top of page

現場で土量管理の根切り幅変更を数量に反映する5項目

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均7分15秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

根切り幅の変更が土量管理に影響する理由

項目1 変更前後の根切り幅と適用区間を確定する

項目2 法勾配や土留め条件を含めて掘削断面を整理する

項目3 構造物や作業余裕幅との関係を確認する

項目4 地山土量と搬出土量を区別して補正する

項目5 記録と承認をそろえて数量根拠を残す

根切り幅変更後の土量を計算する基本手順

根切り幅の変更で発生しやすい数量差

日々の施工管理で数量差を早期発見する方法

まとめ


根切り幅の変更が土量管理に影響する理由

現場で土量管理を行うとき、根切り幅は掘削土量を左右する基本条件です。根切りとは、基礎、擁壁、側溝、管路、ボックス状の構造物などを施工するために地盤を掘り下げる作業を指します。設計図面では構造物の寸法が明確でも、実際の掘削幅は作業スペース、土質、掘削深さ、土留め方法、周辺構造物との離隔などによって変わることがあります。


根切り幅が少し広がっただけに見えても、延長が長い現場や掘削深さが大きい現場では、追加土量が無視できない規模になる場合があります。たとえば、一定断面で施工する管路や排水構造物では、根切り幅の変更量が延長全体に積み重なります。片側で数十センチメートルの変更でも、両側を合わせると根切り断面が大きくなり、掘削、積込み、運搬、仮置き、埋戻しの各数量に影響します。


ただし、実際に掘った土量がそのまま契約上の数量として認められるとは限りません。契約図書や施工条件で定められた掘削幅が数量算定の基準となっている場合、施工者の都合で広げた部分は変更数量として扱われないことがあります。一方、地山の崩壊防止、既設埋設物の回避、作業安全の確保、設計変更、発注者からの指示など、合理的な理由による変更であれば、追加数量を整理できる可能性があります。


そのため、根切り幅の変更を数量へ反映するときは、単に実測幅を使って再計算するだけでは不十分です。どの区間で、何を理由に、どのような断面へ変更し、その変更が契約上どのように扱われるのかを確認する必要があります。変更前後の条件が曖昧なまま施工を進めると、掘削後に根拠を再現できず、数量協議が難しくなります。


現場で土量管理を安定させるには、施工前の計画数量、施工中の実績数量、契約上の精算数量を分けて扱うことが重要です。計画数量は配車や工程を組むために必要であり、実績数量は現場で発生した土砂の管理に必要です。精算数量は発注者との確認や変更手続きに必要になります。この三つを混同せず、同じ根切り区間について並行して管理することが、数量差を説明できる状態につながります。


項目1 変更前後の根切り幅と適用区間を確定する

根切り幅の変更を数量に反映する最初の項目は、変更前の幅、変更後の幅、変更が適用される区間を明確にすることです。根切り幅だけを記録しても、どの測点からどの測点まで変更したのかが分からなければ、追加土量を正確に計算できません。


まず、変更前の基準となる根切り幅を確認します。基準幅は、設計図面に直接記載されている場合もあれば、構造物幅に左右の作業余裕幅を加えて設定する場合もあります。数量計算書、標準断面図、施工計画書、特記条件などで異なる値が使われていないかを確認し、現場で採用する基準を統一します。


たとえば、構造物の外幅が一メートルで、左右にそれぞれ三十センチメートルの作業余裕を設ける計画であれば、根切り底幅は一・六メートルになります。しかし、図面には構造物幅だけが示され、作業余裕幅が別資料に記載されていることもあります。確認せずに構造物幅を根切り幅として計算すると、施工計画との間に数量差が生じます。


次に、変更後の幅を具体的な数値で記録します。「少し広げた」「重機が入れる幅にした」といった表現では、後から断面を再現できません。根切り底面の幅なのか、地表面での開口幅なのかも明確にします。法勾配を設ける掘削では、底幅と上幅が異なるため、単に根切り幅とだけ記録すると解釈が分かれるおそれがあります。


変更区間については、測点、構造物番号、区画名、施工日などを使って特定します。長い施工区間の一部だけを広げた場合は、始点と終点を現地で確認し、平面図や管理図に反映します。変更区間の延長は、設計上の延長だけでなく、実際に変更断面を適用した範囲と一致しているかを確認する必要があります。


