top of page

現場で体積計算する道路標識基礎撤去跡の流動化処理土量6項目

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均9分30秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

道路標識の更新や撤去では、既設の標識柱だけでなく、地中に埋まっているコンクリート基礎を撤去することがあります。基礎撤去後にできる空洞は、掘削土や砕石で埋め戻す方法のほか、施工条件に応じて流動化処理土で充填することがあります。


流動化処理土は流動性があるため、複雑な形状の空洞や締固め機械を入れにくい狭い撤去跡にも充填しやすい材料です。一方で、必要量の計算を単純な縦、横、深さの掛け算だけで済ませると、現場で不足したり、反対に大量の余りが発生したりする可能性があります。


道路標識基礎の撤去跡は、設計図に記載された直方体のまま残っているとは限りません。基礎の形状が上部と下部で異なる場合があり、撤去時に周囲の地盤が崩れて穴が広がることもあります。基礎コンクリートや根巻き材の一部が残れば、その体積は流動化処理土の充填量から差し引かなければなりません。


さらに、舗装版、路盤、埋設物、防護管、残存土砂、湧水などの条件も充填量に影響します。現場で体積計算を行う際は、図面上の理論量と撤去後に確認した実測量を分けて考え、最終的には施工直前の空洞形状を基準に数量を整理することが重要です。


この記事では、道路標識基礎撤去跡に使用する流動化処理土量を算出する際に確認したい6項目を解説します。現場で数量を拾う手順、形状別の計算方法、発注量への補正、施工中の記録方法まで整理します。


目次

道路標識基礎撤去跡で体積計算が必要になる理由

既設基礎の設計形状と撤去範囲を確認する

撤去後の空洞を実測して形状を分割する

残存コンクリートや埋設物の体積を差し引く

舗装、路盤、流動化処理土の施工境界を分ける

地盤の崩れや隙間への流入量を見込む

運搬、打設、施工ロスを考慮して発注量を決める

道路標識基礎撤去跡の体積計算例

流動化処理土量が不足しやすい現場条件

余剰量を増やさないための施工前確認

打設時に数量を管理する方法

計算結果を施工記録として残す方法

高精度な現場計測を数量管理に活用する

まとめ


道路標識基礎撤去跡で体積計算が必要になる理由

道路標識基礎を撤去した後の穴は、そのまま放置できません。空洞が残ると、上部の舗装や路盤が沈下する原因になり、歩道や車道の段差、ひび割れ、舗装の局部的な陥没につながるおそれがあります。そのため、撤去後は道路管理者の仕様や施工計画に従い、適切な材料で確実に埋め戻す必要があります。


流動化処理土を使用する場合、必要量は基本的に充填対象となる空間の体積から求めます。直方体の空洞であれば、長さ、幅、深さを掛けることで計算できます。


体積は「長さ×幅×深さ」で求められます。長さ、幅、深さをメートル単位に統一すれば、計算結果は立方メートルになります。たとえば、長さ1.2メートル、幅1.0メートル、深さ1.5メートルの空洞であれば、理論上の体積は1.8立方メートルです。


しかし、実際の道路標識基礎撤去跡は、整った直方体になるとは限りません。地表付近は舗装切断の範囲に合わせて四角形でも、深部は既設基礎に沿った円形や多角形になっていることがあります。撤去作業中に穴の側面が崩れれば、図面よりも幅が大きくなります。


反対に、基礎の底部や鉄筋、アンカー材などが一部残れば、空洞全体を流動化処理土で満たすわけではありません。残存物の体積を考慮せずに発注すると、その分だけ材料が余る可能性があります。


したがって、現場で体積計算を行う目的は、単に図面数量を確認することではありません。撤去後の実際の空洞を把握し、充填対象外の部分を除き、施工中に発生する変動まで考慮して発注量を決めることが目的です。


1. 既設基礎の設計形状と撤去範囲を確認する

最初に確認するのは、既設道路標識基礎の設計形状です。道路標識の基礎には、直方体、円柱、角柱、段付き形状、上部と下部で寸法が異なる形状などがあります。標識の種類、柱の本数、設置場所、風荷重条件などによって基礎寸法が異なるため、外観だけで地中形状を判断することはできません。


