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盛土の体積計算方法で集水井まわりの巻立て土を分ける5確認

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

盛土の体積を計算するとき、集水井の周囲を一般盛土と別区分にする案件では、構造物、掘削範囲、埋戻し材、基礎材、完成盛土が近接するため、二重計上や控除漏れが起こりやすくなります。ただし、最初に押さえたいのは、集水井と集水桝は同じ構造物ではなく、巻立て土という名称も全国一律の標準用語ではないことです。


地すべり対策でいう集水井は、地下水を集水管で集めて排水するための井筒状施設を指し、比較的安定した地盤に設置する考え方が示されています。一般的な設計資料では内径3.5メートルから4.0メートル程度を標準とする例もありますが、実際の寸法や構造は設計条件ごとに確認が必要です。山梨県公式サイト+1


また、国の令和8年度土木工事数量算出要領におけるライナープレート土留工法の集水井工では、集水井掘削、コンクリート、井戸蓋、昇降用設備などを区分して算出する構成が示されており、巻立て土という土材料区分が共通項目として一律に定義されているわけではありません。したがって、本稿では、発注図書や社内数量区分で集水井周囲の特定の土材料を巻立て土と呼んでいる案件を想定します。図面にその区分がない場合は、名称だけを根拠に新しい数量項目を作らず、埋戻し土、選定土、一般盛土、砕石など、実際に示された名称へ読み替える必要があります。国土交通省土地政策研究所+1


この記事では、盛土の体積計算方法を調べている実務担当者に向けて、集水井まわりの巻立て土を一般盛土から分けるための5つの確認事項を解説します。対象は完成形の土量です。集水井の掘削量、施工中の仮置き量、運搬量、残土量は別の状態の数量として整理します。


目次

集水井まわりの盛土計算が複雑になる理由

確認1 盛土完成面と現況面の関係をそろえる

確認2 集水井本体と巻立て土の境界を決める

確認3 巻立て土の高さ方向の範囲を分ける

確認4 材料区分と施工区分を一致させる

確認5 設計体積と搬入土量を分けて管理する

集水井まわりの体積計算に使う基本式

断面法で不整形な巻立て土を拾う方法

集水井まわりの巻立て土を計算する具体例

盛土数量で起こりやすい間違いと検算方法

数量根拠を残すための図面整理と記録方法

まとめ


集水井まわりの盛土計算が複雑になる理由

一般的な盛土体積は、基準となる下側の面と計画上面に挟まれた立体として求めます。断面が一定であれば断面積に延長を掛け、不整形であれば平均断面法や三次元モデルなどを用います。ところが、集水井周囲では完成形の中に構造物や異種材料が入り、さらに施工時の掘削形状も重なるため、同じ平面範囲に複数の数量が存在します。


まず分けるべきなのは、完成後に存在する土材料の体積と、施工のために一時的に掘る体積です。集水井の地上部をオープンカットで施工する場合、掘削外周は作業空間や法面を含んで広くなることがあります。しかし、完成後にその全範囲が巻立て土になるとは限りません。埋戻し土として戻す範囲、一般盛土につながる範囲、基礎砕石となる範囲が分かれることがあります。


次に、集水井の井筒全深度を盛土内の構造物と考えないことが重要です。地すべり対策の集水井は地盤中に掘削して構築される深い井筒であり、盛土との取り合いが生じるとしても、通常は地表付近や新設盛土と交差する部分に限られます。井筒の全長にわたり、外径と掘削径の差を土で埋める円環として計算できるとは限りません。掘削工法や土留め構造によっては、井筒外周に独立した巻立て土領域を設定しないこともあります。


一方、道路排水や造成排水の小規模な構造物を対象としている場合、図面名称が集水井ではなく集水桝、マンホール、点検井などになっている可能性があります。令和8年度の数量算出要領でも、集水井工と山腹水路工の集水桝は別の項目として整理されています。構造種別が違えば、標準図、基礎形状、埋戻し範囲、控除方法も変わるため、名称の確認が計算の出発点です。国土交通省土地政策研究所+1


