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盛土の体積計算方法で既設構造物周りの控除を行う6点

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

盛土の体積計算で既設構造物を控除する意味

控除計算を始める前にそろえる情報

既設構造物の外形と基準面を確定する

計画盛土と重なる部分だけを控除する

構造物本体と周辺の埋戻しを分ける

法面や段差にかかる構造物を断面化する

複数の構造物による重複控除を防ぐ

設計変更と出来形を最終数量へ反映する

既設構造物周りの控除量を求める計算方法

盛土数量の計算で起こりやすい間違い

控除計算の確認記録を残す方法

まとめ


盛土の体積計算で既設構造物を控除する意味

盛土の体積計算では、一般に現況地盤面と計画地盤面の間に新たに形成される土の体積を求めます。しかし、その空間の中に施工後も残る擁壁、基礎、ます、管路、函渠、橋台、地下構造物などがある場合、計画面と現況面の差だけを積み上げると、実際には土が入らない部分まで盛土量へ含めることがあります。


平面的に100平方メートルの範囲を平均1メートル盛り上げる条件では、単純な幾何学体積は100立方メートルです。その範囲内に幅2メートル、長さ5メートル、重複高さ1メートルの残置構造物があり、構造物の占有空間が盛土計算へ含まれているなら、幾何学上の重複体積は10立方メートルです。この場合は、控除前の盛土体積から重複体積を差し引くことで、構造物を除いた空間を整理できます。


ただし、構造物が存在するだけで、その全体体積を必ず控除できるわけではありません。現況地盤より下に既に埋まっている部分、計画地盤より上に突出する部分、盛土施工前に撤去される部分は、今回新たに土を入れる空間と重ならない可能性があります。基本となるのは、控除前の盛土モデルと施工後に残る構造物の共通部分だけを抽出する考え方です。


さらに、幾何学上の正味体積と、契約数量や積算数量は区別する必要があります。国土交通省の令和8年度土木工事数量算出要領では、横断構造物等について現地盤線以上の断面積が1平方メートル以上となる場合は盛土量から控除するとされる一方、盛土中で現地盤線以上の断面積が1平方メートル未満の構造物は原則として控除しなくてよい対象に挙げられています。したがって、小規模構造物を数学的に差し引ける場合でも、設計数量では適用する数量算出要領や発注図書の扱いを優先しなければなりません。([国土交通省 CGI][1])


設計数量、施工計画上の搬入量、出来形体積では、基準とする土の状態も異なることがあります。完成形の盛土量を求める段階では締固め後の幾何学体積を扱い、掘削土量、運搬土量、材料調達量へ展開するときは、地山、ほぐし、締固め後の区分や採用する土量変化率を別途整理します。控除前後で土の状態を混在させると、同じ立方メートルでも意味が変わるため注意が必要です。


既設構造物周りの控除では、一律の控除率を掛けるのではなく、構造物ごとの残置状態、現況地盤、計画地盤、数量区分を確認し、差し引いた根拠を残すことが重要です。


控除計算を始める前にそろえる情報

控除計算の精度は、計算式よりも入力条件の整理に左右されます。平面図に構造物の記号があっても、外形寸法や高さが不明なら重複体積は確定できません。構造図に寸法があっても、造成計画との位置関係が分からなければ、どの部分が盛土へ入るか判断できません。


最初に確認するのは現況地盤です。現況平面図、縦断図、横断図、測点標高、地形測量成果などから、施工前の地盤面を把握します。構造物の一部が既に埋まっている場合は、構造物周辺の現況地盤高が必要です。離れた代表点の標高をそのまま使うと、法面や段差付近では重複高さを誤る可能性があります。


次に計画地盤の情報を整理します。造成計画高、道路計画高、法肩高、法尻位置、横断勾配、縦断勾配、法面勾配、すり付け範囲などを確認し、構造物位置での計画面を求めます。平坦な造成地であっても、排水勾配や局所的な段差がある場合は、一定の計画高だけで扱えません。


既設構造物については、平面位置、外形寸法、天端高、底面高、傾き、段差、張り出し、基礎形状、開口の有無を確認します。擁壁の底版、ますの底版、管路の外径、基礎のフーチングなど、地表から見えない部分が計画盛土と重なることもあります。地下部分が確認できないときは、完成図、竣工図、過去の施工記録、試掘結果などを参照し、確定値と推定値を区別します。