既設図面、完成図、施工記録、道路台帳などが残っている場合は、基礎の長さ、幅、高さ、根入れ深さ、上端高さ、底面高さを確認します。柱の根入れ部分やアンカーフレームの形状も、撤去範囲を決めるうえで参考になります。


図面に基礎寸法が記載されていても、その数値をそのまま流動化処理土量に置き換えるのは避けます。図面寸法はコンクリート基礎そのものの大きさであり、撤去のために掘削する範囲とは一致しないことがあるためです。


基礎を引き抜くために周囲を掘削すれば、撤去跡は基礎外形より広くなります。ブレーカーなどで基礎を破砕する場合も、作業空間の確保や破砕片の取り出しによって周辺地盤が乱されます。特に、砂質土、埋戻し土、含水比の高い地盤では、掘削面が崩れて空洞が拡大する可能性があります。


既設基礎を全撤去するのか、舗装面から一定深さまで撤去して下部を残すのかによっても、流動化処理土の対象範囲が変わります。下部基礎を残置する計画であれば、撤去深さから残置部分の上端高さを確認し、充填する空間だけを数量として拾います。


施工前には、設計上の基礎体積と予定掘削体積を別々に計算しておくと整理しやすくなります。基礎体積は撤去対象の目安となり、予定掘削体積は流動化処理土量の初期予測に使えます。


たとえば、基礎が幅0.8メートル、長さ0.8メートル、高さ1.5メートルの直方体であれば、基礎体積は0.96立方メートルです。一方、撤去作業のために幅1.1メートル、長さ1.1メートル、深さ1.6メートルまで掘削する計画なら、予定掘削体積は1.936立方メートルです。


この場合、基礎をすべて撤去すれば、理論上は予定掘削体積に近い空洞が生じます。ただし、埋戻し土が残る部分や崩落する部分があるため、施工前の数値はあくまで概算として扱います。


道路標識が歩道内にある場合は、縁石、側溝、点字ブロック、地下埋設物などとの位置関係も確認します。これらを保護しながら撤去すると、掘削形状が左右非対称になることがあります。左右で幅が異なる空洞を一つの平均寸法だけで計算すると誤差が大きくなるため、複数の区画に分けて考える準備が必要です。


2. 撤去後の空洞を実測して形状を分割する

流動化処理土量を確定するうえで最も重要なのは、基礎撤去後の空洞を実測することです。施工前の図面数量だけで発注量を決定すると、撤去時の崩れや掘り過ぎを反映できません。可能な範囲で撤去完了後、打設前に寸法を測定します。


測定する基本項目は、空洞上部の長さと幅、空洞下部の長さと幅、深さです。側面に大きな凹凸がある場合は、中間深さの寸法も確認します。円形に近い穴では直径を測り、楕円形であれば長径と短径を確認します。


穴の深さは、舗装面や計画基準面から底面までの鉛直距離として整理します。ただし、舗装復旧部分を流動化処理土で充填しない場合は、舗装厚や路盤厚を除いた充填高さを使用します。


たとえば、地表から穴底まで1.6メートルあっても、上部0.25メートルを路盤材と舗装で復旧する計画なら、流動化処理土の充填高さは単純には1.35メートルとなります。ただし、流動化処理土の天端位置は施工仕様によって異なるため、設計図や施工計画書に基づいて判断します。


空洞の形状が一定でない場合は、全体を複数の単純形状に分割して計算します。上部が大きく、下部が小さい段付き形状であれば、上段と下段を別々の直方体として計算し、最後に合計します。


上段の幅が1.2メートル、長さ1.3メートル、高さ0.5メートルであれば、上段体積は0.78立方メートルです。下段の幅が0.9メートル、長さ1.0メートル、高さ0.9メートルであれば、下段体積は0.81立方メートルです。合計体積は1.59立方メートルとなります。


上部と下部の寸法が連続的に変化する場合は、上端面積と下端面積を使って平均断面積を求める方法があります。現場で概算する場合は、上端面積と下端面積の平均に高さを掛けて体積を推定できます。


ただし、空洞の側面が大きくえぐれている場合や、局部的な横穴がある場合は、単純な平均だけでは拾い切れないことがあります。その場合は、深さ方向を数段に分け、それぞれの区間で平均寸法を計算すると誤差を抑えやすくなります。


