目次
• 地盤改良後の余剰土を土量管理に含める重要性
• 余剰土が発生する仕組みを理解する
• 1点目は改良方式と体積増加の要因を整理する
• 2点目は設計数量と実施工数量の差を追跡する
• 3点目は改良前後の地盤形状を同じ基準で計測する
• 4点目は余剰土の性状と処理区分を分けて管理する
• 日々の土量収支で余剰土を早期に把握する
• 仮置き場で余剰土を見失わない管理方法
• 地盤改良工事で土量差が生じやすい場面
• 余剰土の数量を説明できる記録の残し方
• 現場で土量管理を安定させる運用のポイント
• まとめ
地盤改良後の余剰土を土量管理に含める重要性
現場で土量管理を行うとき、掘削土や盛土材は日々の収支に入れていても、地盤改良に伴う盛り上がり土、すき取り土、施工時の排出物、支障物の除去土などが別管理になり、最終集計から抜けることがあります。特に固化材を原位置土へ混合する改良では、投入材料の量、土のほぐれ、施工機械による土の移動、仕上げ高までの整形が重なるため、設計上の改良体積と現場から搬出する体積は一致しません。
ただし、地盤改良には締固め、置換え、薬液注入、表層混合、中層混合、深層混合など多様な方式があります。本記事では主に、原地盤へ固化材を混合する方式と、それに付随して土砂や泥状物が発生する現場を想定します。すべての地盤改良で同じ種類、同じ割合の余剰土が出るわけではありません。
余剰土を管理対象から外すと、仮置き場の不足、搬出時期の遅れ、運搬計画の変更、 受入記録との不整合、追加作業の発生につながります。改良材を含む土は時間の経過で固化が進み、積込みや小割りの作業条件が変わることもあるため、施工終盤まで放置しないことが重要です。
ここでいう余剰土は、土量収支上の管理名称です。法令上の区分を示す名称ではありません。発生した物が建設発生土として扱われるのか、建設汚泥などの廃棄物に該当するのかは、発生工程、性状、利用実態、契約条件、受入条件などを確認して個別に判断する必要があります。
現場で土量管理を安定させるには、施工前の原地盤、実際の改良範囲、施工後の地表面、仮置き量、場内利用量、場外搬出量、残量を一つの流れとして捉えます。改良工を品質管理だけの工程として扱わず、土量収支を変化させる工程として位置づけることが、余剰土の見落とし防止につながります。
余剰土が発生する仕組みを理解する
固化材を混合する地盤改良では、原地盤へ粉体またはスラリー状の材料を加え、土と混合して改良体を造成します。投入材料が増えても、その全量がそのまま地表の余剰土になるわけではありません。地盤内に留まる部分、地表へ盛り上がる部分、周辺へ移動する部分、施工時に排出される部分があり、その割合は工法、土質、含水状態、施工深さ、混合条件によって異なります。
表層や中層の混合では、原地盤をほぐしながら施工するため、施工直後の見掛け体積が大きくなることがあります。その後に転圧や整形を行えば体積は変化しますが、計画高を超える部分はすき取りの対象になります。平均厚さがわずかでも施工面積が広ければ、仮置き場や搬出計画に影響する数量になるため、目視だけで少量と判断しないことが大切です。
深層混合処理では、工法や施工条件によって、未固結の改良土が上方へ排出されたり、周辺地盤の変位を抑えるために排土を伴う施工が採用されたりします。国土交通省の技術資料にも、余剰土を上方へ排土する深層混合処理技術が示されており、余剰土や周辺変位の扱いが工法によって異なることが分かります。
改良前に転石、旧構造物、埋設物、極端に軟弱な土などを除去する場合、その数量は改良後に発生する土と分けて記録します。施工前除去土と改良材を含むすき取り土では、発生時点も性状も異なります。同じ仮置き山へ混ぜると、発生原因、数量、再利用の可否、搬出先の条件を後から説明しにくくなります。
施工後に計画高へ整形する際は、改良面の凹凸や外周部の盛り上がりも数量差の原因になります。一点の高さや一つの平均厚さだけで全体を代表させると、局部的な山やくぼみを拾えません。施工区画を分け、改良前後の面を比較して数量を確認する方が、実態を捉えやすくなります。
