top of page

現場で土量管理の法面吹付前清掃土砂を処分量に入れる5点

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均8分30秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

法面吹付前清掃土砂が処分量から漏れやすい理由

1.清掃対象範囲と発生土砂の定義を施工前に決める

2.清掃前後の状態を写真と測量で記録する

3.清掃土砂を他工種の発生土と分けて管理する

4.仮置き量と搬出実績を照合して処分量を確定する

5.追加清掃と再清掃の数量を日報へ反映する

清掃土砂の数量を算出する主な方法

法面条件によって清掃土砂が増える場面

二重計上と計上漏れを防ぐ土量収支の考え方

処分量の根拠を残すために必要な記録

現場で土量管理を安定させる運用手順

まとめ


法面吹付前清掃土砂が処分量から漏れやすい理由

法面吹付工の施工前には、施工面に残る浮石、緩んだ土砂、泥、落ち葉、草木の根、付着物などを取り除き、吹付材を施工できる状態に整える作業が行われます。この作業は一般に清掃や下地処理などと呼ばれますが、法面の品質を確保するためには欠かせない工程です。


ところが、現場で土量管理を行う際には、この清掃によって発生した土砂が処分量から抜けることがあります。設計図面に示される切土量や掘削量は、計画断面や測点ごとの断面積から算出されることが多く、法面表面から薄く除去した清掃土砂まで明確に含まれているとは限らないためです。


施工担当者から見れば、法面清掃は吹付作業の準備工程です。一方、土量管理担当者から見れば、法面から除去され、積み込まれ、現場外へ搬出される土砂であるため、処分量へ反映すべき対象になる可能性があります。この認識の違いが計上漏れを生みます。


清掃土砂は、一か所から大量に発生するとは限りません。法面全体から数センチ程度の土砂を除去したり、点在する浮石や根を撤去したりするため、作業中は少量に見えます。しかし、施工面積が広ければ合計量は大きくなります。法面延長が長い現場や複数段の小段を持つ現場では、各区画で発生した少量の土砂を合計すると、搬出車両数台分以上になることも考えられます。


また、清掃した土砂は法面上にとどまらず、法尻や小段へ落下します。法尻で集積された時点では、もともと堆積していた土砂や法面整形で発生した土砂と混ざりやすくなります。混ざった後から清掃土砂だけを分けるのは難しく、搬出量の内訳を説明できなくなることがあります。


降雨後の再清掃も計上漏れの原因です。清掃済みの施工面に表面水が流れ、新たな泥や小石が堆積すれば、吹付前にもう一度清掃しなければなりません。最初の清掃量だけを記録していると、追加で発生した土砂が搬出量に反映されません。


反対に、清掃土砂を処分量へ入れる際には、すでに切土量や法面整形土として計上されている数量との重複にも注意が必要です。清掃という作業名だけを根拠に追加計上すると、同じ土砂を二度数える可能性があります。重要なのは、作業名称ではなく、どの範囲から、どの理由で、どれだけ除去され、どこへ運ばれたかを確認することです。


法面吹付前清掃土砂を正しく処分量へ入れるには、施工完了後に搬出台数を集めるだけでは不十分です。施工前の範囲確認から清掃前後の記録、仮置き、積込み、搬出、受入確認までを一つの流れとして管理する必要があります。


1.清掃対象範囲と発生土砂の定義を施工前に決める

最初に行うべきことは、どこまでを法面吹付前の清掃対象とし、何を清掃土砂として管理するのかを施工前に決めることです。対象範囲と発生土砂の定義が曖昧なまま作業を開始すると、現場で土量管理を行う担当者が数量を追えなくなります。


清掃対象は、吹付予定面だけとは限りません。法肩付近、小段、法尻、排水施設との取り合い、既設構造物の周辺なども、吹付作業や安全確保のために清掃する場合があります。吹付範囲外であっても、上部から土砂が落下するおそれがある箇所を処理することもあります。


施工前には、平面図、横断図、法面展開図、施工計画などを確認し、清掃対象となる法面の起点、終点、上端、下端を整理します。現地では、図面に示された範囲と実際の法面形状が一致しているかを確認します。地形の凹凸、既設構造物、植生、湧水、崩落跡など、図面では分からない条件も把握しておきます。