たとえば、深さ1.5メートルの穴を0.5メートルごとの3層に分け、各層の長さと幅を測定します。上層、中層、下層の体積を個別に計算して合計すれば、全体を一つの直方体として扱うより実形状に近い数量を求められます。


測定時は穴の中へ不用意に立ち入らず、安全な位置から計測します。掘削面の崩壊、残存鉄筋によるけが、湧水、車両との接触などの危険があるため、現場の安全計画に従う必要があります。深い穴や側面が不安定な穴では、測定方法そのものを施工責任者と確認します。


メジャーやスタッフによる測定だけでなく、写真測量や点群計測を利用して撤去跡の形状を記録する方法もあります。複雑な空洞を三次元データとして取得できれば、断面ごとの変化や局部的な広がりを確認しやすくなります。


ただし、穴の底部が水や泥で覆われている場合、正しい底面高さを取得できないことがあります。計測結果を使用する際は、どの面を底面として認識したのかを確認し、必要に応じて排水や清掃後に再測定します。


3. 残存コンクリートや埋設物の体積を差し引く

空洞の外形体積を計算した後は、その内部に残っている物体の体積を差し引きます。道路標識基礎を撤去しても、コンクリート片、基礎底部、鉄筋、アンカーボルト、既設管、防護管、縁石基礎などが残る場合があります。


流動化処理土が入り込めない固形物の部分は、充填対象体積には含まれません。外形体積だけで発注すると、残存物の体積に相当する材料が余る原因になります。


特に注意したいのは、基礎を途中の深さで切断して残置する工法です。地表付近だけを撤去し、一定深さより下のコンクリートを残す場合は、空洞の底面が元の基礎底ではなく、残置基礎の上面になります。


たとえば、もとの基礎高さが1.5メートルあり、上部1.0メートルだけを撤去して下部0.5メートルを残す場合、流動化処理土の対象となる高さは原則として撤去した範囲です。残置部分まで含めた1.5メートルで計算すると過大数量になります。


破砕したコンクリート片を穴の中に残したまま流動化処理土を充填する計画は、仕様や品質管理条件を確認する必要があります。大きな破砕片が不規則に残ると、その間に流動化処理土が入り込む一方、破砕片自体の体積は充填量から除かれます。


しかし、破砕片の隙間率を現場で正確に計算するのは容易ではありません。見た目のかさ体積をそのまま差し引くと、破砕片の間に存在する空隙まで固形物として扱ってしまいます。結果として必要量を少なく見積もる可能性があります。


そのため、残置が認められている場合でも、可能な範囲で大きな破砕片を撤去し、残存物の形状を確認しやすくすることが数量管理の面でも有効です。残存量が不明確な場合は、外形体積から安易に大きな数量を差し引かず、施工時の受入量を確認しながら管理します。


既設埋設管や防護管が空洞を横断している場合は、管の外形体積を考慮します。円筒状の管であれば、外径から求めた断面積に、空洞内を通過する延長を掛けて概算できます。


ただし、管の下側や周囲に流動化処理土が回り込む必要があるため、管を含む直方体全体を差し引いてはいけません。差し引くのは管そのものが占める体積です。


管外径が0.2メートル、空洞内の延長が1.0メートルであれば、管の外形体積は円柱として概算できます。この体積はそれほど大きくない場合もありますが、複数本の管や大型の構造物がある場合には無視できません。


鉄筋や小径のアンカーボルトは、体積への影響が小さければ数量計算上は省略されることもあります。ただし、何を省略したかを記録しておくことが大切です。細かな構造物をすべて計算するより、数量への影響度を見ながら管理します。


残存物を差し引く際は、空洞外形体積、残存物体積、正味充填体積を分けて記録します。計算書に正味数量だけを書くと、後から数量の根拠を確認できません。写真番号や測定位置と対応させておくと、発注量と実使用量に差が出た場合の検証に役立ちます。


4. 舗装、路盤、流動化処理土の施工境界を分ける

道路標識基礎の撤去跡を復旧する際は、穴の全深さを流動化処理土だけで埋めるとは限りません。上部に路盤材、基層、表層、点字ブロック、インターロッキングブロックなどを復旧する場合は、材料ごとの施工範囲を分けて体積計算します。