正確な数量計算では、完成盛土、巻立て土と呼ばれる指定土、基礎材、構造物、その他の埋戻し材を、重ならない立体として整理します。そのうえで、掘削量、運搬量、場内転用量などを別表で扱います。完成形の体積収支と施工中の土量収支を混ぜないことが、集水井まわりの計算を安定させる基本です。


確認1 盛土完成面と現況面の関係をそろえる

最初の確認は、どの上面とどの下面の間を盛土として計算するかを統一することです。盛土上面には、造成計画高、路床面、路盤下面、舗装下面、仕上げ地盤面など複数の候補があります。集水井周囲だけ別の高さを採用すると、層厚分の重複や不足が生じます。


舗装を含む完成高まで全体体積を求め、舗装や路盤を後から控除する方法と、最初から路床面までを盛土として求める方法は、範囲と控除条件が一致していれば同じ結果へ整理できます。ただし、法面部やすり付け部では各層の広がりが異なるため、単純に一定厚を全平面から引けばよいとは限りません。計算方法だけでなく、各層の外側境界もそろえる必要があります。


集水井側では、井戸蓋の天端、井筒上端、固定コンクリート、周囲の仕上げ面、盛土計画面が一致しない場合があります。盛土面より上へ突出する部分には土がありません。周囲にコンクリート舗装や砕石舗装がある場合は、その層を巻立て土へ含めません。反対に、井筒上端が低く調整部が設けられる場合は、調整部の外形と周囲材料を構造図で確認します。


下面についても、測量時の現況地盤面をそのまま使えるとは限りません。表土除去、段切り、軟弱土の置換、既設構造物撤去、集水井地上部の床掘りがある場合、完成盛土の下端は施工後の基面になります。元地盤面と施工基面を混ぜると、除去した土層を盛土として残したり、埋め戻した範囲を計上し忘れたりします。


数量計算図には、測量時現況面、表土除去後面、床掘り底、基礎材上面、盛土完成面のように、面の名称と時点を記載します。単に現況面や計画面とだけ書くより、どの工程の面かを示した方が再計算しやすくなります。


設計数量を求める場合は承認された設計面を使用し、施工途中の追加搬入量を検討する場合は直近の出来形面を使用します。目的の異なる二つの面を一つの計算に混在させないことが大切です。


確認2 集水井本体と巻立て土の境界を決める

二つ目の確認は、巻立て土の内側境界と外側境界を確定することです。内側境界は、原則として土材料が接する永久構造物の外面です。井筒外面のほかに固定コンクリート、張出し基礎、外巻き補強、保護材などがある場合は、その最外面が土領域の内側境界になることがあります。


ここで、井筒の内径と外径を混同しないようにします。内径は井内の空間寸法であり、井壁やライナープレートを含みません。完成盛土や埋戻し土から構造物占有部を控除する場合は、発注図書が数量寸法として示す外側寸法を使います。ただし、波形鋼板の細かな凹凸やボルト部分まで独自に補正するのではなく、数量算出で採用する代表径や外形寸法を図面、数量計算書、適用基準に合わせます。


外側境界は、巻立て幅として明示された線、材料区分線、標準断面のハッチ、数量計算書の寸法などから読み取ります。集水井外面から一定幅と指定されている場合は、その幅を用いて外周を設定できます。外周が円形であれば円環として扱えますが、法面、道路端、擁壁、排水路などで切られる場合は、その交差部分だけを計上します。


最も注意したいのは、床掘り線や掘削余裕幅を巻立て土外周と読み替えないことです。施工用の掘削範囲は、完成後の材料境界ではありません。掘削内に複数の材料が戻される場合もあり、全量を一種類の土として扱うと過大計上になります。


巻立て土という名称が図面にない場合は、類似名称から推測して範囲を作らない方が安全です。国の標準的な集水井工の数量項目には、集水井掘削、コンクリート、井戸蓋、昇降用設備などが示されていますが、周囲の土材料は工事ごとの設計図書で整理されることになります。埋戻し土、選定土、砕石、一般盛土のいずれに当たるかを発注図書の定義で確認します。国土交通省土地政策研究所+1


