top of page

盛土の体積計算方法でボックス頂版上の被り土を分ける6項目

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均8分15秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

盛土の体積計算でボックス頂版上を分ける理由

1項目目:被り土の上下境界を図面で確定する

2項目目:盛土と構造物周辺の埋戻しを区分する

3項目目:材料区分と施工層を整理する

4項目目:横断面ごとの被り土面積を求める

5項目目:縦断方向の変化を反映して体積を計算する

6項目目:控除範囲と二重計上を照合する

ボックス頂版上の被り土を計算する実務例

設計数量と施工数量が一致しない主な原因

計算書と図面に残しておきたい情報

盛土の体積計算を効率化するための確認手順

まとめ


盛土の体積計算でボックス頂版上を分ける理由

道路や造成工事の盛土区間にボックスカルバートなどの函渠構造物が設けられている場合、計画面と現地盤面の間を一つの盛土領域として計算するだけでは、構造物本体や別工種の材料を土として含めたり、埋戻し数量と重複させたりするおそれがあります。特に確認が必要なのが、ボックス頂版の上に施工される土の範囲です。


本稿では便宜上、頂版上に位置し、土工数量として整理する必要がある土の領域を「被り土」と表現します。ただし、土被りという用語が示す高さの基準や、頂版上の土をどの工種に計上するかは、発注者の数量算出条件、設計図書、特記仕様書、施工区分によって異なります。構造物の上に土があるという理由だけで、一律に盛土から除外したり、全量を構造物の埋戻しとして扱ったりすることはできません。


盛土の体積計算方法を検討するときは、計算対象となる空間だけでなく、その空間に施工される材料、仕上がり面、施工方法、契約上の数量区分をそろえて確認します。同じ位置の土であっても、路体盛土、路床盛土、構造物周辺の埋戻し、選定材、保護層、置換材などに分けて計上される場合があるためです。


また、ボックスの頂版上では、横断方向に構造物の幅があり、縦断方向には起点側、中央部、終点側で被り厚が変化することがあります。道路の縦断形状とボックスの設置勾配が異なる場合、頂版上の高さ差は一定になりません。道路が曲線区間にある場合や片勾配のすり付け区間にある場合には、同一断面内でも左右の被り厚が異なる可能性があります。


このため、ボックス頂版上の土量を分ける際は、平面図、縦断図、横断図、構造一般図、土工定規図、舗装構成図、数量計算書などを横断的に確認します。配筋図は頂版外形や張出し、ハンチなどを確認する補助資料になりますが、数量境界は数量算出条件と構造一般図を優先して判断します。図面ごとの数値を個別に拾うのではなく、どの線を計算上の境界にするかを統一してから断面積と体積を求めることが重要です。


以下では、実務で確認したい内容を6項目に分け、計算境界の決め方から二重計上の防止まで順番に解説します。


1項目目:被り土の上下境界を図面で確定する

最初に確認するのは、計算対象とする土の下端と上端です。ここが曖昧なまま計算を始めると、断面積の計算自体が正しくても、対象範囲が設計数量の区分と一致しない可能性があります。


下端の候補はボックスの頂版天端ですが、頂版上に防水層、保護コンクリート、排水材、敷砂、砕石、選定材などが設けられている場合は、それぞれの材料の上下面を確認しなければなりません。土として算出する範囲の下端が頂版天端なのか、保護層の上面なのかは、設計上の材料構成と数量区分によって変わります。


例えば、頂版天端から一定厚さの範囲に一般盛土とは異なる材料を施工し、その材料を別工種として計上する設計であれば、一般盛土の下端はその別工種の上面になります。一般盛土の下端を頂版天端に設定したまま別工種も計上すると、同じ空間を二重に数えることになります。反対に、別工種として計上されていない範囲を盛土から控除すれば、必要土量が不足します。


上端についても、完成した道路面や造成面をそのまま採用するとは限りません。舗装がある場合、土工数量の上端は舗装表面ではなく、路床上面、路床下面、路体上面などに設定されることがあります。どの面を盛土計算の上端とするかは、土工区分と舗装構成を照合して決めます。


