道路工事、造成工事、河川工事、外構工事などで樹木を撤去すると、伐採した幹や枝だけでなく、地中から掘り上げた根株と、その周囲に付着して移動する土が生じます。ところが、伐根作業は土工事の前段階として扱われることが多く、掘削土や残土の数量管理から外れてしまう場合があります。
本記事でい う「伐根後発生土」は法令上の正式な区分名ではなく、伐根に伴って掘削、付着、落下、仮置き、場内利用または搬出される土を現場管理上まとめて示す呼び方です。根株や枝葉などの木質部分と土砂では、数量管理の単位、利用可否、受入条件、廃棄物該当性の判断が異なる可能性があるため、一つの発生物として一括処理せず、状態と行き先を分けて記録する必要があります。
伐根後に動く土には、根株に付着したまま移動する土、根を掘り出すために掘削した土、根株を仮置きした場所に落ちる土、根穴を埋め戻すために使用する土などがあります。これらを記録しなければ、計画数量と実績数量の間に差が生じても、その原因を説明しにくくなります。
現場で土量管理を行う実務担当者にとって重要なのは、伐根後発生土を単独の一数量として見るのではなく、伐根前の地盤、根株の掘り出し、土の分離、仮置き、場内利用、搬出、根穴の埋戻しまでを一つの流れとして追うことです。本記事では、伐根後発生土を見落とさないために確認したい四つの視点と、記録を実際の土量管理につなげる方法を解説します。
目次
• 伐根後発生土が土量差になりやすい理由
• 確認1 伐根前の地盤と根株の範囲を記録する
• 確認2 根株に付着した土と木質部分を分けて把握する
• 確認3 根穴の掘削土と埋戻し土を対応させる
• 確認4 仮置きから搬出までの移動履歴を残す
• 伐根本数だけでは土量を管理できない理由
• 伐根後発生土を計測する代表的な方法
• 土の状態による体積差を整理する
• 場内利用と場外搬出を混同しない管理方法
• 写真と日報を数量根拠として残すポイント
• 設計数量との差が出たときの確認手順
• 伐根作業を含めた土量管理の運用を整える
• まとめ
伐根後発生土が土量差になりやすい理由
伐根後発生土が見落とされやすい理由の一つは、作業名称と実際に移動する物の種類が一致しないことです。伐根という名称からは根株や木材の処理が中心に見えますが、実作業では根の周囲を掘削し、根株を引き上げ、付着土を落とし、根穴を埋め戻すため、土工と同様に土が移動します。
根の広がりは地表から見ただけでは判断しにくく、同程度の幹径であっても、樹種、樹齢、地盤条件、地下水、周囲の構造物、過去の剪定や移植などによって掘削範囲が変わります。計画段階で標準的な掘削範囲を想定していても、施工時に根が想定より横方向または深部へ伸びていることがあります。
また、根株を掘り出した時点では土と木質部分が一体になっているため、見た目の外形をそのまま土量として扱うことはできません。根と根の間には空隙があり、その中に土が保持されています。根株を振るう、掻き落とす、乾燥させるなどの工程で付着土が落ちると、搬出時の見かけの体積や重量は変化します。
伐根後の土を一時的に別の場所へ寄せた場合も注意が必要です。仮置きした土が後から一般の掘削土、表土、木片を含む土などと混ざると、どの作業で発生した土なのか分からなくなります。その土を根穴の埋戻しに使う、造成部へ流用する、場外へ搬出するといった動きが重なると、同じ土を二重に計上したり、記録から落としたりする可能性があります。
現場で土量管理を行う際は、伐根後に最終的に残った土だけを測るのでは不十分です。伐根前の状態から最終処理まで、どこで土が発生し、どこへ移動し、何に使われたかを継続して確認する必要があります。
確認1 伐根前の地盤と根株の範囲を記録する
最初に確認したいのは、伐根作業に着手する前の地盤状態です。施工後に根穴の大きさだけを測っても、もともとの地盤高さや周囲の勾配が分からなければ、掘削範囲と土量を同じ基準で整理できません。