接続する集水管や排水管、固定コンクリート、静水槽などが巻立て範囲を横切る場合は、それぞれの構造物が占める領域を分けます。巻立て土全体を計算してから控除しても、断面の段階で除外しても構いませんが、同じ構造物を二度控除しないよう、計算順序を明記します。


境界線は平面図だけでなく、少なくとも代表断面でも確認します。平面では同心円に見えても、傾斜地では地表との交線が高さごとに変わります。境界を立体で確定してから計算式を選ぶことが重要です。


確認3 巻立て土の高さ方向の範囲を分ける

三つ目の確認は、巻立て土がどの標高からどの標高まで存在するかを整理することです。集水井は深い構造物である場合が多いため、地表付近で指定された埋戻しや巻立ての範囲を、井筒全深度へ延長しないことが特に重要です。


下端側には、床掘り底、基礎砕石下面、固定コンクリート下面、井筒外周の掘削開始位置など、複数の境界があります。巻立て土が基礎材上面から始まる設計であれば、基礎砕石やコンクリートの厚さを含めません。基礎外側を別の埋戻し土で戻す場合は、その部分を別区分にします。


上端側では、盛土完成面まで土が続くとは限りません。井戸蓋周囲のコンクリート、保護舗装、砕石敷き、点検スペースなどが計画されている場合、該当する層を除外します。井筒が地表面より突出する場合は、突出部周囲に土を仮定しません。


途中で外周寸法や材料が変わる場合は、その標高で立体を分割します。例えば、下部は基礎の張出しにより内側径が大きく、上部は井筒外面まで土が接する形状なら、同じ円環式を全高へ一括適用できません。下部と上部で別の内径を使います。


傾斜地では、同じ標高面でも巻立て土が存在する範囲が片側で欠けることがあります。地表面や法面と円環が交差するためです。この場合は、平均高さだけで処理せず、標高ごとの水平断面や複数の縦断面で確認します。


施工層厚と数量計算上の分割高さは同じでなくても構いません。設計数量では材料や形状が変わる標高で分け、施工管理では締固め層ごとに記録する方法があります。ただし、施工記録の累計と設計数量を比較できるよう、どの層がどの設計区分へ対応するかを残します。


高さ方向の確認では、上端と下端だけでなく、基礎形状、管路接続、材料変更、法面交差などの変化点を拾います。変化点ごとに分割すれば、複雑な立体でも計算根拠を説明しやすくなります。


確認4 材料区分と施工区分を一致させる

四つ目の確認は、体積の形状区分と材料区分を一致させることです。巻立て土、埋戻し土、選定土、良質土、砕石、フィルター材などは、似た位置に使われても目的や品質が異なる場合があります。名称だけで同じ材料と判断せず、設計図書の材料規格と施工条件を確認します。


集水井周囲では、大型締固め機械を近づけにくいため、一般盛土とは異なる施工方法が指定されることがあります。ただし、施工機械が違うだけで必ず別材料になるわけではありません。材料区分と施工区分が同じ線で分かれるのか、材料は同じで施工方法だけが異なるのかを整理します。


完成盛土全体を先に求める方法では、構造物占有部を控除し、巻立て土として振り分ける体積を一般盛土から差し引きます。完成土体積が1000立方メートルで、その内訳として巻立て土が40立方メートル含まれるなら、一般盛土960立方メートル、巻立て土40立方メートルと整理します。ただし、1000立方メートルが構造物控除前の外形体積であれば、集水井や基礎の占有体積を別途控除する必要があります。


最初から一般盛土と巻立て土を別々に求める方法もあります。この方法では重複を防ぎやすい一方、境界が複雑な場合は断面数が増えます。どちらの方法でも、一般盛土、巻立て土、その他材料、構造物占有部を合計し、外側の完成形と整合するか確認します。


接続管周囲に管基礎や保護材がある場合は、巻立て土との優先関係を確認します。管周り材料を先に計上し、その外側を巻立て土とするのか、巻立て土と同一材料として扱うのかは設計条件によります。独自判断で一つにまとめると、材料手配や出来高区分と合わなくなる可能性があります。