対象範囲は、現場で識別しやすい単位に分けることが有効です。測点間、施工日ごと、吹付区画ごと、小段ごとなど、写真や日報で使いやすい区分を選びます。区画名は、測量記録、写真、日報、仮置き表示、搬出記録で統一します。


たとえば、施工担当者が一区画目と呼び、土量管理担当者が法面上段と呼び、写真台帳では別の測点名を使っていると、後から資料を照合しにくくなります。名称を統一するだけでも、清掃土砂の発生場所を追跡しやすくなります。


次に、何を清掃土砂へ含めるかを整理します。施工面に薄く堆積した土、浮石の周囲から崩れた土、小段の堆積土、法尻へ落下した土、根に付着した土など、清掃によって発生するものは一様ではありません。


土砂、石、植物残さ、既設材の破片などが混在する場合には、それぞれの処理方法も確認します。植物の根や既設材の破片が多く混ざると、通常の発生土と同じ扱いができない場合があります。搬出先の受入条件や現場の分別方針を確認し、必要に応じて区分して管理します。


特に注意したいのが、施工前から法尻に堆積していた土砂です。吹付施工のために撤去する場合でも、その土砂が法面清掃によって新たに発生したものなのか、以前から存在していた堆積土なのかを区別する必要があります。既存堆積土を処分対象へ含める場合には、撤去理由と対象範囲を記録します。


また、法面整形によって計画断面まで削った土砂と、整形後の表面を清掃して取り除いた土砂を混同しないことも重要です。法面整形土がすでに掘削数量へ含まれている場合、同じ範囲の土砂を清掃土砂として再度加算すると二重計上になります。


施工前の段階では、清掃厚を一律に決めすぎないことも大切です。法面表面の状態は区画ごとに異なり、薄い泥だけを除去する部分もあれば、奥まで緩んだ土砂を取り除く部分もあります。当初想定を超える除去が生じた場合に、追加範囲として記録する手順をあらかじめ決めておきます。


作業員には、清掃土砂をどこへ集めるのか、ほかの発生土と混ぜてよいのか、追加除去が生じた場合に誰へ報告するのかを共有します。現場の作業者が管理方針を知らなければ、数量担当者が区分を決めていても実際の土砂は混ざってしまいます。


清掃対象範囲と発生土砂の定義を施工前に決めることは、数量を増やすための作業ではありません。清掃によって本当に発生した土砂を把握し、設計数量との重複を避けながら処分量へ反映するための準備です。


2.清掃前後の状態を写真と測量で記録する

法面吹付前清掃土砂の数量を説明するには、清掃前と清掃後の状態が分かる記録が必要です。清掃後だけを見ても、どの部分からどれだけ土砂を除去したのかは判断できません。さらに、吹付作業が完了すると施工面が覆われるため、後から清掃状況を確認することは困難です。


清掃前には、対象区画全体が分かる写真を撮影します。法面正面だけでなく、斜め方向、法肩側、法尻側、小段、構造物との取り合いなど、堆積状態を確認できる方向から記録します。


撮影時には、区画名、測点、撮影日、撮影方向を整理します。写真枚数を増やすだけでは、土量管理の根拠として使いやすくなりません。どの写真がどの施工区画を示しているかを明確にすることが重要です。


清掃前の写真では、浮石や堆積土の位置が分かるようにします。安全に設置できる場合には、寸法の目安になるものを写し、堆積の厚さや範囲を確認できるようにします。ただし、急勾配の法面や落石のおそれがある場所では、撮影のために危険な範囲へ入ってはいけません。安全な場所から確認できる方法を選択します。


清掃後は、可能な限り清掃前と同じ方向から撮影します。同じ構図で撮影すると、表面から取り除かれた土砂の範囲を比較しやすくなります。清掃完了後から吹付開始までの時間が短い場合には、写真撮影や測量を施工手順へあらかじめ組み込んでおきます。


法面清掃による除去厚が比較的大きい場合には、清掃前後の測量結果から体積を算出できます。法面表面の形状を同じ座標系で取得し、清掃前後の差を求める方法です。不規則な凹凸や局所的な除去が多い現場では、面積と平均厚だけで計算するより実態を把握しやすくなります。


ただし、薄い清掃土砂を測量差分で求める場合には、測定誤差の影響に注意が必要です。除去厚が測定時のばらつきと同程度であれば、実際の土砂除去と誤差を区別しにくくなります。その場合は、測量結果だけで数量を確定せず、写真、仮置き土量、搬出実績などと照合します。