流動化処理土の天端をどの高さに設定するかは、道路管理者の基準、設計図、施工要領、舗装構成などによって異なります。現場判断だけで天端高さを変更すると、舗装厚不足や過剰充填につながるため、施工前に確認します。


たとえば、撤去跡の深さが1.50メートルあり、そのうち上部0.20メートルを路盤と舗装で復旧する場合、流動化処理土の計算高さは1.30メートルです。上部の復旧厚が0.30メートルなら、計算高さは1.20メートルになります。


この0.10メートルの違いでも、穴の平面面積が1.5平方メートルあれば、体積差は0.15立方メートルになります。複数箇所を施工する場合は合計差が大きくなるため、上部復旧厚の確認は重要です。


舗装の切断範囲と、基礎撤去跡の地下形状が一致しない点にも注意が必要です。舗装面では1.2メートル四方を切断していても、流動化処理土を充填する深部の穴は0.9メートル四方ということがあります。


この場合、全深さを1.2メートル四方として計算すると過大になります。上部の舗装撤去範囲と下部の基礎撤去範囲を、段付き形状として分けて計算します。


上部拡幅部分に路盤材を入れるのか、流動化処理土を入れるのかによっても数量は変わります。施工断面図を確認し、材料境界を高さだけでなく平面方向でも整理します。


歩道内の道路標識では、アスファルト舗装、コンクリート舗装、ブロック舗装など、周辺の舗装形式によって復旧構成が異なります。点字ブロックや縁石に近接する場合は、撤去範囲が不整形になりやすく、上部だけ横方向に広がることがあります。


車道部では、交通荷重を受ける舗装構成に合わせた復旧が必要です。流動化処理土の材料性能だけで上部構成を省略できるとは限らないため、設計条件を優先します。


流動化処理土の打設高さを管理するため、穴の側面や周辺構造物に天端の目印を設けておく方法があります。ただし、打設中に目印が見えなくなることもあるため、地表基準からの下がり寸法を別途記録しておくと確認しやすくなります。


天端高さが高すぎると、路盤や舗装を所定厚で復旧できません。硬化後に余分な部分を撤去する作業が発生すると、工程と費用が増えます。反対に天端が低すぎると、上部の路盤材が厚くなったり、追加充填が必要になったりします。


体積計算では、空洞全体の体積を求めた後、舗装復旧体積、路盤復旧体積、流動化処理土体積をそれぞれ分けます。材料ごとの境界が明確であれば、発注数量だけでなく、施工後の出来形確認もしやすくなります。


5. 地盤の崩れや隙間への流入量を見込む

道路標識基礎撤去跡では、測定した空洞の外側に流動化処理土が流れ込むことがあります。側面の地盤に緩みや空隙がある場合、打設中に材料が浸入し、計算体積より使用量が増える可能性があります。


流動化処理土は流動性があるため、目視できない隙間や既設構造物の下側にも回り込みやすい材料です。これは空洞を充填するうえでの利点ですが、数量管理では計算外の流入として現れます。


特に、既設基礎周辺が過去の埋戻し部である場合、地山よりも緩い部分が残っていることがあります。撤去時の振動や破砕によって埋戻し部が崩れ、穴の側面に小さな空洞が生じることもあります。


基礎の下に砕石や栗石が敷かれている場合も注意が必要です。石材の間に大きな空隙があると、流動化処理土が下方へ入り込みます。底面が締まった土に見えても、局部的に緩んでいる可能性があります。


また、隣接する側溝、縁石基礎、地下構造物との取り合い部分に隙間があると、材料が横方向へ流れることがあります。流出先が確認できない状態では、必要量が増えるだけでなく、周辺施設への影響にも注意が必要です。


打設前には、空洞側面の崩れ、底面の軟弱部、連続する隙間、埋設管周囲の空洞などを確認します。明らかな流出経路がある場合は、施工計画に従って型枠や仕切りを設けるなど、材料の流出を抑える処置を検討します。


湧水がある穴では、水によって底面の土が乱れ、空洞が拡大する場合があります。打設前に排水して測定しても、その後に再び土砂が流出すれば体積が変わります。排水後から打設まで時間が空く場合は、直前に再確認することが重要です。