道路断面では、完成面から表層、基層、路盤などの設計厚を控除した位置が土工上端になる場合があります。さらに路床と路体を分けて計算する場合には、路床下面も数量境界として必要です。ボックス頂版が路床下面より下にあるのか、路床内に入るのかによって、頂版上の土をどの区分へ振り分けるかが変わります。


造成地の場合も同様です。計画地盤面の直下に表土、植栽基盤、改良土、舗装下の路盤などがある場合、計画地盤面までの全量を一般盛土として扱うのではなく、各層の上端と下端を確認します。


上下境界を確定するときは、標高の基準を統一します。頂版天端高、路床高、計画地盤高などを同じ測量基準と同じ図面版で比較しなければなりません。標高値と構造寸法から求めた高さが一致しない場合は、図面の改訂履歴、寸法の基準位置、横断勾配、縦断曲線、施工基面の定義を確認します。


被り厚は、基本的には上端標高から下端標高を差し引いて求めます。ただし、頂版や上端面に勾配がある場合、中央部の標高差だけでは断面全体を表せません。左右端、折れ点、材料境界の交点ごとに高さを求め、断面形状として扱います。


2項目目:盛土と構造物周辺の埋戻しを区分する

次に、ボックス頂版上の土を路体や路床などの盛土として扱うのか、構造物周辺の埋戻しとして扱うのかを整理します。この区分は外観だけでは判断できません。設計図書に示された施工範囲、使用材料、締固め条件、数量算出条件を確認して決めます。


ボックスの側面付近では、構造物を設置するために掘削した空間を埋め戻す作業が発生します。構造物に接する範囲では、使用機械、施工順序、一層の仕上がり厚、締固め方法などに制約が設けられる場合があります。実際の施工は、当該工事の施工計画書、特記仕様書、構造物の設計条件に従う必要があります。


頂版上についても、構造物直上の一定範囲では大型機械の走行や締固め方法に条件が設けられることがあります。そのため、頂版から一定高さまでを構造物周辺の埋戻し、選定材、保護盛土などとして区分し、それより上を一般の路体盛土や路床盛土として区分する設計があります。


一方で、頂版上の土を当初から路体盛土や路床盛土に含める設計もあります。したがって、「ボックス上だから埋戻し」「頂版より上だから一般盛土」という固定的な判断は避けます。


区分を確認するときは、数量計算書に記載された工種名だけでなく、その数量がどの図形から算出されているかを追います。構造物の埋戻し数量に頂版上の範囲が含まれている場合、土工横断から計算した盛土量では重複範囲を控除する必要があります。逆に、構造物の埋戻し数量が側面部や掘削部だけを対象としている場合、頂版上を盛土量から控除すると未計上になります。


実務では、平面図で構造物の外形と掘削範囲を確認し、横断図で埋戻しの境界線を確認し、縦断図でその区分がどこまで続くかを確認します。構造物側面から一定距離を取る区分であれば、その距離が側面部だけに適用されるのか、頂版上にも連続するのかを設計図書で確認します。


構造物周辺の埋戻し範囲が掘削勾配に沿って広がる場合、頂版幅だけで区切ることはできません。施工時の掘削線や埋戻し線が勾配を持つときは、その形状を横断面に反映します。矩形のボックスであっても、埋戻しとして計上する領域が矩形とは限りません。


発注者や工事ごとに数量区分が異なる可能性があるため、最終的には当該工事の設計図書、数量算出条件、特記仕様書、設計変更資料を優先します。一般的な計算例を参考にしても、契約数量の区分を独自判断で変更しないことが大切です。


3項目目:材料区分と施工層を整理する

ボックス頂版上の土は、単一の材料や単一の施工層で構成されるとは限りません。頂版に近い範囲と道路面に近い範囲で、材料品質、施工方法、管理項目が異なる場合があります。そのため、体積を計算する前に、材料区分と施工層を整理します。


道路盛土では、路体と路床を分けて数量を算出することがあります。ボックス頂版が路床下面より低い位置にあれば、頂版上の土は路体部分と路床部分に分かれます。頂版が路床内に位置する場合は、頂版上の土の一部または全部が路床区分になる可能性があります。具体的な材料条件や管理基準は、設計図書と仕様書で確認します。