清掃前後の測量では、基準点、座標系、標高基準、測定範囲を統一します。清掃前と清掃後で異なる基準を使うと、本来変化していない部分まで差として表れるおそれがあります。担当者や測定方法が変わる場合でも、同じ基準を再現できるように記録を残します。


法面に草木が残っている状態で形状を取得すると、植物の表面を法面として測定する可能性があります。清掃前データに草や枝が含まれ、清掃後にそれらがなくなると、土砂ではない部分まで体積差として計算されることがあります。測定結果を確認し、不要な対象を除外する必要があります。


清掃した土砂を法尻や小段へ集めた場合には、集積前後の状態も記録します。法面から除去した事実だけでなく、その土砂がどこへ集められたかを追跡できるようにします。


仮置きする場合は、仮置き前の地盤面を測定しておくと、集積後の形状との差から体積を求められます。仮置き後だけを測定しても、土砂の下にある元地盤の高さが不明では正確な体積を算出しにくくなります。


写真と測量の記録は、清掃土砂を追加計上するためだけに用いるものではありません。設計上の切土や法面整形と重複していないことを確認するためにも必要です。清掃前後の状態を比較することで、計画断面を変更する掘削なのか、施工面の付着物や緩みを除去する清掃なのかを説明しやすくなります。


降雨後に再清掃した場合は、再清掃前と再清掃後も別に記録します。最初の清掃写真だけでは、追加で発生した土砂の根拠になりません。施工日ごと、区画ごとに状態を残し、どの時点でどれだけ除去したのかを整理します。


3.清掃土砂を他工種の発生土と分けて管理する

法面吹付工が行われる現場では、清掃土砂以外にもさまざまな土砂が発生します。切土、床掘り、法面整形、排水施設の掘削、仮設道路の整備、崩落土の撤去などです。これらを同じ場所へ集めると、清掃土砂だけの数量を後から分けることは難しくなります。


処分量へ確実に反映するには、発生した時点から区分して管理することが基本です。清掃土砂専用の仮置き区画を設け、ほかの発生土と混ざらないようにします。


仮置き場所に余裕がない場合でも、区画境界を明示し、どの土砂を置く場所なのかを表示します。施工担当者、重機運転者、積込み担当者が共通認識を持たなければ、区画を決めても土砂が混ざってしまいます。


法面上部から落とした清掃土砂は、法尻で回収されます。このとき、法尻に既存の堆積土が残っていると混在します。清掃開始前に法尻の状態を記録し、既存堆積土を先に処理するのか、清掃土砂と合わせて管理するのかを決めます。


施工前から存在した土砂と、清掃によって新たに落下した土砂を区分できない場合には、少なくとも作業前後の法尻状況を記録します。どこからどこまでを撤去対象としたのかが分かれば、数量の根拠を整理しやすくなります。


法面清掃では、土だけでなく浮石も発生します。石の割合が多い土砂は空隙が大きくなり、荷台上の見かけ体積が増えることがあります。反対に、含水した泥状の土砂は締まりやすく、積載状態が変わります。土砂の性状が異なる場合には、同じ一台当たり数量で扱うことが適切か確認します。


根や草を含む土砂も注意が必要です。植物残さが多いと、見かけの体積は大きくても土砂そのものの体積は小さい場合があります。また、搬出先によっては分別が求められることもあります。現場の判断だけで混合せず、処理条件を確認します。


清掃土砂の一部を場内で利用する場合には、発生量と処分量を分けて管理します。たとえば、仮設ヤードの不陸調整などへ利用した場合、清掃による発生量の全量が現場外へ処分されたわけではありません。


発生量から場内利用量、残置量を差し引いたものが、実際の搬出量と整合するかを確認します。発生量と処分量を同じ数字として扱うと、場内利用分まで処分量へ含めることになります。


一方で、清掃土砂に根、石、異物が多く含まれる場合は、場内利用に適さないことがあります。流用の可否は、見た目や作業上の都合だけで決めず、使用目的に必要な品質を満たすか確認します。


一台の搬出車両へ清掃土砂と別工種の土砂を同時に積み込む混載も、できるだけ避けることが望ましいです。混載すると、搬出車両一台分のうち何割が清掃土砂なのかを正確に判断できません。


