top of page

盛土の体積計算方法で段切り最下段の未施工量を読む6確認

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均8分30秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

盛土の体積計算で段切り最下段の未施工量が問題になる理由

確認1 元地盤面と段切り後の面を区別する

確認2 最下段の設計形状と施工境界を確定する

確認3 掘削済みと盛土施工済みを分けて読む

確認4 現在の出来形面から残りの体積を求める

確認5 排水層や構造物との重複を除外する

確認6 締固め後体積と搬入土量を分ける

段切り最下段の未施工量を計算する実務手順

計算結果を検算するときの着眼点

まとめ


盛土の体積計算で段切り最下段の未施工量が問題になる理由

傾斜地に盛土を施工する場合、既設地盤と新しい盛土を安定して接続するため、地山を階段状に掘削する段切りが設けられることがあります。段切り部では、既設地盤の上にそのまま材料を積み上げるのではなく、地山側に段を形成し、その上へ盛土材料を敷きならして締め固めます。


盛土の体積計算方法を検討するとき、段切り最下段は数量差が生じやすい場所です。法尻に近く、地形の変化が大きいうえ、段切り掘削、表土除去、排水処理、地盤改良、構造物の基礎などが同じ範囲に重なる可能性があるためです。


一般的な盛土体積は、施工前の元地盤面と完成時の計画面に挟まれた空間として計算します。しかし、段切りを施工すると、元地盤面よりも低い位置まで地山を掘削する部分が発生します。その掘削部分へ盛土材料を充填する場合、施工時に扱う材料体積と、元地盤面から計画面までの設計上の盛土体積が一致しないことがあります。


さらに工事途中では、段切り最下段が掘削済みなのか、盛土材料が投入されただけなのか、敷きならしまで終わっているのか、締固めまで完了しているのかを分けて考えなければなりません。段切りが掘られているからといって、その空間が盛土施工済みとは限らないためです。


未施工量を求める目的も整理する必要があります。設計上の残数量を確認したい場合と、今後実際に施工する締固め後体積を求めたい場合とでは、下側に使用する基準面が変わることがあります。また、今後搬入する土量を求める場合には、締固め後の未施工体積を搬入時の状態へ換算する作業も必要です。


段切り最下段は、施工が進むと上段の盛土で覆われます。一度隠れた形状は、完成後に直接測定することが困難です。そのため、段切り完了時、盛土開始時、各施工層の完了時に測量と写真記録を残し、どの時点の面を体積計算に使用したのかを明確にしておくことが重要です。


盛土の体積を正しく管理するには、単に面積へ高さを掛けるのではなく、元地盤面、段切り掘削面、現在の出来形面、完成時の計画面という複数の面を区別します。そのうえで、対象範囲を平面方向と高さ方向の両方から整理することが基本となります。


確認1 元地盤面と段切り後の面を区別する

最初の確認は、体積計算で下側の基準に使用する面です。段切り部には、施工前の元地盤面、表土除去後の面、段切り掘削後の面、地盤改良後の面など、複数の地盤面が存在することがあります。


元地盤面と計画面との差から求めた体積は、一般に地形として増加する盛土部分を表します。一方、段切り掘削後の面と計画面との差から求めた体積は、段切り完了後に盛土材料で充填する空間に近い数量です。この二つは同じ意味ではありません。


例えば、施工前の斜面を階段状に掘削した場合、元地盤より下側に新たな空間が生じます。この空間を盛土材料で埋めると、実際に締め固める材料の体積は、元地盤面と計画面との差だけで求めた体積より大きくなる可能性があります。


ただし、段切りによって増えた充填体積を、設計盛土量へ無条件に追加できるとは限りません。段切り掘削と埋戻しがどの工種、どの数量区分に含まれているかは、設計図書や数量計算の前提によって異なるためです。


未施工量を求める前に、何の残数量を計算するのかを決めます。完成形として残っている盛土体積を知りたいのであれば、現在の出来形面と盛土計画面との差を求めます。段切り後に実際に施工する材料体積を知りたいのであれば、未施工区間の段切り面と盛土計画面との差も考慮します。