根切り幅が段階的に変化する場合は、一つの平均幅だけで処理しないことも重要です。埋設物付近だけ広くした区間、作業スペース確保のため徐々に拡幅した区間、交差部で局所的に広げた区間などは、断面条件ごとに分割して計算します。平均幅を使う方法は簡便ですが、変化が大きい現場では実態との差が拡大します。


変更前後の差を整理するときは、幅だけでなく掘削深さも同時に確認します。根切り幅を変更した時期に床付け高さや掘削深さも変わっていると、追加土量を幅の差だけでは説明できません。変更前の断面積と変更後の断面積をそれぞれ求め、その差に適用延長を掛ける考え方が基本です。


一定の長方形断面であれば、追加土量は、おおむね変更幅に掘削深さと延長を掛けて求められます。ただし、幅の変更が片側だけである場合や、地盤の高さが変化している場合には、区間ごとに計算する必要があります。現場で土量管理を行う際は、計算の簡略化よりも、後から条件を説明できる区分を優先することが大切です。


項目2 法勾配や土留め条件を含めて掘削断面を整理する

二つ目の項目は、根切り幅だけでなく、法勾配や土留め条件を含めた掘削断面全体を整理することです。根切り底幅が同じでも、鉛直に掘削する場合と法面を付けて掘削する場合では、発生する土量が大きく異なります。


土留めを使用して掘削面をほぼ鉛直に保つ場合、断面は長方形に近くなります。一方、素掘りで法勾配を設ける場合は、地表面に向かって掘削幅が広がるため、断面は台形に近い形になります。掘削深さが大きくなるほど上幅が広がり、土量への影響も大きくなります。


たとえば、根切り底幅を変更していなくても、土質の変化や降雨後の安定性を考慮して法勾配を緩くした場合、掘削断面積は増加します。この増加を根切り幅変更として一括処理すると、変更理由が不明確になります。底幅の変更と法勾配の変更は別の要因として整理し、それぞれが断面積へ与えた影響を確認することが適切です。


法勾配を伴う断面では、底幅、掘削深さ、左右の法勾配から上幅を求めます。左右の条件が同じとは限りません。道路側は土留めを設け、反対側は法面掘削とするような非対称断面もあります。片側だけ既設構造物に接近している場合や、片側に重機の作業場所を確保する場合にも、左右で異なる断面になることがあります。


このような場合は、断面を長方形部分と三角形部分などに分けて考えると整理しやすくなります。底幅と掘削深さから中央部分の面積を求め、左右の法面部分を加える方法です。現場の断面が複雑な場合でも、単純な形状へ分割すれば、数量計算の根拠を説明しやすくなります。


土留め工法を途中で変更した場合も注意が必要です。計画時には法面掘削を予定していたものの、周辺への影響を抑えるため土留めを使用することになれば、掘削土量は減少する可能性があります。反対に、土留めの設置や撤去に必要な作業幅を確保するため、底幅が広がる場合もあります。土留めを採用したから必ず土量が減る、または増えるとは限らないため、実際の施工断面で確認します。


掘削中に土砂が崩れ、結果として上部が広がった場合には、その部分を計画変更による数量と同じ扱いにしないことが重要です。崩壊による余掘り、施工上の過掘り、安全確保のために事前承認を受けて変更した掘削では、数量上の意味が異なります。実際の土量管理ではすべての発生土を把握する必要がありますが、精算数量として認められる範囲は別に整理しなければなりません。


現場で土量管理を正確に行うには、掘削前の地盤線、根切り底面、法面線、土留め位置を断面図として残すことが有効です。施工中に断面条件が変わった場合は、元の線を消さず、変更後の線を重ねて記録します。変更前後を一枚の図で比較できれば、追加または減少した断面積を説明しやすくなります。


項目3 構造物や作業余裕幅との関係を確認する

三つ目の項目は、根切り幅の変更が構造物寸法によるものか、作業余裕幅によるものかを確認することです。根切り幅は、構造物本体の幅と、その周囲に必要な施工スペースによって構成されることが一般的です。この内訳を分けずに管理すると、変更理由が分からなくなります。


