目次
• 側溝入替えで旧路盤土を分ける意味
• 判断1 発生位置と既設構成から旧路盤土を見分ける
• 判断2 混入物と含水状態から分別の可否を決める
• 判断3 再利用先の条件から保管区分を決める
• 判断4 数量算定と契約条件から別計上を判断する
• 施工前に既設構成と分別範囲を整理する
• 掘削時に旧路盤土と周辺土を混ぜない進め方
• 仮置き場で材料の履歴と数量を維持する
• 旧路盤土の発生量を測定する方法
• 発生量と再利用量と搬出量を照合する
• 写真と記録で判断根拠を残す
• 側溝入替えの土量管理で起こりやすい失敗
• まとめ
側溝入替えで旧路盤土を分ける意味
道路側溝の入替えでは、既設側溝の周辺を掘削する際に、舗装下の既設路盤材、路床土、側溝の基礎材、背面の埋戻し土などが同時に発生します。本稿では、このうち現況断面や記録から既設路盤由来と確認できた粒状材料を、便宜上「旧路盤土」と呼びます。
これらの材料は砂、砕石、細粒分を含み、掘り出した後の外観だけでは区別しにくいことがあります。最初から一つの掘削土として扱うと、利用の可能性がある材料まで搬出対象にしたり、反対に用途の要求品質を満たさない混合土を埋戻し材などへ使用したりするおそれがあります。
ただし、材料の呼び方と法令上の区分は同じではありません。国土交通省は、建設工事から搬出される土砂を「建設発生土」とし、廃棄物処理法上の廃棄物には該当しない一方、建設汚泥は産業廃棄物に該当すると整理しています。アスファルト・コンクリート塊やコンクリート塊などが混じる場合も、土砂と同じ扱いにせず、発生状況、性状、契約図書、関係法令に基づいて区分する必要があります。国土交通省+1
現場で土量管理を行う実務担当者にとって重要なのは、材料を細かく分類することだけではありません。どこから発生した材料を、どの事実に基づき、どの区分へ入れたのかを説明できるようにすることが重要です。側溝入替えは道路延長に沿って作業が進むため、同じ工区内でも既設舗装の厚さ、路盤の張り出し幅、過去の補修履歴、湧水の有無などが変化します。工事開始時の一つの想定を全区間へ当てはめると、実際の発生量や材料状態とのずれが大きくなります。
旧路盤土を分ける目的は、単純に搬出量を減らすことではありません。材料の由来と状態を把握し、利用候補と確認待ち材料を混ぜず、発生量から最終的な行き先まで追跡することにあります。分別した材料に使用先がなければ、仮置きや積替えだけが増える可能性もあります。そのため、発生位置、材料状態、利用条件、数量区分という複数の視点を組み合わせて判断します。
側溝周辺の土量は、施工範囲が細長く、幅や厚さが小刻みに変わりやすい点にも注意が必要です。設計上は一定断面であっても、現地では舗装端部が崩れていたり、路盤材が側溝背面まで広がっていたりします。既設側溝の撤去に必要な作業幅と、もともと存在していた旧路盤の範囲を混同すると、設計数量との差を説明しにくくなります。
現場で土量管理を安定させるには、旧路盤土を分けるかどうかを作業員個人の感覚に任せず、判断基準を施工前に共有することが大切です。掘削機械の担当者、積込み担当者、運搬担当者、仮置き場の受入担当者、測量担当者が同じ区分を理解していなければ、施工途中で材料の履歴が途切れます。
なお、以下は一般的な管理の考え方です。実際の工事では、設計図書、特記仕様書、発注者の指示・承諾、自治体の条例、搬出先の受入条件を優先してください。
判断1 発生位置と既設構成から旧路盤土を見分ける
最初の判断は、掘り出した材料がどの位置から発生したかを確認することです。旧路盤土は、色や粒の大きさだけで確実に見分けられるとは限りません。長期間供用された路盤には細粒分が入り込み、周辺の路床土と似た状態になっている場合があります。そのため、外観だけでなく、舗装面からの深さ、側溝からの距離、層の連続性、既設構成との位置関係を合わせて判断します。
側溝周辺には、舗装、上層路盤、下層路盤、路床、側溝の基礎材、背面の埋戻し土などが存在します。ただし、現況が標準断面どおりであるとは限りません。道路改良、舗装補修、占用工事、過去の側溝交換などにより、異なる材料が重ねられていることがあります。図面では一層として示されていても、現地で複数の層が確認される場合があります。
