top of page

盛土の体積計算方法で集水暗渠の砕石置換部を除く6項目

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均7分15秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

盛土の体積計算は、延長へ幅と高さを掛けるだけでは整理できません。現地盤は傾斜し、盛土高や法面勾配、施工幅員は測点ごとに変わります。さらに、表土除去、段切り、地盤改良、構造物、排水施設などが盛土範囲に重なるため、どの面を下端とし、どの部分を別数量とするかを先に決める必要があります。


集水暗渠の砕石置換部は、実際の完成形では通常の盛土材とは異なる材料が占める部分です。ただし、設計数量や契約数量で、その外形体積を常に盛土量から差し引くとは限りません。適用する数量算出要領、特記仕様書、設計図書、発注者の計上区分によって、控除条件が定められているためです。


国土交通省の令和8年度土木工事数量算出要領では、横断構造物等について、現地盤線以上の断面積が1平方メートル以上となる場合に盛土量から控除し、構造物に裏込め材を使用する場合は盛土量から控除して別途数量を算出する考え方が示されています。したがって、小断面の集水暗渠や縦断方向の暗渠を、名称だけで一律に控除するのは安全ではありません。まず適用基準上の扱いを確認し、そのうえで盛土外形との重なりを計算します。国土交通省土地政策研究所


この記事では、「盛土 体積 計算 方法」で調べている設計、積算、施工管理の実務担当者に向けて、計算対象の確定、横断面積、平均断面法、形状補正、集水暗渠の砕石置換部の扱い、土量変化率までを六つの項目として解説します。契約数量と材料手配数量を混同せず、根拠を説明できる計算書を作るための考え方です。


目次

盛土の体積計算方法で最初に整理すること

計算対象範囲と基準面を確定する

測点ごとの横断面積を正しく求める

平均断面法で区間体積を積み上げる

法面・段差・曲線部の形状変化を補正する

集水暗渠の砕石置換部を盛土量から除く

土量変化率と締固め後体積を区別する

集水暗渠を含む盛土体積の計算例

盛土の体積計算で起こりやすいミス

実務で使える確認手順とまとめ


盛土の体積計算方法で最初に整理すること

盛土の体積を計算する前に、求める数量の用途を明確にします。同じ現場でも、設計数量、契約数量、出来形数量、材料手配数量、運搬数量では、採用する境界や土の状態が異なることがあります。数値だけを比較すると食い違いに見えても、数量の定義が違えば一致しないのが当然です。


道路土工などで算出する路体盛土や路床盛土は、数量算出上、締固め後の土量として扱われます。掘削や残土処分は地山土量として扱われるため、切土と盛土を直接差し引く前に、同じ状態へ換算しなければなりません。国土交通省土地政策研究所+1


計算書では、少なくとも次の二つを分けて管理します。一つは、適用する数量算出基準に従った設計・契約上の盛土量です。もう一つは、完成形の中で通常の盛土材が実際に占める体積を求める材料収支上の数量です。


材料収支上の純盛土体積は、概念的には次の関係で整理できます。


純盛土体積 = 総盛土外形体積 - 盛土外形内で別材料が占める重なり体積


ただし、この式をそのまま契約数量へ適用できるとは限りません。設計・積算では、控除対象の種類、断面積の下限、現地盤線との位置関係、裏込め材としての区分などが基準に定められている場合があります。したがって、計算書の冒頭に「設計数量」「出来形数量」「材料手配用」のいずれを求めるのかを記載します。


集水暗渠についても、管の延長、フィルター材または砕石の体積、床掘り、埋戻し、盛土控除は別々の数量です。令和8年度の数量算出要領では、暗渠排水管は延長、暗渠排水管に伴うフィルター材は体積で算出する区分が示されています。フィルター材を別途算出することと、盛土量から同じ体積を必ず控除することは同義ではありません。国土交通省土地政策研究所


計算に用いる資料は、平面図、縦断図、横断図、排水施設図、構造詳細図、数量算出条件書です。図面番号、改訂日、測点体系、縮尺、単位、対象区間を一覧化し、同じ改訂段階の資料だけを使います。横断図だけが更新され、暗渠縦断図が旧版のままであれば、盛土基面と砕石置換部の重なりが誤って算定されます。