やむを得ず混載する場合は、積込み前にそれぞれの土量を確認し、どのように内訳を決めたのかを記録します。ただし、目測だけで割合を決めると不確実性が大きくなります。区分管理できる間に数量を把握する方が確実です。


清掃土砂と自然崩落土の区分も必要です。清掃後に降雨や風化によって崩れた土砂は、当初の清掃作業とは発生原因が異なります。吹付前に撤去する必要がある場合でも、追加清掃なのか崩落土処理なのかを現場で確認し、記録を残します。


区分管理の目的は、名称を細かく増やすことではありません。土砂がどこから発生し、どこへ集められ、どの車両で搬出されたかを追跡できる状態にすることです。この流れを追えれば、清掃土砂の計上漏れだけでなく、ほかの掘削土との二重計上も防ぎやすくなります。


4.仮置き量と搬出実績を照合して処分量を確定する

法面清掃で発生した土砂を処分量へ入れるには、現場で算出した発生量と実際の搬出実績を照合する必要があります。法面の面積と清掃厚から数量を計算しても、そのすべてが現場外へ搬出されたとは限りません。


清掃土砂を仮置きした場合は、仮置き量を測定します。仮置き前の地盤形状と仮置き後の土砂形状を比較すれば、集積した土砂の体積を求められます。


仮置き場の地盤が軟弱な場合は、土砂の重さで沈み込む可能性があります。また、仮置き期間中に降雨を受けると、土砂が締まったり流出したりします。仮置き量を測定した日時と条件を記録しておくことが大切です。


法面から除去した直後の土砂は、ほぐされた状態です。清掃前後の差分から求めた体積と、仮置き状態の体積が一致しないことがあります。地山状態、ほぐした状態、締まった状態を混同すると、数量差の原因が分からなくなります。


搬出時には、車両ごとに積込み日時、車両区分、対象土砂、対象区画、搬出先を記録します。清掃土砂を積み込んだ車両を明確にし、ほかの発生土を運んだ車両と区別します。


車両台数によって数量を把握する場合は、一台当たりの換算量をどのように設定したかを整理します。荷台の大きさが同じでも、積載高さ、土砂の含水状態、石や根の混入状況によって実際の積載量は変わります。


すべての車両に同じ数量を機械的に掛けると、実際の処分量との差が大きくなる場合があります。積込み状況を確認し、極端に少ない積載や途中で中止した搬出がないかを照合します。


搬出先で質量による受入管理が行われる場合は、現場の体積記録と単位が異なります。質量から体積へ換算する場合には、土砂の密度や含水状態により結果が変わります。一律の換算値を根拠なく使用せず、現場で採用した条件を明確にします。


清掃前後の差分、仮置き測量、車両台数、受入実績は、それぞれ異なる方法で数量を示します。数値が完全に一致しないこともありますが、差が生じた理由を確認することが重要です。


たとえば、清掃前後の差分より仮置き量が多い場合は、土砂のほぐれ、他工種土砂の混入、既存堆積土の取り込みなどが考えられます。搬出実績が仮置き量より少ない場合は、場内利用、仮置き残土、搬出記録漏れなどを確認します。


搬出が完了した後は、仮置き場に土砂が残っていないか確認します。仮置き量の全量を処分量として計上しても、実際には一部が現場に残っている可能性があります。


反対に、車両台数だけを処分量として集計し、清掃土砂がほかの土砂と混載されていた場合には、清掃土砂分を過大に見積もる可能性があります。車両記録と積込み区分を照合します。


搬出記録には、欠番、積込み中止、車両変更、搬出先変更などが生じることがあります。伝票番号をそのまま数えるだけでは、実際の搬出台数と一致しない場合があります。日報、車両記録、受入記録を相互に確認します。


最終的な処分量は、発生量の推定だけではなく、土砂が現場外へ搬出された事実を踏まえて確定します。どの数量を契約上使用するかは契約条件や協議内容によりますが、現場管理としては、発生量、場内利用量、残置量、搬出量をそれぞれ整理することが必要です。


5.追加清掃と再清掃の数量を日報へ反映する

法面の状態は、清掃を始めて初めて分かることがあります。表面の薄い土砂だけを除去する予定でも、清掃によって奥の緩みが確認され、追加で取り除かなければならない場合があります。


