途区分、測量境界、集計時点、運搬記録の性格、設計変更の反映方法などのずれから生じます。数字が合わないときに換算係数を都合よく調整すると、計上漏れや二重計上を見逃すおそれがあります。


この記事では、「盛土 体積 計算 方法」で調べている実務担当者が、設計数量、施工数量、場内利用量、場外搬出量の関係を安全に整理できるよう、五つの確認事項を順番に解説します。


確認1 掘削土量と盛土量の土量区分をそろえる

最初の確認は、掘削土量と盛土量が同じ土量状態で表されているかどうかです。ここがそろっていなければ、残土量の計算は出発点からずれます。


地山土量は、掘削前の自然な状態にある土の体積です。現況地盤と掘削計画面の差を基に、平均断面法や三次元モデルなどで算出します。ほぐし土量は、掘削後に粒子配列が変わり、空隙を含んだ状態の体積です。締固め後土量は、盛土や埋戻しとして敷き均し、所定の施工を行ったあとの体積です。


同じ千立方メートルでも、地山、ほぐし、締固め後では意味が異なります。地山状態で千立方メートルの土が発生し、完成後の盛土体積が八百立方メートルであっても、残土が二百立方メートルになるとは限りません。盛土八百立方メートルに必要な地山換算土量は、土量変化率によって変わるためです。


土量変化率の記号や定義は、適用する基準や計算書で必ず確認します。たとえば、締固め率Cを「締固め後土量を地山土量で割った値」と定義する場合、締固め後土量を地山土量へ直す計算は、締固め後土量をCで割る形になります。記号だけを見て掛け算か割り算かを決めると誤りやすいため、計算書の冒頭に定義式を明記します。


残土量を地山土量で管理する場合の考え方は、地山換算した利用量を発生地山土量から差し引くことです。盛土、埋戻し、路床、その他の場内利用を締固め後土量で持っているなら、それぞれを適用するCで地山換算します。複数の土質がある場合は、一つのCで全量を処理せず、土質や発生区間、処理条件ごとに分けます。


ほぐし率Lを「ほぐし土量を地山土量で割った値」と定義する場合、地山土量を運搬時のほぐし土量へ直すにはLを掛けます。反対に、ほぐし土量を地山土量へ戻すにはLで割ります。ここでも、実際に適用する定義を確認することが前提です。


運搬台数による数量をほぐし土量として扱う場合でも、公称荷台容積をそのまま実体積と見なさないようにします。台数換算値は、仮置き山の測量、掘削前後の面差、受入先の記録などと比較し、管理値としての妥当性を確認します。


土量変化率は、土質名だけで一意に決まるものではありません。同じ砂質土や粘性土でも、粒度、含水状態、掘削方法、混合の有無、締固め条件などによって実際の変化が異なる可能性があります。概算で標準値を使う場合でも、適用根拠と対象範囲を明記し、施工実績と大きく離れる場合は関係者と確認のうえ見直します。


現場で土質試験、試験施工、締固め管理、出来形測量などのデータが得られるなら、土量変化率の妥当性を検証できます。ただし、測量誤差、対象範囲のずれ、仮置き在庫の増減が混ざった状態で係数を逆算すると、誤差まで係数へ吸収してしまいます。係数を見直す前に、範囲、日付、用途、在庫をそろえます。


盛土材料が複数の土質で構成される場合は、発生場所と利用場所を対応させます。砂質土の区画、粘性土の区画、改良土の区画を分け、各区画の地山換算量、締固め後量、仮置き量を管理します。途中で混合した場合は、混合前の数量、添加材料、処理後の数量、利用先を記録します。


平均断面法で盛土体積を求める場合は、算出した体積が最終完成形なのか、施工中の余盛りや盛り越しを含む状態なのかを確認します。余盛りを後で切り取り、別の区画へ再利用した場合、その切取り土は新しい発生土ではありません。同じ土を再移動したものとして扱います。


重量から体積へ換算する場合も、密度の定義と含水状態を確認します。湿潤密度、乾燥密度、単位体積重量を混同すると、同じ重量から異なる体積が算出されます。重量管理は有効ですが、体積収支へ入れるときは測定条件を残します。


この確認を終えると、掘削量、盛土利用量、埋戻し利用量、場外搬出量、仮置き量を同じ土量状態で比較できます。残土量とのつじつまを合わせる第一歩は、複雑な補正式を作ることではなく、各数字の状態と定義をそろえることです。


