top of page

盛土の体積計算方法で施工段階ごとの累計土量を出す5手順

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均9分で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

盛土の体積計算方法で累計土量を管理する目的

手順1 施工前の基準面と計算範囲を固定する

手順2 施工段階と計測時点の区切り方を決める

手順3 各施工段階の地形面から累計土量を計算する

手順4 前回との差から期間土量を求める

手順5 搬入実績や施工記録と照合して確定する

累計土量の計算に使える代表的な方法

累計土量が増減するときの確認ポイント

施工段階ごとの土量管理で起こりやすいミス

累計土量を工程管理と残り土量予測へ活用する方法

まとめ


盛土の体積計算方法で累計土量を管理する目的

盛土工事の数量管理では、完成時の総体積だけでなく、施工途中の各時点でどこまで盛土形状が形成されたかを把握することが重要です。施工前から現在までの地形変化を累計土量として整理すると、計画に対する進捗、前回計測からの増減、完成形までの不足体積、土砂の搬入計画などを検討しやすくなります。


ただし、累計土量という言葉が何を表すのかは、最初に明確にしなければなりません。地形面の比較で求める数量は、基準面と計測時点の施工面に挟まれた幾何学的な体積です。運搬車両の積載量から集計したほぐれた土量、締固め前の敷均し土量、締固め後の出来形体積、契約上の支払数量は、同じ土を扱っていても数量の定義が異なります。


施工段階ごとの累計管理では、一般に施工前または所定の施工基面を共通の基準面として保存し、第1段階、第2段階、第3段階の施工面と順に比較します。基準面から第1段階の施工面までの体積が第1段階の累計値となり、同じ基準面から第2段階の施工面までの体積が第2段階の累計値となります。


第2段階の累計値から第1段階の累計値を差し引くと、前回計測から今回計測までの純体積変化を求められます。ここで得られる差は、必ずしもその期間に投入した盛土材の総量と一致しません。追加した盛土に加えて、締固め、沈下、掘削、侵食、場内移動、仮置き土の出入りなどが同時に反映されるためです。


したがって、施工段階ごとの土量管理では、累計値、期間の純変化、増加体積、減少体積、搬入実績を分けて扱うことが大切です。累計値だけで工程の遅れや材料不足を断定せず、施工記録と照合して数値の意味を確認します。


盛土の体積計算方法としては、横断面積と区間延長を用いる平均断面法、一定の格子ごとに高さ差を集計する方法、三角形で表した二つの地形面を比較する方法などがあります。どの方法を選ぶ場合でも、座標系、高さの基準、計算範囲、地形面の作成条件、構造物や仮置き土の扱いを施工段階間でそろえることが基本です。


累計土量を工程管理や施工実績の説明に利用するには、数値だけでなく、計測日、計測時刻、対象工区、基準面、締固め状態、欠測部の処理、控除条件などを一体で記録します。条件を説明できる状態にしておけば、担当者が変わった場合や過去の値を再計算する場合でも、比較の連続性を保ちやすくなります。


手順1 施工前の基準面と計算範囲を固定する

最初の手順は、すべての累計計算に用いる基準面と平面範囲を決めることです。この二つが途中で変わると、累計値の差に施工による変化以外の要素が混ざり、期間ごとの比較が難しくなります。


基準面には、工事着手前の現況地盤を使う場合と、表土除去、段切り、床掘り、地盤改良などを終えた施工基面を使う場合があります。どちらが適切かは、設計数量の算定条件、契約上の数量区分、管理目的によって異なります。現場独自の判断だけで決めず、設計図書、数量計算書、施工計画、発注者との確認事項に合わせます。


たとえば、設計上の盛土量が表土除去後の地盤から完成面までで算定されているなら、同じ状態の施工基面を累計管理の基準にすると比較しやすくなります。一方、工事着手前からの地形全体の変化も把握したい場合は、着手前地形からの純変化量と、施工基面からの盛土体積を別系列で管理します。