基準面の作成時点にも注意が必要です。施工前測量の地盤面と、段切り施工後に測量した面を同じ名称で保存すると、後からどちらを使ったのか判断できなくなります。測量日、施工段階、対象工区、使用した基準点を記録し、面の意味を明確にします。


高さの基準が一致しているかも確認します。平面位置が正しく重なっていても、使用した基準点や標高設定が違えば、地盤面全体が上下にずれます。高さのずれが数センチメートルでも、対象面積が広ければ体積差は大きくなります。


特に段切り最下段は、盛土の厚さが薄い場所から急に厚くなる場所へ移行することがあります。基準面がわずかにずれるだけでも、施工済みと未施工の境界位置が平面方向に動くため、法尻付近の体積へ影響します。


計画面についても、どの仕上がり面を使用しているかを確認します。完成地表面、路床面、路体上面、法面仕上がり面、客土下端などは、それぞれ高さが異なります。盛土の上に舗装、路盤、客土、保護材などを施工する場合、最終地表面を盛土計画面として使うと、別材料の体積まで盛土に含まれます。


盛土材の上限となる面を選び、下側の基準面との間を計算することが必要です。計画図面に複数の高さが示されている場合は、断面図と数量区分を照合し、盛土材が実際に占める範囲を確定します。


また、段切り前の元地盤面が実測ではなく、古い地形図や補間された等高線から作成されている場合もあります。測量点の少ない範囲では、実際の凹凸が面に反映されず、体積差が大きくなる可能性があります。計算結果の精度は、使用する面の精度を超えることはありません。


したがって、段切り最下段の未施工量を読む第一歩は、元地盤面、段切り掘削面、現在の出来形面、計画面を明確に分けることです。面の名称だけでなく、測量時点と施工状態を確認したうえで計算へ進みます。


確認2 最下段の設計形状と施工境界を確定する

二つ目の確認は、段切り最下段の形状と施工範囲です。段切りは立体的な形状であり、平面図だけでは段幅、段高、掘削深さ、地山との交点を十分に把握できません。


確認には、平面図、横断図、縦断図、標準断面図、施工図、設計変更図などを組み合わせます。平面図では段切りの延長と位置を確認し、横断図では段幅や段高、地山との接続形状を読みます。縦断方向に標高が変化する場合は、最下段の底面がどのようにつながっているかも確認します。


最下段の位置は、既設地盤の勾配と盛土法尻の位置によって変わります。同じ盛土区間でも、地山が急な場所では段切りが深くなり、緩い場所では浅くなることがあります。途中で地形が変化すれば、最下段の開始位置や段数も変わります。


段幅が一定として示されていても、実際の掘削断面積が一定になるとは限りません。斜面を水平に掘削する場合、地山勾配によって段の奥側の掘削深さが変わるためです。そのため、段幅と延長だけで直方体として計算すると、実形状との差が生じます。


最下段の底面が水平ではなく、排水のために勾配を設けている場合もあります。この場合、同じ断面内でも底面標高が変わります。平均高さを使った概算は可能ですが、数量を確定する際には、複数点の高さや三次元形状から体積を求める方が適切です。


施工範囲は、盛土法尻の全延長に連続しているとは限りません。既設道路、擁壁、排水路、仮設通路、岩盤露出部、構造物基礎などによって段切りが途切れることがあります。平面上の延長を一括で使用せず、形状や施工条件が変わる位置で区間を分割します。


段切りの実施範囲が設計時から変更されている場合は、その経緯も確認します。現地で軟弱部が確認され、追加掘削や段切り範囲の拡大が行われることがあります。反対に、岩盤などの条件により、計画形状どおりに施工されない場合もあります。


変更後の形状を数量へ反映するには、現場確認記録、施工前後の測量、写真、協議記録などが必要です。完成後に推定だけで追加数量を求めると、範囲や深さの根拠が弱くなります。


施工途中の未施工量を計算するときは、延長方向の施工境界も確定します。最下段の前半区間は盛土まで完了し、後半区間は段切り掘削だけが終わっているという状態もあります。この場合、横断方向だけでなく、延長方向にも施工状態を分けなければなりません。


境界位置は、目視によるおおよその位置ではなく、測点、距離標、座標、既設構造物などを利用して記録します。月ごとの出来高を計算する場合は、前回計上した範囲と今回計上する範囲の境界を一致させ、重複や抜けを防ぎます。