施工後に構造物が残るのか、全部または一部を撤去するのかも重要です。撤去後の空間へ土または埋戻し材を入れる計画であれば、撤去部分を残置構造物として控除し続けることはできません。一部撤去の場合は、施工後に残る外形を基準にします。


また、構造物周囲の材料区分を確認します。裏込め材、基礎材、保護砂、砕石、流動化処理土などを使う範囲は、構造物本体の控除とは別です。国土交通省の数量算出要領でも、構造物に裏込め材を使用する場合は盛土量からその範囲を控除し、裏込め材の数量を別途算出する考え方が示されています。


計算を始める前に、現況面、計画面、残置構造物、撤去範囲、別材料範囲、適用する数量算出条件を同じ平面図または三次元モデルで確認できる状態にすると、控除漏れと二重控除を防ぎやすくなります。


1. 既設構造物の外形と基準面を確定する

最初の確認点は、施工後に残る構造物の外形と、高さの基準を確定することです。平面図の見付け幅だけで体積を計算すると、地下の張り出しや上部と下部の寸法差を反映できません。


擁壁は壁体だけを見ると薄い板状でも、地下に底版やかかと版を持つことがあります。これらが現況地盤より上の盛土空間へ入るなら、重複部分として確認が必要です。一方、底版全体が現況地盤より下にあり、今回の盛土空間に含まれないなら、その体積を盛土から差し引くと過小計上になります。


外形は平面方向と高さ方向に分けて整理します。平面方向では、幅、長さ、曲線部、張り出し、斜め配置、接続部を確認します。高さ方向では、天端高、底面高、厚さの変化、段差位置、現況面との交点、計画面との交点を確認します。


図面ごとの基準高が一致しているかも確認します。構造図が基礎底面からの相対寸法、造成図が標高、現地計測が任意基準という状態では、そのまま比較できません。構造物の主要点、現況地盤、計画地盤を共通の標高基準へ変換してから重複高さを求めます。


現地計測では、見えている角だけで外形を確定しないことも大切です。舗装、堆積土、植生、既設盛土によって本来の輪郭が隠れていることがあります。確認できない部分を推定する場合は、推定根拠と不確かさを記録し、数量への影響が大きい箇所は試掘や追加資料で確認します。


円形のますやマンホール状構造物では、外径と内径を区別します。施工後も内部へ土を入れない状態で残るなら、土が占められない空間は原則として外形側から検討します。ただし、上部撤去後に内部を充填する計画などでは、完成後に土または別材料が入る部分を控除対象から外します。


構造物の形状が途中で変わる場合は、一つの直方体へ過度に単純化せず、壁体、底版、張り出し、上部、下部など、数量へ影響する区分に分けます。細分化は要求精度と元資料の精度に合わせ、確認できない細部を見かけ上だけ高精度に計算しないことも重要です。


2. 計画盛土と重なる部分だけを控除する

控除対象は、構造物全体ではなく、控除前の計画盛土空間と施工後に残る構造物の重複部分です。一定の平面外形を持つ構造物で、現況地盤、計画地盤、構造物天端、構造物底面が水平とみなせる場合、重複高さは次の考え方で整理できます。


重複高さは、計画地盤高と構造物天端高の低い方から、現況地盤高と構造物底面高の高い方を差し引いた値です。計算結果がゼロ以下なら、その条件では新たな盛土空間との重複はありません。この式は水平で単純な条件を整理するためのものであり、勾配面や不整形構造物では区画または断面ごとに求めます。


たとえば、現況地盤高が100.00メートル、計画地盤高が101.20メートル、構造物が標高99.00メートルから100.80メートルまで存在する場合、盛土空間は100.00メートルから101.20メートルです。構造物との重複は100.00メートルから100.80メートルまでの0.80メートルであり、構造物全高1.80メートルを控除するわけではありません。


構造物天端が計画地盤より高い場合、控除高さの上限は計画地盤です。計画地盤より上へ突出する部分は、もともと盛土として計上される空間ではありません。構造物天端が計画地盤より低い場合は、その上に盛土する空間が残るため、構造物天端から計画地盤までを控除してはいけません。