確認2 流用できない土と場外搬出土を分ける

二つ目の確認は、発生土のうち、そのまま利用できる土、処理後に利用できる土、当該用途には利用しない土を分けているかどうかです。掘削土量が十分でも、全量を同じ盛土用途へ使えるとは限りません。


残土量の計算で起こりやすい誤りは、発生土の全量を利用可能土とみなし、掘削土量から完成盛土体積を直接差し引くことです。この方法では、土量状態の違いに加え、品質と用途の違いも反映されません。


利用可否は、設計図書、特記仕様書、発生土の土質区分、必要な試験結果、利用先の要求性能などに基づいて判断します。土質分類だけでなく、コーン指数、含水状態、粒度、最大粒径、細粒分、施工性、異物混入の有無など、適用する基準で求められる項目を確認します。


同じ現場でも、路体、路床、構造物の裏込め、埋戻し、法面表層では条件が異なる場合があります。路体へ使える土が路床には適さないこともあれば、改良や選別によって利用可能になることもあります。そのため、「良質土」と「不適土」の二分類だけでなく、予定用途と必要な処理を結び付けて管理します。


表土は、有機物や根を含み、盛土本体へそのまま用いない計画となることがあります。一方、植栽地や法面表層などへ再利用する計画も考えられます。表土を一律に残土とせず、剥ぎ取り量、仮置き量、再利用量、場外搬出量を分けます。


高含水の土や施工性の低い土も、直ちに全量が場外搬出対象になるとは限りません。水切り、天日乾燥、粒度調整、選別、安定処理などを行い、処理後の性状を確認したうえで利用する場合があります。処理の採否は、設計条件、品質、安全性、工程、環境条件、関係者との協議に基づいて決めます。


転石や大きな礫を含む土を選別する場合は、選別前の発生量、利用側へ回る土量、除去した材料の量を分けます。選別後の利用量だけを記録すると、除去分の行き先が収支から抜けます。反対に、選別前の全量と選別後の利用量を両方発生側へ加えると二重計上になります。


土質改良を行う場合は、処理前後の体積変化にも注意します。固化材などを添加すれば、土以外の材料が加わり、処理後の重量や体積が変わる可能性があります。元の発生土量と改良後材料量を同じものとして扱わず、添加材料と改良後の利用量を分けて記録します。


場外搬出土は、現場外へ実際に移動した土です。ただし、場外搬出土がすべて最終的な処分量とは限りません。他工区や再利用先へ搬出した土、外部の仮置き場所へ一時移動した土などが含まれることがあります。「残土」「搬出土」「再利用土」「処分土」といった用語の意味を工事内でそろえます。


建設工事から生じる土砂と、建設汚泥や異物が混入したものでは、法令上や管理上の扱いが異なる場合があります。土質区分だけで廃棄物該当性を判断せず、性状、発生工程、適用法令、契約条件を確認します。汚染が疑われる土についても、通常の流用土と同じ収支区分だけで処理しないようにします。


土量収支では、発生土を、直接流用土、改良後流用土、表土、選別対象土、当該用途に利用しない土、仮置き土、他工区引渡し土、場外搬出土などに分けると整理しやすくなります。流用土は、盛土本体、路床、埋戻し、裏込め、法面表層、仮設利用などの使用先も分けます。


こうして用途別に整理すると、完成盛土体積より多くの土が場内で使われた理由を説明できます。盛土本体だけを利用量として計上すると、構造物埋戻しや仮設利用へ使った土が収支から抜け、計算上の残土が過大になります。


流用可否の判定は、担当者の感覚だけに頼らず、試験結果、現場確認、適用基準、協議記録などの根拠を残します。掘削中に想定外の土質が出た場合は、発生位置、深さ、範囲、概算数量、処理方法、利用先を記録します。


仮置き場所では、土質や予定用途の異なる土を混ぜない管理が重要です。良質な土と処理が必要な土が同じ土山へ混ざると、利用可能量の再判定が難しくなります。仮置き区画ごとに、搬入元、土質、搬入日、予定用途、測量日を対応させます。


盛土の体積計算と残土量を合わせるためには、発生土量から盛土体積を直接引くのではなく、最初に利用可能性と用途を整理します。そのうえで、各用途の利用量を同じ土量状態へ換算し、未使用在庫と場外搬出量を確認します。