単位は面積計算に入る前に統一します。長さはメートル、断面積は平方メートル、体積は立方メートルとし、ミリメートル表記は先にメートルへ換算します。途中で小数を丸め続けると区間数が多いほど差が蓄積するため、内部計算では必要な精度を保持し、提出時に指定された桁へ丸めます。


計算対象範囲と基準面を確定する

一つ目の項目は、盛土の上端、下端、左右端、起終点を確定することです。平面方向では対象区間、施工幅員、法尻、取付部、構造物接続部を決めます。高さ方向では完成計画面と、盛土を開始する施工基面を決めます。


現況地盤線を常に盛土の下端にできるとは限りません。表土除去を行う場合は、除去後の面が施工基面になります。軟弱土を掘削して置換材を施工する場合は、置換材と盛土材の境界を設計図書に合わせて区分します。段切りを行う場合も、元斜面ではなく段切り後の形状を反映しなければ、盛土材が入る領域を正しく表せません。


ここで重要なのは、設計上の盛土外形と、控除対象の外形を別々の図形として作ることです。最初から暗渠や構造物を抜いた複雑な盛土断面だけを作ると、何を除いたのかが分かりにくくなります。まず総盛土外形を作り、次に構造物、裏込め材、砕石置換部などを重ね、適用基準に従って控除対象となる重なりだけを別計算します。


集水暗渠が現地盤を掘り込んで設置される場合、その全断面が総盛土外形に含まれるとは限りません。暗渠の下部が現地盤線より下にあり、上部だけが盛土内へ入るなら、材料収支上の重なり体積は上部だけです。さらに契約数量では、現地盤線以上の断面積や施設の区分によって、控除しない扱いになることがあります。


盛土が始まる位置や終わる位置が測点間にある場合は、盛土高がゼロとなる位置に補助測点を設けます。切土と盛土の境界、法面勾配の変更点、暗渠が盛土内へ入る位置、断面寸法の変更点、集水桝との接続位置も同様です。端部条件を補助断面で表すことで、盛土範囲外を平均断面法へ含める誤りを防げます。


計算対象を確定したら、数量計算図へ盛土外形、施工基面、現地盤線、暗渠外形、控除判定区間、測点を明示します。数値だけでなく、境界の根拠を残すことが、設計変更や照査へ対応できる計算書につながります。


測点ごとの横断面積を正しく求める

二つ目の項目は、各測点の盛土横断面積を求めることです。線状の道路盛土や築堤では、測点ごとの断面積を算定し、隣接断面間を体積化する方法が一般的です。横断面積は、完成計画線、法面、施工基面、現地盤線などで囲まれた閉じた図形として求めます。


基準面が水平で、左右の法面が直線、断面内に段差がない単純断面では、上幅をB、盛土高をH、左右の法面勾配を水平距離と鉛直距離の比でm1、m2とすると、盛土断面積Aは次式で表せます。


A = B × H + 0.5 ×(m1 + m2)× H²


左右の法面勾配が同じmなら、次の形になります。


A = B × H + m × H²


この式は、施工基面が水平で、左右の盛土高が同じ場合の簡略式です。傾斜地、片盛土、複数勾配、小段、段切り、構造物接続部では、境界点を座標化して多角形面積を求める方が安全です。


座標計算では、境界点を時計回りまたは反時計回りに並べ、閉じた多角形として面積を算定します。法面と現地盤の交点、施工基面の折れ点、路床と路体の境界、小段端部を省略すると、見た目が近くても数量は一致しません。座標一覧を計算書に残せば、図面改訂時の再計算も容易になります。


横断面内に切土と盛土が同時に存在する場合は、両者を相殺せず別々に求めます。切土は地山状態、盛土は締固め後の状態で整理されることがあるため、断面段階の相殺は土量配分を不明確にします。流用土の検討は、それぞれの体積を算定した後、土量変化率と土質区分をそろえて行います。


集水暗渠の砕石置換部は、盛土断面積から直接抜く方法と、総盛土体積を求めた後に別計算する方法があります。ただし、契約数量の控除条件を先に確認しなければなりません。材料収支用に重なり体積を求める場合は、暗渠外形と盛土外形の交差部分を断面ごとに算定します。


断面が一定で盛土内への入り方も変わらないなら、重なり断面積へ延長を掛ける方法で整理できます。盛土基面や暗渠高さが変化する場合は、各測点の重なり面積を求め、平均断面法で積み上げます。同じ部分を横断面積から差し引き、さらに暗渠別計算でも差し引く二重控除は避けます。