横断面積から体積を求める場合は、形状の変化点に横断を追加します。隣接する横断の未施工断面積をA1とA2、横断間距離をLとしたとき、区間体積は「A1とA2の平均値にLを掛けた値」として概算できます。


ただし、断面間で段切り段数が変わる場所、法尻位置が急に移動する場所、構造物が入る場所では、前後二断面だけでは形状を十分に表現できません。中間断面を追加し、区間を細かく分ける必要があります。


三次元の面を使って計算する場合も、対象範囲を囲む境界線が重要です。境界線が段切り範囲より外側へ広がれば、一般盛土や自然地盤まで計算に含まれます。内側へ入りすぎれば、最下段の端部が抜け落ちます。


自動計算された体積だけを見るのではなく、平面図と代表横断図で境界線の位置を確認します。設計形状と施工境界を確定してから体積を求めることで、段切り最下段だけの未施工量を分離しやすくなります。


確認3 掘削済みと盛土施工済みを分けて読む

三つ目の確認は、段切り掘削の進捗と盛土施工の進捗を分けることです。段切り最下段が掘削されると、地形が大きく変化するため、工事が進んだように見えます。しかし、掘削によって空間を形成しただけでは、盛土は施工されていません。


段切り掘削量は、元地盤面と掘削後の段切り面との差です。盛土施工量は、段切り面または前回の出来形面から、現在の締固め後の出来形面までの差です。この二つを一つの数量として扱うと、未施工量や出来高を正しく把握できません。


例えば、最下段を地山から掘削し、その底面に盛土材料を薄く敷いた状態を考えます。段切り掘削は完了していますが、盛土が所定の高さまで施工されたわけではありません。薄く敷かれた材料が締固め前であれば、その高さを完成した出来形面として扱うことにも注意が必要です。


施工状態は、未掘削、段切り掘削済み、基礎地盤処理済み、盛土材料の敷きならし済み、締固め済み、計画高到達済みというように段階を分けて整理します。各区分で体積計算の下側となる面が異なります。


未掘削区間では、今後段切りを施工する前提で数量を考える必要があります。段切り掘削済みで盛土未施工の区間では、段切り面から計画面までが今後の施工対象となります。盛土施工途中の区間では、現在の締固め後の面から計画面までが未施工部分です。


施工済みの判断は、写真だけで行わない方が安全です。最下段は上段の盛土や施工機械に隠れやすく、撮影方向によっては全体が施工済みに見えることがあります。写真には撮影位置、方向、日付、対象測点などを対応させます。


施工日報や作業記録も有効です。段切り掘削、地盤確認、排水処理、材料搬入、敷きならし、締固めなどの作業を時系列で確認すると、どの工程まで完了したかを判断しやすくなります。


ただし、材料の搬入記録だけで盛土施工済み体積を確定することはできません。搬入された材料が仮置きされている場合や、別の区間へ使用されている場合があるためです。搬入量は出来形を裏付ける資料として使用し、測量結果や施工範囲記録と照合します。


段切り掘削土を盛土材料として再利用する場合にも、掘削量と盛土量を単純に相殺しないことが重要です。地山の状態で掘削した体積、掘削してほぐれた体積、締め固めた後の体積は同一ではありません。


また、掘削土が盛土材料として使用できるとは限りません。含水状態や粒度、異物の混入などによっては、別の処理や搬出が必要になります。掘削量と必要盛土量が近いからといって、追加搬入が不要とは判断できません。


段切り底面に雨水や湧水による土砂が流入している場合も注意します。自然に堆積した土砂は、管理された盛土材料として施工されたものではありません。清掃や再掘削が必要になる可能性があるため、そのまま出来形面として計算に使わないようにします。


仮設通路や施工機械の走行用として土が置かれている場合もあります。仮盛土が完成断面内にあっても、所定の材料、層厚、締固め条件を満たしていない場合は、完成した盛土として扱えないことがあります。


したがって、段切り最下段の未施工量を読むときは、見た目の地形だけではなく、施工工程と品質管理の完了状況を確認します。掘削済みと盛土施工済みを明確に分けることで、残数量を過小に見積もるミスを防げます。