確認3 表土、構造物、埋戻しの控除を確認する

三つ目の確認は、盛土範囲に含まれる表土剥ぎ、構造物、別材料、埋戻しなどの扱いが、適用する数量算出ルールと一致しているかどうかです。


完成形状の外面だけで盛土体積を求めると、実際には構造物や別材料が占める部分まで盛土材として数える可能性があります。反対に、盛土本体とは別に必要な埋戻し量を計上しないと、現場で使った土の行き先が不足し、残土量が過大に見えます。


最初に確認したいのが、盛土施工前の表土剥ぎや軟弱層除去です。表土を除去してから盛土する計画なら、盛土体積を求める下側の基準面は、原則として除去後の施工基面になります。除去前の現況面をそのまま使うと、剥ぎ取り厚さに相当する必要盛土量が計算へ入らないことがあります。


表土剥ぎ量を掘削発生土へ計上しながら、盛土側では剥ぎ取り前の面を使うと、発生量は増える一方で必要盛土量が少なくなり、残土量が実態より多く見えます。剥ぎ取り範囲、厚さ、除去後の地盤面を図面と測量でそろえます。


次に、盛土範囲内の構造物を確認します。管渠、函渠、擁壁、基礎、地下構造物、排水施設などが盛土外形の中にある場合、構造物や別材料が占める空間には通常の盛土材が入りません。ただし、数量算出上の控除対象、最小寸法、断面積などは、適用する要領で定められていることがあります。


国の数量算出要領の一例では、横断構造物などについて、現地盤線以上の断面積が一定以上となる場合に盛土量から控除する扱いが示されています。したがって、現場に存在する小さな構造物をすべて自動的に控除するのではなく、当該工事の数量算出要領と契約条件を確認します。


構造物に裏込め材や選定した別材料を使う場合は、盛土量からその範囲を控除し、別材料として数量を算出する扱いが採られることがあります。盛土材と裏込め材を同じ空間へ二重に計上しないようにします。


構造物施工のために床掘りを行い、施工後に埋め戻す場合は、床掘り量、構造物体積、基礎材、裏込め材、埋戻し量を区分します。床掘りは構造物本体より広くなることがあり、その空間の一部が埋戻しになります。


残土等処分の計算では、床掘り量が地山土量、埋戻し量が締固め後土量として整理される場合があります。このとき、床掘り量から埋戻し量を単純に差し引くのではなく、埋戻し量を地山換算して差し引きます。適用するCの定義を確認し、計算書に換算過程を残します。


構造物体積を盛土から控除した一方で、埋戻し利用量を場内利用へ入れていないと、現場で使った土が残土として計算されます。逆に、盛土外形の中に埋戻し範囲を含めたまま、別途埋戻し量を全量追加すると二重計上になります。


管路周辺では、掘削断面、管本体、基礎材、管周り材料、上部埋戻しを分けます。掘削断面全体を埋戻し量とすると、管や基礎材の体積まで土として数えることになります。管周りへ購入材や別規格材を使う場合は、現場発生土の利用量へ含めません。


舗装区域では、完成路面から舗装や路盤の厚さを差し引いた土工仕上がり面を確認します。完成路面まで盛土材が入るものとして計算し、さらに路盤材料を同じ範囲へ加えると重複します。図面の計画面が路面、路床面、路体面のどれを表すかを確認します。


法面では、表土、植生基盤、保護層などが盛土本体と別材料になる場合があります。完成法面の外形に表層材が含まれているなら、盛土材との境界面を設定します。表層厚が小さくても、法面積が大きいと無視できない数量になる場合がありますが、契約上の控除や計上方法は適用要領に従います。


工種別の数量計算書を合算するときは、境界条件を確認します。土工、排水工、構造物工が別々に算出されていると、同じ床掘り、埋戻し、裏込めが複数の計算書へ含まれることがあります。計算書ごとに「どの面からどの面まで」を明記します。


控除の確認では、平面図で位置と範囲を見て、横断図で断面形状を確認し、縦断図で延長や高さ変化を確認します。三次元モデルを使う場合も、構造物面、計画面、現況面の重複や欠落を確認します。


この確認を丁寧に行うと、盛土本体、構造物、裏込め材、基礎材、埋戻し、表層材の数量を分けられます。その結果、現場発生土がどこへ使われたのかを説明しやすくなり、残土量との整合も取りやすくなります。