地盤の崩れによる増加量を一律の補正率だけで決めるのは適切ではありません。安定した粘性土の穴と、緩い砂質土の穴では変動の程度が異なります。過去の同種工事の実績や、撤去後の実測状況を参考にして判断します。


体積計算上は、実測した見える空洞を基本数量とし、見えない隙間への流入可能性を施工余裕として別に管理すると分かりやすくなります。基本数量と余裕量を混ぜて一つの寸法に置き換えると、後から実績との差を分析しにくくなります。


たとえば、実測空洞が1.80立方メートルで、側面に緩みがあり一定の追加流入が想定される場合、基本数量を1.80立方メートルとして記録し、施工条件を踏まえた追加見込みを別欄に記載します。


現場で実際に2.00立方メートル使用した場合、差の0.20立方メートルが崩れや隙間への流入、ホース残り、受入量の計測単位などのどれに該当するかを検証できます。


6. 運搬、打設、施工ロスを考慮して発注量を決める

実測した正味充填体積と、実際に発注する流動化処理土量は同じとは限りません。運搬車両、製造設備、受入単位、配管やホース、打設方法などにより、一定の施工ロスや数量調整が必要になる場合があります。


流動化処理土を車両から直接投入する場合と、ポンプやホースを使用する場合では、残留量の発生条件が異なります。長いホースを使えば、打設後にホース内部へ材料が残る可能性があります。


容器や小型機械へ移し替えて施工する場合は、容器内への付着やこぼれも考慮します。複数の小さな穴へ順番に充填する場合は、一箇所ごとの端数が積み重なることがあります。


ただし、施工ロスを過大に見込むと、余剰材が多く発生します。余った流動化処理土を現場内の任意の場所へ処分することはできません。余剰材の取扱い、返送、処分方法は、事前に供給者や施工計画で確認しておく必要があります。


発注量を決める際は、正味体積、地盤への追加流入見込み、ホースなどの残留見込み、発注可能な最小単位を整理します。単純に正味体積へ大きな率を掛けるのではなく、増加要因ごとに数量を考えると過剰発注を抑えられます。


複数箇所の標識基礎を同日に撤去する場合は、個別の体積を合計したうえで発注単位を調整します。一箇所ごとに余裕量を重ねるより、全体の合計に対して施工条件を考慮したほうが、必要以上の余剰を抑えやすくなります。


一方、施工場所が離れている場合や、交通規制の時間帯が異なる場合は、一括発注が適さないことがあります。最初の施工箇所で想定以上に材料を使用すると、後半の箇所で不足する可能性があります。


そのため、施工順序と数量配分を事前に決めます。各穴の計算量を一覧にし、打設後に実使用量を記録しながら、残量と未施工箇所の必要量を比較します。


流動化処理土の供給条件や品質は、製造元や配合条件によって異なります。現場で水を追加して量を増やすような対応は、材料性能や施工品質に影響するおそれがあるため、定められた管理方法に従います。


発注時には、必要量だけでなく、施工場所、打設方法、必要な流動性、施工時間、受入可能な車両条件なども伝えます。狭い歩道や交通規制下では、車両を穴の近くまで寄せられず、ホース延長が必要になることがあります。


数量計算が正しくても、供給車両から施工箇所までの経路を考えていなければ、打設できない可能性があります。現場で体積計算を行う際は、材料数量と施工方法を一体で検討することが重要です。


道路標識基礎撤去跡の体積計算例

ここでは、段付き形状となった道路標識基礎撤去跡を例に、流動化処理土量の考え方を整理します。


撤去後の穴は、地表から0.40メートルまでの上段と、その下1.10メートルの下段に分かれているものとします。上段は舗装切断と撤去作業のために広がり、長さ1.30メートル、幅1.20メートルです。