余剰土の発生原因は一つではありません。材料添加、ほぐれ、盛り上がり、施工時排出、支障物除去、仕上げすき取り、再施工、重機清掃時の回収土などが重なる場合があります。日報では単に「改良残土」とまとめず、どの工程から発生したかを記録することが重要です。
1点目は改良方式と体積増加の要因を整理する
1点目は、施工前に改良方式と土量変化の要因を整理することです。地盤改良という工種名だけでは、余剰土の発生形態を判断できません。原位置で混合するのか、掘り出して混合するのか、不良土を置換えるのか、施工時に排土を伴うのかによって、管理すべき数量が変わります。
原位置混合では、改良面積、改良深さ、材料使用量、施工前地盤高、施工後の計画高、想定する盛り上がりや排出物を関連づけます。掘削混合では、地山状態の掘削量、ほぐした状態の仮置き量、混合後の埋戻し量、締固め後の仕上がり量、残量を分けます。置換えを伴う場合は、撤去した不良土と新たに投入した材料を別の収支として追跡します。
施工前の概算では、改良後に計画面より上へ残る範囲の平面積と平均厚さから、すき取り量の目安を求められます。ただし、これは均一な厚さを仮定した概算です。勾配、不整形な施工範囲、構造物との取り合い、外周部の局部的な盛り上がりがある場合は、区画分けや面比較を行い、単一の平均値へ過度に依存しないようにします。
深層改良では、改良体の本数、径または断面、施工深さ、材料使用量だけで余剰土量を決めないことが重要です。設計上の改良体積と、地表へ現れる排出量は別の数量だからです。施工条件が似た初期区画の実績を記録し、施工が進むにつれて発生量の予測を更新します。
試験施工や初期施工を行う場合は、品質確認に加えて、施工前後の高さ、排出物の状態、仮置き量、搬出のしやすさを記録すると、後続区画の計画に活用できます。ただし、一つの試験区画の値を全工区へ一律に適用するのは避けます。土層、地下水、含水状態、施工深さが変われば、余剰土の発生傾向も変わる可能性があります。
体積は土の状態によって変わります。施工直後のほぐれた状態、仮置き後に自重で締まった状態、重機で押さえた状態、搬出時の荷台内の状態を同じ体積として扱うと、収支が合わなくなります。記録には、計測時点と土の状態を付け、異なる状態の値を比較するときは差の要因を残します。
施工計画には、予測数量だけでなく根拠を記載します。改良面積、想定平均厚さ、初期施工実績、一日当たり施工量、仮置き可能量、搬出能力を結びつければ、実績が計画を上回ったときに見直しの判断をしやすくなります。根拠のない一律の余剰率を用いるのではなく、現場条件に応じて更新可能な予測値として扱うことが大切です。
2点目は設計数量と実施工数量の差を追跡する
2点目は、設計数量と実施工数量の差を施工中に追跡することです。設計どおりの施工でも余剰土は発生し得ますが、改良範囲、深さ、材料使用量、施工回数が変われば、当初の発生予測も見直す必要があります。
最初に、設計改良範囲と実施工範囲を区別します。基礎周辺、法面とのすり付け、既設構造物との取り合い、施工機械の作業余裕などにより、図面上の境界より外側を施工することがあります。追加範囲は口頭の指示だけで済ませず、施工図、日報、測量記録などへ反映します。
改良深さも実績で管理します。施工前地盤高が設計時の想定と異なる場合や、軟弱層の分布が一様でない場合は、施工深さが場所ごとに変わることがあります。施工機械の履歴、施工前地盤高、管理する下端、仕上げ高を対応させ、どの区画をどの深さまで施工したかを残します。
材料使用量は施工量変化の重要な手掛かりですが、使用量の増加分をそのまま余剰土量へ加えることはできません。材料の一部は改良体内に留まり、地表へ現れる量は地盤条件や工法によって変わります。材料使用量は、余剰土量の直接換算値ではなく、原因分析の指標として扱います。
広い施工範囲は、施工区画や施工日ごとに分けて管理します。区画ごとに実施工面積、深さ、材料使用量、施工前後の高さ、発生土の種類、仮置き先を対応させれば、どこで想定以上の土が出たかを追いやすくなります。
追加施工や再施工は、通常施工と別に記録します。品質確認の結果により再かくはん、追加材料の投入、改良体の撤去や再造成を行った場合は、対象範囲、理由、追加材料、発生土、処理先を残します。通常施工の累計に埋め込むと、設計との差や余剰土増加の原因が分からなくなります。