施工手順を時系列で追うと、区分の重複を見つけやすくなります。地上部を掘削し、基礎を施工し、井筒や付帯構造を設置し、指定材料で埋め戻し、その外側に一般盛土を施工する流れを想定します。各工程で入る材料と完成位置を対応させることで、計算上の空白や二重計上を確認できます。


確認5 設計体積と搬入土量を分けて管理する

五つ目の確認は、完成後の設計体積と運搬時の土量を同じ数値として扱わないことです。土量は、地山の状態、掘削してほぐれた状態、締め固めた状態で体積が異なります。国の積算資料でも、地山土量、ほぐした土量、締固め後の土量を分け、土質などに応じた変化率で換算する考え方が示されています。国土交通省の地図情報+1


巻立て土の設計体積が40立方メートルでも、運搬車両の積載体積を40立方メートル合計すれば完成するとは限りません。搬入量を求める場合は、採用する土量変化率、材料の密度管理、含水状態、試験施工結果、現場の運用条件などに基づいて換算します。すべての現場に使える固定の割増率はありません。


現場発生土を再利用する場合も、掘削した地山土量と完成後の締固め体積を同じ状態へ換算して比較します。場内転用、選別、含水調整、廃棄、他工区への流用がある場合は、土量収支表で区分します。


施工性のために一時的に広く敷き均し、後で整形することがありますが、その余分が完成盛土として残るのか、撤去されるのかで扱いが変わります。完成形に残らない施工余裕は、設計体積へ混ぜず施工計画上の必要量として管理します。


沈下を見込む余盛りも同様です。設計図に余盛り形状が示されていれば、その形状を対象数量へ含めます。施工者が作業上設定する余裕であれば、完成形数量とは別にします。


出来高管理では、当初設計数量、変更設計数量、出来形数量、累計搬入量を分けます。搬入量が設計体積を上回ることだけを理由に過剰投入と判断せず、状態換算と場内収支を確認します。


集水井まわりの体積計算に使う基本式

巻立て土として指定された範囲が、同心円状で高さも一定であれば、円環柱として計算できます。


巻立て土体積Vは、V=π÷4×(Dの二乗-dの二乗)×Hです。


Dは巻立て土外周の直径、dは土と接する永久構造物外面の直径、Hは巻立て土が実際に存在する有効高さです。すべての寸法をメートルでそろえれば、体積は立方メートルになります。


この式を使えるのは、外周と内周が同心円で、直径が高さ方向に変わらず、法面や他構造物で欠けていない場合です。掘削径と巻立て外径が同じであるとは限らないため、Dには設計上の材料境界寸法を使います。


外側境界が長方形で、内側に円形構造物がある場合は、V=(B×L-π×dの二乗÷4)×Hで求められます。Bは外側矩形の幅、Lは長さです。ただし、矩形の四隅すべてが巻立て土として指定されている場合に限ります。


基礎が張り出している場合は、張出し部の高さだけ内側寸法を大きくします。下層体積と上層体積を別々に求め、合計します。固定コンクリート、管路、保護材などが内部にある場合も、対象基準で控除するものを分けます。


小さな管や金物を体積から控除するかどうかは、発注者の数量算出要領や設計図書に従います。幾何学的に控除できるからといって、独自にすべてを差し引くと、設計数量との比較条件が変わることがあります。


単位換算にも注意します。図面寸法がミリメートルなら、二乗する前にメートルへ換算します。途中計算で早く丸めすぎると層別合計に差が出るため、所定の丸め規則に従い、使用した円周率、寸法、丸め位置を記録します。


断面法で不整形な巻立て土を拾う方法

巻立て土の形状が一定でない場合は、断面法で変化を追います。平均断面法では、隣接する断面積をA1とA2、断面間距離をLとすると、区間体積VをV=(A1+A2)÷2×Lとして求めます。


平均断面法は、断面間の形状変化を平均化する方法です。法面との交差や材料境界が急変する位置を長い一つの区間に含めると誤差が大きくなるため、変化点に断面を追加します。


断面は道路測点方向だけでなく、集水井中心、管路接続方向、法面勾配が変わる方向など、形状を説明できる位置に設定します。一方向の断面だけでは、片側に偏った巻立て範囲を表現できない場合があります。


