top of page

現場で土量管理の土質改良材投入量を見誤らない4計算

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均9分15秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

現場で土量管理をするときに改良材投入量がずれる理由

計算1 改良対象となる土量を確定する

計算2 添加方式に合わせて改良材の必要量を算出する

計算3 含水状態と土量変化を補正する

計算4 施工ロスと未施工量を分けて管理する

試験配合の結果を現場の計算条件へ反映する

日ごとの投入量と施工土量を照合する

数量差が発生したときの確認方法

計算例で土質改良材投入量の考え方を整理する

現場で土量管理を安定させる記録の残し方

まとめ


現場で土量管理をするときに改良材投入量がずれる理由

現場で土量管理を行う実務担当者にとって、土質改良材の投入量は、単純に施工面積へ改良厚さを掛ければ求められる数量ではありません。改良対象となる土の範囲、土量を表す状態、採用する添加方式、土の含水状態、施工時の取りこぼし、重複施工、材料の残量など、複数の条件を整理して初めて妥当な数量になります。


計算の途中で地山土量、掘削後のほぐれた土量、締固め後の土量を混在させると、改良材の必要量と実際の投入量が合わなくなります。設計図では改良範囲が地山状態の寸法で示されていても、現場では掘削後の土を仮置きし、混合してから敷き戻す場合があります。このとき、仮置き土の山の大きさをそのまま設計土量として扱うと、ほぐれによる体積増加を改良対象土の増加と誤認する可能性があります。


改良材の添加量にも複数の表し方があります。代表的なのは、改良対象土一立方メートル当たりに何キログラムを投入するかを定める単位体積当たりの添加と、乾燥した土の質量に対して何パーセントを添加するかを定める質量比による添加です。この二つは計算の入口が異なります。単位体積当たりの添加量を指定されているのに、土の湿潤質量へ割合を掛けたり、質量比による添加率を指定されているのに、体積だけで必要量を決めたりすると、数量差が大きくなります。


さらに、設計上の改良材量と、発注量、現場への搬入量、施工機械へ投入した量、実際に土と混合された量は同じ意味ではありません。袋や容器に残った材料、投入設備の内部に残った材料、粉じんとして飛散した材料、施工終了時に未使用となった材料などがあるためです。設計添加量へ一律の余裕を加えて施工量とするのではなく、設計上必要な量と調達上確保する量を分けて考える必要があります。


現場で土量管理を安定させるためには、まず何の状態の土量を使い、どの添加方式で計算し、どの時点の材料量と照合するのかを決めることが重要です。本記事では、土質改良材投入量を見誤らないための計算を四つに分け、実務で確認すべきポイントを整理します。


計算1 改良対象となる土量を確定する

最初に行う計算は、改良材を混合する対象土量の確定です。ここを曖昧にしたまま添加量を掛けても、正しい投入量にはなりません。改良対象土量は、基本的に改良する平面範囲と厚さから求めます。改良範囲が長方形で一様な厚さであれば、対象土量は長さ、幅、改良厚さを掛けて算出できます。


例えば、長さ二十メートル、幅十メートル、改良厚さ〇・五メートルであれば、単純な幾何学上の土量は百立方メートルです。ただし、実際の改良範囲が法面、段差、既設構造物、掘削勾配、局部的な深掘りなどを含む場合、全体を一つの直方体として計算すると過大または過小になります。


不整形な範囲では、現場を複数の区画へ分け、区画ごとに面積と平均改良厚さを求めます。改良厚さに変化がある場合は、始点と終点の厚さだけで平均を決めるのではなく、変化点を追加して区分することが重要です。特に、地盤面に起伏があり、改良後の計画高さが一定でない現場では、数か所の厚さだけで全体を代表させると誤差が大きくなります。


改良対象範囲を確定するときは、図面上の範囲と現地で施工する範囲を一致させなければなりません。丁張、測点、区画線、施工管理用の座標などを利用し、どこからどこまでを一回の計算単位とするかを明確にします。図面上では連続した改良範囲でも、現場では作業動線や施工機械の能力に合わせて複数の区画に分割することがあります。その場合、全体数量だけで管理せず、施工区画ごとの土量を先に求めます。