断面積を求めた後は、単純台形による概算値、隣接測点との連続性、外接図形の面積と比較します。前後の断面に比べて急増している場合は、座標順序、交点、単位、施工基面の選択を確認します。


平均断面法で区間体積を積み上げる

三つ目の項目は、横断面積から区間体積を求めることです。令和8年度の数量算出要領では、土量の算出は平均断面法または3次元モデルによる数量算出方法を標準としています。平均断面法は、測点ごとの断面積と区間長を使って体積を求める方法です。国土交通省土地政策研究所


隣り合う断面積をA1、A2、測点間の延長をLとすると、区間体積Vは次式です。


V =(A1 + A2)÷ 2 × L


各区間の体積を合計すれば、対象区間の総盛土体積になります。ただし、断面形状が測点間で直線的に変化するという近似を含むため、急変部では補助断面が必要です。


補助断面を設ける代表位置は、拡幅の開始点と終了点、法面勾配の変更点、擁壁の始終点、盛土高ゼロの位置、暗渠断面の変更点、盛土基面と暗渠外形の交差位置です。定間隔だけにこだわらず、形状変化を捉えられる位置で区間を分けます。


区間中央の断面積Amがあり、その断面が区間中央に位置する場合は、プリズモイダル公式の形で体積を評価できます。


V = L ÷ 6 ×(A1 + 4Am + A2)


この式は、中間断面が区間の中央にあり、断面変化が式の前提に適合する場合に使います。中間断面の位置が中央でない場合や形状が不連続な場合は、区間を分割して平均断面法を適用する方が説明しやすくなります。


道路盛土の距離は、道路中心線上の距離を標準とする考え方が示されています。ただし、半径の小さい曲線部などで中心線距離が適切でない場合は、断面の図心位置での距離などを検討します。国土交通省土地政策研究所+1


暗渠の材料数量では、断面が暗渠軸に直角で定義されているなら、軸方向の延長と整合させます。一方、契約上の延長が平面延長で規定されている場合は、その規定を優先します。盛土本体と暗渠材料で同じ延長定義を無条件に使わないことが重要です。


端数処理は最後にまとめます。断面積、区間体積、控除体積を各段階で整数へ丸めると、長い区間で誤差が蓄積します。内部値と提出値を分け、採用した丸め位置を計算条件に記載します。


法面・段差・曲線部の形状変化を補正する

四つ目の項目は、単純断面では表せない形状変化を補正することです。盛土は一定幅、一定高さ、一定勾配で連続するとは限りません。小段、段切り、片勾配、拡幅、すり付け、構造物接続、余盛りなどを断面へ反映します。


法面に小段がある場合は、法面の折れ点と小段の両端を境界点へ入れます。小段幅を上幅へ単純に加えると、法面下部まで同じ幅が続く図形となり、断面積を過大にするおそれがあります。


段切りを行う斜面では、元地盤線と完成法面の間を一つの台形として計算せず、段切り後の施工基面を使います。段切りの水平面、立上がり、法尻処理が図面と一致しているかを確認します。


拡幅区間や取付部では、起終点だけの平均で中間形状を表せない場合があります。幅員変化の折れ点、曲線の接続点、交差部の隅角部に補助断面を追加します。広場や交差点のように中心線横断だけでは形状を表しにくい範囲では、3次元モデルや小区画分割による検算が有効です。


擁壁や大型側溝が法面の代わりになる区間では、最初から壁面を盛土境界とする方法と、総盛土外形から構造物を控除する方法があります。どちらを採用しても、裏込め材、基礎砕石、排水層、構造物本体が重ならないように区分します。


余盛りは、土量変化率とは別の概念です。沈下を見込んで完成計画面より高く施工する形状が設計図書に示されている場合は、その形状を別途体積化します。完成体積へ一律の割合を上乗せする方法では、余盛り、施工ロス、材料の体積変化が混在します。


形状補正の検算には、平面積へ平均盛土高を掛けた概算値が使えます。横断法の結果と大きく違う場合は、法面部分、起終点、施工基面、構造物控除を見直します。概算は正式数量の代替ではありませんが、桁違いや二重計上を発見する手掛かりになります。