施工前に既設図面や完成記録を確認できる場合は、路盤厚さや側溝周辺の構成を把握します。しかし、図面だけで現況を確定させるのは避けます。工事着手後は、舗装切断面、試掘箇所、既設側溝を撤去 した後の露出面を観察し、図面との違いを確認します。現況と記録に差があれば、その位置から区間を分けて管理します。
旧路盤土として仮に分ける範囲は、現況断面で既設路盤と確認できる連続した粒状材料の範囲を基準にします。側溝側へ路盤材が張り出している場合は、その幅と厚さを確認します。明確な層として残っていれば周辺土と分けて掘削しやすくなりますが、粒状材料と路床土の境界が崩れ、広い範囲で混ざっている場合は、無理に良好な旧路盤土として扱わず、境界部を確認待ち材料に分けます。
発生位置を把握するには、掘削前に区間番号や測点を決めておくことが有効です。同じ旧路盤土という名称でも、交差点付近、車両乗入れ部、一般区間、補修跡では状態が異なる可能性があります。発生区間を記録しておけば、後から材料状態に問題が見つかった場合も、対象範囲を絞って確認できます。
掘削機械の担当者には、どの高さからどの高さまでを旧路盤土として分けるのかを具体的に伝えます。施工管理担当者が断 面図を理解していても、機械作業へ反映されなければ分別はできません。舗装端部の切断面に層境界を示す、掘削開始前に代表断面を確認する、変化点で作業を一度止めるなど、現場で実行できる方法へ落とし込みます。
既設路盤の範囲と施工上の余掘り範囲を区別することも大切です。新しい側溝を据え付けるために必要な作業幅まで掘削しても、その全量が旧路盤土とは限りません。もともとの路盤材の範囲を超えた部分には、路床土や背面土が含まれます。数量を算定するときは、材料の由来と施工上の掘削範囲を別々に整理します。
発生位置が不明確な材料は、安易に旧路盤土の山へ混ぜないことが基本です。判断を保留した材料を一時的に別区画へ置けば、露出断面の確認や関係者との協議後に区分を決められます。一度ほかの材料と混ぜると、後から元の由来ごとに分けることは困難です。
判断2 混入物と含水状態から分別の可否を決める
2つ目の判断は、路盤部から発生した材料を単独で管理できる状態かどうかを確認することです。発生位置が路盤部であっても、舗装片、コンクリート片、路床土、泥、有機物などが多く混ざっていれば、目視だけで再利用候補と確定することはできません。
最初に確認したいのは、舗装撤去や側溝撤去に伴う破片の混入です。舗装材を十分に分離しないまま路盤を掘削すると、小さな舗装片が広い範囲へ混ざります。既設側溝を破砕しながら撤去する場合も、コンクリート片や目地材が路盤上へ落ちる可能性があります。
アスファルト・コンクリート塊やコンクリート塊は、単なる「土の異物」として扱わず、工事の規模や契約条件に応じて分別、再資源化、適正処理の対象となるかを確認します。建設リサイクル関係の国の資料でも、これらは建設発生土とは別の建設副産物として整理されています。国土交通省CBRデータベース+1
次に確認するのは、路床土や側溝背面土の混入です。バケットで路盤と下部の 土を同時にすくうと、外観上は粒状材料が多く見えても、細粒分を多く含む混合材料になります。層境界付近では完全な分離が難しいため、状態の良い部分を先に取り出し、境界部を別区分にする方法が考えられます。
含水状態も重要な判断材料です。降雨後や湧水のある区間では、旧路盤土が水を含み、施工性が低下することがあります。水分状態が大きく異なる材料を同じ山へ混ぜると、山全体の状態を評価し直さなければならなくなるため、必要に応じて仮置き場所を分けます。
ただし、湿っているという理由だけで直ちに再利用不可、または廃棄物と判断するのは適切ではありません。一時的に含水量が増えているのか、細粒分が多く排水しにくいのか、泥状化しているのかによって対応は異なります。目視は初期の仕分けに使い、要求品質が定められた用途へ使用する場合は、設計図書や仕様書が求める試験・確認を行います。
草根、落ち葉、腐植を含む表層土が混ざっていないかも確認します。有機物を多く含む材料は、用途 によっては締固めや長期安定性へ悪影響を及ぼす可能性があります。構造物周辺や舗装構成内へ使用する場合は、自己判断で投入せず、使用条件を確認します。