各断面では、完成形全体、一般盛土、巻立て土、基礎材、構造物占有部を分けて面積表示します。平面図の材料境界を断面位置へ投影し、断面だけを見ても区分が分かるようにします。


高さ方向の水平スライスで計算する方法もあります。一定標高ごとに巻立て土の平面積を求め、上下の面積と層厚から体積を積み上げます。法面によって上部ほど面積が小さくなる形状に向いています。


三次元モデルを使う場合は、現況面、完成面、構造物外形、材料境界を別の面またはソリッドとして作成します。自動算出値であっても、入力した境界が誤っていれば結果は正しくなりません。代表断面の手計算や、外形体積との収支で検算します。


採用する算出方法は、発注者の要領、設計数量の算出条件、変更協議のルールとそろえます。高精度な独自計算であっても、比較対象と条件が違えば、その差をそのまま設計差とみなすことはできません。


集水井まわりの巻立て土を計算する具体例

ここでは、発注図書で地表付近の指定土が巻立て土と明示されていると仮定し、単純な円環形状を計算します。実際の集水井の標準寸法を示す例ではなく、計算手順を確認するための仮定です。


土と接する井筒外面の直径dを4.0メートル、巻立て土外周の直径Dを6.0メートルとします。巻立て土は同心円状で、基礎材上面から上部仕上げ下面までの有効高さHが2.5メートルとします。


円環断面積は、π÷4×(6.0の二乗-4.0の二乗)です。6.0の二乗は36.0、4.0の二乗は16.0で、その差は20.0です。したがって、円環断面積は5π、約15.71平方メートルです。


体積は、約15.71平方メートル×2.5メートルで、約39.27立方メートルです。


下部1.0メートルと上部1.5メートルで材料区分が異なる場合は、下部が約15.71立方メートル、上部が約23.56立方メートルとなり、合計は約39.27立方メートルです。合計値だけでなく、材料別の内訳を残します。


次に、下部0.4メートルの範囲に外径4.8メートルの張出し基礎があるとします。この下部では内側直径に4.8メートルを使い、V=π÷4×(6.0の二乗-4.8の二乗)×0.4で計算します。4.8の二乗は23.04であり、下部体積は約4.07立方メートルです。


残る上部2.1メートルは井筒外径4.0メートルを使い、V=π÷4×(6.0の二乗-4.0の二乗)×2.1で、約32.99立方メートルです。合計は約37.06立方メートルとなります。張出し基礎を無視した約39.27立方メートルとの差は約2.21立方メートルです。


この例でも、外周直径6.0メートルが床掘り径にすぎず、材料境界として指定されていなければ、巻立て土体積として採用できません。また、法面によって円環の一部が欠ける場合や、地表面が傾斜する場合は、この一括計算を使わず断面法へ切り替えます。


算出した約37.06立方メートルは、完成後に存在する巻立て土の体積です。運搬量へ換算する場合は、工事で採用する土量変化条件を別途適用します。


盛土数量で起こりやすい間違いと検算方法

起こりやすい間違いの一つは、集水井と集水桝を混同することです。深い井筒状の集水井と、小規模な桝構造では、数量項目も標準断面も異なります。図面名称、構造図、適用工種を最初に確認します。


二つ目は、巻立て土を標準用語だと思い込み、図面にない範囲を作ることです。巻立ては、鋼板やコンクリートなどの構造補強を指す場合もあります。土材料の名称として使うなら、発注図書で範囲と材料が定義されていることを確認します。


三つ目は、井筒の内径を構造物控除寸法へ使うことです。土が入らない範囲を求める場合は、数量計算で採用する外側寸法を用います。基礎や固定コンクリートが張り出す範囲では、井筒外径だけで全高を処理しません。