傾斜地で段切りを行う場合も、基準面の選択で数値の意味が変わります。着手前斜面を基準にすると、段切りによる掘削と、その後の埋戻しに相当する変化が相殺されることがあります。実際に形成された盛土体積を把握したい場合は、段切り後の施工基面を保存し、着手前からの純変化とは分けて扱う方が明確です。


計算範囲は、道路盛土なら測点区間、造成地なら施工区画、堤体なら工区やブロックなど、後から再現できる境界で固定します。全体範囲と工区別範囲を併用する場合は、工区間に重複や隙間が生じないように境界線を共有します。


第1回計測では測点0から測点100まで、第2回計測では測点0から測点150までを対象にすると、第2回の累計値には追加した50メートル区間の既施工体積も含まれます。このまま両者を差し引くと、前回以降の施工による純変化だけを表せません。


範囲を拡張する必要が生じた場合は、可能であれば保存済みの各時点データを新しい共通範囲で再計算します。過去データがなく再計算できない場合は、追加範囲を別の管理区分として開始し、切替日と開始時点の体積を記録します。


盛土端部では、施工の進行に伴って法肩や法尻の位置が変わります。毎回の施工面外周をそのまま計算境界にすると、施工形状と同時に比較範囲も変わってしまいます。完成形、用地境界、工区境界などを基準とした固定範囲を設け、その内側で施工面が形成された部分を評価する方法が扱いやすくなります。


固定範囲内に未施工部がある場合は、その部分の面を無理に推定して盛土済みとして扱わないことが重要です。基準面が露出しているなら基準面と同じ高さとして扱えますが、欠測して状態を確認できない部分は、追加計測するか、未評価範囲として明示します。


構造物の占有体積も、最初に扱いを決めます。排水構造物、擁壁、基礎、管路、ボックス状構造物などが盛土内にあると、単純な外形面比較では構造物内部や空間まで土として含める場合があります。


ただし、構造物控除は一律に行えばよいわけではありません。出来形として現時点に存在する盛土体積を管理するのか、完成設計数量と比較するのかによって処理が変わります。現時点の実形状を表す累計値では、構造物の設置状況と実際の空間を反映させます。設計数量との比較では、設計数量計算と同じ控除条件を適用します。


地形面の作成段階ですでに構造物部分を除外している場合、計算後に同じ体積を再度差し引いてはいけません。控除対象、控除時点、控除方法を記録し、二重控除を防ぎます。


基準面、計算範囲、工区境界、構造物の扱いを固定しておけば、施工段階が増えても同じ条件で比較できます。累計土量管理では、計算式の複雑さより、数量の定義と比較条件を途中で混在させないことが信頼性の基本になります。


手順2 施工段階と計測時点の区切り方を決める

次の手順は、どの時点を一つの施工段階として記録するかを決めることです。日々の施工量を確認するのか、週単位の工程進捗を確認するのか、施工層や工区の完了状況を確認するのかによって、適切な区切り方は異なります。


日単位で管理する場合は、原則として毎回同じ作業時点で計測します。作業終了後の締固め済み面を対象にするなら、各日とも同じ状態でそろえます。ある日は作業開始前、別の日は敷均し途中、さらに別の日は締固め完了後というように状態が混在すると、期間差に施工時点の違いが含まれます。


週単位で管理する場合は、同じ曜日の施工終了後など、一定の時点を設定します。降雨や工程変更で計測日をずらした場合は、前回からの暦日数だけでなく実稼働日数を記録します。期間土量を一日当たりの施工量へ換算するときに、休工日を含めた値と実稼働日ベースの値を混同しないためです。


施工層ごとに計測する方法もあります。第1層締固め完了後、第2層締固め完了後というように記録すれば、層の進行と累計量を関連付けられます。ただし、広い工区では全範囲が同じ層まで同時に進むとは限りません。