伐根前には、対象樹木の位置、地盤高さ、周囲の勾配、幹の位置、根元周辺の舗装や構造物の有無を記録します。平坦に見える場所でも、根元だけが盛り上がっていることや、堆積によって周囲より地盤が高くなっている場合があります。この盛り上がりを含めて掘削すれば、単純な根穴寸法から想定した数量より多くの土が動くことがあります。
記録範囲は幹の直近だけに限定せず、根の掘り出しに伴って重機が作業する範囲、周囲の土が崩れる可能性のある範囲、仮置き予定場所まで含めて施工前の状況を把握します。特に法面や傾斜地では、根株を引き上げた際に穴の上側が崩れ、当初より掘削範囲が広がる場合があります。
施工前の記録には、位置関係が分かる全景、根元の状態が分かる近景、地盤高さを確認できる測定記録を組み合わせます。写真だけでは寸法を読み取れないことがあるため、基準点、測点、既知の構造物などとの位置関係も残します。
複数の樹木を連続して伐根する場合は、樹木ごとに管理番号を付けておくと後の数量整理がしやすくなります。管理番号は、施工図、写真、日報、測定記録、仮置き記録、搬出記録で共通に使用します。「東側樹木」や「現場入口付近」だけでは、対象本数が増えた際に識別できなくなるためです。
伐根前の記録は、当初計画と実際の施工条件を比較する基準になります。根の範囲が想定を超え ていた場合、地中障害物を避けるために掘削範囲を広げた場合、既設物保護のために施工方法を変えた場合も、施工前の状態が残っていれば数量差の理由を説明しやすくなります。
確認2 根株に付着した土と木質部分を分けて把握する
二つ目の確認は、掘り上げた根株に含まれる土と木質部分を分けて考えることです。根株全体を一つの塊として測定すると、土量と木質部分の量が混在し、土量収支を適切に整理できません。
掘り上げ直後の根株には、根の間に土が詰まり、表面にも土が付着しています。粘性や含水状態によって付着の程度は変わり、乾燥や振動によって後から落ちることもあります。そのため、樹木の大きさが似ていても、根株とともに移動する土量は同一とは限りません。
根株を付着土が多い状態で搬出すれば、土も場外へ移動します。一方、場内で土を落としてから根株を搬出すれば、落とした土は現場内に残ります。どちらも伐根作業としては完了して見えますが、現場全体の土量収支は異なります。
数量管理では、掘り上げ直後、土を落とした後、最終搬出時の状態を区別して記録します。根株から落ちた土を根穴の埋戻しに使う場合は、発生土と埋戻し土の双方へ同じ数量を重複計上しないようにします。発生量、場内利用量、搬出量、残量の関係が追える形にすることが重要です。
根株に付着した土の量を毎回直接測ることは容易ではありません。そのため、現場ごとに管理時点と測定方法を決め、施工途中で無断に変えないことが大切です。たとえば、根株から可能な範囲で土を落としてから木質部分を確認する方法、仮置き場所で土と木質部分を分離してそれぞれ計測する方法などがあります。方法を変更した場合は、変更日、理由、数量への影響を記録します。
根株、伐採木、枝葉などの廃棄物該当性や処理区分は、工事の内容、発生場所、利用方法、有価物としての取扱いなどによって一律ではありません。 森林内での適切な自然還元利用に関する通知もありますが、一般の工事へそのまま当てはめず、契約条件、受入先条件、発注者との協議、所管自治体の判断に従う必要があります。環境省も、判断が難しい場合は都道府県等へ確認する考え方を示しています。([環境省][1])
土と木質部分の分離が不十分な状態では、受入先の条件に適合しない、予定していた利用や処理ができない、追加選別が必要になるといった可能性があります。現場担当者だけで処理区分を決めず、事前に関係者間で扱いを確認します。