油臭、著しい変色、廃材の混入など通常と異なる状況がある場合は、掘削を続けて良好な材料へ混ぜず、発生位置を記録して発注者や関係者へ確認します。外観だけで安全性や法的区分を確定しないことが重要です。
材料状態の判断を統一するには、現場内で暫定的な管理区分を設けます。たとえば、異物が少なく粒状性が保たれている材料、確認を要する境界部の材料、路床土や泥との混合が進んだ材料というように分けます。この区分は正式な品質判定ではなく、状態の異なる材料を混ぜないための運用です。
分別するかどうかは、発生量とのバランスも考えます。少量の材料を過度に細分化すると、仮置き区画や運搬の管理負担が増えます。一方、施工延長が長く、一定量の状態の良い旧路盤土が連続して発生する場合は、早い段階で独立管理する価値があります。
重要なのは、分けること自体を目的にしないことです。分別後にどのような確認を行い、どこへ使用または搬出するのかが決まっていなければ、管理区分だけが増えて現場が複雑になります。後工程に必要な区分へ絞り込むことが、実務的な土量管理につながります。
判断3 再利用先の条件から保管区分を決める
3つ目の判断は、旧路盤土をどこで使う予定なのかを踏まえて、保管区分を決めることです。旧路盤から発生した材料だからといって、そのまま新しい路盤へ戻せるとは限りません。供用中に粒度が変化したり、細粒分や周辺土が入り込んだりして、当初の材料状態から変化している可能性があります。
再利用先として検討されることがあるのは、設計で認められた側溝周辺の埋戻し、仮設道路、施工ヤードの不陸調整、管理用通路などです。ただし、これらは一般例であり、どの工事でも使用できるという意味で はありません。使用できる場所は、設計条件、施工計画、材料品質、発注者の承諾、受入条件によって異なります。
特に、新設する路盤や舗装構成内へ使用する場合は、見た目や発生元だけで可否を決めません。国土交通省系の共通仕様書では、下層路盤材や上層路盤材について修正CBR、塑性指数などの品質規格が示されており、再生材も用途ごとの基準に適合することが前提です。実際に適用する規格値、試験方法、試験頻度は、当該工事の設計図書と仕様書で確認します。国土交通省CBRデータベース
側溝背面への再利用を考える場合は、材料の品質だけでなく施工性にも注意します。側溝背面は幅が狭く、小型の締固め機械しか使用できないことがあります。大きな粒や異物を含む材料では均一な敷均しが難しく、製品を損傷するおそれもあります。材料として利用可能でも、施工空間、最大粒径、敷均し厚、締固め方法が合わなければ使用は困難です。
再利用先の必要時期も保管区分に影響します。発生時期と使用時期が近ければ短 期間の仮置きで済みますが、使用まで期間が空く場合は、降雨、乾燥、車両通行、他材料の追加投入によって状態が変わる可能性があります。長期保管する材料は、区画表示、排水、流出防止、他材料との離隔をより明確にします。
必要量と発生量の比較も欠かせません。旧路盤土が多く発生しても、再利用先の容量が小さければ余剰が生じます。反対に、発生量を多く見込みすぎて購入材を減らすと、実際の旧路盤土が少ない場合に工程へ影響します。施工前の想定量だけで判断せず、実績に合わせて再利用計画を更新します。
現場で土量管理を行う際は、単に旧路盤土が何立方メートルあるかを把握するだけでは不十分です。使用候補、確認待ち、用途限定、搬出予定というように、状態と行き先を関連付けて管理します。同じ体積でも、乾いた粒状材料と細粒分の多い混合材料では、利用できる場所が異なります。
判断が完了していない材料は、搬出予定土や状態の悪い混合材料と一緒にしないことが重要です。後から使用可能と判 断されても、すでに他材料と混ざっていれば分離できません。保留材料を一時的に置く区画を設けることで、再利用と搬出の両方の選択肢を残せます。
一方、再利用に必要な選別、乾燥、積替え、試験、運搬が過大になる場合は、無理に利用しない判断も必要です。場内利用は搬出量の削減につながる可能性がありますが、分別のために作業時間や仮置き面積を大きく使えば、工事全体の安全性や効率へ影響します。材料の体積だけでなく、品質確認、工程、保管条件を含めて判断します。