区画ごとの土量を設定しておくと、施工当日の改良材使用量と照合しやすくなります。全体で千立方メートルの現場に対して総量だけを管理すると、一日の施工量が予定より多かったのか、特定区画に過剰投入したのか、未施工範囲を計上してしまったのかを判断できません。一方、一区画を百立方メートル前後など、現場で確認できる単位に分けておけば、施工進捗と投入量を日ごとに比較できます。


既設構造物、埋設物、撤去しない基礎、排水施設など、土が存在しない部分は改良対象土量から控除します。平面上では改良範囲内に含まれていても、その内部に構造物が占める体積がある場合、その部分へ改良材を混合することはできません。小さな控除をすべて拾う必要があるかは工事の数量算出条件によりますが、無視できない体積の構造物は区分しておくべきです。


反対に、設計範囲の外側まで施工機械が混合する端部や、改良層の連続性を確保するために追加施工する部分がある場合、その数量をどのように扱うかも事前に確認します。設計変更や承認を伴わずに、現場判断で外側の数量を設計数量へ加えることは避けなければなりません。施工上必要な余幅と、契約上計上できる改良範囲は、同じとは限らないからです。


改良対象土量の計算では、使用する高さの基準も統一します。着工前地盤、掘削底面、計画地盤、改良上面、改良下面など、どの面から厚さを求めたのかを記録します。測定日や施工の進行によって地盤面が変化している場合、異なる時点の高さを組み合わせると存在しない土量が算出されます。


掘削後に改良する場合は、掘削土量と改良対象土量を同一と決めつけないことも大切です。掘削した土の一部を場外へ搬出し、別の土を搬入して改良することがあります。また、掘削土のうち、礫や異物を除去した後の土だけを改良対象とすることもあります。したがって、掘削数量、仮置き数量、選別後数量、改良投入数量を工程ごとに分ける必要があります。


現場で土量管理を行う際は、改良対象土量の根拠として、施工前後の測定結果、区画寸法、改良厚さ、控除対象、追加施工範囲を一つの記録にまとめます。計算結果だけを残すのではなく、どの範囲と高さから求めた数量なのかを追跡できる状態にすることが重要です。


計算2 添加方式に合わせて改良材の必要量を算出する

改良対象土量が確定したら、次に設計や試験配合で定められた添加方式に合わせて改良材量を算出します。ここで最も重要なのは、単位を揃えることです。添加量が一立方メートル当たりの質量で示されているのか、乾燥土質量に対する割合で示されているのかを確認します。


単位体積当たりの添加量が指定されている場合、基本式は、改良対象土量に一立方メートル当たりの添加量を掛ける形です。改良対象土量が百立方メートルで、添加量が一立方メートル当たり六十キログラムであれば、設計上必要な改良材量は六千キログラムになります。


この方式では、土量として何の状態を使うかを必ず確認します。設計書や施工計画で地山土量を基準としている場合、掘り起こした後のほぐれた土の体積へ単位添加量を掛けてはいけません。地山状態では百立方メートルだった土が、掘削後に見かけ上百二十立方メートルになっても、改良対象となる土そのものが二割増えたわけではないからです。


反対に、実際の混合設備へ供給するほぐれた土の体積を基準として添加量が設定されている施工方法も考えられます。その場合は、設備へ投入した土量をどのように測定するかを決めます。バケットの公称容量へ回数を掛けるだけでは、土の盛り方、付着、空隙、満載率によって誤差が発生します。容器やホッパーによる計量、搬送速度と断面の管理、質量計測など、施工方法に応じた確認が必要です。


質量比で添加率が指定されている場合は、乾燥土質量が計算の基準になります。土の含水比は、乾燥土質量に対する水の質量の割合として扱われるため、湿った土の総質量へそのまま添加率を掛けると過剰投入になる可能性があります。