根株の写真は掘り上げ直後だけでなく、土を落とした後と搬出直前にも残します。これにより、付着土の状態、場内に落ちた土、搬出時の荷姿を後から確認しやすくなります。
確認3 根穴の掘削土と埋戻し土を対応させる
三つ目の確認は、伐根によってできた根穴から発生した土と、根穴を埋め戻すために使用した土を対応させることです。伐根後発生土の数量差は、掘削側だけでなく、埋戻し側の記録不足によっても生じます。
根穴は根株の外形と同じ形にはなりません。根を切断するために周囲を広く掘ることがあり、根株を引き上げる際に穴の側面が崩れることもあります。残根を取り除くための追加掘削、軟弱部や腐植を多く含む部分の除去、既設物を避けるための掘り直しが発生する場合もあります。
このため、根穴の体積から根株の外形体積を差し引いた値が、そのまま必要埋戻し土量になるとは限りません。掘削後のほぐれ、根株とともに移動した付着土、選別で除いた木片や不適材、埋戻し時の締固めなど、状態の違いを分けて考える必要があります。
根穴を埋め戻す前には、穴の平面範囲、深さ、底部の状態を記録します。形状が不規則な場合は、一つの直方体として扱うのではなく、深さや形状が異なる範囲に分けて測定した方が実態を把握しやすくなります。大径木や根張りの広い樹木では、中央部が深く周辺部が 浅い形状になることがあります。
埋戻しに使用する土の出所も明確にします。伐根時に発生した土を戻したのか、別の掘削場所から流用したのか、外部から材料を搬入したのかによって、現場全体の土量収支が変わります。伐根土を根穴へ戻した場合は、「埋戻し完了」だけでなく、どの仮置き土を使用したかを追える状態にします。
発生土を埋戻しや盛土へ利用できるかは、土質と用途の組合せ、必要な強度、粒度、含水状態、施工性などによって判断します。国土交通省の発生土利用基準も、土質区分に応じて用途適合性を評価し、個々の事例に即して対応する考え方を示しています。したがって、木片、細根、腐植を含む伐根由来の土を、場所を問わずそのまま埋戻しに使えるとは限りません。設計図書、施工計画、品質管理基準、発注者の指示または承諾を確認します。([国土交通省][2])
埋戻し後には仕上がり高さだけでなく、施工途中の層厚、使用土の種類、転圧方法、追加材の有無も記録します。完成後の地盤高さが合っていても、 不足分を別の土で補っている場合があります。その追加分を記録しなければ、場内土量が減った理由や搬入量が増えた理由を説明できません。
根穴一か所ごとに詳細計算することが難しい場合は、施工区域または樹木群ごとに発生量と埋戻し量をまとめて管理する方法があります。ただし、その場合も施工前後の測定範囲をそろえ、どの樹木を含む区域なのかを明確にします。
確認4 仮置きから搬出までの移動履歴を残す
四つ目の確認は、伐根後発生土を仮置きした時点から、場内利用または場外搬出が完了するまでの移動履歴を残すことです。発生時に数量を記録しても、その後の移動が追えなければ、最終的な土量収支を合わせることはできません。
伐根作業では、根株、土、枝葉などを作業場所の近くへ一時的に集めることがあります。作業を優先して仮置き場所を決めると、後から他の掘削土 や表土が同じ場所へ運ばれ、混ざることがあります。混合後に土量を測っても、伐根に由来する分だけを分離して把握することは困難です。
仮置き場所は、可能な範囲で用途や性状ごとに区分します。根株から落とした土、表土、一般掘削土、木片を多く含む土など、利用先や受入条件が異なるものを同じ山にしないことが基本です。物理的な区画が難しい場合でも、置き場の範囲、境界、管理番号を明示し、写真と位置記録を残します。
仮置き土を移動する際は、移動日、移動元、移動先、用途、数量の算定方法を記録します。根穴の埋戻しへ使用した分、造成部へ流用した分、場外へ搬出した分が分かるようにします。日報と土量集計表では、単位、名称、管理番号、測定状態を統一します。