確認4 現在の出来形面から残りの体積を求める

四つ目の確認は、現在の出来形面と完成時の計画面との差です。段切り最下段で今後施工しなければならない盛土体積は、原則として現在の締固め後の面から、盛土材の計画上限面までの空間として求めます。


形状が単純であれば、未施工面積に平均未施工高さを掛けて概算できます。しかし、段切り部は地山側と法尻側で高さが異なり、延長方向にも変化します。一つの高さだけを使用すると、実際の未施工量との差が大きくなります。


横断図を利用する方法では、同じ断面上に計画線と現在の出来形線を重ねます。両者に囲まれた面積が、その断面における未施工断面積です。複数の横断で面積を求め、断面間距離を使って区間体積を計算します。


隣接する断面の形状変化が緩やかであれば、平均断面法による計算が実務的です。形状が大きく変わる場所では、中間断面を追加します。最下段の段数が変わる場所や、法尻が曲がる場所では、断面間隔を狭くした方が実態に近づきます。


格子状に計算する方法もあります。対象範囲を一定の区画に分け、各位置で計画高から出来形高を差し引き、その高さの差へ区画面積を掛けて合計します。この方法は、平面的に複雑な範囲を扱いやすい反面、区画の大きさや測量点の配置によって結果が変わります。


三次元の地盤面を使う場合は、計画面と出来形面の間の体積を直接求められます。ただし、入力した点や面に不要なものが含まれていると、結果も不正確になります。


施工機械、資材、仮設物、草木、堆積土、水面などが測量点として残っていると、実際の施工面より高い面が作られます。その結果、計画面までの差が小さくなり、未施工量を過小に算出する可能性があります。


反対に、段切りの奥側や構造物際で測量点が不足すると、周囲の点から面が補間されます。本来は急な段差がある場所でも、滑らかな斜面として面が作られ、体積が変わることがあります。


計算前には、三次元表示だけでなく、複数位置で横断を切って面の形状を確認します。段切りの角が保持されているか、欠測部が不自然に補間されていないか、地山側へ面が突き抜けていないかを確認します。


締固め前の敷きならし面を使用する場合も注意が必要です。材料は締固めによって沈下し、施工面の高さが下がります。締固め前の面から計画面までの差を求めると、締固め後に必要となる追加材料を見落とす可能性があります。


施工済み面として使用するのは、原則として施工管理上の締固めが完了した面です。締固め前の測量しかない場合は、その状態を明記し、完成体積の確定値として扱わないようにします。


出来形面にわだちや局所的な凹凸がある場合、どの程度まで体積へ反映するかも決めます。細かな凹凸をすべて未施工量に含めると、測量点の密度や表面状態によって数値が変動します。管理目的に応じて、平均面として扱う範囲を整理します。


計画面より出来形面が高い部分では、高さの差が負の値になります。体積計算で高い部分と低い部分を自動的に相殺すると、低い部分に必要な盛土量が過小になる可能性があります。


今後必要な盛土量を知る目的であれば、計画面より低い部分を抽出して計算し、高い部分は余盛りや仕上げ調整の対象として別に扱う方が分かりやすくなります。


また、最下段の上に複数の施工層が残っている場合、未施工高さを単なる一つの空間として見るだけでなく、残りの層数と一層当たりの施工厚へ分解すると工程計画に利用できます。施工範囲、層厚、日当たりの施工能力を組み合わせれば、残作業日数や材料搬入時期も検討できます。


確認5 排水層や構造物との重複を除外する

五つ目の確認は、段切り最下段に存在する別材料や構造物との重複です。計画面と地盤面の差をそのまま盛土体積にすると、盛土材以外のものが占める空間まで含まれる場合があります。


法尻付近には、地下排水、基礎砕石、排水管、集水部、擁壁基礎、地盤改良体、根固め材などが配置されることがあります。これらが別工種、別材料として数量管理される場合は、一般盛土材の体積から除外します。


例えば、段切り底面に排水用の砕石層を設ける場合、その空間は一般盛土材ではなく排水材料が占めます。完成地形全体の体積には含まれていても、今後必要な盛土材の体積を求める際には、排水層の体積を差し引く必要があります。