確認4 施工時点と測量範囲を一致させる

四つ目の確認は、比較する数量の施工時点と測量範囲が一致しているかどうかです。残土量が合わない原因として多いのが、異なる日付や異なる工区の数字を同じ収支表で比較しているケースです。


設計盛土量は、工事完成時の全体形状を対象にします。一方、月次の出来高測量は、その時点までに施工した部分だけを対象にします。場外搬出記録は日々積み上がっていても、仮置き山の測量は月末だけということもあります。


月末直前に掘削した土を仮置きし、その土山を翌月に測量した場合、当月の収支では土が消えたように見えます。反対に、前月に仮置きした土を当月の盛土へ使うと、当月だけを見れば盛土利用量が掘削発生量を上回ることがあります。どちらも期首と期末の仮置き在庫を入れれば説明できます。


土量収支では、期首仮置き量、当期発生量、当期受入量、当期利用量、当期搬出量、期末仮置き量を同じ基準で整理します。地山土量を基準とする場合は、利用量と在庫量も地山換算します。


基本式の考え方は、期首在庫と当期発生・受入の合計から、当期利用、当期搬出、期末在庫を差し引いた値が収支差になるというものです。収支差がゼロに近いことだけを見るのではなく、各項目の根拠資料と換算条件を確認します。


測量範囲も重要です。掘削数量は工区全体、盛土数量は一部区間、搬出数量は現場全体という組合せでは、数字は対応しません。工区境、測点範囲、施工区画、左右区分、高さ区分など、比較単位をそろえます。


他工区との土の受渡しがある場合は、自工区で発生した土と、他工区から受け入れた土を分けます。自工区から他工区へ渡した土も、場外搬出と混ぜず、工区間移動として記録します。工事全体の収支と工区別収支の両方を作ると、境界での抜けや重複を見つけやすくなります。


工区境では、同じ断面、同じメッシュ、同じ三角形が両工区に入っていないかを確認します。境界が重なれば二重計上になり、隙間があれば計上漏れになります。境界線の座標や測点番号を共通化します。


測量の基準日もそろえます。掘削面を測量した日と盛土面を測量した日の間に、追加掘削、崩れ、埋戻し、仮置き、降雨による形状変化などがあれば、二つの面の差にはその期間の変化が含まれます。


現況測量や出来形測量では、樹木、資材、車両、仮設物、水面などが地表面として取り込まれていないかを確認します。測れなかった範囲を補間した場合は、補間範囲と方法を記録します。補間が広いほど、土量の不確かさが大きくなる可能性があります。


平均断面法を使う場合は、現況断面と計画断面の測点、左右境界、基準高、区間距離をそろえます。平均断面法の基本は、隣り合う断面積の平均に区間延長を掛ける方法ですが、断面間で形状が急変する場所では、中間断面を追加するなどして変化を捉えます。


交差点、取り付け道路、構造物周辺、法面の変化点、工区境などは、断面間隔が広いと形状を平均化しすぎる可能性があります。平面図と横断図を照合し、断面の追加が必要かを判断します。


三次元モデルによる計算では、現況面と計画面の外周、欠測部、構造物部、ブレークライン、不要点の除去条件を確認します。現況面と計画面で外周が異なる場合は、比較する共通範囲を明確にします。


施工途中の盛土では、締固め前の敷き均し層と締固め済みの層が混在することがあります。未転圧層を完成後の盛土体積と同じ扱いにすると、後の締固めによる体積変化が収支差になります。


法面が未整形で余盛り状態にある場合も、施工途中の体積は最終完成体積と異なります。後日切り取る余盛り土は、その時点では盛土区画上に存在する在庫として整理し、別区画へ移したときに新しい発生土として重複計上しません。


各数量には、基準日、対象工区、外周境界、標高範囲、土量状態、測量方法、データ版を付けて管理します。数字だけを一覧にするのではなく、数字の条件を一緒に残します。


残土量とのつじつまは、同じ時間と同じ空間を切り取って初めて確認できます。差が出たときは、計算式を変更する前に、比較している範囲と日付が一致しているかを確認します。


確認5 計算書と運搬記録を土量収支で照合する

五つ目の確認は、設計や測量から求めた数量と、施工中の運搬記録を土量収支で照合することです。数量計算書だけでは、実際に土がどこへ動いたかを把握できません。一方、運搬台数だけでは、地山土量や完成体積を直接確定できません。