構造物自体の幅が設計変更で大きくなった場合は、根切り幅も連動して広がる可能性があります。基礎幅、均し部分、型枠外面、止水材、排水材、埋戻し材の施工範囲などが変われば、必要な掘削範囲も変わります。この場合は、構造物の変更図と根切り断面を関連付けて数量を整理します。


一方、構造物寸法は変わっていなくても、型枠の組立て、締固め機械の使用、防水処理、配筋、足場、安全通路などのために、作業余裕幅を広げることがあります。作業余裕幅は施工性や安全性に影響する重要な条件ですが、施工者が独自に広げた部分まで変更数量として扱われるとは限りません。施工前に必要性を整理し、関係者間で確認しておくことが大切です。


作業余裕幅を考えるときは、掘削底面で実際に作業できる幅を確認します。法面掘削では、図面上の上幅が広くても、底面の作業空間が不足する場合があります。土留め材、排水溝、集水設備、仮設配管などが底面に配置されると、作業可能な有効幅が狭くなります。必要幅を決める際は、掘削幅全体ではなく、障害物を除いた有効な作業空間を見る必要があります。


また、根切り幅の変更が埋戻し数量に与える影響も確認します。構造物の外側に形成される掘削空間は、施工後に埋め戻すことが一般的です。根切り幅が広がれば、掘削土量だけでなく埋戻し量も増える可能性があります。ただし、掘削土をそのまま埋戻しに使用できるとは限りません。土質、含水状態、粒径、施工条件によっては、場外搬出と別材料の搬入が必要になります。


構造物体積の控除も忘れてはいけません。根切り全体の空間から、基礎、躯体、均し部分、管材、砕石層などが占める体積を除いた部分が、基本的な埋戻し対象になります。根切り幅を広げた追加部分のすべてが埋戻し量になるとは限らず、同時に構造物寸法や基礎形状が変わっていれば、その体積も反映させます。


根切り幅の変更理由が既設埋設物の回避である場合は、迂回した掘削範囲を平面と断面の両方で確認します。既設管や基礎を避けるために片側へ拡幅した場合、単純な一定幅の追加では表せないことがあります。局所的に広がった部分を平面形状として捉え、深さを掛けて求める方法や、複数断面から平均断面積を求める方法を検討します。


現場で土量管理を行う実務担当者は、根切り幅を一つの数字として見るのではなく、構造物幅、左右の作業余裕、仮設物の占有幅、法面部分という内訳で捉えることが重要です。内訳が分かれば、どの条件が変わって数量差が発生したのかを説明できます。


項目4 地山土量と搬出土量を区別して補正する

四つ目の項目は、地山状態で計算した掘削土量と、実際に運搬した土量を区別することです。根切り幅を変更すると掘削量が増えますが、図面から求める地山土量と、ダンプ車両などで運搬する土量は必ずしも一致しません。


地山土量は、掘削前の地盤中にある状態の体積です。設計数量や出来形数量では、この地山状態を基準に計算することが一般的です。一方、掘削した土はほぐされ、地山より体積が増えることがあります。土質、含水状態、掘削方法、積込み方法によって、運搬時の見掛け体積は変化します。


根切り幅の変更による追加数量を車両台数だけで判断すると、土量を過大または過小に評価する可能性があります。積載状態にはばらつきがあり、車両ごとの積載量も一定ではありません。さらに、掘削土に砕石、泥水、コンクリート片、伐根物などが混在すると、純粋な土砂量との対応が崩れます。


そのため、数量計算の基準は変更前後の掘削断面から求めた地山土量とし、車両台数は実績確認の補助として使う考え方が有効です。地山計算による追加量と搬出台数の増加傾向を比較し、大きな差がある場合に原因を確認します。


たとえば、計算上は根切り幅変更によって百立方メートルの地山土量が増えていても、運搬記録から換算した体積が大幅に多い場合は、余掘り、地盤の崩れ、他区間の土砂混入、車両積載量の設定差などが考えられます。逆に搬出量が少ない場合は、場内流用、仮置き、埋戻しへの直接利用、積載量の過大設定などを確認します。


場内で流用する土量も分けて管理します。根切り幅の変更によって発生土が増えても、その土が場内の埋戻しや造成に使われれば、場外搬出量は増えないことがあります。掘削量、場内流用量、仮置き量、場外搬出量をそれぞれ記録し、土量の流れがつながるようにします。