湿潤土質量と含水比が分かっている場合、乾燥土質量は、湿潤土質量を一と含水比を小数で表した値の合計で割って求めます。例えば、湿潤土質量が百二十トンで、含水比が二〇パーセントであれば、含水比を〇・二〇として扱い、乾燥土質量は百トンになります。


この乾燥土質量に対して五パーセントを添加する条件であれば、必要な改良材量は五トンです。湿潤土質量の百二十トンへ五パーセントを掛けると六トンとなり、正しい計算より一トン多くなります。含水比が高い土ほど、湿潤質量と乾燥質量の差が大きくなるため、取り違えによる影響も大きくなります。


体積から乾燥土質量を求める場合は、乾燥密度が必要です。改良対象土量に乾燥密度を掛ければ乾燥土質量を求められます。ただし、乾燥密度は土質や締まり具合によって変わります。別の場所で測定した値や、過去の現場で使用した値を根拠なく流用することは避けます。


湿潤密度と含水比から乾燥密度を求める場合は、湿潤密度を一と含水比を小数で表した値の合計で割ります。湿潤密度が一立方メートル当たり一・八トンで、含水比が二〇パーセントであれば、乾燥密度は一立方メートル当たり一・五トンです。改良対象土量が百立方メートルなら、乾燥土質量は百五十トンとなります。


この乾燥土質量に添加率を掛けることで、質量比による改良材必要量を求められます。ただし、使用する密度が自然地盤の値なのか、掘削後の値なのか、締固め後の値なのかを確認しなければなりません。密度と体積の状態が対応していなければ、計算上は単位が合っていても、実際の土質量とは一致しません。


改良材を袋数や容器数へ換算するときも、先に質量で必要量を確定します。必要質量を一袋当たりの表示質量で割れば必要袋数を求められますが、端数処理をどの段階で行うかに注意します。区画ごとに端数を切り上げると、全体で端数をまとめた場合より調達量が多くなることがあります。


施工区画ごとの投入量として袋単位の管理が必要な場合は、各区画で実際に投入できる単位へ調整します。その際、設計添加量、計画投入量、実績投入量を分けて記録します。設計上は三百二十キログラムでも、使用単位の都合で三百二十五キログラムを準備した場合、その差を曖昧にしないことが重要です。


計算3 含水状態と土量変化を補正する

土質改良材投入量を見誤らないための三つ目の計算は、含水状態と土量変化の補正です。土は掘削、運搬、仮置き、乾燥、降雨、締固めなどによって見かけの体積や質量の状態が変わります。この変化を改良対象土の増減と混同すると、投入量の計算が不安定になります。


含水比は、降雨、湧水、散水、日射、風、仮置き期間などによって変化します。乾燥土質量に対する添加率で管理する場合、同じ乾燥土質量であれば、含水比が変わっても基準となる土の固体部分の質量は変わりません。しかし、現場で測定する湿潤土質量は大きく変わります。


例えば、乾燥土質量が百トンの土について、含水比が二〇パーセントなら湿潤土質量は百二十トンです。降雨によって含水比が三〇パーセントになれば、湿潤土質量は百三十トンになります。湿潤質量だけを見ると十トン増えていますが、増加したのは主に水分であり、改良対象となる乾燥土質量が十トン増えたわけではありません。


質量比で添加する現場では、含水比の測定時点が重要です。数日前に採取した試料の含水比を、降雨後の施工日にそのまま使用すると、乾燥土質量の推定にずれが生じます。土質や天候の変化が大きい現場では、施工区画や施工日ごとに含水状態を確認し、代表性のある値を使用します。


単位体積当たりの添加方式であっても、含水状態を無視できるわけではありません。高含水の土は付着しやすく、混合機械への供給量や攪拌状態が安定しない場合があります。また、土質改良の目的や材料の反応は含水状態の影響を受けるため、試験配合時と現場施工時の状態に大きな差がある場合は、単純に計算量だけを投入しても、想定した品質にならない可能性があります。