工区中央が第4層、端部が第2層、構造物周辺が第1層という状態で、単に第4層完了時と記録すると実態を正確に表せません。計測日、対象工区、施工済み範囲、代表的な層、未施工部を組み合わせて記録します。


累計土量を締固め後の出来形体積として扱うなら、できるだけ締固め完了後に計測します。締固め前の敷均し面は、施工機械の通過や転圧によって高さが変わります。締固め前面を前回データ、締固め後面を今回データにすると、土を搬出していなくても体積が減少することがあります。


仮置き土の扱いも統一します。施工範囲内に搬入されていても、まだ盛土層として敷き均されていない土砂は、施工済み盛土の累計には通常含めません。対象範囲内の全土量を別目的で把握する場合は、仮置き土を別項目として計測し、完成形に向けた盛土累計と混在させない方が分かりやすくなります。


計測時には、降雨直後、乾燥時、締固め直後、掘り返し後など、施工面の状態を記録します。含水状態の変化だけで土粒子そのものの量を直接求められるわけではありませんが、表面の軟化、わだち、侵食、排水不良などによって地形面が変化することがあります。


施工機械、車両、資材、仮設設備が施工面上にある場合は、可能な範囲で移動してから計測します。移動できないものは、データ処理時に除外範囲を明示します。不要物を除去した後に広い欠測部を周辺点だけで補間すると、実際とは異なる面が作られることがあるため、必要に応じて追加計測します。


計測方法や処理条件も段階間でそろえます。各回の計測密度を完全に同一にすることが難しい場合でも、法肩、法尻、すり付け部、構造物周辺などの形状変化点を同等の細かさで取得し、同程度の面解像度と補間条件を用います。


施工段階の記録には、計測日、時刻、対象範囲、締固め状態、仮置き土の有無、降雨や排水の状況、施工内容、使用した基準点を含めます。数値に予想外の増減があったとき、現場変化と計測条件のどちらに原因があるかを追いやすくなります。


手順3 各施工段階の地形面から累計土量を計算する

基準面と施工段階を決めたら、各時点の地形データから累計土量を計算します。累計値は、共通の基準面と、その時点の施工面との間にある体積として求めます。


第1段階では基準面と第1回施工面を比較し、第2段階では同じ基準面と第2回施工面を比較します。第3段階以降も基準面を変更しません。前回施工面を次回の基準面にすると、その値は期間変化であり、施工開始からの累計値とは別の数量になります。


道路や堤防のように延長方向へ連続する盛土では、横断面を用いた計算ができます。各測点で基準面と施工面に囲まれた断面積を求め、隣接断面の平均面積に区間延長を掛けて区間体積を算出し、全区間を合計します。


ある測点の断面積が40平方メートル、次の測点が50平方メートル、測点間距離が20メートルなら、平均断面積を用いた区間体積は900立方メートルです。ただし、この計算は二つの断面間で形状が概ね連続的に変化することを前提とする近似です。幅員や法面形状が急変する区間では、中間断面を追加して形状を細かく表します。


施工段階間で横断面を比較する場合は、同じ測点位置と断面方向を使用します。曲線区間では、中心線や基準線に対する断面方向も統一します。位置や方向がずれると、施工変化ではなく地形の場所の違いが断面積差として現れます。


造成地や不規則な盛土では、基準面と施工面を面的に重ねて計算する方法が適しています。格子ごとの高さ差を集計する方法や、計測点から三角形の地形面を作って比較する方法により、部分施工や複雑な端部を扱えます。


地形面を作るときは、法肩、法尻、段差、構造物の角、施工境界などの形状変化線を適切に反映します。変化点が不足すると、本来は折れ曲がっている部分が一枚の斜面として結ばれ、体積を過大または過小に算定することがあります。