さらに、頂版上の初期層に構造物保護を目的とした材料を用いる場合があります。この層は一般盛土や路床盛土とは別の数量として計上されることがあります。材料名が似ていても、施工上または契約上の区分が異なる場合は、数量計算上も分けておく必要があります。


材料区分を整理するときは、横断面に各層の境界線を描きます。頂版天端、保護層上面、路床下面、路床上面、舗装下面などを同じ断面上に配置すると、どの空間をどの材料で施工するかを把握しやすくなります。


例えば、頂版天端から保護層上面までを構造物上部の選定材、保護層上面から路床下面までを路体盛土、路床下面から路床上面までを路床盛土として分ける方法が考えられます。ただし、これは区分方法の例であり、実際の境界や名称は当該工事の設計図書に従います。


材料の区分だけでなく、どの状態の体積を扱っているかをそろえることも重要です。完成形の幾何数量、地山状態の土量、掘削後のほぐした土量、締固め後の土量、車両で運搬する際の体積は、目的によって使い分けられます。数量計算書と施工計画書で同じ「立方メートル」と記載されていても、体積状態が同一とは限りません。


締固め後の必要量から搬入量や運搬量を見積もる場合は、適用する土量変化率を確認します。変化率を工事条件と無関係な固定値として扱うのは避け、設計図書、適用する積算基準、土質試験、施工実績などに基づいて設定します。


現場発生土を流用する場合も、掘削土量と盛土必要量をそのまま同じ数値で比較できないことがあります。地山、ほぐし、締固めのどの状態を基準にしているかを統一したうえで、土量収支を確認します。


被り土を材料別、施工層別に分けておくと、数量計算だけでなく、搬入計画、施工順序、品質管理、出来形確認にも利用できます。設計変更が生じた場合も、どの層が増減したのかを説明しやすくなります。


4項目目:横断面ごとの被り土面積を求める

上下境界、工種区分、材料区分を整理したら、横断面ごとに被り土の断面積を求めます。ボックス頂版上の形状が単純な長方形であれば、幅と厚さから面積を求められますが、実際には複数の勾配や境界線が関係することがあります。


基本となる断面は、ボックスの起点側端部、終点側端部、道路横断形状が変化する位置、縦断勾配や横断勾配の変化点、構造物幅が変化する位置、材料境界が変化する位置などに設定します。構造物中央部に代表断面を設ける場合でも、端部の形状を同じ断面で代用できるかを確認します。


横断面では、まずボックス頂版の外形を正確に配置します。頂版上の土と接する幅を求める際は、内空幅ではなく、側壁厚や張出しを含む構造外形を確認します。ハンチや段差が土と接する場合は、その外形線も計算図形に反映します。内空寸法をそのまま被り土幅に使用すると、構造物が占有する範囲と一致しないことがあります。


次に、被り土の上端となる線を配置します。道路の場合、横断勾配、片勾配、中央分離帯、路肩、歩道、路床厚の変化などによって上端線が折れ曲がることがあります。上端を路床上面とする場合は、完成面の勾配と路床面の勾配が同じかどうかも確認します。


頂版天端が水平で、上端線が対象幅の全体にわたり一つの直線であれば、左右端の被り厚の平均値に幅を掛けて断面積を求められます。左右の被り厚をh1、h2、対象幅をBとすると、断面積Aは、A=B×(h1+h2)÷2です。


ただし、上端線や下端線に折れ点がある場合、途中に路床境界や材料境界がある場合、対象幅が途中で変化する場合には、一つの台形として扱わず、断面を複数の図形に分割します。三角形、台形、長方形などに分け、それぞれの面積を合計します。


左右で材料区分が異なる場合や、頂版外側まで構造物周辺の埋戻し区分が広がる場合も、境界ごとに面積を分けます。ボックス側面部の埋戻しと頂版上の土を別々に計算するときは、両者の境界線を共有させると、空白や重複を確認しやすくなります。


図面作成ソフトや三次元モデルで面積算出を行う場合でも、代表断面は寸法計算や概算で照合します。閉じた領域の選択ミス、重複線、微小な隙間、誤った高さ面の選択によって、見た目では分かりにくい誤差が生じることがあるためです。