下段は既設基礎に沿った形状で、長さ1.00メートル、幅0.90メートルです。穴の全深さは1.50メートルです。


上段体積は、1.30メートル×1.20メートル×0.40メートルで、0.624立方メートルとなります。


下段体積は、1.00メートル×0.90メートル×1.10メートルで、0.990立方メートルとなります。


空洞全体の外形体積は、0.624立方メートルと0.990立方メートルを合計し、1.614立方メートルです。


ただし、上部0.20メートルは路盤と舗装の復旧に使用し、流動化処理土を打設しないものとします。上部の除外体積は、1.30メートル×1.20メートル×0.20メートルで、0.312立方メートルです。


さらに、穴の底部には長さ0.50メートル、幅0.40メートル、高さ0.20メートルの残存コンクリートがあるものとします。残存コンクリート体積は0.040立方メートルです。


この条件での正味充填体積は、外形体積1.614立方メートルから上部復旧部分0.312立方メートルと残存コンクリート0.040立方メートルを差し引き、1.262立方メートルとなります。


この1.262立方メートルが、形状と残存物だけを考慮した理論上の正味数量です。実際の発注量は、側面の崩れ、底部への浸入、打設設備内の残留量、発注単位などを確認して決定します。


ここで重要なのは、最初から発注量だけを求めるのではなく、外形体積、除外体積、残存物体積、正味体積を順に整理することです。各段階の数値を残しておけば、実使用量との差が生じたときに原因を確認できます。


複数の標識基礎を施工する場合も同じです。各箇所について正味体積を求め、最後に合計します。寸法が似ていても、撤去後の崩れ方や残存物は異なるため、代表寸法を全箇所へ一律に当てはめることは避けます。


流動化処理土量が不足しやすい現場条件

流動化処理土量が不足しやすいのは、施工前の図面寸法だけで発注した場合です。既設基礎の寸法と撤去後の空洞寸法が同じと考えると、作業余掘りや地盤崩壊による増加分を拾えません。


砂質地盤や過去の埋戻し部では、基礎を撤去した直後から側面が崩れることがあります。測定後に時間が経過し、打設直前にさらに穴が広がる場合もあります。


湧水がある現場では、底部の土砂が流動し、深さが増える可能性があります。測定時の底面が軟らかい泥の上面だった場合、流動化処理土の重さで泥が押し出され、使用量が増えることも考えられます。


既設基礎の下に砕石層がある場合は、砕石間の空隙へ材料が流れ込みます。砕石層の厚さや締固め状態が不明な場合、計算量と実使用量の差が大きくなることがあります。


埋設管周囲も不足が起きやすい部分です。管の下側に空洞が連続していたり、過去の埋戻しが緩んでいたりすると、見えている穴の外側まで材料が回り込みます。


長い圧送ホースを使う場合は、ホース内部の残留量も無視できません。正味体積ぎりぎりで発注すると、空洞の天端まで到達する前に材料がなくなる可能性があります。


不足が発生した場合、追加手配まで空洞を開放したまま待つことになり、交通規制や作業員配置に影響します。先に打設した部分と追加打設部分の施工間隔が長くなる可能性もあります。


不足を防ぐには、撤去後の再測定、打設直前の状態確認、複数箇所の数量一覧化、施工設備内の残留量確認を行います。経験的な余裕だけに頼らず、どの条件が数量を増加させるのかを具体的に把握することが重要です。


余剰量を増やさないための施工前確認

不足を恐れて発注量を大きく増やしすぎると、今度は余剰材の処理が問題になります。余剰を抑えるには、理論量の精度を高めることと、施工条件に応じた適切な余裕量を設定することが必要です。


まず、撤去前の図面数量と撤去後の実測数量を分けます。実測できる状態になった後は、できる限り実測値を優先します。


次に、流動化処理土の施工天端を確認します。舗装や路盤の復旧厚を誤ると、平面寸法が正しくても体積に大きな差が生じます。


残存コンクリートや既設構造物の形状も確認します。ただし、形状が不明確な残存物を過大に差し引かないことが重要です。見えている固形部分だけを根拠に計算し、不明な空隙は充填される可能性があるものとして扱います。


空洞を複数の単純形状に分けることも有効です。複雑な穴全体を最大長さ、最大幅、最大深さで直方体として計算すると、過大数量になりやすくなります。


たとえば、上部だけが大きく広がっている穴を、最大寸法の直方体として全深さまで計算してはいけません。上部拡幅部と下部を分けるだけで、数量精度が大きく改善します。


複数箇所を施工する場合は、一箇所ごとに大きな余裕を加えず、全体数量で調整します。現場条件が似ている箇所では、最初の一箇所の実使用量を確認し、後続箇所の見込みを見直す方法もあります。