排水管がある場合は、管そのものだけを除くのか、管周囲の基礎材や被覆材を含む範囲全体を除くのかを確認します。数量区分によっては、管体積だけでなく、所定の埋戻し材料の断面全体が別工種となります。


擁壁や基礎構造物へ接続する場所では、盛土材、裏込め材、基礎材、コンクリートの境界が複雑になります。平面図だけでは高さ方向の重なりを判断しにくいため、構造図と横断図を照合します。


地盤改良を実施する場合は、改良体の範囲と施工方法を確認します。原地盤をそのまま改良する方法であれば、改良体が新たな空間を占めるわけではない場合があります。一方、軟弱土を掘削し、別材料へ置き換える方法では、置換材の体積を盛土材と分けて管理することがあります。


表土除去や不良土除去にも同様の注意が必要です。元地盤を除去した後に盛土材で埋める場合、その充填体積を一般盛土に含めるのか、基礎地盤処理として別に計上するのかを確認します。


段切り最下段では、現地確認によって余掘りが発生することもあります。軟弱部や湧水部を追加で掘削し、良質な材料で埋め戻した場合、その部分は当初の設計盛土量とは別に整理される可能性があります。


余掘り部分を追加数量として扱う場合は、掘削前後の形状と埋戻し範囲が分かる記録を残します。施工後に盛土で覆われてからでは、追加掘削の深さや範囲を確認できません。


一方、控除の二重計上にも注意が必要です。計画面や数量計算用の形状に、すでに構造物や排水層の空間が反映されている場合、その体積を計算結果からもう一度差し引くと、盛土量を過小に算出します。


使用する計画面が、完成地形全体を表す面なのか、盛土材だけの上限面なのかを確認します。名称だけでは判断せず、横断面を表示し、構造物部分がどのように表現されているかを確認することが重要です。


控除後には、数量収支を確認します。完成地形の増加体積と、一般盛土材、排水材、裏込め材、置換材などを合計した体積が大きく矛盾していないかを見ます。


段切り最下段だけの体積を求める場合でも、周辺工種との境界を整理しなければ、重複や抜けが発生します。工種ごとに境界線と上下限面を決め、同じ空間を複数の数量へ含めないことが基本です。


確認6 締固め後体積と搬入土量を分ける

六つ目の確認は、出来形から求めた未施工体積と、今後搬入する土量を区別することです。図面や測量面から求める盛土体積は、通常、完成形または締固め後の形状を基準とした体積です。


一方、運搬時の土は、掘削や積込みによってほぐれた状態です。土粒子の間の空隙が増えるため、同じ材料でも締固め後より大きな体積になることがあります。そのため、締固め後の未施工体積と搬入時の体積は、そのままでは一致しません。


段切り最下段の残数量を求めるときは、まず完成時に必要となる締固め後体積を計算します。その後、材料の性質、含水状態、運搬状態、施工方法などを踏まえて、搬入量へ換算します。


換算条件は、すべての土に共通する一定値ではありません。砂質土、粘性土、砕石質材料などでは、ほぐれ方や締まり方が異なります。同じ土質でも含水状態や締固め方法によって結果が変わります。


現場で使用する換算条件は、設計上の条件、材料試験、試験施工、施工実績などを基に設定します。根拠のない一律の係数を使用すると、搬入不足や余剰土の原因になります。


運搬車両の台数から土量を求める場合にも注意が必要です。一台当たりの積載体積は、荷台の形状、土の積み方、材料の状態によってばらつきます。車両台数は搬入管理の資料にはなりますが、締固め後の出来形体積を直接示すものではありません。


月末の出来高を確認するときは、施工済み範囲の測量や施工層記録から締固め後体積を求めます。その数値と搬入記録を換算後の状態で比較し、大きな差がないかを確認します。


現場内の切土を盛土へ流用している場合は、場外からの搬入記録だけでは盛土量を把握できません。切土から直接運搬した量、仮置き場を経由した量、場外搬入量、場外搬出量を分けて整理します。