点の密度は、単に多ければよいわけではありません。平坦部に多数の点があっても、法尻やすり付け部の点が不足していれば、端部形状を正しく表現できません。計測点の配置、形状変化線、欠測範囲、面の作り方を一体で確認します。


法尻付近が欠測していると、最後に取得した法面上の点から計算境界まで面が延長され、実際とは異なる法面が形成されることがあります。面を作成した後は、平面表示だけでなく、複数方向の断面や高さ差分布を確認します。


体積計算では、基準面より施工面が高い部分を正の体積、低い部分を負の体積として集計できます。表土除去、掘り返し、洗掘、沈下などがあると負の体積が生じます。


正と負を相殺した純体積だけを見ると、施工内容を誤解することがあります。ある範囲で200立方メートル増加し、別の範囲で50立方メートル減少した場合、純変化は150立方メートルです。しかし、実際の地形変化は増加200立方メートルと減少50立方メートルに分かれています。


累計盛土量を管理する際は、基準面より高い部分の体積、基準面より低い部分の体積、相殺後の純体積を必要に応じて分けます。ただし、正の体積がそのまま投入材料量、負の体積がそのまま搬出量になるわけではありません。締固めや沈下、計測誤差も含み得るため、施工記録との照合が必要です。


計算結果には、使用した基準面、座標系、高さ基準、計算範囲、面作成条件、欠測部の扱い、不要物の除去、構造物控除を関連付けます。同じ元データから再計算できるように保存しておけば、数値の修正や検証を行いやすくなります。


手順4 前回との差から期間土量を求める

各段階の累計値を算出したら、今回の累計値から前回の累計値を差し引いて期間の純体積変化を求めます。施工開始時を第0段階、累計値を0立方メートルとし、第1段階の累計値が1,100立方メートルなら、第1期間の純増は1,100立方メートルです。


第2段階の累計値が2,000立方メートルなら、第2期間の純変化は900立方メートルです。第3段階の累計値が2,750立方メートルなら、第3期間の純変化は750立方メートルとなります。


共通基準面、共通範囲、同じ控除条件で計算されている場合、各期間の純変化を合計すると最新の累計値と整合します。一致しない場合は、入力値、計算範囲、構造物控除、数値の丸め、過去値の修正履歴などを確認します。


各期間値を整数へ丸めてから合計すると、丸め誤差によって累計値との差が生じることがあります。内部計算では必要な小数桁を保持し、帳票表示時に所定の単位へ丸める方法が扱いやすくなります。


期間差がマイナスになることもあります。前回の累計値が3,000立方メートル、今回が2,940立方メートルなら、純変化はマイナス60立方メートルです。ただし、これだけで60立方メートルを場外搬出したとは判断できません。


締固めの進行、盛土や基礎地盤の沈下、降雨による侵食、掘り返し、仮置き土の移動、場内の別工区への移送、計測基準のずれなどによっても、見かけの累計体積は減少します。期間差はあくまで二時点間の幾何学的な純変化です。


期間中に300立方メートル相当の盛土形状を追加しても、既施工範囲が50立方メートル相当沈下すれば、累計値の増加は250立方メートルになります。このため、期間差だけから材料投入量や施工機械が扱った総量を推定するのは適切ではありません。


工区間で土を移動した場合も、工区別期間値に影響します。工区Aから工区Bへ移動すると、工区Aは減少し、工区Bは増加しますが、両工区を含む全体範囲の純体積は大きく変わらないことがあります。


全体累計と工区別累計を併用すると、場内移動や境界設定の不整合を確認しやすくなります。工区別の合計が全体値と一致しない場合は、境界の重複、隙間、控除条件の違い、面の欠測を確認します。


前回施工面と今回施工面を直接比較すると、期間内の増加体積と減少体積を場所別に確認できます。累計値の差が500立方メートルでも、面比較では増加600立方メートル、減少100立方メートルとなる場合があります。この結果から、盛土形成と掘削または沈下が同時に生じた可能性を把握できます。