施工範囲が縮小された場合も予測を更新します。改良不要範囲の確定や設計変更により施工量が減ったのに、当初の余剰土計画を維持すると、仮置き場や運搬の手配が過大になり、収支にも説明しにくい差が残ります。
設計数量と実施工数量の照合は、工事完了後に一度だけ行うのではなく、施工途中で定期的に更新します。累計施工量に対する累計発生量の傾向を確認すれば、仮置き場が不足する時期や搬出計画を見直す時期を早めに判断できます。
3点目は改良前後の地盤形状を同じ基準で計測する
3点目は、改良前後の地盤形状を同じ座標系、高さ基準、対象範囲で計測することです。施工後の仮置き山だけを測っても、地盤上に残る盛り上がりや、施工範囲外へ移動した土は把握できません。施工前の面、改良直後の面、整形後の面、仮置き山を段階ごとに確認します。
施工前は、改良範囲だけでなく、外周部、重機の走行範囲、土の集積予定地など、施工によって地表面が変わる可能性のある範囲も記録します。ただし、契約上の出来形管理範囲と、現場独自の土量確認範囲は同じとは限りません。数量根拠として利用する場合は、発注者との協議や適用要領を確認します。
基準点、座標、高さ基準が施工前後で変わると、面の差分に基準のずれが混入します。広い面積では小さな高さ差でも体積差が大きくなるため、施工の影響を受けにくい基準を使用し、必要に応じて予備点を設けます。
雑草、資材、重機、水たまり、泥濘、仮設物を地表面として取 り込むと、土量差へ混入します。計測前に対象範囲を整理し、除外した範囲や補間した範囲を記録します。面的な計測では点密度だけを重視せず、地表面以外の点を適切に除外することが必要です。
計測時期も明確にします。改良直後はほぐれや盛り上がりが大きく、転圧後や整形後は体積が変わります。改良直後の面は発生過程の把握に、整形後の面は仕上げ量の確認に用い、異なる段階の値を混同しないようにします。
国土交通省のICT施工に関する資料では、地盤改良工の計測範囲や方法は適用工種や現場条件に応じて確認し、施工履歴データや3次元計測結果を出来高・出来形管理へ用いる際には所定の要領や協議に従う考え方が示されています。現場独自の余剰土管理と公式な出来形管理を混同せず、採用する計測方法の精度、範囲、用途を明確にすることが重要です。
断面測量を用いる場合は、外周部、勾配変化点、構造物との取り合い、局部的な盛り上がりで測点を追加します。測点間隔が広すぎると、小さな山やくぼみが平均化さ れます。
面的な計測を用いる場合は、改良前後で同じ範囲を比較し、比較対象の面がどの施工段階を表すかを明記します。計測密度が高くても、基準のずれ、不要点、欠測部、植生や水面の影響が残れば正しい体積にはなりません。
仮置き山は、土を置く前の底面を計測しておきます。仮置き後だけを測ると底面が推定になり、既存の凹凸や排水勾配が誤差になります。搬出前後も同じ底面と範囲を使って比較し、別種類の土山と重ならないように管理します。
改良前後の地盤差分、すき取り量、仮置き量、場内利用量、搬出量は完全には一致しないことがあります。ほぐれ、締固め、含水状態、固化、計測時期、運搬時の積み方が異なるためです。一つの値だけを絶対視せず、複数の記録を照合し、差の理由を説明できる状態にします。
4点目は余剰土の性状と処理区分を分けて管理する
4点目は、余剰土を数量だけで一括管理せず、発生工程、性状、利用先、処理区分を分けることです。地盤改良に伴う土には、施工前除去土、改良材を含むすき取り土、施工時排出物、泥状物、固化した塊などが含まれる可能性があります。
注意したいのは、現場で用いる「余剰土」という呼び方と、法令上の区分が同じではないことです。国土交通省は、建設発生土を廃棄物処理法上の廃棄物に該当しないものとして説明する一方、建設汚泥は産業廃棄物に該当すると整理しています。また、建設汚泥処理物が廃棄物か有価物かは、性状だけでなく、排出状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無、占有者の意思などを総合して判断する必要があります。したがって、固化材が混ざっている、土状に見える、固まっているといった一つの外観だけで区分を決めてはいけません。([国土交通省][1])