ただし、後続箇所の地盤や基礎形状が同じとは限りません。最初の実績をそのまま全箇所に当てはめるのではなく、実測値と比較しながら利用します。


発注可能な最小単位や追加手配の条件も確認します。細かな数量調整が可能か、追加納入にどの程度の準備が必要かによって、適切な発注方法が変わります。


余剰を減らすことだけを優先して必要量を切り詰めるのも適切ではありません。道路下に未充填部を残さないことが最優先であり、そのうえで計測と記録によって過剰発注を抑える考え方が必要です。


打設時に数量を管理する方法

体積計算は打設前だけで終わる作業ではありません。施工中に受入量と打設高さを確認し、計算量との違いを把握することで、不足や過剰充填を早い段階で発見できます。


打設前には、計算上の正味体積、予定発注量、施工箇所数、各箇所への予定配分を一覧にします。複数の穴へ施工する場合は、打設順序も記載します。


打設開始後は、各箇所にどの程度の量を投入したかを記録します。車両単位で管理する場合でも、全量をどの箇所に配分したかが分かるようにします。


流動化処理土の天端が予定高さへ達した時点で、その箇所の打設を止めます。地表面まで満たしてから余分を除去する方法では、上部復旧厚を確保できなくなる可能性があります。


打設中に材料の減り方が計算より早い場合は、穴の外側への流出や下部への浸入が疑われます。予定量を大きく超えても天端が上がらない場合は、そのまま投入を続けるのではなく、周辺への漏出がないか確認します。


側溝、排水施設、地下空間、隣接掘削部などへ流れ込んでいる可能性があるためです。見えない箇所へ無制限に流出すると、数量不足だけでなく周辺設備への影響が生じます。


反対に、予定より少ない量で天端へ達した場合は、残存物が想定より大きかった、空洞寸法を過大に測定した、天端高さを誤ったなどの原因が考えられます。


打設後には、実使用量と計算上の正味体積を比較します。差が小さければ、測定と補正が妥当だったと判断する材料になります。差が大きい場合は、次回の計算精度を高めるために原因を記録します。


材料の沈下や表面高さの変化が想定される場合は、所定のタイミングで天端を再確認します。追加充填の要否は、使用材料の仕様、施工計画、現場条件に従って判断します。


計算結果を施工記録として残す方法

道路標識基礎撤去跡の数量管理では、計算結果だけでなく、計算に使用した根拠を残すことが重要です。数値だけが記載された計算書では、後から形状や測定条件を確認できません。


記録には、施工箇所、標識番号、測定日、測定者、基準面、上部寸法、下部寸法、深さ、形状区分、残存物、流動化処理土の天端高さを整理します。


空洞を複数層に分けた場合は、各層の高さと平面寸法を残します。計算式も層ごとに記載し、最後に合計体積を示します。


残存コンクリートを差し引いた場合は、残存位置、寸法、差引体積を記録します。埋設管などを差し引いた場合も同様です。


写真は、穴の全景、測定状況、スタッフやメジャーを当てた状態、残存物、打設前、打設中、打設完了後を残します。写真番号と計算書を対応させると、数量根拠を確認しやすくなります。


基準面が傾斜している歩道では、どの位置を深さの基準にしたのかを明確にします。穴の四隅で地表高さが異なる場合、単一の深さだけでは体積を正確に表せないことがあります。


その場合は、四隅の高さを測定し、平均高さや断面ごとの高さを用いて計算します。どの方法を採用したかを記録しておけば、計算の再現性が高まります。


実使用量も併記します。計算上の正味体積、発注量、実受入量、余剰量、追加量を分けて記録すると、次回の類似工事で参考にできます。


実使用量が計算量を上回った場合は、地盤への浸入、掘削面の崩れ、ホース残りなどの推定原因を記載します。計算量を下回った場合は、残存物、測定誤差、施工天端の違いなどを確認します。