また、ボックス端部では、頂版上の土と通常の盛土断面が連続します。構造物の端面で数量区分が直ちに切り替わるのか、掘削や埋戻しの境界が縦断方向に広がるのかを確認します。施工区分線が縦断方向に斜めに設定される場合、端部断面の面積は構造物中央部と異なります。


5項目目:縦断方向の変化を反映して体積を計算する

横断面積を求めた後は、断面間の距離を使って体積を計算します。隣り合う二断面の間で断面形状が連続的に変化するとみなせる区間では、平均断面法を用いることができます。


起点側の断面積をA1、終点側の断面積をA2、断面間距離をLとすると、区間体積Vは、V=(A1+A2)÷2×Lで求めます。複数区間がある場合は、各区間の体積を合計します。


平均断面法を用いる場合でも、断面形状が急に変わる位置を長い一区間でまとめないことが重要です。ボックス端部、道路縦断の勾配変化点、縦断曲線上の必要位置、横断勾配のすり付け区間、構造物幅や材料境界が変わる位置などでは、必要に応じて追加断面を設けます。


道路の縦断形状とボックスの設置勾配が異なる場合、被り厚は縦断方向に変化します。起点側と終点側の高さが分かり、その間の上端面と下端面を直線的に扱える場合は、両端断面を用いた平均断面法で算出できます。途中に縦断曲線、勾配変化、構造上の段差がある場合は、その変化を表せる位置に断面を追加します。


ボックスが道路中心線に対して斜めに交差している場合は、計算方向に注意します。横断図上の見掛け幅と構造物軸方向の延長をそのまま掛けると、幅と距離の方向が一致せず、対象空間を正しく表せないことがあります。


道路中心線に直角な横断面で土工量を計算する場合は、その断面に現れる頂版上の対象幅を用い、断面間距離は道路中心線方向で測ります。構造物軸に直角な断面で計算する場合は、構造物軸方向の距離を用います。どちらの方法でも、同じ体積領域を表す断面と距離の組合せに統一します。


斜角を持つボックスでは、平面図で頂版の投影範囲を確認し、どの測点からどの測点まで頂版上の土が存在するかを把握します。起点側と終点側の角点位置が道路横断方向にずれるため、通常の測点横断だけでは端部形状を十分に表せない場合があります。その場合は、構造物の角点や区分線の折れ点を通る補助断面を設けます。


縦断方向に被り厚がほぼ一定で、構造物幅も変わらず、端部の影響を別途処理できる場合は、代表断面積に延長を掛ける方法で概算できます。ただし、最終数量は適用する数量算出条件に従い、端部形状や勾配変化を反映した計算と照合します。


計算結果の照査には、頂版上の平面投影面積と平均被り厚を用いた概算も利用できます。概算値と断面法による詳細値に大きな差がある場合は、対象幅、延長、標高、斜角、控除範囲、断面方向の設定を確認します。


6項目目:控除範囲と二重計上を照合する

最後に、盛土数量、埋戻し数量、被り土数量の間に重複や未計上部分がないかを確認します。計算式が正しくても、同じ空間を複数工種で計上していれば、全体数量は正しくなりません。


まず、通常の土工横断から算出した盛土領域に、ボックス本体が含まれているかを確認します。現地盤から土工上端までを一つの盛土領域として計算している場合、ボックスのコンクリート部分と重なる空間まで土として含めている可能性があります。その場合は、適用する数量算出要領や設計条件に従って、重なる範囲を盛土量から補正します。


構造物の控除量は、外幅、外高、延長を機械的に掛けた全体積と一致するとは限りません。構造物の一部が現地盤より下にあり、その部分がもとの盛土領域に含まれていない場合、盛土から控除する対象にはなりません。控除するのは、土工計算で盛土として算出した領域と構造物が重なる部分です。適用する数量算出要領に構造物部の補正方法が定められている場合は、その方法を優先します。


次に、構造物周辺の埋戻し数量を確認します。埋戻し数量が掘削空間から構造物体積を差し引いて計算されている場合、その範囲に頂版上の土が含まれているかを調べます。掘削上面が現地盤までであれば、現地盤より上の頂版上土は埋戻し数量に含まれない可能性があります。一方、施工基面や仮設掘削範囲が上方まで設定されている場合は、頂版上の一部が埋戻し数量に含まれることがあります。