集水暗渠の砕石置換部を盛土量から除く

五つ目の項目は、集水暗渠の砕石置換部を除く条件と計算範囲を決めることです。ここで最も重要なのは、砕石が存在するから必ず盛土量から控除するのではなく、適用基準上の控除要件と、盛土外形との重なりを別々に確認することです。


最初に、数量の目的を確認します。契約数量を求めるのか、材料手配用の純盛土量を求めるのか、出来形上の材料別体積を求めるのかで結論が変わります。


契約数量では、発注者が採用する数量算出要領を優先します。国土交通省の令和8年度要領では、横断構造物等は現地盤線以上の断面積が1平方メートル以上の場合に盛土量から控除するとされています。また、構造物に裏込め材を使用する場合は、盛土量から控除して裏込め材を別途算出します。集水暗渠がこのどの区分に当たるかは、配置方向、構造、図面上の名称、積算区分で確認します。国土交通省土地政策研究所


材料手配用の純盛土量では、通常の盛土材が入らない実空間を求めます。この場合は、砕石置換外形と総盛土外形が重なる体積を差し引く考え方が合理的です。ただし、契約数量と区別するため、計算書の名称を「材料収支用」などと明記します。


次に、控除対象の外形を確定します。暗渠排水管に伴うフィルター材は、砕石などの体積として別途算出される区分があります。盛土材の占有空間を求める場合は、管だけでなく、設計図に示されたフィルター材または砕石の外形を対象とします。国土交通省土地政策研究所


長方形断面で幅b、高さh、延長Lが一定なら、外形体積Vdは次式です。


Vd = b × h × L


台形断面で上幅b1、下幅b2、高さhなら、断面積Adと体積Vdは次のようになります。


Ad =(b1 + b2)÷ 2 × h


Vd = Ad × L


ただし、差し引く体積は常にVd全量ではありません。暗渠の一部が現地盤線または施工基面より下にある場合、材料収支上の控除候補は盛土外形と重なる部分だけです。各測点の重なり断面積を求め、位置関係が変わる区間では平均断面法で積み上げます。


管体積の扱いも目的別に分けます。通常の盛土材が入らない空間を求めるなら、管を含む置換外形全体が盛土材の非占有部分です。一方、砕石そのものの材料体積を求める場合は、設計上の数量算出方法に従い、管、桝、他の構造物が占める体積を考慮することがあります。


幹線と枝線の交差部、集水桝周辺、他の排水層との重なりは、和集合として一度だけ控除します。各施設の外形体積を単純合計すると、交差部を二重に差し引くおそれがあります。重複体積を差し戻すか、最初から重ならない小区画に分けます。


延長は、数量算出条件に合わせます。断面が暗渠軸に直角で、材料の実体積を求めるなら、勾配を含む軸方向延長が整合します。契約数量が平面延長で定められている場合は、その基準を使います。実延長と契約延長を同じ列で管理しない方が安全です。


施工時の余掘りは、設計数量へ自動的に反映させません。設計数量は設計図書の外形を基本とし、変更指示や承認された出来形がある場合に変更数量として扱います。現場で広く掘った事実だけを理由に、盛土控除量や砕石数量を増やすのは適切ではありません。


この章で確認すべき六項目は、数量の目的、適用基準、現地盤線以上の断面積、盛土外形との重なり、管や桝との重複、延長と余掘りの扱いです。この順序で確認すれば、控除漏れだけでなく、基準に反する過大控除も防げます。


土量変化率と締固め後体積を区別する

六つ目の項目は、盛土体積を地山量や運搬量へ換算することです。盛土の設計数量は締固め後の体積として扱われ、掘削すべき量は地山体積、運搬対象はほぐした体積として整理されます。土量変化率LとCは、この三つの状態を換算するための係数です。国土交通省+1


ここでは、地山体積に対するほぐし土体積の比をL、地山体積に対する締固め後体積の比をCとします。締固め後体積をVcとすると、必要な地山体積Vnと、ほぐし土体積Vlは次の関係です。


Vn = Vc ÷ C


Vl = Vn × L = Vc × L ÷ C


係数は土質、含水状態、掘削方法、締固め条件などで異なります。標準値を使う場合でも、適用する積算基準、設計条件、試験結果、施工計画を確認します。


換算前に、Vcが何を表すかを確定します。契約上控除しない小断面暗渠を含む設計盛土量と、実際に通常の盛土材が必要な材料収支上の純盛土量は異なることがあります。材料調達量を求めるなら、後者へ土量変化率を適用します。契約数量をそのまま材料手配量へ使うと、砕石置換部に相当する土を余分に見込む場合があります。