搬出車両の台数から数量を推定する場合は、積載状態のばらつきに注意します。根や木片が混じった土は空隙が生じやすく、通常の土砂と荷姿が異なることがあります。荷台の公称容量をそのまま実土量とみなさず、積載状態、積込場所、土の状態 、使用した換算条件を記録します。
根株と付着土を同じ車両で搬出した場合は、車両一台分をすべて土量として扱うことはできません。反対に、全量を木質部分として扱えば、付着土が土量管理から抜けます。可能な範囲で分離したうえで計測するか、混載状態であることを明示し、数量の扱いを関係者間で統一します。
仮置き中に降雨があると、含水状態、重量、付着状態、土山形状が変化します。表面流出や周囲地盤土の混入も考えられます。長期間仮置きする場合は、施工直後だけでなく、移動直前にも状態を確認します。
建設発生土の場外搬出については、適用対象となる工事で搬出先計画、搬出先の適正確認、受領書の確認や保存などが求められる制度があります。伐根に伴って分離した土砂を場外へ搬出する場合も、工事規模や適用条件を確認し、契約書類と現場の移動記録を整合させます。単なる車両台数表だけで完結させず、搬出元、搬出先、受領記録まで追えるようにします。([国土交通省][3])
伐根本数だけでは土量を管理できない理由
伐根作業の進捗は、対象樹木の本数で管理されることがあります。本数は作業量を把握するうえで分かりやすい指標ですが、土量管理の根拠としては十分ではありません。
同じ一本でも、幹径、根の深さ、根張り、周囲の地盤条件によって掘削範囲が異なります。街路樹のように根の広がりが構造物で制限されている場合と、長期間自然地盤で成長した樹木では、根株周辺で動く土の範囲が異なります。
樹木が密集している場所では、複数の根が絡み合っていることがあります。一株ずつ掘り出す予定でも、実際には連続した範囲を掘削することになり、根穴の境界が分からなくなる場合があります。このような現場で一本当たりの標準土量を一律に掛けると、実態との差が大きくなる可能性があります。
本数管理を利用する場合は、樹木を大きさや施工条件で区分する方法があります。小径、中径、大径といった区分だけでなく、平坦地、法面、構造物近接部、根の密集部など、土量に影響する条件を併記します。ただし、区分ごとの想定値は計画や概算のための数値であり、実績数量は施工時の記録で補う必要があります。
本数と土量を結び付けるには、施工初期の数本について実測し、その結果を以後の管理へ活用する方法があります。ただし、地盤条件や樹木の状態が異なる区域へ同じ値を適用する場合は注意が必要です。施工区域が変わった時点で再度実測し、代表値として妥当かを確認します。
伐根本数は進捗管理、根穴測定は掘削量管理、仮置き測定は残量管理、搬出記録は移動量管理というように、目的の異なる記録を組み合わせることが、現場で土量管理を安定させるポイントです。
伐根後発生土を計測する代表的な方法
伐根後発生土の計測方法は、対象範囲、必要な精度、現場の広さ、作業期間、契約上の数量算定方法などに応じて選びます。一つの方法だけに限定せず、施工段階ごとに適した方法を組み合わせることが実務的です。
根穴を直接測る方法では、平面寸法と深さを確認し、形状を単純な立体に分けて体積を求めます。小規模な根穴や本数が少ない場合に使いやすい方法です。ただし、穴の側面が崩れている場合や、根が横方向へ伸びた溝状の掘削がある場合は、少数の代表寸法だけでは誤差が大きくなります。
施工前後の地盤面を同じ基準で測定し、その差から体積を求める方法もあります。複数の樹木をまとめて伐根する場合や、地表の起伏が大きい場所では有効です。施工前後で測定範囲、基準点、座標系、高さ基準、不要物の除外範囲をそろえることが重要です。