運搬記録では、搬出日、搬出元、搬入先、土質区分、車両区分、台数、積載管理の方法、伝票番号などを整理します。場外搬出だけでなく、場内運搬や工区間移動も記録すると、土の流れを追いやすくなります。


掘削場所から仮置き場へ運び、後日仮置き場から盛土区画へ運んだ場合、同じ土が二回の運搬記録に登場します。運搬量の合計は作業量を示しますが、発生土の総量ではありません。運搬回数を発生量へ加算しないようにします。


車両一台当たりの土量を設定するときは、荷台の公称容積だけで固定しないようにします。積載形状、土質、含水状態、塊状の土に生じる空隙、重量制限などにより、実際の積載体積は変動します。


運搬台数から算出した数量は、測量数量を補助する管理値として使います。掘削前後の面差、仮置き山の体積、受入先の計量・検収記録などと比較し、台数換算値が現場実績から大きく離れていないかを確認します。


重量で管理する場合は、体積へ換算する密度と含水状態を確認します。湿潤状態の重量には水分が含まれるため、同じ土でも降雨や乾燥で重量が変わります。固定密度で長期間換算すると、天候や土質変化による差が蓄積する可能性があります。


土量収支の発生側には、期首仮置き土、掘削発生土、他工区からの受入土、外部から持ち込んだ土材料などを計上します。使用・移動側には、盛土本体、路床、埋戻し、裏込め、法面表層、仮設利用、他工区への引渡し、場外搬出、期末仮置きなどを計上します。


外部から購入または受け入れた土材料がある場合は、現場発生土と混ぜずに管理します。盛土へ投入した総量だけを見ると、現場発生土がすべて流用されたように見えることがあります。材料の出所を分けることで、発生土の利用率と不足量を説明できます。


すべての数量を一つの基準へ換算して比較します。換算前の原数量、換算後の数量、使用したLまたはC、適用した土質、計算日を残します。元データを上書きせず、再計算できる状態にします。


差が出た場合は、帳尻合わせの項目を追加する前に原因を分類します。土量状態の混在、未測量の仮置き土、工区間移動、表土の別管理、構造物控除、埋戻しの換算、測量範囲、設計変更、運搬記録の漏れなどを順に確認します。


設計数量と実績数量は、現況地盤、施工条件、設計変更などによって一致しない場合があります。重要なのは、差が存在すること自体よりも、図面、測量記録、施工記録、試験結果、協議記録によって差の理由を説明できることです。


日々の管理では、運搬記録を施工と同時に残します。搬出先や土質区分が不明なまま台数だけを集計すると、月末に分類できなくなります。土質区分が確定していない場合でも、発生場所と仮区分を記録し、後で更新できるようにします。


仮置き場は、月末だけでなく、搬入や搬出によって形状が大きく変わった時点で測量すると、収支差の発生時期を絞り込みやすくなります。複数種類の土を保管する場合は、土山ごとに識別番号を付けます。


照合は工事終盤に一度だけ行うのではなく、毎週、毎月、工区完了時などの節目で更新します。工事終盤に大きな差が見つかると、過去の仮置き形状や運搬先を追跡することが難しくなります。


盛土体積と残土量のつじつまを合わせる作業は、最終精算だけのためではありません。仮置き場の容量、搬出時期、流用計画、追加材料の必要性、施工順序を見直す判断材料になります。


盛土体積と残土量を合わせる実務手順

ここまでの五つの確認を実務へ落とし込むには、資料を集める順序と収支の基準を決めます。


最初に、適用する数量算出要領、設計図、特記仕様書、数量計算書、現況測量、出来形測量、土質調査、施工計画、運搬記録、仮置き場記録、設計変更資料、協議記録をそろえます。資料ごとに作成日、改訂番号、対象範囲を確認し、旧版と最新版が混在しないようにします。


次に、収支の対象期間と対象範囲を決めます。工事全体、工区別、月別などの単位を設定し、工区境の座標や測点を明確にします。工事全体の収支と工区別の収支は別に作り、工区間移動が両方で整合するかを確認します。


土の発生場所と利用場所を工区図へ整理します。掘削箇所、盛土箇所、埋戻し箇所、仮置き場、改良場所、他工区との受渡し地点、場外搬出先を対応させます。土の移動を図面上で追えるようにすると、数量表だけでは見つけにくい行き先の抜けを確認できます。