さらに、路体盛土と路床盛土の境界も照合します。路体盛土の上端と路床盛土の下端が一致していなければ、両者の間に空白や重複が生じます。ボックス頂版がその境界を横切る場合は、各数量に含める断面範囲を明示します。


確認しやすい方法は、代表横断面を工種別の領域に分けることです。一般盛土、路床、構造物周辺埋戻し、保護層、構造物本体、舗装などの名称を各領域に記入し、名称のない空間や複数名称が重なる空間がないかを確認します。


体積の照合では、構造物を考慮しない盛土領域を基準に、構造物との重複を補正し、残った土の領域を材料別、工種別に振り分けた合計と、各詳細数量の合計を比較します。丸め前の値では一致し、丸め後にわずかな差が出ることもあるため、照合に使う桁数をそろえます。


設計変更がある場合は、旧数量と新数量の差だけを比較するのではなく、変更前後で計算境界と体積状態が同じかを確認します。頂版高、舗装構成、路床厚、構造物延長、斜角、埋戻し範囲などが変更されると、被り土だけでなく周辺の盛土区分も連動して変わることがあります。


数量の丸め処理にも注意します。断面積の段階で丸めるのか、区間体積の段階で丸めるのか、最終合計で丸めるのかによって合計値に差が生じます。複数の担当者が計算するときは、適用基準に合わせて有効桁数と丸める段階を統一します。


ボックス頂版上の被り土を計算する実務例

ここでは、単純化した仮定条件で計算の考え方を確認します。実際の数量は、当該工事の図面、仕様書、数量算出条件に従って算出してください。


ボックスの構造外幅が6.0メートル、構造物軸方向の対象延長が20.0メートルで、計算断面は構造物軸に直角、頂版天端は対象幅の範囲で水平であるとします。被り土の上端は路床上面とし、起点側断面の左端被り厚が1.2メートル、右端被り厚が1.4メートル、終点側断面の左端被り厚が1.6メートル、右端被り厚が1.8メートルであるとします。


起点側の被り土断面積は、幅6.0メートルに左右被り厚の平均1.3メートルを掛けるため、7.8平方メートルです。終点側の断面積は、幅6.0メートルに左右被り厚の平均1.7メートルを掛けるため、10.2平方メートルです。


起点側と終点側の間で上端面と下端面が直線的に変化し、途中に断面形状の変化点がないと仮定すれば、平均断面積は9.0平方メートルです。これに延長20.0メートルを掛けると、頂版上の対象土量は180.0立方メートルになります。


ただし、頂版天端から0.5メートルまでを構造物保護層として別途計上する設計であれば、その保護層を一般盛土または路体盛土から分けます。保護層が全幅6.0メートルにわたり一定厚0.5メートルで、延長20.0メートルの範囲に連続すると仮定すれば、断面積は3.0平方メートル、体積は60.0立方メートルです。


先ほど求めた180.0立方メートルに保護層が含まれている場合、保護層より上の対象土量は120.0立方メートルです。さらに、その上部に路床区分がある場合は、路床下面を境界として路体部分と路床部分を分けます。


一方、構造物周辺の埋戻し数量に保護層60.0立方メートルがすでに含まれている場合、盛土側で同じ60.0立方メートルを再度計上してはいけません。どの計算書がどの範囲を含んでいるかを確認し、工種間で重複を除きます。


この例では構造外幅と対象延長を一定としていますが、斜角を持つ構造物、張出しを持つ頂版、幅員が変化する道路では、断面方向と距離方向を統一したうえで断面数を増やします。道路中心線に直角な断面で計算する場合、端部付近の見掛け幅が測点ごとに変わることがあります。


起点側と終点側の中間に道路縦断の変化点がある場合は、その位置に断面を追加します。中間断面の被り厚を求め、起点側から中間までと、中間から終点側までを別区間として計算します。