基本的な土量収支は、掘削した地山土量が、場内流用、仮置き、場外搬出などへ振り分けられる関係で整理します。ただし、各段階で土の状態が異なるため、体積の基準を統一せず単純に足し引きすると一致しません。地山換算で比較するのか、運搬状態で比較するのかを決め、管理表の中で基準を明記します。


埋戻し時には締固めによって体積が変化します。掘削した土を埋め戻す場合でも、掘削土量と締固め後の埋戻し体積は一致しないことがあります。根切り幅変更による追加掘削量を、そのまま必要な埋戻し材料量とみなすのではなく、完成形の空間体積を基準に必要量を求めることが重要です。


含水状態にも注意が必要です。降雨後の土砂は水分を多く含み、車両一台当たりの重量や積載状態が変わります。泥土化した土砂を通常の土砂と同じ見掛け体積で管理すると、搬出記録と計算数量の差が大きくなることがあります。根切り幅の変更時期と天候条件を関連付けておくと、差の原因を追いやすくなります。


項目5 記録と承認をそろえて数量根拠を残す

五つ目の項目は、根切り幅を変更した事実だけでなく、変更理由、確認経緯、変更前後の形状を記録し、数量根拠を残すことです。掘削は施工が進むと埋戻しや構造物によって見えなくなるため、後から幅や深さを再確認することが難しい作業です。


変更の必要性が判明した時点で、施工前の状態を記録します。対象区間、既設物、土質、地盤の崩れ、安全上の制約、作業空間など、根切り幅を変更する理由が分かる情報を残します。そのうえで、変更案の平面寸法と断面寸法を整理し、関係者へ確認します。


現場で急な対応が必要になり、正式な変更図を待てない場合でも、口頭確認だけで終わらせないことが重要です。確認した日時、相手、内容を記録し、簡単なスケッチや寸法入りの図を添えます。後日正式な指示や変更資料が発行されたときに、施工時の記録と結び付けます。


施工中の写真は、根切り幅と掘削深さを読み取れるように撮影します。幅だけを示す写真では、撮影位置や対象区間が分からないことがあります。測点や構造物番号が分かる情報、全景、幅の測定状況、深さや床付け高さの確認状況を組み合わせて残します。


写真に写った寸法だけで数量を確定するのではなく、平面図、横断図、測定記録と対応させることが必要です。写真は施工状況の裏付けとして有効ですが、適用延長や断面変化を一枚で示すことは困難です。位置情報と図面情報を結び付けることで、数量根拠としての信頼性が高まります。


根切り底面が完成した段階では、埋戻し前に幅、延長、床付け高さを確認します。法面掘削であれば、上端位置や法面形状も記録します。根切り幅が区間内で変化している場合は、代表断面だけでなく、変化点でも測定します。


数量計算書には、変更前数量、変更後数量、差引数量を示します。追加数量だけを記載すると、どの基準から増えたのか分かりません。変更前後の計算条件を並べ、底幅、上幅、深さ、延長、断面積などを確認できるようにします。


根切り幅の変更が複数回発生した場合は、最終断面だけでなく変更履歴を残します。最初の計画幅から一度拡幅し、その後さらに一部区間を広げた場合、どの時点の変更がどの理由によるものかを区別します。変更履歴がないと、同じ追加部分を二重に計上するおそれがあります。


承認された数量と、現場で実際に掘削した数量も区別します。安全確保のため実際の掘削幅が承認範囲より広くなった場合、現場の土量収支には実績を反映しつつ、精算数量には承認範囲を使用することがあります。一つの数量だけで管理すると、配車実績と精算数量が合わない原因を説明できません。


記録を残す目的は、追加数量を増やすことではありません。変更の必要性と施工結果を客観的に示し、過大計上や計上漏れを防ぐことにあります。変更によって掘削土量が減少した場合も、同じ方法で減少数量を整理します。増減の両方を一貫した基準で管理することが、現場で土量管理を信頼できるものにします。


根切り幅変更後の土量を計算する基本手順

根切り幅変更後の土量計算では、最初に計算対象を区間分けします。一定の根切り幅、掘削深さ、法勾配が続く範囲を一つの計算区間とします。途中で幅、深さ、土留め条件、法勾配が変わる場所は区切ります。