再利用を予定している場合は、実際に使用した数量と場所を記録します。仮置き山から取り出した量だけでなく、どの区間のどの施工箇所へ投入したかを追跡できるようにします。発生区間と使用区間を関連付けておけば、施工後に数量差や品質上の確認事項が見つかった場合も対象範囲を絞れます。
判断4 数量算定と契約条件から別計上を判断する
4つ目の判断は、旧路盤土を数量上の独立した区分として扱う必要があるかを確認することです。施工上は別々に仮置きしていても、契約数量では一つの掘削項目に含まれていることがあります。反対に、運搬先、処理方法、再利用方法が異なるため、数量を分けなければならない場合もあります。
まず、設計図書、数量計算書、特記仕様書を確認します。側溝入替えに伴う床掘り、既設舗装・路盤の撤去、埋戻し、建設発生土の運搬などが、どの範囲で計上されているかを整理します。「旧路盤土」という名称が明記されていなくても、既設路盤撤去など別の名称で含まれている場合があります。
数量の算定方法も確認が必要です。設計断面から求めるのか、施工前後の現地測定を用いるのか、運搬記録を補助資料とするのかによって、残すべき記録が変わります。現場で測定した仮置き山の体積が、そのまま契約上の精算数量になるとは限りません。現場管理の実績数量と、契約上の対象数量を区別して管理します。
既設路盤の厚さや幅が設計想定と異なる場合は、差を確認した時点で記録します。全区間を掘削し終えてからでは、元の層構成を再確認できません。想定より厚い層、側溝方向へ広く張り出した範囲、複数回の補修で重なった層などが確認された場合は、位置、寸法、写真を残し、必要に応じて発注者と協議します。
ただし、設計と現況に差があるからといって、直ちに追加数量として認められるとは限りません。新しい側溝を設置するための余掘り、機械作業の都合で広げた掘削範囲、施工中に崩れた部分などは、既設路盤そのものの数量とは分けて考える必要があります。もともと存在していた材料の範囲と、施工方法によって増えた掘削範囲を区別できる記録が必要です。
旧路盤土を場内再利用する場合は、発生量と使用量を別に記録します。掘削量と再利用量を相殺して一つの数字にすると、実際にどの程度発生し、どの程度を使用し、どの程度が残ったか分からなくなります。発生、仮置き、再利用、搬出の流れをそれぞれ記録したうえで残量を照合します。
場外へ建設発生土を搬出する場合は、契約上の運搬記録だけでなく、適用される制度上の確認事項も整理します。現在の国の制度では、一定規模以上の工事における再生資源利用促進計画等の作成、搬出先の適正確認、受領書の確認・保存、条件に応じた最終搬出先の記録などが求められています。適用対象や例外を含め、最新の制度、自治体条例、発注者の様式を確認してください。国土交通省+1
車両の運搬記録は重要な補助資料ですが、台数だけで体積を確定させることには注意が必要です。積載状態、含水状態、車両への付着、荷こぼれ防止の積み方によって、一台当たりの見掛け体積は変化します。施工断面、仮置き量、受領記録との整合を確認します。
土量の状態区分にも注意します。掘削前の地山状態、掘り出してほぐれた状態、仮置き状態、締め固めた状態では、同じ材料でも体積が変わります。国土交通省の搬出関係資料でも、受領書の記載例として地山量、締固め量、ほぐし土量を区分しています。異なる状態の数量をそのまま比較せず、各数量がどの状態を表すかを明記します。国土交通省
施工管理用の数量表では、発生区間、材料区分、発生量、仮置き先、再利用量、搬出量、残量をつなげます。一方、契約上の数量表では、設計図書や協議結果に基づく対象範囲を整理します。両者を関連付けながらも、同じ数量として扱わないことが、差を説明しやすくするポイントです。
施工前に既設構成と分別範囲を整理する
旧路盤土を確実に分けるには、掘削開始前の準備が重要です。側溝撤去、掘削、積込みは連続して進むことが多く、一度混ざった材料を元の層へ戻すことはできません。現場で状態を見てから考えるだけでは、判断する前に材料が運び出されるおそれがあります。
まず、施工区間を条件ごとに分けます。一般部、交差点部、乗入れ部、過去の補修箇所、排水状態の悪い箇所などは、既設構成が異なる可能性があります。道路延長全体を一つの条件で扱わず、変化が予想される位置に区切りを設けます。