段切り掘削で発生した土を再利用する場合も、掘削体積をそのまま盛土体積へ置き換えないようにします。地山状態、ほぐれた状態、締固め後状態の区別が必要です。


含水状態が高い材料では、運搬時の重量が増えても、締固め後に必要な土粒子量が十分とは限りません。また、施工可能な含水状態へ調整するため、仮置きや乾燥が必要になる場合もあります。


未施工量から搬入計画を作るときは、締固め後体積に換算条件を適用したうえで、施工中のロス、選別、使用不可材料なども現場条件に応じて検討します。ただし、根拠なく大きな余裕を加えると、余剰土が発生します。


段切り最下段は狭い作業範囲になることがあり、一般部より施工効率が低下する場合があります。小型の施工機械を使用する範囲や、人力で調整する構造物際では、一日当たりの施工量も一般部と異なります。


そのため、未施工体積を工程へ反映する際は、総体積だけでなく、施工範囲の幅、残りの層数、締固め方法、材料の搬入経路も確認します。数量と施工能力を分けて評価することで、現実的な搬入計画を立てやすくなります。


段切り最下段の未施工量を計算する実務手順

段切り最下段の未施工量を計算するときは、最初に計算目的を定めます。設計数量の残りを確認するのか、現時点の出来高を求めるのか、今後必要な材料搬入量を求めるのかによって、使用する面と数量の状態が変わります。


次に、対象範囲を平面上で確定します。段切り最下段の開始位置、終了位置、施工済み区間、未施工区間、構造物がある区間を分けます。境界は測点や座標など、後から再現できる方法で記録します。


その後、使用する面を整理します。施工前の元地盤面、段切り掘削後の面、現在の締固め後の出来形面、盛土材の計画上限面を区別します。それぞれの測量日と施工状態も記録します。


未掘削区間では、今後の段切り形状を設計図から読みます。段切り掘削済みで盛土未施工の区間では、実測した段切り面を使用します。盛土施工途中の区間では、現在の締固め後の面を使用します。


横断図で計算する場合は、各断面で下側の面と計画面に挟まれた面積を求めます。同じ断面内でも、施工済み部分と未施工部分が混在する場合は、境界を分けて面積を計算します。


各横断の未施工断面積が求められたら、断面間距離を使って区間体積を算出します。地形や施工状態が変化する位置では区間を分割し、中間断面を追加します。


三次元の面で計算する場合は、対象範囲を境界線で切り出します。計画面と出来形面を重ね、計画面より低い部分の体積を抽出します。計画面より高い部分は、目的に応じて別に集計します。


計算前には、不要点、欠測部、補間形状を確認します。代表的な位置で横断を切り、段切りの角、底面、地山との接続が正しく表現されているかを見ます。


基本体積を求めた後、排水層、構造物、置換材など、一般盛土材以外が占める体積を整理します。計画形状へすでに反映されているものは再度控除しません。


次に、代表断面による概算値と比較します。例えば、最下段の平均的な未施工断面積と対象延長から概算体積を求めます。三次元計算結果が概算値とかけ離れている場合は、境界線、標高、面の欠損、不要点などを再確認します。


施工済み数量と未施工数量の収支も確認します。基本的には、対象となる全体体積から施工済み体積を差し引いたものが未施工体積になります。追加掘削や構造物控除がある場合は、別項目として整理します。


締固め後の未施工体積が確定したら、必要に応じて搬入量へ換算します。換算に用いた条件と根拠を記録し、出来形体積と搬入時体積を同じ欄へ混在させないことが重要です。


計算結果には、対象工区、測量日、使用した基準面、計画面、対象境界、控除内容、数量状態を明記します。数値だけでは、後日同じ計算を再現できません。


また、段切り部は施工後に見えなくなるため、計算に使用した断面図や面データとともに、施工写真や現場確認記録を保存します。形状と施工状態を結び付けておくことで、完成時の数量照合や設計変更の説明にも利用できます。


計算結果を検算するときの着眼点

段切り最下段の未施工量を算出した後は、別の方法で妥当性を確認します。一つの計算方法だけに依存すると、基準面や境界線の設定ミスに気付きにくいためです。


まず、横断図による体積と三次元面による体積を比較します。両者が完全に一致する必要はありませんが、大きく異なる場合は原因を確認します。横断間隔が粗い、三次元面に不要点がある、境界線が違うなどの可能性があります。