浮石を一つ除去すると、周囲の小石や土砂も不安定になることがあります。根を取り除いたことで、周辺の土が崩れることもあります。湧水箇所では、表面の泥を除去しても新たに泥が発生する場合があります。


このような追加清掃を、最初の清掃量へまとめて入れるだけでは、数量が増えた理由を説明できません。作業日報には、対象区画、追加除去を行った範囲、発生原因、作業内容を記録します。


降雨後の再清掃も別に管理します。清掃済みの法面に雨水が流れ込み、泥や小石が再堆積すれば、吹付前に再度取り除く必要があります。最初の清掃と再清掃を同じ写真や同じ数量で処理すると、追加分が記録から抜けます。


再清掃前後の写真を残し、どの区画で土砂が再発生したかを記録します。再清掃土砂を別の仮置き区画へ置ける場合は、数量を区分しやすくなります。同じ場所へ集める場合には、再清掃前の仮置き量を確認しておきます。


作業日報には、単に法面清掃と記載するだけでなく、清掃した区画と作業状況を具体的に残します。写真番号、測量記録、仮置き場所、搬出車両との対応が分かるようにします。


日報の表記と写真の区画名が異なると、後から数量をまとめる際に混乱します。施工前に決めた区画名を一貫して使用します。


清掃土砂が当初想定より増えた場合は、処分量だけでなく工程への影響も確認します。仮置き場所が不足すると、ほかの発生土と混ざりやすくなります。搬出車両が不足すると、法尻に土砂が残り、吹付作業の支障になることがあります。


清掃量が増加したことを確認した時点で、施工担当者、土量管理担当者、搬出担当者の間で情報を共有します。作業完了後にまとめて報告しようとすると、清掃前の状態や仮置き状況が失われる可能性があります。


一方、清掃土砂が想定より少なかった場合も、実績に基づいて管理します。見込数量をそのまま処分量とするのではなく、実際の発生量と搬出量を確認します。


数量変更の可能性がある場合には、契約条件や必要な協議手順も確認します。現場で発生した数量を記録することと、その数量が契約上どのように扱われるかは別の問題です。実績を正確に残し、そのうえで所定の確認や協議を行います。


日報は作業人員や使用機械を記録するだけの資料ではありません。土砂がいつ、どの区画で、どの理由により発生したかを説明する重要な記録です。日報と写真、測量、搬出記録を結び付けることで、清掃土砂の処分量を説明しやすくなります。


清掃土砂の数量を算出する主な方法

法面吹付前清掃土砂の数量は、現場条件に応じた方法で算出します。一つの方法だけで数量を確定するのではなく、複数の記録を組み合わせて妥当性を確認することが重要です。


比較的均一な薄い土砂を法面全体から除去する場合は、清掃対象面積に平均除去厚を掛けて体積を求める方法があります。このとき使用する面積は、平面投影面積ではなく、実際の法面に沿った面積であることを確認します。


法面勾配が急になるほど、平面上の面積と実際の施工面積との差が大きくなります。施工延長と水平幅だけで計算すると、清掃対象面積を小さく見積もる可能性があります。


平均除去厚は、法面全体へ一つの値を設定するより、状態が異なる区画ごとに決める方が実態に近くなります。法肩付近は薄く、法尻や小段は厚く堆積していることがあるためです。


平均厚を決める際には、代表箇所を安全に確認し、測定位置を記録します。厚い部分だけを選んで平均値とすると過大になり、薄い部分だけを選ぶと過小になります。法面全体の状態を反映できる位置を選びます。


浮石や局所的な崩落部は、面積と平均厚だけでは計算しにくいため、個別に形状を測定します。長さ、幅、深さを確認し、形状に応じて体積を近似します。


清掃前後の形状を測量できる場合は、同じ範囲の差分から体積を求めます。不規則な凹凸や局所的な除去を反映しやすい方法ですが、測定誤差や不要物の混入に注意します。


法面での測量が困難な場合には、法尻や仮置き場へ集めた土砂の体積を測る方法があります。仮置き前の地盤面が確認できていれば、土砂形状との差から数量を算出できます。


搬出車両による管理では、車両ごとの積載量を積み上げます。日々の搬出実績を把握しやすい一方で、土砂の積み方や性状によって一台当たり数量が変わる点に注意が必要です。


受入側で質量が計測される場合は、搬出実績の確認に利用できます。ただし、体積へ換算する場合には、含水状態や土質によって密度が変わります。換算条件を記録し、単位の異なる数量を直接比較しないようにします。