計画面に勾配がある場合は、構造物の端部ごとに重複高さが変わります。面積が大きい構造物で中央一点の高さだけを代表値にすると、実際の交差形状とずれることがあります。四隅、折れ点、勾配変化点などで高さを求め、三角柱、台形柱、複数区画または三次元モデルに分けます。


法面上の構造物では、法面より外側へ出る部分を盛土から控除できません。平面投影だけで構造物全体を盛土内と判断せず、法面と構造物の交線を断面または立体モデルで確認します。


なお、ここで求めるのは幾何学上の重複体積です。契約数量へ反映するときは、構造物の断面規模、工種、適用する数量算出要領、発注者の運用を照合します。特に1平方メートル未満の構造物を自動的にすべて控除する処理は、国土交通省要領の原則的な扱いと一致しない場合があります。([国土交通省 CGI][1])


3. 構造物本体と周辺の埋戻しを分ける

構造物周囲には、構造物本体だけでなく、床掘り跡、埋戻し部、裏込め材、基礎材、保護砂、作業空間などがあります。これらを一括して構造物体積として差し引くと、盛土量と材料別数量の区分が不明になります。


構造物本体は、施工後も土が入らない範囲です。これに対して、構造物周囲の床掘り空間は、施工後に土または別材料で充填されることが一般的です。空間を掘った事実と、完成後に空間が残ることは同じではありません。床掘りの余裕幅まで構造物として控除すると、実際に必要な埋戻し材を見落とします。


既設管路では、管の外形部分は土が入らない一方、管側部、管頂上部、必要な土被り部には埋戻し材または盛土材が入ります。管を含む大きな直方体を一括控除すると、管周囲へ入る材料まで差し引いてしまいます。原則として、管本体の外形と盛土空間の重複を確認し、保護砂や別材料の範囲は材料区分として別に整理します。


既設構造物周囲を施工中に再掘削する場合、再掘削量と埋戻し量は作業土工として管理し、完成形の構造物控除と混在させません。国土交通省要領では、床掘りは構造物の築造または撤去を目的に掘り下げ、埋戻しを伴う箇所として整理されています。


裏込め材や選定材料を使う範囲は、通常盛土から除いたうえで別材料として計上します。この処理は、空間を消滅させる控除ではなく、通常盛土から別材料へ数量を振り替える整理です。構造物本体の控除と別材料範囲の振替を同じ項目で処理すると、二重に差し引きやすくなります。


構造物近傍で大型締固め機械を使いにくい範囲は、土が不要な空間ではありません。小型機械や人力による締固め、層厚の調整など、施工方法を変更する範囲として扱います。施工の難しさを体積控除へ置き換えないことが重要です。


また、小径管、細い支柱、杭などの扱いは、独自判断で細かく差し引くのではなく、適用基準を確認します。国土交通省要領では、盛土中で現地盤線以上の断面積が1平方メートル未満の構造物や防護柵支柱の箱抜きなどを、原則として控除しなくてよい対象に挙げています。([北海道フロント][2])


4. 法面や段差にかかる構造物を断面化する

平坦部の中央にある一定形状の構造物は、平面面積と重複高さから比較的簡単に計算できます。しかし、法面、路肩、段差、すり付け部、縦断勾配の変化部では、構造物との重複断面が位置によって変わります。


断面は、構造物形状の変化点、現況地盤の折れ点、計画面の勾配変化点、構造物と法面の交差位置に設定します。各断面で現況地盤線、計画地盤線、構造物外形を重ね、盛土空間と構造物が重なる断面積を求めます。


隣接する断面の重複面積をA1、A2、断面間距離をLとすると、平均断面法による区間体積はL×(A1+A2)÷2です。国土交通省の数量算出要領でも、体積計算は数学公式のほか、両断面積の平均数量に距離を乗じる平均断面法を用いることが示されています。また、土工数量は平均断面法または所定の三次元モデルによる算出を標準とする扱いがあります。


ただし、平均断面法は断面間の変化を平均化する方法です。断面間で形状が急変する場合や、構造物の始終点が区間内にある場合は、その変化点へ断面を追加します。長い区間の両端だけで平均すると、局所的な張り出しや段差を見落とすことがあります。