次に、変更前の断面積を求めます。鉛直掘削で断面が長方形なら、底幅に深さを掛けます。法面掘削で台形状になる場合は、底幅と上幅の平均に深さを掛ける方法で断面積を求められます。左右で条件が異なる場合は、長方形と三角形などに分けて計算します。


同じ方法で変更後の断面積を求めます。ここで重要なのは、変更前後で計算方法を統一することです。変更前は設計上の平均深さ、変更後は実測最大深さというように基準が異なると、幅変更以外の差が混在します。


変更後断面積から変更前断面積を引けば、単位延長当たりの増減断面積が求められます。この断面積差に適用延長を掛けると、一定断面区間の追加または減少土量になります。


地盤高や掘削深さが連続的に変化する区間では、両端の断面積を求め、その平均に区間延長を掛ける方法が使えます。ただし、断面が急に変わる場所や局所的な拡幅部では区間を細かく分けます。


交差部、集水部、構造物端部など、平面方向にも幅が変化する場所は、一定延長の断面計算だけでは表しにくいことがあります。その場合は、変更範囲の平面積に平均掘削深さを掛ける方法や、複数の断面から体積を求める方法を使います。


計算後は、変更区間全体の数量だけでなく、測点ごとや施工日ごとに実績と照合します。追加土量が特定の日に集中しているなら、その日の搬出台数や仮置き量が増えているかを確認します。計算数量と現場記録の傾向が合っていれば、数量根拠の妥当性を判断しやすくなります。


埋戻し量を求める場合は、変更後の掘削空間から構造物や基礎材料などの体積を控除します。根切り幅変更に伴って構造物寸法も変わっている場合は、その変更も同時に反映します。掘削の追加量と埋戻しの追加量を同じ値として扱わないことが重要です。


最後に、計算値の単位と丸め方を統一します。途中計算で数値を細かく丸めると、区間数が多い現場では合計値に差が出ます。途中では必要な桁を保持し、最終段階で契約条件や社内基準に沿って整理します。


根切り幅の変更で発生しやすい数量差

根切り幅の変更で起こりやすい数量差の一つは、底幅と上幅の取り違えです。法面掘削では地表面の開口幅が大きいため、現場写真で見た幅をそのまま底幅として計算すると過大になります。反対に、底幅だけで計算して法面部分を加えなければ過小になります。


次に多いのが、変更区間の延長を構造物全長と同じにしてしまうケースです。実際には一部区間だけ拡幅していても、全長へ変更幅を掛けると数量が大きくなります。変更の始点と終点を特定し、拡幅した実延長を使う必要があります。


掘削深さの基準にも注意が必要です。根切り深さを現地盤から床付け面までとするのか、計画地盤から床付け面までとするのかで数量が変わります。施工前に地盤を切り下げている場合、その土量を根切りへ重複計上しないようにします。


余掘りを計画変更に含めてしまうことも数量差の原因です。重機の操作や床付け調整によって生じた過掘りと、承認された根切り幅変更は分けて管理します。実績土量としては両方を把握しますが、変更数量の計算には承認された範囲を用いることが基本です。


崩落土の扱いも整理が必要です。法面の崩れによって掘削範囲が広がった場合、その土量を根切り幅変更として扱えるかどうかは、原因や契約条件によって異なります。安全上の対応として必要な掘削であっても、発生経緯を記録し、通常の設計変更と分けて協議する必要があります。


搬出台数から土量を逆算するときの積載量設定も差を生みます。車両の荷台容量をそのまま一台当たり土量とすると、実際の積載状態との差が出ます。根切り幅変更による設計上の追加量と、車両記録による実績量は、目的を分けて利用します。


仮置き土の移動を新たな発生土として数える二重計上にも注意します。根切りから発生した土を一度仮置きし、その後搬出した場合、掘削時と搬出時の両方で土量を加算すると重複します。土砂に識別番号や区画を設定し、発生から最終利用先まで流れを追えるようにします。


埋戻し時の不足量を、根切り幅変更による追加掘削量だけで説明することも危険です。締固め、材料選別、含水状態、構造物体積、場内流用の可否など、埋戻し材の必要量には複数の要因があります。掘削量と埋戻し材料量を別々に計算し、その関係を確認します。