ただし、施工面同士の直接比較でも、共通範囲、同じ座標と高さ基準、同等の面作成条件が必要です。片方だけ欠測部を広く補間していると、増減分布に処理差が現れます。


過去の累計値を修正した場合は、それ以降の期間値を再計算します。第2段階の累計値が変われば、第2期間だけでなく、第3期間の前回値も変わります。修正前後の値、修正理由、修正日、使用したデータを残して履歴を追えるようにします。


手順5 搬入実績や施工記録と照合して確定する

算出した累計値と期間値は、施工日報、搬入記録、場内流用記録、搬出記録、現場写真、施工範囲図などと照合してから確定します。地形面比較だけでは、土砂の移動経路や施工途中の作業内容までは判別できないためです。


最初に、地形計測の対象期間と記録の集計期間をそろえます。午前中に計測した施工面と、その日の作業終了までの搬入台数を比較すると、計測後に搬入した分が記録側だけに含まれます。計測時刻までを集計するか、計測後の分を次期間へ振り分けます。


搬入車両から集計した土量と、地形面から求めた締固め後体積は、数量の状態が異なります。掘削されてほぐれた土は、運搬、敷均し、締固めの過程で体積が変化します。土質、粒度、含水状態、積込み状況、締固め方法によって関係が変わるため、根拠のない一律換算で一致させないことが重要です。


照合に換算係数を用いる場合は、設計図書、工事で定めた数量基準、土質試験、試験施工、実績データなど、採用理由を説明できる根拠を使います。地形体積と搬入体積に差があるだけで、どちらかを直ちに誤りと判断しません。


仮置き土も差の原因になります。対象盛土範囲外の仮置き場に搬入された土は搬入記録に含まれますが、盛土累計には反映されません。過去に仮置きした土を今回対象範囲へ移した場合は、盛土累計が増えても今回の外部搬入には現れません。


場内流用土も別に記録します。切土区から盛土区へ移動した土は、盛土側の体積を増やしますが、外部搬入台数は増えません。工事全体の土量収支では、外部搬入、場内流用、場外搬出、仮置き残量を区別します。


計算範囲内に砕石、砂、改良土など、契約上別工種として扱う材料がある場合も確認します。地形面比較では材料種別を自動的に区別できないため、管理目的に応じて施工範囲、厚さ、施工記録から内訳を整理します。


別工種を盛土累計から控除する場合は、設計数量の区分と整合する根拠を用います。地形面からすでに除外している部分を、帳票上で再度控除しないようにします。


施工途中の掘り返しや再施工では、機械が扱った総量が増えても、最終的な累計体積はほとんど増えないことがあります。品質確認や是正のための撤去、再敷均し、再締固めを行った場合は、純増分と作業量を分けて記録します。


現場写真では、施工範囲、仮置き土、法面の進捗、掘削箇所、構造物周辺、機械や資材の残置状況を確認します。累計値が大きく変化した計測時点の写真を残すと、後から増減理由を説明しやすくなります。


計算結果を確定する前には、基準点と高さの整合も確認します。対象面積が6,000平方メートルの場合、面全体に平均1センチメートルの高さ差が生じると、単純計算では約60立方メートルの体積差になります。広い範囲ほど小さな高さずれの影響が大きくなります。


施工実績から見て不自然な増減がある場合は、基準点、座標、高さ、境界線、不要物除去、補間面、構造物控除を順に再確認します。原因を確認せずに数値だけを調整すると、次の段階でも同じ不整合が繰り返されます。


最終記録には、計測日、時刻、施工段階、対象工区、基準面、累計値、前回累計値、期間純変化、増加体積、減少体積、搬入実績、場内流用、場外搬出、仮置き残量、差の理由を関連付けます。すべてを一つの数量へ無理にまとめず、状態の異なる数量を並べて説明できる形にします。