構造物が法面を斜めに横切る場合、道路中心線や造成基準線に直角な断面だけでは構造物の実形状を表しにくいことがあります。構造物軸方向の補助断面や、交差部に合わせた断面を追加し、どの方向の断面積とどの距離を組み合わせたかを明確にします。


段差部では、上段と下段を一つの平均面へ置き換えず、それぞれの計画高で重複量を求めます。擁壁天端、段切り面、階段状基礎などがある場合は、区画を分けた方が計算根拠を確認しやすくなります。


不整形な造成端部では、メッシュ法や三次元モデルも有効です。ただし、メッシュを細かくすれば自動的に信頼性が上がるわけではありません。元となる測量点、構造物寸法、計画面の精度より細かな計算単位を設定しても、入力条件の不確かさは解消されません。


5. 複数の構造物による重複控除を防ぐ

盛土範囲内に複数の構造物がある場合、個別の計算が正しくても、同じ空間を二度差し引くことがあります。ますと接続管、擁壁の壁体と底版、上部構造と基礎、構造物本体と別材料範囲などを別項目で計算するときは特に注意します。


既設ますを外形体積で控除し、その内部へ差し込まれた管路を別に控除すると、接続部が両方へ含まれることがあります。個別体積を単純に合計せず、構造物同士の共通部分を一方から除くか、全体を一つの複合形状として計算します。


擁壁の壁体と底版を直方体に分ける場合も、部材境界を重ねてモデル化していないか確認します。概略寸法だけで部材を組み合わせると、壁体下端と底版上部が重複することがあります。


重複控除を防ぐには、各構造物へ識別番号を付け、控除範囲を平面図と断面図へ表示します。構造物番号、部材区分、計算式、対象標高範囲を対応させると、同じ空間が別項目へ入っていないか追跡しやすくなります。


構造物本体と別材料範囲は、次の順序で整理すると分かりやすくなります。まず控除前の盛土体積を求め、構造物本体の重複体積を差し引きます。次に、残った充填空間のうち裏込め材などを使う部分を通常盛土から別材料へ振り替えます。別材料範囲全体を差し引いた後、その内部に含まれる構造物本体を再び控除すると二重計上になります。


複数の構造物が接しているときは、個別計算と一体計算のどちらが確認しやすいかを選びます。個別計算は構造物別数量を把握しやすい反面、接続部調整が必要です。一体計算は重複を避けやすい反面、構造物別内訳を別途整理する必要があります。


最終確認では、個別控除量の合計だけでなく、控除形状を平面または三次元で重ね、共通部分が残っていないか確認します。


6. 設計変更と出来形を最終数量へ反映する

既設構造物の位置や寸法は、施工前調査で設計図と異なることがあります。残置予定が撤去へ変わる、撤去予定が残置へ変わる、計画地盤高が変更される、構造物の一部だけが撤去されるといった変更もあります。


残置予定だった構造物を撤去し、その空間を盛土材または埋戻し材で充填する場合、当初の控除量を残すと必要量を過小に算定します。反対に、撤去予定だった構造物が残置へ変われば、施工後に残る範囲と盛土空間の重複を追加で確認します。


計画地盤高が上がると構造物との重複高さが増える場合があり、下がると減る場合があります。構造物天端をまたいで計画高が変更されると、控除量だけでなく、構造物上部へ載る盛土厚も変わります。


法面端部や切盛境界では、構造物位置のわずかな差が控除対象の有無へ影響することがあります。平坦部で位置ずれの影響が小さくても、勾配面では計画高が変化するため、実測位置で再計算します。


現地計測値を使うときは計測時点を記録します。施工前、撤去後、盛土途中、完成後では確認できる形状が異なります。盛土完了後には地下部分を直接確認できないため、施工前の測量、出来形記録、写真、竣工資料と組み合わせます。


当初設計値、変更設計値、現地実測値を同じ計算書へ無表示で混在させないことも重要です。各寸法の出所、採用理由、承認状況を記載し、最終数量がどの版の図面と計測成果に基づくかを明確にします。