このような記録を蓄積すると、同じ道路区間や同種の標識基礎を撤去する際に、図面数量と実績数量の傾向を把握できます。ただし、過去実績は参考値であり、新しい施工箇所の実測を省略する根拠にはなりません。


高精度な現場計測を数量管理に活用する

道路標識基礎撤去跡は、一箇所当たりの規模が小さくても、形状が不規則で測りにくいことがあります。交通規制時間が限られる現場では、短時間で寸法を取得し、数量計算へ反映する必要があります。


メジャーとスタッフによる測定は手軽ですが、穴の奥行きや側面のえぐれを十分に捉えられない場合があります。測定者によって位置の取り方が異なると、計算結果にも差が生じます。


三次元計測を利用すれば、撤去跡の形状を点群として記録し、平面寸法、深さ、断面変化を後から確認できます。現場で見落とした形状も、取得したデータが十分であれば事務所で再確認できます。


ただし、深い穴の側面や底面は、計測位置によって死角になります。一方向から取得したデータだけでは、反対側の側面を捉えられないことがあります。複数方向から計測し、欠測範囲を確認することが重要です。


水たまり、泥、草、破砕片などがある場合は、それらの表面を空洞形状として取得する可能性があります。何を測定対象とするのかを決め、必要に応じて清掃や排水後に計測します。


位置情報を持つ点群として記録できれば、標識位置、舗装範囲、周辺構造物との関係も整理しやすくなります。複数箇所の撤去跡を施工する場合は、各箇所のデータを識別して管理できます。


iPhoneに装着する高精度GNSS測位機器を活用すれば、撤去箇所の位置や測定点を現場で記録できます。LRTK Phoneを利用して現場位置を測り、LRTKクラウドへ記録を集約することで、施工箇所と数量資料を対応させやすくなります。


取得した点群を扱う場合は、LRTK点群CADなどを用いて不要点を確認し、断面や高さを整理する方法があります。現場写真、測位点、点群、計算書を関連付けることで、数量算出の根拠を残しやすくなります。


高精度な計測機器を使用しても、計測した範囲に欠けがあれば正しい体積は求められません。機器の数値をそのまま採用するのではなく、現場の形状、残存物、施工境界と照合することが必要です。


従来の手測りと三次元計測は、どちらか一方だけを選ぶものではありません。主要寸法を手測りで確認し、複雑な形状を点群で補うなど、現場条件に合わせて組み合わせることで数量精度を高められます。


まとめ

道路標識基礎撤去跡の流動化処理土量は、既設基礎の図面寸法だけでは確定できません。撤去時の余掘り、地盤の崩れ、残存コンクリート、埋設物、舗装復旧厚、見えない隙間への流入などを確認する必要があります。


体積計算では、まず既設基礎の形状と予定撤去範囲を整理します。次に、撤去完了後の空洞を実測し、上部、下部、中間部などの単純形状へ分割して体積を求めます。


その後、残存コンクリートや埋設管などの固形物体積を差し引き、舗装や路盤として復旧する上部体積を除外します。ここまでで求められるのが、流動化処理土の正味充填体積です。


実際の発注量は、正味体積に加えて、地盤への浸入、側面崩壊、打設設備内の残留、発注単位などを考慮して決めます。余裕量を一律に加えるのではなく、数量を増加させる要因ごとに整理することが重要です。


施工中は、各箇所への投入量と天端高さを確認します。計算より使用量が多い場合は流出や空隙への浸入を疑い、少ない場合は残存物や測定条件を再確認します。


計算書には、外形体積、除外体積、残存物体積、正味体積、発注量、実使用量を分けて記録します。測定写真や施工写真と対応させれば、数量の根拠を説明しやすくなります。


道路標識基礎の撤去跡は小規模に見えても、道路の沈下や舗装不良を防ぐうえで確実な充填が求められます。図面上の概算だけに頼らず、撤去後の実形状を測り、施工境界と残存物を確認してから数量を確定することが、過不足の少ない流動化処理土管理につながります。


現場位置の記録にはLRTK Phone、測定データの共有と整理にはLRTKクラウド、複雑な撤去跡の点群確認や断面整理にはLRTK点群CADを活用できます。現場計測から体積計算、施工記録までを一連のデータとして管理することで、数量確認の効率化と根拠の明確化を進められます。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page