累計土量の計算に使える代表的な方法

盛土の累計土量を求める方法は、現場形状、利用できる測量データ、必要な精度、設計数量の算定方法に合わせて選びます。代表的な方法には、平均断面法、格子法、三角形で構成した地形面同士を比較する方法があります。


平均断面法は、道路、鉄道、堤防など、延長方向に連続する盛土で利用しやすい方法です。測点ごとの断面積を求め、隣接する二つの断面積の平均に区間延長を掛けます。各区間の体積を合計すると対象区間の体積になります。


施工段階ごとの管理に使う場合は、各回で同じ測点位置と断面方向を用います。幅員、法面勾配、中心線、すり付け形状が急変する区間では、中間断面を追加します。断面間の形状変化が大きいほど、少数断面による近似誤差が大きくなりやすいためです。


格子法では、対象範囲を一定の区画に分け、基準面と施工面の高さ差に区画面積を掛けて合計します。造成地のように面的に広がる盛土で利用しやすく、施工の進行分布も把握できます。


格子を細かく設定しても、元の計測点が粗い場合や形状変化点が欠けている場合は、精度が自動的に高まるわけではありません。格子間隔は、計測密度、地形の複雑さ、要求精度に合わせます。


三角形で構成した地形面を比較する方法は、不規則な地形や部分施工を面的に表現しやすい方法です。計測点を三角形で結び、基準面と施工面の間の体積を計算します。


三角形の辺が法肩、法尻、段差、構造物開口を横切ると、本来の折れ形状が失われることがあります。地形の折れ線を面作成に反映し、不要な長大三角形や穴を覆う面が作られていないかを確認します。


簡易な概算では、施工面積に平均盛土厚を掛ける方法もあります。施工範囲が平坦で盛土厚がほぼ一定なら、初期計画や概略確認に利用できます。ただし、地盤起伏、法面、部分施工、構造物控除がある現場では誤差が大きくなりやすく、正式な数量確認には現場条件に合った方法を選びます。


施工途中で計算方法を変更すると、方法差が累計値の不連続として現れることがあります。変更が必要な場合は、保存済みの過去データを新しい方法で再計算します。再計算できない場合は、切替時点と方法差を明記し、旧系列と新系列を分けて管理します。


契約数量や出来形管理に用いる場合は、任意の方法を独自に選ぶのではなく、設計図書、数量算出条件、発注者の定める基準に従います。工程管理用の概算値と、正式な数量確認用の値を区別することが重要です。


累計土量が増減するときの確認ポイント

盛土施工が進めば累計値は一般に増加しますが、施工中にはほとんど増えなかったり、前回より減少したりすることがあります。数値を直ちに誤りと決めつけず、現場変化と計測条件の両方を確認します。


最初に、座標系、高さ基準、基準点の整合を確認します。前回と今回で面全体が上下または水平方向にずれていると、施工とは無関係な見かけの増減が生じます。既知点や変化していない構造物を使い、データの位置関係を確認します。


次に、計算範囲を確認します。境界が内側へ移れば累計値は減り、外側へ広がれば増えます。工区境界、測点区間、法尻側境界が前回と一致しているか、追加範囲を過去データでも再計算したかを確認します。


仮置き土の有無も重要です。前回計測時に対象範囲内の仮置き山を含め、今回までに別の場所へ移動していれば、累計値は減少します。仮置き土を盛土累計から除外する方針なら、すべての段階で同じ処理を行います。


締固めや沈下による減少もあります。施工直後の盛土は、その後の転圧、自重、基礎地盤の変形などによって高さが低下することがあります。広い面積でわずかな沈下が生じると、体積差は大きくなります。


降雨による侵食、表面流出、わだち、排水不良でも地形面は変化します。法面や排水施設が未完成の段階では、雨量、排水経路、法面の状態、補修記録を確認します。


掘り返しや構造物施工も影響します。盛土後に管路や基礎のための掘削を行うと、掘削箇所では累計値が減ります。掘削土を同じ計算範囲内へ仮置きすれば、別の場所では増加します。