現場では、清掃面積と平均厚から求めた概算値を、仮置き測量や車両実績で確認する方法が実用的です。数値に差がある場合は、ほぐれ、混入、場内利用、記録漏れなどの原因を確認します。


法面条件によって清掃土砂が増える場面

清掃土砂の量は、法面面積だけでは決まりません。地質、勾配、植生、湧水、天候、施工時期などによって大きく変わります。


風化が進んだ岩盤では、表面だけを清掃する予定でも、浮石を取り除く過程で周囲の部分が緩むことがあります。清掃範囲が局所的に深くなり、想定を超える土砂や石が発生します。


土砂法面では、表面の乾燥状態と降雨後の状態が大きく異なります。乾燥時には安定して見えても、含水すると表面が軟らかくなり、泥状の土砂を除去しなければならない場合があります。


急勾配の法面では、上部で除去した土砂が下部へ落下します。小段がある場合は途中に堆積し、さらに下段を清掃した際に再び法尻へ移動することがあります。同じ土砂を移動のたびに数量として数えないようにします。


植生が多い法面では、根に付着した土や根の周囲の緩んだ土が発生します。草木の地上部だけでなく、根の撤去方法によって土砂量が変わります。


湧水のある法面では、清掃後も表面へ泥が流れ出す場合があります。吹付直前まで複数回の清掃が必要になることもあるため、再清掃量を記録します。


法肩上部に裸地や堆積土がある場合は、降雨によって清掃済み法面へ土砂が流入します。法面そのものだけでなく、上部からの流入条件も確認しておきます。


施工期間が長く、清掃から吹付まで日数が空く場合も土砂量が増えやすくなります。風雨や小規模な崩れによって施工面が再び汚れるためです。清掃後はできるだけ次工程へ速やかに移る工程計画が望まれますが、現場条件によって期間が空く場合には再清掃を見込みます。


既設吹付面の補修を伴う場合は、清掃土砂に既設材の破片が混ざることがあります。土砂と既設材を同じ数量として扱わず、処理区分を確認します。


二重計上と計上漏れを防ぐ土量収支の考え方

清掃土砂を処分量へ反映する際には、計上漏れだけでなく二重計上にも注意しなければなりません。処分量が搬出実績と合っていても、同じ土砂が別の工種数量にも含まれていれば、土量収支としては不整合になります。


まず、設計上の切土量や法面整形量に、清掃対象部分が含まれているかを確認します。計画断面までの掘削として算出されている土砂を、清掃土砂として再度加算してはいけません。


清掃土砂として整理するのは、計画断面形成後に施工面から除去した付着土、緩み、堆積土など、既存の数量へ含まれていないと確認できる範囲が基本です。ただし、実際の契約上の扱いは、設計図書や協議内容によって確認します。


法尻の既存堆積土も、ほかの掘削数量に含まれていないか確認します。排水施設の床掘りや法面整形と同じ範囲で撤去している場合、数量の重複が起きやすくなります。


土量収支では、清掃による発生量、場内利用量、現場内残置量、搬出処分量を分けて整理します。発生量の全量が搬出されるとは限りません。


清掃土砂を現場内で仮置きし、その一部を別の場所へ流用した場合は、流用先と数量を記録します。仮置き場に残った分がある場合も、処分量には含めません。


搬出量が発生量を上回る場合は、他工種の土砂が混ざっていないか確認します。反対に搬出量が少ない場合は、場内利用、仮置き残土、記録漏れなどを確認します。


日ごとの搬出量だけでなく、区画ごとの累計を管理すると、重複や抜けを発見しやすくなります。同じ仮置き土を複数の日報で繰り返し計上していないかも確認します。


数量差を無理に一致させるため、根拠なく換算値を変更することは避けます。測量値、車両換算値、受入値の違いには、それぞれの測定状態や単位の違いがあります。差の理由を説明できる状態にすることが重要です。