四つ目は、掘削外周を巻立て土外周と同一視することです。施工余裕や掘削法面を含む範囲が、そのまま完成材料範囲になるとは限りません。


五つ目は、巻立て土を別項目で加算しながら、一般盛土から振り替えないことです。完成盛土全体に巻立て範囲が含まれているなら、一般盛土から同量を差し引きます。


反対に、構造物体積を二重に控除する誤りもあります。全体盛土から一度控除した構造物を、巻立て土の内側控除として計算した後、さらに全体から引かないようにします。各数値が控除前か控除後かを計算表に表示します。


六つ目は、巻立て範囲を井筒全深度へ延長することです。地表付近だけの埋戻し区分であれば、その有効高さだけを計上します。


七つ目は、完成体積と搬入量を直接比較することです。地山、ほぐし、締固め後の状態をそろえてから土量収支を確認します。


検算では、まず各断面で面積収支を確認します。完成形全体の面積が、一般盛土、巻立て土、その他材料、構造物占有部の合計と一致するかを見ます。


次に、区間ごとの体積収支を確認します。一般盛土、巻立て土、基礎材、構造物占有部を合計し、外側完成形の体積と整合するかを確認します。重複があれば合計が大きくなり、抜けがあれば小さくなります。


単純形状の部分では、平面積×高さによる概算と断面法の結果を比較します。大きく違う場合は、単位、半径と直径、断面間距離、法面控除、標高差を見直します。


最後に、図面番号と改訂番号を確認します。位置、径、天端高、基礎形状、材料境界の変更が数量表へ反映されているかを照合します。


数量根拠を残すための図面整理と記録方法

数量根拠は、計算結果だけでなく、境界をどう解釈したかまで残します。後から変更や出来高確認が生じたとき、数値だけでは差の原因を追えないためです。


平面図には、井筒外面、基礎外形、巻立て土外周、一般盛土との境界、床掘り線、接続管、近接構造物を区別して示します。床掘り線と完成材料境界は線種や注記を変えます。


断面図には、現況面、施工基面、基礎材、巻立て土の上下端、盛土完成面、法面を示します。高さだけでなく上端標高と下端標高を併記すると、地形変更時にも確認しやすくなります。


数量計算書には、対象構造物名、図面番号、改訂番号、使用寸法、計算式、控除対象、単位、丸め方法、数量状態を記載します。数量状態とは、完成後の締固め体積、地山土量、ほぐし土量などの区別です。


設計変更では、変更前数量を上書きせず、変更前、変更後、増減を残します。巻立て幅、材料、基礎径、天端高、接続管の変更が、どの計算区分へ影響したかを記録します。


現場測量を使う場合は、測量日と施工段階を記載します。集水井設置前、基礎施工後、埋戻し途中、完成後では測定対象面が異なります。測量データ名だけでなく、どの面を取得したかを明示します。


写真は、完成後に見えなくなる材料境界や基礎形状の補助記録として有効です。ただし、写真だけで体積を決めず、測量値、出来形図、設計寸法と組み合わせます。


三次元計測を利用する場合も、安全に取得できる地表部や完成面を対象とし、集水井内部への立入りや計測は施設管理者の手順と安全管理に従います。取得した点群や面データには、座標系、基準高、取得日、対象面を記録します。


まとめ

集水井まわりの巻立て土を分けるときは、最初に構造物の名称と数量区分を確認します。集水井と集水桝は別の構造物であり、巻立て土も全国一律の標準項目ではありません。発注図書で土材料として定義されている場合に、その範囲を計算対象とします。


次に、盛土完成面と施工基面をそろえ、永久構造物外面、巻立て土外周、高さ方向の材料境界を確定します。床掘り線や施工余裕幅を完成材料境界として扱わず、井筒全深度へ安易に延長しないことが重要です。


単純な同心円形状であれば、円環面積に有効高さを掛けて体積を求められます。法面、傾斜地、張出し基礎、管路接続などで形状が変わる場合は、変化点で分割し、断面法や三次元モデルを使います。


一般盛土、巻立て土、その他材料、構造物占有部の体積収支を確認すれば、二重計上や控除漏れを見つけやすくなります。設計体積と搬入土量は状態が異なるため、土量変化条件を用いて別管理します。


最終的には、平面図、断面図、数量計算書、測量記録を同じ境界条件でそろえることが、盛土の体積計算方法を安全に運用する近道です。


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