期間内に盛土と掘削が同時に行われた場合は、増加体積と減少体積を別々に確認します。純体積だけでは、施工範囲内でどの程度の形成と撤去が生じたかを把握できません。


不要物の混入も確認します。前回データに車両や資材が含まれ、今回データでは除去されていると、盛土を追加していても差が小さく見えることがあります。今回だけ機械や資材が含まれていれば、過大な増加となる場合があります。


累計値が計画より多い場合は、余盛り、施工幅、法面位置、設計面を超えた部分を確認します。施工上必要な余裕幅を設ける場合でも、設計数量との比較では含有条件を統一します。


異常値が見つかったときは、理由が確認できる前に高さを任意調整したり、都合の悪い範囲だけを削除したりしません。補正が必要な場合は、基準点検証、再計測、処理条件の誤りなど、客観的な根拠を残します。


施工段階ごとの土量管理で起こりやすいミス

施工段階ごとの累計土量管理では、計算式よりも、数量定義や条件設定の不統一が結果へ大きく影響します。


代表的なミスは、施工段階ごとに異なる基準面を使うことです。第1段階は施工前地盤、第2段階は第1段階の施工面を基準にすると、累計値と期間値が混在します。累計値は共通基準面から求め、二時点面の比較結果は期間変化として別に記録します。


計算範囲を毎回変えることもミスにつながります。施工済み部分だけを囲んで体積を求めると、各回の範囲が異なり、差分に範囲変更の影響が含まれます。固定範囲で比較し、未施工部や欠測部を明示します。


累計土量と期間土量を混同することもあります。第3段階累計は施工開始から第3段階までの体積であり、第3期間値は第2段階から第3段階までの純変化です。帳票の項目名を明確にします。


期間の純変化を、その期間に投入した盛土材の総量とみなすことも避けます。期間値には締固め、沈下、掘削、侵食、場内移動などが含まれます。材料投入量は搬入記録や場内流用記録と照合します。


搬入時のほぐれた土量と締固め後体積を同じ数量として比較することも誤りの原因です。数量状態を明記し、換算する場合は根拠を残します。


正の体積と負の体積を相殺した値だけを保存すると、増加と減少の内訳が分かりません。純変化に加えて、増加体積と減少体積を必要に応じて記録します。


構造物体積を二重に控除するミスもあります。面作成時に構造物範囲を除外し、計算後に同じ構造物体積を差し引くと、盛土量を過小に算定します。控除処理の段階を一つに定めます。


施工面上の車両や資材を残したまま面を作ると、過大な体積が計上されることがあります。不要物を除外した後は、欠測部を補間した面が実際の施工面を表しているかを確認します。


法尻や工区端部の欠測を過度に補間することも危険です。点がない範囲を自動面で覆うと、不自然な斜面や水平面が形成されます。必要な位置を追加計測するか、未評価範囲として除外します。


過去の累計値を修正しても、それ以降の期間値を更新しないミスもあります。前回値が変われば今回との差も変わるため、修正した段階以降を順に再計算します。


計算結果だけを保存し、元データや条件を残さないことも問題です。再検証には、基準面、施工面、境界線、座標と高さの基準、控除条件、処理履歴が必要です。元データと計算条件を一体で保存します。


累計土量を工程管理と残り土量予測へ活用する方法

累計土量を継続して算出すると、工程進捗や今後必要な盛土体積の検討に活用できます。計画累計と実績累計を同じ基準日、同じ範囲、同じ数量定義で比較すれば、土量ベースの進み具合を把握できます。


計画では第1週終了時に1,500立方メートル、第2週終了時に3,200立方メートル、第3週終了時に5,000立方メートルを想定し、第2週の実測累計が2,800立方メートルなら、計画累計との差は400立方メートルです。