土量変化率を反映する場合は、まず構造物控除後の完成形体積を整理し、その後に用途に応じて地山土量、ほぐし土量、締固め後土量へ換算します。国土交通省要領でも、掘削や運搬などは地山土量、路体・路床盛土は締固め後の土量として扱う区分が示されています。


更新後は旧計算書を上書きせず、版番号、更新日、変更内容を付けて管理します。差分が追える状態にしておけば、数量照査や変更協議で説明しやすくなります。


既設構造物周りの控除量を求める計算方法

控除計算では、直方体、円柱、台形柱、平均断面法、メッシュ法、三次元モデルなどを形状に応じて使い分けます。どの方法でも、計算対象は構造物全体ではなく、盛土空間との重複部分です。


一定断面の直方体状構造物では、重複長さ×重複幅×重複高さで求めます。重複高さには構造物全高ではなく、現況面と計画面の間へ入る部分を使います。


鉛直な円柱状構造物では、外径をD、一定の重複高さをhとすると、幾何学上の体積は円周率×Dの二乗÷4×hです。外径が途中で変わる場合や、計画面が傾斜する場合は、一つの円柱として扱わず区分します。


水平管路が全断面で盛土空間へ入る場合は、外径断面積×重複延長で求められます。管断面の一部だけが現況面より上にある場合は、円形断面全体ではなく、現況線と計画線に挟まれる円弧部分の面積を求めます。管路の縦断勾配がある場合は、区間ごとに重複断面を確認します。


断面が区間ごとに変わる場合は、平均断面法を用います。前後の重複断面積をA1、A2、距離をLとすると、区間体積はL×(A1+A2)÷2です。断面急変点、構造物端部、計画勾配の変化点には中間断面を追加します。


平面的に不整形な構造物は、三角形、長方形、台形などへ分割し、各区画の面積と重複高さから求めます。区画内で高さが変わる場合は、代表点の平均だけで妥当かを確認し、必要に応じて分割を細かくします。


メッシュ法では、各メッシュ内の構造物占有面積と重複高さを掛け、その合計を求めます。構造物輪郭がメッシュを横切る場合は、メッシュ全体を構造物として扱わず、占有面積を反映します。


三次元モデルを使う場合は、控除前の盛土ソリッドと施工後に残る構造物ソリッドの共通部分を求めます。自動計算であっても、座標系、標高基準、モデルの閉合、重複部、欠損面、単位を確認し、簡単な代表断面や概算値で結果を照査します。数量算出要領でも、CAD等の算出結果は適宜確認したうえで適用する考え方が示されています。


正味盛土体積は、控除前の盛土体積から、基準上控除する構造物の重複体積と、別材料へ振り替える範囲を適切に整理して求めます。幾何学上の控除候補と契約数量上の控除対象を分けて記録すると、設計照査と施工計画の双方に使いやすくなります。


盛土数量の計算で起こりやすい間違い

代表的な間違いは、既設構造物全体の体積を差し引くことです。現況地盤より下の部分や計画地盤より上の部分まで控除すると、盛土量を過小に算定します。


平面図だけで判断することも誤差の原因です。平面上は盛土範囲内でも、断面上では計画面と重ならないことがあります。逆に、地下の底版や張り出しが平面図へ表示されておらず、控除不足になることもあります。


現況地盤高を離れた測点から流用すると、法面や段差部で重複高さを誤ります。計画地盤高についても、道路中心や造成基準点の標高を構造物位置へそのまま使わず、縦横断勾配を反映します。


内空寸法を外形寸法として使う間違いにも注意します。土が入らない範囲を求めるときは、施工後の外形と充填状態を確認します。内幅と壁厚が別記されている場合は、外幅を算出します。


床掘りの余裕幅を構造物本体として控除すると、埋戻し量や別材料量を見落とします。床掘りは施工中に掘削されても、完成時には埋め戻される空間を含みます。


ますと管、壁体と底版、構造物本体と裏込め材範囲の二重控除も起こりやすい問題です。個別項目の合計だけでなく、空間の重なりを確認します。


小規模構造物をすべて数学的に控除することも、契約数量では誤りとなる場合があります。国土交通省要領では、盛土中で現地盤線以上の断面積が1平方メートル未満の構造物は原則として控除しなくてよい扱いが示されています。発注機関や工種ごとの運用が異なる可能性があるため、適用図書を確認します。([国土交通省 CGI][1])