含水状態が変化したからといって、現場担当者の判断だけで添加量を変更することは避けます。品質確認、施工条件、設計条件、試験結果に基づき、必要な手続きを経て変更します。数量管理では、当初の計算条件と変更後の条件を分け、いつからどの区画へ新しい添加量を適用したかを記録します。


土量変化については、地山、ほぐし、締固めの三つの状態を区別します。地山土量は掘削前の自然状態の体積、ほぐし土量は掘削後に空隙が増えた状態の体積、締固め土量は敷均しと締固めを行った後の体積です。同じ土でも状態によって体積が変わるため、異なる状態の数量を直接足したり比較したりすることはできません。


地山土量からほぐし土量へ換算するときは、対象土の性状と施工条件に対応した換算条件を使用します。一律の係数をすべての土へ適用すると、実際の仮置き量や運搬量との差が生じます。礫分の多い土、粘性の高い土、有機物を含む土などでは、掘削後の状態が異なります。


現場で土量管理をするときは、換算値を使用した数量と、実測による数量を区別します。仮置き土の形状測定から求めた土量は、その時点のほぐれた状態の体積です。設計図から求めた改良土量が地山状態であれば、両者を比較する際に状態を揃える必要があります。


締固め後の完成数量から改良対象土量を逆算する場合も注意が必要です。完成した改良層が百立方メートルだからといって、改良前の土も必ず百立方メートルとは限りません。締固めによる体積減少、改良材の混合による体積や質量の変化、表面整形時の余剰土、施工中の持ち出しなどが関係するためです。


改良材そのものの体積を土量へどのように扱うかについても、数量管理の目的を明確にします。改良材を投入すれば混合物の質量は増えますが、改良後の体積が改良材の見かけ体積分だけ単純に増えるとは限りません。改良土の完成体積を計算するときに、材料の袋や容器の体積をそのまま足す方法は適切ではありません。


土量の状態を揃えるためには、数量記録に「地山」「ほぐし」「締固め後」「湿潤質量」「乾燥質量」などの区分を明記します。単に百立方メートル、百トンと記載するだけでは、後から計算条件を確認できません。数量の数値と同時に、その数値が表している状態を残すことが重要です。


計算4 施工ロスと未施工量を分けて管理する

四つ目の計算は、施工ロスと未施工量の管理です。設計上必要な改良材量と現場への搬入量が一致しないからといって、直ちに施工数量が誤っているとは限りません。調達単位、保管残量、設備内残量、包装内残量、飛散、こぼれ、回収材などを整理する必要があります。


まず、設計添加量から求めた必要量と、発注または搬入する量を分けます。改良材が一定の包装単位で供給される場合、設計必要量と同じ数量を完全に搬入できないことがあります。そのため、設計必要量を上回る量を調達する場合がありますが、調達した全量を施工したことにはなりません。


搬入量から未使用在庫を差し引き、さらに返品量や他区画への転用量を整理すれば、現場内で使用対象となった量を確認できます。ただし、搬入量と残量の差を、そのまま土へ投入された量とするのも危険です。投入設備、搬送装置、計量容器、保管場所などに材料が残る可能性があるためです。


施工終了時には、材料の残量を可能な範囲で確認します。未開封の材料、開封済みで使用可能な材料、設備内に残った材料、清掃時に回収した材料、使用できず廃棄対象となった材料を区別します。残量を一つの数値にまとめると、実際に土へ混合された量を判断しにくくなります。


施工ロスは、設計添加量を補う目的で無条件に上乗せする数値ではありません。粉体材料を扱う場合、投入時の飛散や付着を完全にゼロにすることは難しい場合がありますが、その割合を現場担当者が経験だけで固定するのは適切ではありません。使用設備、投入方法、風の影響、防じん対策、材料の状態によってロスは変化します。


ロスを見込む必要がある場合は、施工計画や承認された管理方法に基づいて設定します。数量管理では、設計上の添加量とロスを含めた準備量を別々に記録します。例えば、設計上必要な量が六千キログラムで、調達上の都合により六千二百五十キログラムを準備したとしても、施工実績を六千二百五十キログラムと記録するのではなく、実際に使用した量と残った量を確認します。