反対に、契約数量だけを求める場面で、材料収支上の控除を持ち込むと、基準より小さい設計数量になるおそれがあります。設計・契約、出来形、材料手配の各数量を別欄で管理し、換算に使った元数量を明記します。


切土を盛土へ流用する場合も、切土量と盛土量を直接比較しません。切土量を地山状態、盛土量を締固め後状態として算定しているなら、どちらかへ換算します。さらに、土質区分、使用可能性、選別ロス、含水調整、表土除外を考慮します。


締固め度は土量変化率と同じではありません。締固め度は現場密度と基準密度の関係を管理する指標であり、LとCは状態間の体積換算に使います。締固め度の管理値だけから、材料体積の割増率を一律に決めることはできません。


出来形体積を求める場合は、施工前または基礎処理後の面と完成面を使います。暗渠施工後に基面が見えなくなる場合は、暗渠外形、施工位置、砕石数量、着手前測量を施工中に記録します。完成面だけから地下の置換範囲を復元するのは難しいためです。


集水暗渠を含む盛土体積の計算例

ここでは、総盛土体積と砕石置換部の体積を求めた後、契約数量と材料収支数量を分ける例を示します。数値は計算手順を説明するための仮定です。


延長40メートルの盛土区間に、起点、中間点、終点の三断面があるとします。起点の総盛土断面積は18.4平方メートル、中間点は24.6平方メートル、終点は20.8平方メートルです。測点間隔はいずれも20メートルです。


起点から中間点までの体積は次のようになります。


(18.4 + 24.6)÷ 2 × 20 = 430立方メートル


中間点から終点までの体積は次のようになります。


(24.6 + 20.8)÷ 2 × 20 = 454立方メートル


控除判定前の総盛土外形体積は次の値です。


430 + 454 = 884立方メートル


この区間に、上幅1.2メートル、下幅0.8メートル、高さ0.9メートルの台形断面を持つ砕石置換部が40メートル連続し、その全体が盛土外形内にあると仮定します。


砕石置換部の断面積は次のようになります。


(1.2 + 0.8)÷ 2 × 0.9 = 0.9平方メートル


外形体積は次の値です。


0.9 × 40 = 36立方メートル


材料収支上、通常の盛土材が入らない体積を除くなら、純盛土体積は次のようになります。


884 - 36 = 848立方メートル


ただし、この848立方メートルをそのまま契約上の盛土数量とするとは限りません。国土交通省要領の横断構造物等の規定を適用する案件で、現地盤線以上の対象断面積が0.9平方メートルであり、裏込め材として控除する区分にも該当しないなら、1平方メートル以上という控除条件を満たしません。その場合、契約数量上は36立方メートルを控除しない扱いが考えられます。反対に、特記仕様書で砕石置換部の控除が指示されている場合、裏込め材として別計上する場合、または別の発注者基準を適用する場合は、その条件に従います。国土交通省土地政策研究所


したがって、この例の数量表は一つの数値へまとめず、次のように意味を分けます。


契約数量候補 = 適用基準の控除判定後の盛土量


材料収支用純盛土体積 = 848立方メートル


砕石置換外形体積 = 36立方メートル


暗渠排水管延長 = 40メートル


砕石材料体積は、管や桝の占有体積を控除する設計条件がある場合、36立方メートルと一致しないことがあります。


仮に暗渠の下部が盛土外形の外にあり、盛土と重なる平均断面積が0.45平方メートルだけなら、材料収支上の控除体積は次のようになります。


0.45 × 40 = 18立方メートル


この場合の材料収支用純盛土体積は次の値です。


884 - 18 = 866立方メートル


次に、説明用として、締固め後体積と地山体積の比Cを0.92、ほぐし土体積と地山体積の比Lを1.15と仮定します。材料手配の基礎に848立方メートルを使う場合、必要な地山体積は次のようになります。


848 ÷ 0.92 = 約921.7立方メートル


ほぐし土体積は次のようになります。


921.7 × 1.15 = 約1060.0立方メートル


この換算値は、仮定した係数と材料収支用純盛土体積に基づく値です。契約数量が884立方メートルであっても、材料手配へ同じ数値を使うとは限りません。計算書には、数量の用途と土の状態を必ず併記します。