処分量の根拠を残すために必要な記録

法面吹付前清掃土砂の処分量を説明するためには、単独の資料ではなく、施工の流れを追える記録が必要です。


最初に必要なのは、清掃前の法面状況です。対象区画、施工範囲、堆積状況、浮石、植生、湧水などを写真や測量で残します。


次に、清掃作業中の記録です。どの区画をいつ清掃し、どのような土砂が発生したのかを日報へ記載します。予定外の追加清掃が生じた場合には、その理由も記録します。


清掃後の法面状況も必要です。吹付前の施工面を記録し、清掃前との違いを確認できるようにします。


法尻や小段に集めた土砂の状態、仮置き場所、区画表示も記録します。ほかの発生土と区分されていることが分かるようにします。


積込み時には、対象土砂、車両、積込み日時、搬出先を記録します。積載状態を確認できる写真も、数量のばらつきを確認する材料になります。


搬出後は、受入記録と照合します。現場記録と受入記録の単位が異なる場合には、換算条件を残します。


最終的には、清掃区画、清掃日、算出数量、仮置き量、搬出台数、処分量が対応する形に整理します。写真だけ、日報だけ、搬出伝票だけを個別に保管しても、数量の流れを説明しにくくなります。


記録名称を統一することも重要です。区画名や測点名をすべての資料でそろえれば、後から検索や照合を行いやすくなります。


現場で土量管理を安定させる運用手順

法面吹付前清掃土砂の管理は、作業完了後に数量を集める方法では安定しません。施工前から運用手順を決め、各担当者が同じ流れで記録する必要があります。


施工前には、清掃対象範囲を現地で確認し、区画分けを行います。清掃前の写真と必要な測量記録を取得し、仮置き場所を準備します。


清掃開始時には、作業員や重機運転者へ土砂の区分方法を共有します。清掃土砂をほかの掘削土へ混ぜないこと、追加除去が発生した場合は報告することを確認します。


施工中は、区画ごとに清掃前後の記録を残します。清掃土砂を法尻や仮置き場へ集め、数量を確認します。


搬出時は、清掃土砂を積み込んだ車両を識別し、対象区画や搬出先を記録します。複数工種の土砂を同じ日に搬出する場合は、車両ごとの区分を明確にします。


一日の作業終了時には、日報、写真、仮置き量、搬出記録を照合します。数日後にまとめて整理すると、どの土砂をいつ搬出したか分からなくなるためです。


降雨などにより再清掃が生じた場合は、新たな作業として記録します。最初の清掃量へまとめず、追加発生分を追跡します。


吹付完了後は、区画ごとの発生量と処分量を整理し、設計数量やほかの工種数量との重複がないか確認します。


土量管理の精度は、計算式だけでは決まりません。発生場所から搬出先までの土砂の流れを、現場で途切れずに記録できるかどうかが重要です。


まとめ

法面吹付前の清掃土砂は、設計図面上の切土量や掘削量だけを管理していると、処分量から抜けやすい土砂です。表面から薄く除去される場合でも、法面面積が広ければ合計量は大きくなります。


計上漏れを防ぐ第一のポイントは、清掃対象範囲と発生土砂の定義を施工前に決めることです。吹付面、法肩、小段、法尻、構造物との取り合いなどを区画に分け、何を清掃土砂として扱うかを共有します。


第二のポイントは、清掃前後の状態を写真と測量で記録することです。吹付後には施工面を確認できないため、清掃完了直後の記録を確実に残します。


第三のポイントは、清掃土砂を他工種の発生土と分けて管理することです。仮置き区画や搬出車両を分け、発生場所から搬出先まで追跡できるようにします。


第四のポイントは、仮置き量と搬出実績を照合することです。清掃前後の差分、仮置き測量、車両台数、受入実績を確認し、数量差が生じた場合は原因を整理します。


第五のポイントは、追加清掃や降雨後の再清掃を日報へ反映することです。作業日、対象区画、追加除去の理由、発生土砂量を記録し、最初の清掃量へ埋もれさせないようにします。


清掃土砂の発生量と処分量は必ずしも同じではありません。場内利用量、残置量、ほかの工種との重複を確認し、実際に搬出された数量を処分量として整理することが大切です。


現場で土量管理を安定させるには、施工完了後に資料を集めるのではなく、清掃前から記録方法を決めておく必要があります。対象区画、写真、測量、日報、仮置き、搬出記録を一つの流れとして管理すれば、計上漏れと二重計上を防ぎやすくなります。


清掃前後の状態や土砂の集積位置、搬出状況をその場で記録する際には、現場で扱いやすいPhoneを活用することで、位置情報と写真、区画名、作業日を結び付けやすくなります。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page