実務例を計算書に記載するときは、数値だけでなく、被り土の下端、上端、対象幅、対象延長、断面方向、材料区分を併記します。計算結果だけを残すと、後から数量の範囲や仮定条件を確認できません。


設計数量と施工数量が一致しない主な原因

設計数量と施工時に把握した数量が一致しない場合、ただちに計算ミスと判断するのではなく、両者の基準面、体積状態、対象範囲を確認します。設計数量は設計図面上の形状を基に算出され、施工数量は施工前測量、出来形測量、搬入記録など別の資料を基に整理されることがあるためです。


一つ目の原因は、着工前地盤の違いです。設計時の地形データと施工前に測定した地形が異なれば、ボックス周辺を含む盛土量も変わります。構造物本体の寸法が同じでも、現地盤との位置関係が変われば、盛土として算出される範囲が変化します。


二つ目の原因は、構造物の出来形です。設計上の頂版天端高と施工後に確認した頂版天端高に差があれば、頂版上の高さ差が変わります。小さな高さ差でも、対象平面積が広い場合は体積差として現れます。出来形が許容範囲内かどうかの評価と、数量差の分析は分けて考えます。


三つ目の原因は、舗装構成や路床厚の変更です。被り土の上端を路床上面としている場合、舗装構成の変更によって土工上端が変わることがあります。路床下面を境界としている場合は、路床厚の変更によって路体盛土と路床盛土の配分が変わります。


四つ目の原因は、施工区分または材料区分の変更です。当初は一般盛土としていた範囲を、設計変更により構造物周辺の埋戻しや選定材に変更した場合、空間全体の体積が同じでも工種別数量は変化します。


五つ目の原因は、計算方向や投影方法の違いです。斜角を持つボックスについて、道路中心線方向で計算した数量と構造物軸方向で計算した数量を比較するときは、断面方向、対象幅、延長、端部処理が同じ体積領域を示しているかを確認します。


六つ目の原因は、土量の状態区分です。完成形の体積、地山土量、ほぐした土量、締固めた土量、車両上の体積は一致しないことがあります。設計数量と搬入記録を比較する場合は、同じ状態の体積に換算できる条件を整理してから確認します。


七つ目の原因は、施工中の余盛り、沈下対応、仮設盛土、撤去土です。完成形を超えて一時的に盛った土や、施工後に撤去した土は、完成形の数量に含まれない場合があります。施工中の搬入量をそのまま完成体積と見なさないことが必要です。


差異を分析するときは、全体数量だけでなく、区間別、断面別、材料別に比較します。差が集中している位置が分かれば、頂版高、路床高、対象幅、延長、現地盤、控除範囲など、確認すべき項目を絞り込めます。


計算書と図面に残しておきたい情報

盛土の体積計算は、計算した担当者だけが理解できる状態にしないことが重要です。設計変更、数量照査、施工計画、出来形確認などで再利用できるよう、計算条件を明確に残します。


まず、計算対象範囲を示します。ボックスの測点、構造物番号、起終点、対象延長、構造外幅、断面方向などを記載します。複数のボックスがある場合は、構造物ごとに識別できる名称を付けます。


次に、被り土の下端と上端を記載します。下端が頂版天端なのか、保護層上面なのか、上端が路床上面なのか、路床下面なのかを明示します。単に「被り土」とだけ記載すると、計算範囲を後から判断できません。


高さ情報については、各断面の頂版天端高、上端標高、左右端や折れ点の被り厚を残します。横断勾配がある場合は、標高を取得した横断位置も分かるようにします。


断面積の計算では、図形をどのように分割したかを示します。長方形、三角形、台形などの寸法を残しておくと、照査しやすくなります。自動計算を利用した場合も、代表断面については面積の根拠となる幅と高さを記録します。


体積計算では、断面番号、断面積、断面間距離、区間体積を対応させます。追加断面を設けた理由も残しておくと、断面間隔の妥当性を説明できます。


さらに、他工種との重複調整を記載します。構造物本体と盛土の重複をどの方法で補正したのか、頂版上の保護層を別工種に振り分けたのか、構造物周辺埋戻しとの境界をどこに設定したのかを明確にします。