仮置きした土山を測る場合は、底面の範囲、高さ、形状を確認します。単純な円すい、角すい、台形などへ近似する方法は簡便ですが、不規則な土山では実態との差が生じます。必要な精度に応じて、複数断面による計算や、地表面を面的に取得して基準面との差を求める方法を検討します。
搬出車両の記録から数量を推定する方法は、搬出状況を追いやすい一方、積載率や空隙の影響を受けます。根片が多い土、湿った土、粘着性の高い土では荷姿が一定にならないため、台数だけでなく積載状態の写真、積込場所、土の区分を残します。
重量による記録を使用する場合も、重量と体積を無条件に置き換えないようにします。土の単位体積重量やかさ密度は、土質、含水状態、締まり具合、異物混入によって変わります。重量から体積へ換算する必要がある場合は、適用する密度または換算条件の根拠、測定状態、承認手順を明確にします。
どの計測方法でも、表示桁数を細かくするだけでは精度向上になりません。測定範囲、基準面、土の状態、測定時点、除外物の 扱いがそろっていることの方が重要です。計算結果だけでなく、何をどの状態で測った数値なのかを記録します。
土の状態による体積差を整理する
土量管理で見落とせないのが、地山状態、掘削後のほぐれた状態、埋戻し後の締め固めた状態の違いです。伐根作業では、これらの状態が短時間に切り替わるため、同じ土でも計測時点によって体積が変わります。
伐根前の地盤にある土は、根系や周囲地盤の影響を受けた状態にあります。掘り起こすと土塊が崩れ、根の間にあった土がばらけるため、見かけの体積が増えることがあります。さらに、根片や木片が混入すると空隙が増え、仮置き時の土山が大きく見える場合があります。
一方、根穴へ戻して締め固めると、ほぐれた状態より体積が小さくなることがあります。根株が占めていた部分、場外へ移動した付着土、使用しなかった不適材などの影響により、伐根時に掘り出した土だけでは埋戻し量が不足する場合もあります。
ここで重要なのは、発生量と利用量を異なる状態の体積のまま無理に一致させないことです。伐根前の地山体積、仮置き土の見かけ体積、締固め後の埋戻し体積は条件が異なります。数量表には測定時の状態を明記し、比較するときは同一基準へ換算するか、状態別の数量として並べます。
土量換算に係数を使用する場合は、設計図書、積算条件、土質、現場試験、実測結果など、工事で採用できる根拠に基づいて設定します。一般的な参考値をすべての現場へ一律に当てはめると、土質や含水状態との違いから数量差が拡大する可能性があります。
雨天後は土の重量だけでなく、根株への付着量や土山の形状も変わります。乾燥後に付着土が落ちることもあります。測定日が異なる数量を比較するときは、天候、含水状態、整形の有無、仮置き期間も記録しておくと差の理由を検討しやすくなります。
場内利用と場外搬出を混同しない管理方法
伐根後発生土は、すべてが場外搬出されるとは限りません。根穴の埋戻し、造成部の盛土、仮設部の整形などに場内利用される場合があります。ただし、利用先の品質要求を満たすことが前提であり、余っているという理由だけで使用先を決めることはできません。
管理上は、発生、仮置き、場内利用、場外搬出、残量の流れを分けます。伐根場所から出た土が仮置き場へ運ばれ、その一部が根穴へ戻され、残りが別区域へ利用された場合は、それぞれの移動を記録します。
場内利用先では、伐根由来の土だけを使用するとは限りません。他の掘削土と混合する場合は、混合前に伐根由来分の数量、状態、区分を記録しておきます。混合後の盛土全体から伐根由来分だけを逆算することは難しいためです。
木片や有機物を含む土は、使用場所や要求性能によって適否が異なります。沈下、締固め、均質性、排水性などへの影響が懸念される場所では、除去、選別、改良または別材料への変更が必要になる場合があります。設計条件と品質上の要求を確認し、必要に応じて発注者や監督職員と協議します。