日々の施工管理で数量差を早期発見する方法

根切り幅変更による数量差を抑えるには、月末や工事完了時にまとめて確認するのではなく、施工中に短い周期で照合することが効果的です。施工後に埋め戻された区間は、幅や深さを再測定できません。変更が発生した日のうちに記録を残すことが基本です。


朝の施工打合せでは、その日に掘削する区間の計画幅、深さ、土留め条件を確認します。既設物や地盤状況によって変更が予想される区間は、事前に確認方法を決めます。誰が寸法を測り、誰が変更判断を確認し、どこへ記録するかを明確にします。


掘削開始後は、床付け前の段階で根切り幅を確認します。掘り終わってから幅が不足していることが分かると、追加掘削によって断面が不規則になり、数量管理も複雑になります。途中段階で中心線と掘削端部の位置を確認すれば、過剰な拡幅も抑えられます。


施工日の終了時には、その日の掘削延長、代表幅、深さ、発生土の行き先を記録します。車両台数だけでなく、場内仮置きや直接埋戻しへ回した量も把握します。計画数量との差が大きい場合は、翌日まで持ち越さず原因を確認します。


根切り幅の変更があった区間は、通常区間と分けて管理します。管理図上で区間を識別し、計算書、写真、測定記録を同じ区分で整理します。資料ごとに異なる区間名を使うと照合が難しくなるため、測点や構造物番号など共通の識別方法を決めます。


週単位では、計画掘削量、実績掘削量、場外搬出量、場内流用量の傾向を比較します。計画より実績が継続的に多い場合は、根切り幅、掘削深さ、法面形状、積載量設定のいずれに原因があるかを確認します。一日単位では見えにくい小さな差でも、週単位で積み上げると異常を把握しやすくなります。


変更協議が必要な区間は、数量計算が完成するまで報告を遅らせるのではなく、変更の事実を早めに共有します。施工前または施工中に必要性を確認し、施工後に実測結果を反映して数量を確定する流れを作ります。掘削後に初めて変更を伝えると、必要性や範囲を確認しにくくなります。


現場で土量管理を行う担当者だけで数量情報を抱え込まないことも大切です。施工担当者、測量担当者、配車担当者、書類担当者で同じ区間情報を共有します。現場では拡幅を把握していても、数量計算書へ反映されていなければ計上漏れになります。反対に、計算上は変更していても、実際の施工範囲が小さければ過大計上につながります。


まとめ

現場で土量管理の根切り幅変更を数量へ反映するには、実際に広がった幅だけを見るのではなく、変更前後の断面、適用区間、法勾配、土留め、構造物寸法、作業余裕幅まで含めて整理する必要があります。


第一の項目は、変更前後の根切り幅と適用区間を確定することです。底幅なのか上幅なのかを明確にし、幅が変わった区間を測点などで特定します。第二の項目は、法勾配や土留め条件を含めて断面積を求めることです。底幅が同じでも法面形状が変われば土量は変化します。


第三の項目は、構造物幅と作業余裕幅の内訳を確認することです。構造物の設計変更による拡幅と、施工上の都合による拡幅では、数量上の扱いが異なる可能性があります。第四の項目は、地山土量、運搬土量、埋戻し量を区別することです。土は掘削、運搬、締固めの各段階で状態が変わるため、同じ体積として扱わないことが重要です。


第五の項目は、写真、測定記録、図面、変更経緯、承認内容をそろえることです。根切りは施工後に見えなくなるため、埋戻し前の記録が数量根拠になります。変更前数量、変更後数量、差引数量を並べ、どの条件が変わったのかを説明できる形にします。


現場で土量管理を確実に行うためには、設計数量、実績数量、精算数量を分けながら、同じ測点や区間で照合できる仕組みが必要です。変更が発生した直後に幅、深さ、延長を記録し、発生土の流れまで追うことで、計上漏れ、二重計上、過大計上を抑えられます。


根切り幅の確認や変更区間の記録を紙の野帳や記憶だけに頼ると、施工が進むほど情報の整理が難しくなります。現地で位置、寸法、写真、メモをまとめて残し、関係者が同じ情報を確認できる状態にすることが有効です。こうした現場記録を効率化し、根切り幅変更の根拠を施工場所と結び付けて管理する方法として、Phoneの活用を検討してみてください。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page