設計変更時には、変更前と変更後の条件を同じ形式で並べます。単に数量差だけを示すのではなく、頂版高、延長、舗装構成、路床厚、材料区分など、差が生じた理由を記載します。


計算に使用した図面の番号、版、作成日または改訂日も重要です。古い図面を基に計算した数量と、変更後の図面を基に計算した数量が混在すると、照査が困難になります。数量計算書と図面の更新関係を管理します。


体積状態と丸め条件も残します。完成形、地山、ほぐし、締固めのどの状態を扱っているか、土量変化率を使った場合はその根拠、断面積と体積の有効桁数、丸める段階を記録します。


盛土の体積計算を効率化するための確認手順

ボックス頂版上の被り土を効率よく計算するには、最初から細かな数値を入力するのではなく、計算境界を順番に確定することが大切です。


最初に、土工横断、構造一般図、道路縦断図、舗装構成図を同じ位置関係で確認します。構造物の外形、頂版天端、現地盤、土工上端、路床面を一つの断面上で把握します。


次に、頂版上の土の全体範囲を決めます。頂版天端または別材料の上面から土工上端までを一つの領域として確認し、その後で保護層、路体、路床などに分割します。全体領域を先に確認すると、分割後の合計との整合を確かめやすくなります。


その後、構造物周辺の埋戻し数量と照合します。頂版上のどの範囲が埋戻しに含まれているか、掘削部だけが対象なのかを確認し、盛土側に含める範囲を決めます。


横断面積を算出したら、縦断方向の変化点を拾います。構造物の起終点だけでなく、道路勾配、横断勾配、構造幅、材料境界、埋戻し境界が変化する位置を追加断面の候補とします。


体積計算後は、頂版上の平面投影面積と平均被り厚による概算を行います。詳細計算値と概算値に大きな差がないかを確認します。斜角がある場合は、概算に使う平面投影範囲が詳細計算の対象範囲と一致しているかも確認します。


最後に、工種別数量を合計し、全体の土工領域との収支を確認します。構造物本体、舗装、保護層、埋戻し、路体、路床などの領域が重複せず、未計上の空間もないことを確かめます。


三次元の地形情報や構造物モデルを利用できる場合は、計画面と現況面の差を把握しやすくなります。ただし、自動算出された体積が、そのまま契約上の工種区分になるとは限りません。保護層を別計上するのか、路床と路体をどこで分けるのか、構造物との重複をどの方法で補正するのかは、設計条件に基づいて設定する必要があります。


測定や計算を効率化するときほど、境界面の名称、使用した標高、対象範囲、断面方向、体積状態を記録することが重要です。数値を早く求めるだけでなく、第三者が計算条件と数量区分を追跡できる状態を目指します。


まとめ

盛土の体積計算方法でボックス頂版上の被り土を分ける際は、頂版の幅と被り厚を掛けるだけでは十分ではありません。最初に、頂版天端、保護層上面、路床下面、路床上面などから、計算対象となる土の上下境界を確定します。


次に、頂版上の土が路体盛土、路床盛土、構造物周辺の埋戻し、選定材、保護層のどこに区分されるかを確認します。同じ空間を複数工種に計上しないよう、数量計算書、構造図、土工図、施工区分を照合することが重要です。


横断面積を求める際は、構造外幅、横断勾配、材料境界、埋戻し境界を反映します。縦断方向では、道路の縦断形状、ボックス設置勾配、斜角、構造物端部などによる被り厚と対象幅の変化を確認し、必要な位置に断面を追加します。


体積は平均断面法などで算出できますが、断面の方向と距離の方向を統一する必要があります。特に斜角を持つボックスでは、道路中心線方向と構造物軸方向の寸法を混在させないよう注意します。


計算後は、盛土、埋戻し、保護層、構造物本体の数量を照合し、重複や未計上部分がないことを確認します。さらに、頂版上の平面投影面積と平均被り厚による概算値を使い、詳細計算の妥当性を照査します。


三次元測量や土量計算機能を利用する場合も、数量区分と境界面は設計図書に基づいて設定します。現況、計画面、構造物外形を同じ座標系で管理し、断面ごとの高さと体積を記録できる運用を整えることで、設計数量、施工計画、出来形数量の差を確認しやすくなります。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page