未施工量の管理も重要です。計画では一日に百立方メートルを改良する予定でも、降雨、機械停止、土質変化、作業時間の不足などにより、八十立方メートルで終了することがあります。予定していた改良材をすべて投入してしまうと、実際の土量に対して過剰添加になる可能性があります。


一日の施工中に進捗が遅れた場合は、残りの土量に合わせて投入計画を調整します。総量を先に投入してから混合範囲を広げる方法では、区画内の添加量が不均一になるおそれがあります。土量と改良材量を小さな施工単位で対応させ、一定量の土に対して一定量の材料を投入する管理が必要です。


区画の境界部分では、重複施工と未改良部分の両方に注意します。前日の施工区画へ翌日の機械が重なって進入すると、同じ部分へ再び材料を投入する可能性があります。反対に、境界を避けすぎると改良されていない帯状の部分が残る可能性があります。


境界管理では、施工済み範囲を現地で識別できるようにし、施工記録上の区画と一致させます。再攪拌だけを行ったのか、新たに改良材を追加したのかも区別します。機械が同じ範囲を再度通過しただけであれば、必ずしも材料を追加したとは限りません。


材料の追加投入が必要になった場合は、その理由と対象範囲を記録します。混合不足の修正、品質確認結果に基づく追加、施工中断後の再施工、別区画との接続など、追加理由によって数量の扱いが異なります。追加量を当初の設計数量へ埋め込むのではなく、当初量と追加量を分けて管理すると、最終的な数量差を説明しやすくなります。


施工ロス、在庫、未施工、重複、追加投入を分けて計算すれば、搬入量と設計量が一致しない場合でも、その差の内訳を確認できます。現場で土量管理を行う際は、差をゼロに見せることよりも、差が発生した理由を追跡できる状態にすることが大切です。


試験配合の結果を現場の計算条件へ反映する

土質改良材の添加量は、単に過去の施工例や一般的な目安から決めるものではありません。対象土の性状、必要とされる品質、施工方法などを踏まえた試験結果や設計条件に基づいて設定します。


対象土は、同じ現場内でも均一とは限りません。掘削深さや位置によって粒度、含水状態、礫分、有機物、粘性などが変化します。試験に用いた試料が施工範囲全体を代表していない場合、設定された添加量を全区画へ一律に適用することが適切でない可能性があります。


試験結果を現場へ反映するときは、試料を採取した位置、深さ、採取日、含水状態、土の区分を施工区画と対応させます。施工中に明らかに異なる土が現れた場合は、既存の添加条件をそのまま適用できるか確認します。


試験配合では、複数の添加量について品質を確認し、その結果から現場で使用する値を定めることがあります。このとき、試験で使用した添加量の中から現場担当者が任意に選ぶのではなく、設計や承認された施工条件に従います。


試験結果が乾燥土質量に対する割合で整理されている場合、現場計算も乾燥土質量を基準にします。試験時は乾燥質量基準なのに、現場では湿潤土一立方メートル当たりの量として置き換えると、密度や含水比の条件が抜け落ちます。


単位体積当たりの添加量へ換算する場合は、採用する乾燥密度を明確にします。乾燥土質量に対して五パーセントの添加率で、乾燥密度が一立方メートル当たり一・四トンであれば、一立方メートル当たりの乾燥土質量は千四百キログラムです。この五パーセントは七十キログラムとなります。


しかし、実際の乾燥密度が一立方メートル当たり一・六トンであれば、同じ五パーセントでも一立方メートル当たり八十キログラムになります。添加率だけを見て一立方メートル当たりの投入量を固定すると、土の密度差が反映されません。


試験時と施工時の含水状態に差がある場合は、施工性や混合性についても確認します。計算上の材料量が正しくても、土が塊になって十分に分散しなければ、区画内で添加量の偏りが生じます。反対に、過度に乾燥している場合は粉じんが増え、投入量の把握や作業環境の管理が難しくなることがあります。