盛土の体積計算で起こりやすいミス

最も大きなミスは、別材料があるから自動的に盛土量から控除すると考えることです。実体積上は盛土材が入らなくても、契約数量では断面積の下限や工種区分により控除しない場合があります。適用基準を確認する前に引き算を始めないことが重要です。


次に多いのが、現況地盤線、施工基面、表土除去後の面を混同することです。暗渠の位置を現況地盤線だけで判定し、施工基面を見落とすと、材料収支上の重なり体積がずれます。一方、契約上の控除条件が現地盤線を基準としている場合は、その基準も別に確認します。


盛土断面積と切土断面積の相殺も避けます。切土と盛土では体積状態が異なるため、まず別数量として算定し、換算後に土量配分を検討します。


管体積の扱いも誤りやすい点です。盛土材が入らない外形を求める場合と、砕石材料の正味体積を求める場合では、管体積を差し引くかどうかが異なります。数量名称を明確にしなければ、同じ36立方メートルという値が別の意味で使われます。


複数暗渠、枝線、集水桝、基盤排水層が交差する場合は、重複体積を二重に控除しないようにします。各施設の数量を個別に算出することと、盛土材が入らない空間の和集合を求めることは別作業です。


測点間隔が粗すぎる場合も誤差が生じます。暗渠の縦断位置が一定でも、盛土基面や現地盤線が変化すれば、重なり断面積は変わります。代表断面一つで全延長を処理せず、交差位置へ補助測点を設けます。


単位の混在は結果を大きく誤らせます。幅をミリメートル、高さと延長をメートルのまま掛ければ、体積が千倍になります。入力列に単位を表示し、計算値はメートル系へ統一します。


平面延長と実延長の混同にも注意します。暗渠が急勾配の場合、材料体積には軸方向実延長が必要でも、契約数量は平面延長で整理されることがあります。採用した延長を計算式の横へ記載します。


途中の端数処理、図面改訂の混在、旧断面の流用も典型的なミスです。内部計算精度、参照図面番号、改訂日を計算書に残します。


最後に、契約数量と材料手配数量を同じ欄で管理しないことです。控除しない契約数量が正しくても、それを材料調達へ使えば過大手配になることがあります。反対に、材料収支上の純盛土量を契約数量へ使えば過小計上になる場合があります。


実務で使える確認手順とまとめ

盛土の体積計算では、最初に数量の用途を決めます。設計・契約、出来形、材料手配のどれを求めるかを明記し、適用する数量算出要領と特記仕様書を確認します。


次に、完成計画面、現地盤線、表土除去後の面、段切り後の施工基面を整理し、総盛土外形を作ります。形状変化点へ補助断面を追加し、測点ごとの横断面積を求めます。


総盛土外形体積は、平均断面法または適用可能な3次元モデルで算定します。複雑な曲線部や広幅員部では、測点を細分するか、別方法で検算します。


その後、集水暗渠の砕石置換部を別数量として整理します。暗渠排水管の延長、フィルター材の体積、床掘り、埋戻し、盛土控除を混在させません。


控除判定では、適用基準上の工種、現地盤線以上の断面積、裏込め材としての扱い、特記仕様を確認します。控除対象となる場合でも、暗渠全体ではなく、基準が指定する範囲または総盛土外形との重なりを使います。


材料収支を求める場合は、通常の盛土材が占めない重なり体積を総盛土外形から除きます。管、桝、枝線、他の排水層との重複は一度だけ差し引きます。


最後に、締固め後体積、地山体積、ほぐし土体積を区別し、採用したLとCで換算します。切土流用を検討するときは、体積状態と土質区分をそろえます。


盛土の体積計算方法で押さえるべき六項目は、計算対象範囲と基準面の確定、横断面積の算定、平均断面法による区間体積の積上げ、形状変化の補正、集水暗渠の控除条件と重なり範囲の確認、土量変化率による状態換算です。


特に重要なのは、砕石置換部が存在する事実と、契約数量で控除する条件を分けることです。適用基準を確認し、契約数量と材料収支数量を別々に示せば、過大控除、二重控除、材料の過不足を防ぎやすくなります。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page