その後、すべての数量へ土量状態を付けます。地山、ほぐし、締固め後、重量換算のどれかを明示し、収支の基準を一つに決めます。地山土量を基準にするなら、盛土や埋戻しを地山換算します。


土量変化率を使う数量には、LまたはCの定義、数値、土質、適用区間、根拠資料を記載します。標準値、試験値、実績からの検証値を混同しないようにします。


盛土体積は、完成形状だけでなく、表土剥ぎ後の施工基面、路床や路体の境界、舗装・路盤、構造物、裏込め、別材料、余盛りの扱いを確認して算出します。


平均断面法では、隣り合う断面の面積を平均し、区間延長を掛けて体積を求めます。断面形状が大きく変わる場所では、中間断面を追加します。曲線部では、適用要領に定められた距離の取り方を確認します。


広い造成区域や複雑な地形では、三次元モデルによる数量算出を使うことがあります。現況面と計画面の外周、欠測部、構造物部、ブレークライン、点群の不要点を確認します。詳細計算のあと、対象面積と平均盛土厚さから概算体積を求め、桁や範囲に不自然さがないかを確認します。


掘削土量は、盛土計算と同じ工区区分で整理します。表土、通常の掘削土、床掘り土、軟弱層除去土、選別対象土などを分けます。土質や用途が違うものを一つの数量へまとめないようにします。


流用可能量は、単純な掘削発生量ではありません。直接利用できる土、処理後に利用できる土、当該用途には利用しない土を分け、各利用先と対応させます。


期首仮置き量を確認し、他工区からの受入土や外部からの搬入土を発生側へ加えます。使用・移動側には、盛土利用、路床利用、埋戻し利用、その他の場内利用、他工区への引渡し、場外搬出、期末仮置きを計上します。


収支差が出た場合は、最初に土量状態の混在を確認します。次に集計日と範囲、続いて仮置き在庫、工区間移動、構造物控除、埋戻し換算、設計変更、運搬記録を確認します。


収支差は、体積だけでなく全体量に対する割合も見ます。ただし、一律の許容割合を設けて自動的に問題なしと判定するのは避けます。測量方法、工事規模、地形、契約条件、記録精度を踏まえて評価します。


根拠のない調整値で数字を一致させるのではなく、差の内訳と不確かさを記録します。未解明の差が残る場合は、仮置き場の再測量、境界の再確認、運搬記録の再集計など、次に行う確認を明確にします。


最後に、収支表を現場の状態と照合します。計算上の期末仮置き量が少ないのに大きな土山が残っていれば、測量漏れや区分誤りが考えられます。帳簿上は残土があるのに現場に存在しない場合は、搬出、他工区移動、盛土以外の利用を確認します。


机上の数量と現場の所在が対応して初めて、残土量の見込みを運搬計画や工程調整へ使えます。


計算差が残るときに疑うポイント

五つの確認と土量収支の整理を行っても差が残る場合は、数量算出の細部を見直します。最初に疑うのは、重複計上と計上漏れです。


同じ掘削範囲が複数の数量計算書に含まれていないか、工区境で重なっていないか、変更前と変更後の数量を両方加えていないかを確認します。


設計変更では、当初数量へ差分を加算する方法と、変更後の総数量へ置き換える方法が混在しやすくなります。各資料が差分数量か総数量かを明記します。


次に、境界線のずれを確認します。盛土範囲、掘削範囲、仮置き山、工区境の外周が少し違うだけでも、広い現場では大きな差になる可能性があります。法尻、法肩、構造物際、道路取り付け部は特に確認します。


測量データの異常も差の原因になります。資材、車両、植生、仮設物などが地表面へ含まれると、体積が過大になることがあります。水面や影で点が欠け、周囲の点から不自然に補間されると、掘削量や仮置き量がずれることがあります。


三次元モデルでは、離れた点同士が不自然につながっていないか、段差や法面の折れが正しく表現されているかを断面表示で確認します。モデルの外周外に三角形が生成されていないかも確認します。


平均断面法では、断面間で地形や施工形状が大きく変化していないかを確認します。変化が大きいのに断面間隔が広い場合、平均化による差が生じる可能性があります。


軟弱地盤上の盛土では、基礎地盤の沈下により、当初の地盤面より下へ盛土材が入り込むことがあります。設計条件や沈下管理結果を確認し、必要に応じて追加土量を別に整理します。