完成形の控除後体積を、そのまま搬入土量とみなすことも避けます。締固め後の盛土体積と、地山状態またはほぐした状態の運搬量は同じではありません。採用する土量変化率と基準状態を明記します。


最後に、設計値と実測値を部分的に混在させながら出所を記録しないと、再計算できません。値の採用根拠と計測時点を残します。


控除計算の確認記録を残す方法

控除計算は、最終値だけでは妥当性を確認できません。どの構造物を、どの範囲で、どの基準高により控除したかを記録します。


平面図では、構造物ごとに識別番号を付けます。同じ種類のますや基礎が複数ある場合でも、計算書と位置を一対一で対応させられます。撤去、残置、控除対象、基準上の控除対象外といった区分も表示します。


各構造物について、平面寸法、底面高、天端高、現況地盤高、計画地盤高、重複高さ、採用計算式、適用した数量算出条件を記録します。寸法の出所が設計図、竣工図、現地計測、試掘、推定のどれかも示します。


断面計算では、断面位置、断面方向、断面間距離を平面図へ記載します。断面図には現況線、計画線、構造物外形、重複部分を表示し、採用した断面積が分かるようにします。


現地写真は、全景だけでなく、測定位置、高さ基準点、周辺地盤、地下部確認の状況を記録します。写真番号を平面図の構造物番号や測点番号と対応させると、後日確認しやすくなります。


計算書では、控除前盛土体積、幾何学上の構造物重複体積、基準により控除しない量、契約数量として控除する量、別材料へ振り替える量、控除後盛土体積を区別します。これにより、数学的な正味空間と発注数量の差を説明できます。


設計変更がある場合は、変更前後の数量を分け、撤去範囲、残置範囲、位置、計画高、材料区分のどれが変わったかを記載します。旧版を削除せず、版番号と更新日を残します。


最終照査では、平面図上の構造物数と計算書の項目数を突き合わせます。控除対象外とした構造物も記録から消さず、断面積が基準未満、盛土空間と重ならない、撤去後に充填するなど、対象外の理由を残します。


スマートフォン、GNSS受信機、トータルステーション、レーザースキャナーなどを利用して位置や高さを記録する場合は、要求精度、座標系、標高基準、観測条件、使用機器の仕様を確認します。簡易な現場記録は位置関係の把握に役立ちますが、契約数量や出来形管理へ使用できるかは、適用基準と測定精度を確認して判断します。


まとめ

盛土の体積計算方法で既設構造物周りの控除を行うときは、構造物全体を一律に差し引くのではなく、現況地盤と計画地盤の間にある盛土空間と、施工後に残る構造物の重複部分を確認します。


第一に、構造物の外形と共通の高さ基準を確定します。第二に、計画盛土と重なる部分だけを抽出します。第三に、構造物本体、床掘り、埋戻し、裏込め材などの数量区分を分けます。第四に、法面や段差部では断面法、メッシュ法、三次元モデルを使い、立体的な交差を確認します。第五に、接続構造物や別材料範囲の二重控除を防ぎます。第六に、設計変更と実測結果を最終数量へ反映します。


また、幾何学上の重複体積と契約数量上の控除対象は同じとは限りません。国土交通省の数量算出要領では、横断構造物等で現地盤線以上の断面積が1平方メートル以上となる場合に盛土量から控除し、1平方メートル未満の構造物は原則として控除しなくてよい扱いが示されています。実務では、最新の適用要領、特記仕様書、設計図書、発注者の運用を確認することが不可欠です。([国土交通省 CGI][1])


控除計算の根拠として、構造物番号、外形寸法、現況高、計画高、重複断面、計算式、数量区分、変更履歴を残せば、数量照査、搬入計画、変更協議、出来形確認に利用しやすくなります。


現地計測機器や三次元データを活用する場合も、自動算出結果をそのまま採用せず、代表断面や概算計算で照査します。構造物の位置と盛土計画を同じ座標・標高基準で管理し、適用基準に沿って控除対象を判断することが、安全で再現可能な盛土数量計算につながります。


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