場外搬出では、搬出した事実だけでなく、どの仮置き土を、いつ、どこへ搬出したかを対応させます。同じ日に一般掘削土と伐根由来土を搬出する場合は、積込場所、時間帯、管理番号などで記録上区別します。
日々の管理では、前日の残量に当日の発生量を加え、場内利用量と場外搬出量を差し引き、当日の残量と照合します。この関係が大きく合わない場合は、計測漏れ、記録漏れ、混合、積載率、土の状態変化、測定範囲の違いを確認します。
数量を一致させることだけを目的に、根拠のない補正値を入れることは避けます。差が生じた場合は、測定方 法による差、状態変化による差、記録漏れによる差、対象範囲の違いを分けて整理します。
写真と日報を数量根拠として残すポイント
写真と日報は、伐根後発生土の数量を説明する重要な資料です。ただし、写真を多く撮るだけでは数量根拠として使いやすい記録にはなりません。どの作業段階を、どの位置から、何を示すために撮影したかが分かるようにします。
施工前には樹木の位置、根元の地盤、周辺状況を撮影します。伐根中には掘削範囲、根の広がり、追加掘削の状況を記録します。掘り上げ後には根株への土の付着状態と根穴の形状を撮影します。土を落とした後、仮置き後、埋戻し途中、埋戻し完了時、搬出直前も記録すると、一連の流れを追いやすくなります。
寸法を示す写真では、測定器具が写っているだけでなく測定位置が分かるようにします。根穴の深さを測っていても、穴の中央、端部、最深部のどこなのかが分からなければ、代表値として妥当か判断できません。全景と近景を組み合わせて残します。
日報には伐根本数だけでなく、作業した管理番号、発生土の仮置き場所、使用した車両、数量の算定方法、場内利用先、搬出先、追加作業の理由などを記載します。根が想定外に広がっていた、地下構造物を避けた、軟弱部を追加除去したといった数量に影響する出来事を残します。
写真番号と日報の記載を対応させると、後から確認する負担が減ります。写真のファイル名だけに情報を詰め込まず、管理番号、撮影日、作業段階、撮影方向を共通項目として整理します。
伐根後発生土は、作業が進むと別の土と混ざり、元の状態を再確認できなくなります。その日のうちに写真と日報を整理し、不足記録がないか確認する運用が重要です。
設計数量との差が出たときの確認手順
計画していた土量と実績数量に差が出た場合は、最初から計算をやり直すのではなく、作業の流れに沿って原因を確認します。伐根後発生土に関する差は、一つの原因ではなく複数の要因が重なって生じることがあります。
最初に対象範囲が一致しているかを確認します。設計数量に含まれる樹木と実際に伐根した樹木が同じか、追加撤去、施工中止、施工範囲変更がなかったかを整理します。管理番号が連続していても、欠番や追加番号が含まれる場合があります。
次に、計画時の根穴寸法と実際の掘削範囲を比較します。根の広がり、地盤の崩れ、障害物回避、軟弱部除去などにより、掘削量が増えていないか確認します。
その後、根株への付着土の扱いを確認します。付着したまま場外へ移動したのか、場内で落としたのか、落と した土をどこへ移動したのかを追います。ここが不明確だと、搬出量と場内残量の双方に差が生じます。
埋戻し記録では、伐根由来土の戻し量、他の場所からの流用量、外部からの搬入量を区別します。埋戻し量が掘削量と一致しない場合でも、直ちに施工不良とは判断できません。締固めによる体積変化、根株とともに移動した土、不適材の除去、追加掘削、測定範囲の違いなどを確認します。
仮置き土については、一般掘削土や表土との混合がなかったかを確認します。土山の測定時点が異なる場合は、その間の搬入、搬出、降雨、整形、選別も確認します。