盛土自体の締固めや時間経過による変形も、異なる時点の測量体積へ影響します。施工直後の面と完成時の面を比較するときは、その間に行った転圧、整形、沈下、切取りを確認します。


重量記録から体積を求めている場合は、含水状態と密度を見直します。降雨後と乾燥時で同じ密度を使うと、体積換算に差が出る可能性があります。


改良土では、添加材料と処理後の体積を確認します。処理前の発生土量と、改良後材料の利用量を同じ数量として扱うと、添加分や体積変化が収支差になります。


運搬車両の一台当たり土量を一定としている場合は、積載のばらつきを確認します。代表期間について、仮置き山の実測体積や重量記録と台数を比較し、換算値の妥当性を検証します。


場内で同じ土を複数回移動した場合、運搬記録の合計は増えますが、土の総量は増えません。搬出元と搬入先を一対で記録し、各時点で土がどこに存在したかを追います。


施工中に法面や掘削面の崩れが生じ、再掘削や再盛土を行った場合も、同じ土が複数の作業記録へ現れることがあります。新たな発生量と再移動量を分けます。


小さな付着、こぼれ、選別残分など、計測しにくい差が生じることはあります。ただし、説明できない大きな差をまとめて施工ロスとするのは適切ではありません。確認可能な項目を先に洗い出し、残る差の範囲と理由を記録します。


残土量が想定より少ない場合は、盛土以外の利用先、期末在庫の測り漏れ、他工区への移動を確認します。残土量が想定より多い場合は、表土や利用しない土の増加、追加掘削、盛土形状の縮小、外部搬入土との混在を確認します。


計算差をゼロにすることだけを目的にすると、根拠のない補正が入りやすくなります。実務上重要なのは、どの程度の差があり、その原因をどの資料で説明できるかを明確にすることです。


盛土体積計算を現場管理につなげるまとめ

盛土の体積計算方法で残土量とのつじつまを合わせるには、盛土体積だけを正確に求めても不十分です。掘削土、流用土、埋戻し土、仮置き土、受入土、場外搬出土を、一つの土量収支として整理する必要があります。


最初に確認するのは、地山、ほぐし、締固め後という土量状態です。同じ立方メートルでも状態が違えば直接比較できません。適用する数量算出要領と契約図書を確認し、収支の基準を一つに決めます。


次に、発生土を、直接利用できる土、処理後に利用できる土、当該用途には利用しない土へ分けます。表土、高含水土、選別対象土などを区分し、盛土本体以外の利用先も整理します。


三つ目に、表土剥ぎ、構造物、別材料、裏込め、埋戻しの扱いを確認します。控除対象や最小寸法を自己判断で一律に決めず、適用する数量算出ルールに従います。


四つ目に、施工時点と測量範囲をそろえます。月次管理では、期首と期末の仮置き在庫を含めなければ土の収支は合いません。工区、日付、外周、標高範囲、測量方法を各数量に付けます。


五つ目に、数量計算書と運搬記録を照合します。運搬台数は土の移動作業を示す管理資料であり、発生地山土量や完成盛土体積と同じではありません。測量、在庫、搬出記録を組み合わせ、土の所在を確認します。


残土量は、掘削土量から完成盛土体積を単純に引いた数字ではありません。土の状態、品質、用途、時点、場所をそろえて初めて、施工計画に使える数量になります。


数字が合わないときは、換算条件を都合よく変更するのではなく、どの土が、いつ、どこで発生し、どこへ移動し、どの状態で計測されたかを追います。


土量収支を定期的に更新すれば、残土搬出の時期、仮置き場の容量、流用計画、追加材料の必要性を早めに判断できます。工事終盤で残土が想定以上に残る事態や、盛土材が不足して工程へ影響する事態も防ぎやすくなります。


現場では、測量結果、施工写真、運搬記録、土質情報、協議記録を、同じ位置と日時で結び付けて管理すると確認が容易になります。仮置き山や施工途中の盛土を節目ごとに計測し、机上の数量と現場の状態を照合します。


盛土の体積計算を単なる数量算出で終わらせず、土の状態と移動を継続的に管理する仕組みへつなげることが、残土量とのつじつまを安全に合わせる近道です。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page