現場で使用する計算書には、採用した添加量だけでなく、その単位と基準を記載します。「添加量六〇」とだけ書くのではなく、「改良対象土一立方メートル当たり六十キログラム」または「乾燥土質量に対して五パーセント」のように、意味が分かる形で残します。


条件が変更された場合は、変更前後の計算書を上書きせずに保存します。変更日、対象区画、変更理由、承認された添加量を記録し、施工済みの区画へ新しい条件を遡って適用しないようにします。


日ごとの投入量と施工土量を照合する

現場で土量管理を実務として機能させるには、工事完了後に総量を比較するだけでは不十分です。施工日ごと、施工区画ごとに土量と改良材量を照合する必要があります。


施工前には、その日に予定する改良範囲と土量を決めます。区画の長さ、幅、平均厚さから計画土量を求め、採用する添加量を掛けて計画投入量を算出します。計画値を事前に作成しておけば、現場へ準備する材料量や投入の区切りを決めやすくなります。


施工中は、予定範囲に対してどこまで作業が進んだかを確認します。作業日報に「一区画施工」とだけ記載するのではなく、区画の開始位置、終了位置、施工幅、施工厚さなど、数量を再現できる情報を残します。


施工厚さは、完成後の表面高さだけでは判断できません。改良下面が確認できない場合があるため、施工前の地盤高さや掘削底面高さと、改良上面高さを対応させておきます。厚さが区画内で変化する場合は、複数点で確認して平均厚さを求めます。


材料投入量は、使用した包装数、計量装置の記録、搬入容器の減少量など、施工方法に合った方法で確認します。作業終了後に倉庫の在庫だけを数え、差し引きで一日の投入量を求める方法では、他区画への持ち出しや未使用材料の移動があると誤差が生じます。


一日の施工が終わった時点で、実績土量に設計添加量を掛けた理論投入量と、実際の投入量を比較します。差がある場合は、未使用材料、設備内残量、端数調整、施工範囲の変更、追加投入、記録漏れなどを確認します。


日ごとの差が小さくても、同じ方向の差が続く場合は注意が必要です。毎日少しずつ投入量が多い場合、土量を過小に記録している、区画境界で重複投入している、包装数の数え方が異なるなどの可能性があります。反対に、投入量が少ない状態が続く場合は、施工土量を過大に記録している、材料投入の記録が抜けている、未改良部分が含まれているなどの可能性があります。


累計管理では、前日までの施工土量、当日の施工土量、累計施工土量を連続させます。同じように、改良材についても前日までの投入量、当日投入量、累計投入量を整理します。日ごとの記録が連続していれば、最終日に総量が合わない場合でも、差が発生した時期を絞り込めます。


天候、土質、施工機械、添加条件などが変化した日は、数量記録へその内容を残します。数値だけでは説明できない差を、施工条件と関連付けて確認できるためです。


数量差が発生したときの確認方法

改良材の計画量と実績量に差が出た場合は、計算式を何度もやり直す前に、土量、単位、材料量、施工範囲の順に条件を確認します。


最初に確認するのは、改良対象土量です。計画土量と実績土量で使用した範囲や厚さが同じかを見ます。計画では設計範囲全体を使用し、実績では当日の施工範囲だけを使用している場合、比較の対象が一致していません。


次に、地山土量、ほぐし土量、締固め土量が混在していないかを確認します。設計数量が地山状態で、施工実績が仮置き土の形状から求めたほぐし状態であれば、体積を直接比較できません。


単位については、キログラムとトン、立方メートルと質量、百分率と小数の取り違えを確認します。五パーセントを計算式へ入力するときは〇・〇五として扱います。単位体積当たり六十キログラムの条件を六十トンとして扱えば、結果は千倍になります。


含水比の入力にも注意します。含水比二五パーセントを〇・二五として計算する必要があるところへ二五を入力すると、乾燥土質量が極端に小さくなります。計算表では、入力欄に単位を表示し、百分率のまま入力するのか小数で入力するのかを統一します。