次に、平均未施工高さから概算します。対象面積と平均的な高さを掛けた値が、詳細計算と大きく違わないかを見ます。概算値は確定数量には使えなくても、桁の間違いや範囲設定ミスを発見するのに役立ちます。


設計全体数量との関係も確認します。対象範囲の設計盛土量、前回までの施工済み量、今回の施工量、残量を並べ、数量収支が成立しているかを確認します。


段切り掘削による追加充填分がある場合は、元地盤面基準の設計盛土量と、段切り後の施工体積を分けます。両者を混在させると、施工済み量と残量の合計が設計数量を超えることがあります。


搬入実績との比較では、必ず体積状態をそろえます。締固め後体積と、ほぐれた状態の搬入体積を直接比較してはいけません。換算条件を適用した後に、おおむね整合するかを確認します。


施工層の記録も検算に使えます。各層の施工面積と締固め後の層厚から体積を求め、出来形測量による施工済み体積と比較します。大きな差がある場合は、施工範囲や層厚の記録を見直します。


写真と数量の対応も確認します。未施工として計算した範囲が写真では施工済みに見える場合や、その反対の場合は、撮影日と測量日の違いを調べます。異なる時点の資料を比較すると、実際には正しい計算でも矛盾して見えることがあります。


法尻位置のずれも重要な着眼点です。計画法尻と実際の施工法尻がずれている場合、段切り最下段の対象範囲が変化します。平面図上で法尻線を照合し、設計変更や施工上の調整がないかを確認します。


標高差が対象範囲全体でほぼ一定の場合は、基準点や高さ設定のずれを疑います。局所的な差ではなく、全面が一定量だけ高い、または低い場合は、施工誤差よりもデータ基準の不一致である可能性があります。


体積計算結果の小数点以下を過度に細かく扱うことも避けます。測量精度、点密度、境界線の位置による不確かさを考慮し、管理目的に適した単位へ整理します。


計算方法や端数処理を途中で変更すると、月ごとの数量が連続しなくなります。工事期間中は同じ計算条件を継続し、変更する場合は変更理由と影響を記録します。


まとめ

段切り最下段の未施工量を正しく読むには、単純に計画面と地盤面の差を求めるだけでは不十分です。元地盤面、段切り掘削後の面、現在の出来形面、完成時の計画面を区別し、数量の目的に合った面を選ぶ必要があります。


一つ目の確認は、元地盤面と段切り後の面を混同しないことです。元地盤面から求める設計上の盛土体積と、段切り後に実際に充填する施工体積は、意味が異なる場合があります。


二つ目の確認は、段切り最下段の設計形状と施工境界です。段幅、段高、地山勾配、延長方向の変化を確認し、形状が変わる位置で計算区間を分けます。


三つ目の確認は、掘削済みと盛土施工済みの区別です。段切り掘削が終わっていても、盛土材料が所定の条件で締め固められていなければ、盛土としては未施工です。


四つ目の確認は、現在の出来形面から計画面までの残体積です。横断図、格子計算、三次元面などを利用し、地山側と法尻側、延長方向の高さ変化を反映します。


五つ目の確認は、排水層、構造物、置換材などとの重複です。一般盛土材が占めない空間を除外するとともに、計画形状へ反映済みの控除を二重に差し引かないようにします。


六つ目の確認は、締固め後体積と搬入土量の区別です。測量から求めた未施工量をそのまま搬入体積として扱わず、材料と施工条件に応じた換算を行います。


計算後は、代表断面による概算、三次元面による結果、施工層の記録、搬入実績などを照合します。複数の方法で検算することで、基準面、境界線、標高、控除範囲の設定ミスを発見しやすくなります。


段切り最下段は、上段の盛土が進むと見えなくなります。掘削完了時や各施工層の完了時に、位置、高さ、施工状態を記録しておくことが、後の体積計算を確実にする方法です。


現場で図面、座標、測量結果、施工写真を一つの流れで確認できれば、最下段の施工済み範囲と未施工範囲を把握しやすくなります。段切り部の残数量をその場で確認し、次の施工や材料搬入へつなげる方法として、Phoneを活用した計測と記録も検討できます。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page