ただし、差だけで工事全体が遅れていると断定しません。降雨休止、搬入経路変更、構造物周辺の先行作業、品質確認、施工順序の変更などにより、土量進捗と全体工程の進捗が一致しない場合があります。


期間の純増を実稼働日数で割れば、一日当たりの平均的な地形体積増加を求められます。直近の傾向から完成までの日数を概算できますが、施工終盤は端部、法面、構造物周辺、すり付け部の作業が増え、初期と同じ施工能力を維持できないことがあります。


完成設計面と現在面を比較すると、設計面まで不足している体積と、設計面を超えている体積を場所別に把握できます。設計総土量から現在累計を単純に差し引く方法は概算には使えますが、施工位置が偏っている場合は、面的な不足量を確認する方が実態に合います。


一部が設計面より高く、別の部分が低い場合、正負を相殺すると不足量が小さく見えることがあります。高い部分の材料を低い部分へ移せるかどうかは、施工層、材料品質、含水状態、締固め状態、施工順序によって変わります。不足体積と超過体積を分けて評価します。


ここで予測するのは、完成までに必要な残りの盛土体積です。一般に残土量は、工事で余って場外搬出や処分の対象となる土量を指すため、残り盛土量と混同しないようにします。場外へ搬出する残土を予測する場合は、切土、外部搬入、場内流用、盛土必要量、仮置き残量を含む土量収支を別に作成します。


残りの締固め後体積から搬入必要量を見積もる場合は、土砂の状態変化を考慮します。過去の搬入実績と実測体積の関係は参考になりますが、土質、土取場、含水状態、施工方法が変われば同じ関係になるとは限りません。


累計土量の推移は施工能力の確認にも利用できます。期間値が継続的に低下している場合は、土砂供給、運搬車両、敷均し、締固め、施工幅、他工種との干渉などの制約を調べます。


累計体積だけでなく、設計面に達した面積、未施工範囲、法面の進捗、構造物周辺の残作業も確認します。体積が計画どおりでも、必要な場所に適切な材料が配置されていなければ、完成形に近づいているとは限りません。


各施工段階の地形データを保存すると、過去の施工状態を追跡できます。沈下や変形が生じた場合に、どの時点から変化が現れたかを確認する資料にもなります。


現場で計測後に概算値や断面を確認できれば、欠測範囲や不自然な地形面を早期に発見しやすくなります。ただし、現場で得た概算値をそのまま正式数量にせず、基準面、範囲、不要物、構造物控除、補間条件、数量基準を確認して確定します。


まとめ

盛土の体積計算方法で施工段階ごとの累計土量を出すには、共通の基準面と固定した計算範囲を用い、各時点の施工面との間の体積を同じ条件で計算します。


最初に、基準面、計算範囲、工区境界、構造物控除、数量の定義を決めます。次に、日単位、週単位、施工層単位など、管理目的に合った施工段階と計測時点を設定します。


各段階では、同じ座標系、高さ基準、範囲、面作成条件を用いて累計値を求めます。法肩、法尻、すり付け部、構造物周辺などの形状変化点を適切に取得し、欠測部を無理に補間しません。


今回累計から前回累計を差し引くと、期間の純体積変化を求められます。ただし、その値は材料投入量そのものではありません。締固め、沈下、掘削、侵食、場内移動、仮置き土の出入り、計測条件の差が含まれる可能性があります。


算出値は、搬入実績、場内流用、場外搬出、仮置き、施工日報、現場写真と照合します。ほぐれた搬入土量と締固め後の出来形体積は異なる状態の数量なので、根拠のない一律換算で一致させません。


累計土量を継続して記録すれば、計画と実績の比較、期間ごとの純増減、完成までの残り盛土体積、工区別進捗、場内土量収支の検討に活用できます。数値だけでなく、基準面、計測範囲、施工状態、控除条件、修正履歴を保存することで、一貫性のある土量管理につながります。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page