材料量では、搬入量、投入量、使用量、残量を区別します。搬入伝票に記載された数量をすべて施工実績とすると、未使用在庫が含まれます。反対に、作業員が記録した投入回数だけを使用すると、途中で追加した材料や他の設備から補充した材料が抜ける可能性があります。


施工範囲では、重複施工、追加施工、未施工、再施工の有無を確認します。設計図上の区画と現場で使用した区画名がずれていると、同じ範囲を別の名称で二重計上することがあります。


計算結果を修正するときは、差をなくすために土量や添加量を逆算して合わせるのではなく、実際の記録に基づいて原因を特定します。搬入量と残量から使用量を推定し、その使用量に合うように施工土量を書き換える方法では、現場の実態を確認できません。


原因を特定できない差が残る場合は、その差を記録上から消さず、未確認差として整理します。そのうえで、次の施工日から計測方法や記録方法を改善します。数量差を毎回端数として処理すると、最終的に大きな差になる可能性があります。


計算例で土質改良材投入量の考え方を整理する

ここでは、単位体積当たりの添加と、乾燥土質量に対する添加の二つの例で考え方を整理します。


最初の例は、単位体積当たりの添加量が指定されている場合です。改良範囲の長さが三十メートル、幅が八メートル、平均改良厚さが〇・六メートルとします。


改良対象土量は、三十メートルに八メートルと〇・六メートルを掛けるため、百四十四立方メートルです。改良材の添加量が一立方メートル当たり五十キログラムであれば、設計必要量は百四十四立方メートルに五十キログラムを掛けた七千二百キログラムです。


ただし、改良範囲内に長さ四メートル、幅二メートル、高さ〇・六メートルの既設構造物があり、その部分を改良しない場合は控除が必要です。控除土量は四・八立方メートルとなり、実際の改良対象土量は百三十九・二立方メートルです。


この土量へ五十キログラムを掛けると、設計必要量は六千九百六十キログラムになります。構造物部分を控除しなかった場合との差は二百四十キログラムです。小規模な控除に見えても、添加量が大きい現場や構造物が複数ある現場では、無視できない差になります。


次の例は、乾燥土質量に対する添加率で管理する場合です。改良対象土量を二百立方メートル、現場で確認した湿潤密度を一立方メートル当たり一・七五トン、含水比を二五パーセントとします。


乾燥密度は、一・七五トンを一・二五で割るため、一立方メートル当たり一・四トンです。二百立方メートルの乾燥土質量は、二百に一・四トンを掛けた二百八十トンとなります。


乾燥土質量に対する添加率が四パーセントであれば、改良材必要量は二百八十トンに〇・〇四を掛けた十一・二トンです。


ここで湿潤土質量を基準に計算すると、湿潤土質量は二百立方メートルに一・七五トンを掛けた三百五十トンです。三百五十トンへ四パーセントを掛けると十四トンとなり、正しい計算より二・八トン多くなります。


この差は、添加率を乾燥土質量へ掛けるべきところ、湿潤土質量へ掛けたことによって生じています。計算式自体は単純でも、基準となる土の状態を誤ると大きな数量差になります。


さらに、施工当日に降雨があり、含水比が三〇パーセントへ変化したとします。乾燥土の固体部分が同じであれば、乾燥土質量は二百八十トンのままですが、湿潤土質量は増加します。


施工当日の湿潤質量だけを使って添加量を再計算すると、水分の増加分まで改良対象土として扱うことになります。乾燥土質量を基準とする条件では、最新の含水比を用いて湿潤質量から乾燥質量を求める必要があります。


実務では、密度や含水比が区画内で完全に一定とは限りません。計算例のような一つの値で全体を代表させる場合は、採取位置や試験結果のばらつきを確認し、代表値として妥当かを判断します。


現場で土量管理を安定させる記録の残し方

土質改良材投入量の計算を正確にしても、根拠となる記録が残っていなければ、後から数量を確認できません。記録では、改良対象土量、添加条件、施工実績、材料実績を相互に追跡できるようにします。