搬出記録では、車両台数、積載状態、土と根株の混載、積込場所、搬出先、受領記録を確認します。台数と荷台容量を掛けた数量が実際の土量と一致するとは限らないため、写真や積載状況と照合します。
原因が特定できない差を無理に一項目へ集約せず、確認できた差と測定上の不確かさを分けて整理します。数量変更や精算に関係する場合は、契約条件と協議手順に従い、施工前後の測定、写真、日報、搬出記録などの資料をそろえて関係者と確認します。
伐根作業を含めた土量管理の運用を整える
伐根後発生土を見落とさないためには、担当者の注意力だけに頼らず、日常の管理手順へ組み込む必要があります。伐根作業が始まってから記録方法を考えると、施工前の地盤情報や最初の根株の状態を残せない可能性があります。
施工計画の段階で、伐根対象の管理番号、施工前測定の方法、根株と土の分離方法、仮置き場所、場内利用の可否、場外搬出記録の方法を決めます。現場条件の変化に応じて方法を見直す場合も、変更前後の考え方と数量への影響を記録します。
測定担 当者、重機作業者、写真管理担当者、搬出管理担当者の間で、どの時点で作業を止めて記録するかを共有することも重要です。根株を掘り上げた直後に次の作業へ進むと、根穴や付着土を測定する機会を失います。
たとえば、根株を引き上げた段階、根穴を埋め戻す前、仮置き土を移動する前、搬出車両へ積み込んだ後などに確認点を設定します。すべての根株を個別に詳細測定できない場合でも、代表箇所の実測と全体の施工記録を組み合わせることができます。
土量集計は、伐根作業だけの表と現場全体の土量表を完全に分離しない方が管理しやすくなります。伐根由来の土が一般土工へ流用される場合、別々の表だけで管理すると重複や転記漏れが生じるためです。伐根由来であることを示す区分を設け、全体の土量収支へ反映します。
定期的に発生量、場内利用量、場外搬出量、残量を照合します。作業完了時にまとめて確認するのではなく、伐根区域が切り替わる時点、仮置き場を整理する時点、搬出先が変わる時点で中間確認を行 うと、差の原因を特定しやすくなります。
記録様式は複雑にしすぎないことも大切です。入力項目が多すぎると現場で記録が続きません。最低限、管理番号、施工日、施工前後の状態、根穴寸法、仮置き場所、場内利用先、場外搬出先、数量の算定方法、写真番号がつながる仕組みを整えます。
まとめ
現場で土量管理を行う際、伐根後発生土は付随作業として扱われやすい一方、根株への付着土、根穴の追加掘削、埋戻し材の不足、仮置き中の混合などによって、数量差の原因になることがあります。
見落としを防ぐための一つ目の確認は、伐根前の地盤と根株周辺の範囲を記録することです。二つ目は、根株に付着した土と木質部分を分けて把握することです。三つ目は、根穴から発生した掘削土と埋戻しに使用した土を対応させることです。四つ目は、仮置き、場内利用、場外搬出までの移動履歴を残すことです。
伐根本数や搬出車両の台数だけでは、土量収支を十分に説明できません。施工前後の測定、根穴の寸法、仮置き土の状態、写真、日報、搬出記録を組み合わせ、どの状態の土をどの時点で測った数値なのかを明確にします。
特に重要なのは、伐根後に残った土だけを数えるのではなく、伐根前から埋戻し完了までの流れを追うことです。発生、分離、仮置き、利用、搬出、残量を一つの土量収支として管理すれば、設計数量との差が生じた際にも原因を説明しやすくなります。
こうした記録を確実に残すには、測定結果や写真を後からまとめるのではなく、作業場所で速やかに整理できる環境が役立ちます。施工位置、根穴の状態、仮置き場所、搬出前の荷姿などをスマートフォン等の携帯端末で記録し、同じ管理番号で土量情報と結び付けることで、伐根後発生土の見落としを減らし、現場全体の土量管理を分かりやすく進められます。
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