各区間について、想定される路盤厚さ、側溝側への張り出し幅、発生量、混入リスク、仮置き先、利用候補、搬出候補を整理します。施工前の数値は確定値ではなく、現地確認時の比較基準として使います。想定と異なる状態が出たときに、どこで作業を止め、誰が確認し、どの区画へ仮置きするかまで決めておきます。
分別手順も施工計画へ反映します。舗装を先に撤去し、破片を除去してから旧路盤土を掘削すれば、異物の混入を抑えやすくなります。既設側溝を撤去するときは、コンクリート片の仮置き場所を路盤材と分けます。作業場所が狭い場合は、一時置き区画、運搬車両の待機位置、誤積込みを防ぐ表示方法まで考慮します。
作業前の打合せでは、材料名称だけでなく、どの断面のどの範囲を分けるかを共有します。旧路盤土の候補、判断保留の境界部、明らかな混合材料の例を現地で確認すると、担当者による判断差を減らせます。
想定外の厚さや材料が出た場合の連絡方法も決めます。施工速度を優先して掘削を続けると、確認すべき断面が失われます。変化点では写真と寸法を記録し、必要な確認が終わるまで材料を別区画へ置く運用が有効です。
場外搬出を予定する場合は、搬出先の受入条件、必要な契約・記録、受領書の受け渡し方法も施工前に整理します。材料区分の表示と運搬伝票の名称が一致していなければ、現場の数量表と法定・契約記録を照合しにくくなります。
掘削時に旧路盤土と周辺土を混ぜない進め方
掘削時の基本は、上部から順番に材料を取り除き、異なる層を一つのバケットで同時にすくわないことです。舗装片を撤去した後、旧路盤土の上面と下面を確認し、分けられる範囲から先に掘削します。境界部まで一度に深く掘ると、路床土や背面土が混ざりやすくなります。
側溝を撤去する際は、コンクリート片が路盤部へ落ちたままにならないようにします。撤去材と旧路盤土の集積場所を分け、路盤を掘削する前に大きな破片を除去します。狭い作業帯では材料を置く場所が重なりやすいため、積込みまでの短時間であっても区画を明示します。
掘削した材料をその場へ一時置きする場合は、既存地盤の泥を巻き込まないようにします。旧路盤土の山と路床土の山を近接して置くと、機械の旋回や車両通行で境界が崩れます。区画間に余裕を確保できない場合は、掘削後すぐに材料区分ごとの車両へ積み込む方法を検討します。
積込み担当者と運搬担当者には、材料区分と行き先を明確に伝えます。口頭指示だけでは、担当者の交代や騒音によって誤積込みが起こりやすくなります。区間番号、材料区分、仮置き先または搬出先を対応させ、受入側でも同じ情報を確認できるようにします。
掘削途中で材料状態が変わった場合は、同じ区間内でも管理を切り替えます。上部は乾いた粒状材料でも、下部で細粒分や水分 が増えることがあります。最初に決めた区分へ最後まで入れ続けるのではなく、変化した位置から別の山へ分けます。
降雨や湧水によって分別が難しくなった場合は、作業継続の方法を見直します。水の影響を受けた材料を確認済みの山へ追加すると、すでに保管している材料の状態まで変わります。水切りが必要な材料を別管理し、必要に応じて掘削順序や排水方法を調整します。
油臭、異常な着色、予期しない廃材などが出た場合は、良好な材料へ混ぜず、位置を記録して確認を受けます。現場担当者だけで再利用や搬出区分を決めないことが重要です。
現場で土量管理を行う担当者は、数量表だけでなく、実際の掘削、積込み、仮置きを定期的に確認します。書類上は旧路盤土として記録されていても、現場で他材料と混ざっていれば、後から数量と品質を分けることはできません。
仮置き場で材料の履歴と数量を維持する
旧路盤土を掘削時に分けても、仮置き場で混ざれば分別の効果は失われます。仮置き場では、材料名だけでなく、発生区間、受入日、状態、確認状況、再利用予定または搬出予定を関連付けて管理します。
仮置き区画は、旧路盤土の使用候補、確認待ち材料、混合材料、搬出予定土などに分けます。区画表示には管理番号を付け、現場の数量表や写真記録と対応させます。同じ旧路盤土でも状態が大きく異なる場合は、一つの山へまとめません。
仮置き場所の下地にも注意します。泥の多い地面へ直接置くと、山の下部に別の土が混ざります。雨水が流れ込む位置では、細粒分の流出、含水状態の変化、周辺への濁水流出が起こる可能性があります。現場条件と施工計画に応じて下地、排水、流出防止、山の安定を確保します。