改良対象土量については、施工区画名、施工位置、長さ、幅、改良厚さ、控除部分、計算した土量、土量の状態を記録します。数量の状態には、地山、ほぐし、締固め後などの区分を明記します。


添加条件については、単位体積当たりの添加量なのか、乾燥土質量に対する割合なのかを明記します。密度や含水比を使用した場合は、採用値、測定日、対象試料、計算式を残します。


施工実績については、施工日、施工区画、開始位置、終了位置、施工厚さ、実績土量、施工時間などを記録します。途中で中断した場合は、中断位置と再開位置を残し、同じ範囲を二重に計上しないようにします。


材料実績については、搬入量、施工前在庫、施工後在庫、実投入量、設備内残量、回収量、廃棄対象量などを整理します。すべての項目を毎回精密に量ることが難しい場合でも、どの方法で数量を確認したのかを記録します。


現場写真を残す場合は、材料の山や包装だけを撮影するのではなく、施工区画との対応が分かるようにします。撮影日、位置、方向、対象区画が分かれば、施工範囲や在庫状況の補足資料として利用しやすくなります。


測定データや計算書のファイル名も統一します。同じ区画について複数の計算書が存在する場合、どれが最新版か分からなくなることがあります。施工日、区画名、計算条件、改訂番号などを組み合わせ、変更前の記録も残します。


施工担当者と数量管理担当者が異なる場合は、用語の使い方を揃えます。「使用量」が搬入量を意味する人と、投入量を意味する人がいると、同じ帳票でも数値の意味が変わります。現場内では、設計必要量、計画準備量、搬入量、投入量、残量を区別して使用します。


日次の照合では、実績土量へ採用添加量を掛けた理論値と、実際の投入量を並べて確認します。差がある場合は、その日のうちに理由を記載します。数日後では、材料の移動や施工状況を正確に思い出せない可能性があります。


累計数量は、施工土量と改良材投入量を同じ区画単位で集計します。土量だけを施工区画別、材料だけを搬入日別で管理すると、両者を照合しにくくなります。搬入記録は搬入日別に残しつつ、使用量は施工区画へ配分して管理します。


現場で土量管理を効率化するには、数字の入力作業を増やすのではなく、一度取得した位置、範囲、高さ、写真、施工日などの情報を関連付けて利用することが有効です。測定結果と施工記録が別々に保管されていると、数量確認のたびに資料を探し直す必要があります。


まとめ

土質改良材投入量を見誤らないためには、最初に改良対象土量を確定し、次に指定された添加方式へ合わせて必要量を計算することが基本です。そのうえで、含水状態や地山、ほぐし、締固めによる土量変化を整理し、施工ロス、在庫、未施工量、追加投入を分けて管理します。


第一の計算では、改良範囲、改良厚さ、控除部分、追加施工部分を整理し、施工区画ごとの対象土量を求めます。第二の計算では、単位体積当たりの添加なのか、乾燥土質量に対する割合なのかを確認し、単位と基準を統一します。


第三の計算では、含水比と密度を使って湿潤状態と乾燥状態を区別し、地山土量、ほぐし土量、締固め土量を混在させないようにします。第四の計算では、設計必要量、調達量、搬入量、実投入量、残量、施工ロスを分け、材料収支を確認します。


計算結果だけを残すのではなく、使用した範囲、測定時点、土量の状態、添加条件、含水比、密度、施工日、材料残量まで記録すると、数量差が発生した場合でも原因を追跡できます。


現場で土量管理を続けていると、施工範囲の確認、改良厚さの測定、写真記録、数量計算、日報整理が別々の作業になりやすいものです。位置情報を持つ測定結果や施工記録をまとめて扱える環境を整えれば、改良対象土量と材料投入量の照合作業を進めやすくなります。


土質改良の数量管理を紙の計算書や担当者ごとの記録だけに頼らず、現場で取得した位置、高さ、写真、施工範囲を一つの流れで残したい場合は、Phoneを活用した現場記録と土量管理も有効な選択肢になります。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page