性状や法的区分に疑義がある場合は、施工計画書、設計図書、発注者の指示、受入先の基準、必要な試験、関係法令、自治体の運用を確認します。現場担当者だけ で便宜的に決めず、必要に応じて発注者、元請の環境管理担当、処理業者、受入先、所管行政へ確認します。
場内利用する場合も、土が余っているからという理由だけで使用しません。利用箇所が求める強度、粒度、締固め特性、環境条件、施工性を満たすかを確認し、承認手順が必要な場合はそれに従います。場内利用量を記録しないと、仮置き場から消えた数量が土量収支上の不明差になります。
性状区分は、現場で継続できる数に絞ります。施工前除去土、改良後すき取り土、施工時排出物、泥状物、固化塊など、発生工程と外観で一次区分し、判断に迷うものは他の土と混ぜずに仮置きします。後日の試験や確認により区分が確定したら、記録を更新します。
仮置き場所には、区画名、土の種類、発生日、発生区画、概算量を表示します。表示のない山は、数日後には由来が分からなくなります。複数区画を連続施工する現場では、日付と施工区画を共通の識別情報にすると追跡しやすくなります。
含水状態は体積と重量の両方へ影響します。降雨後は重量が増え、荷台へ積める体積を抑える場合があります。固化や乾燥が進むと塊状になり、荷台内に隙間が生じることもあります。車両台数だけで体積を換算する場合は、車種、荷台容量、積載状態、土の性状、計測時期を併記します。
搬出先が重量管理で、現場が体積管理の場合、両者は直接一致しません。換算する場合は、土の状態や含水状態に対応した根拠を残します。一つの固定換算値を全期間へ機械的に適用すると、雨天時、乾燥時、固化後の差を説明しにくくなります。
日々の土量収支で余剰土を早期に把握する
地盤改良後の余剰土は、完了時にまとめて集計するより、日々の土量収支へ入れた方が見落としを防ぎやすくなります。施工量が大きい現場では、数日分の発生量だけで仮置き場や搬出工程に影響するためです。
日々の記録では、施工日、施工区画、実施工面積または本数、施工深さ、材料使用量、発生した土の区分、仮置き先、場内利用量、搬出量を関連づけます。全量を毎日実測できない場合は概算でも構いませんが、概算方法と後日の確定方法を決めておきます。
基本の収支は、前日残量に当日発生量を加え、場内利用量と搬出量を差し引いて当日残量を求めます。この帳簿上の残量と、仮置き場の計測量または目視確認を定期的に比較します。
差が大きい場合は、記録漏れ、別区画への移動、仮置き山の締まり、降雨による変化、他工種の土との混合、計測範囲の違いを確認します。差を翌日に繰り越すだけでは、施工が進むほど原因を追えなくなります。
累計発生量を累計施工量で比較すると、施工量に対する発生傾向を把握できます。この値を固定の原単位とせず、地層、含水状態、施工深さ、 材料使用量が変わったときの異常検知に使います。
施工進捗と計画余剰土量の消化状況も比較します。施工の進み方より余剰土の発生が速い場合は、仮置き容量、搬出頻度、場内利用計画を早めに見直します。発生が極端に少ない場合も、施工面に残っていないか、別場所へ移動していないか、計測や記録が抜けていないかを確認します。
日々の土量収支は精算資料だけではありません。仮置き場がいつ満杯になるか、搬出をいつ始めるか、どの区画を先行施工するかを判断する工程管理資料として活用します。
仮置き場で余剰土を見失わない管理方法
余剰土は仮置き場へ移した後に由来が分からなくなりやすいため、土を置く前から管理を始めます。仮置き前の底面を計測し、区画境界、排水経路、他工種の土置場との関係を確認します。
仮置き区画は、発生工程と性状に応じて分けます。施工前除去土と改良材を含む土、土状のものと泥状のもの、再利用候補と搬出予定を混在させないようにします。敷地が狭い場合でも、区画線、標識、土留め、離隔などで境界を示します。
土山は、数量計測と安全な作業を両立できる形に整えます。細長く複雑な山、複数の山が重なった状態、裾が他区画へ流れ込む状態では、体積の境界が不明確になります。搬出で一部を削る場合は、搬出前後を同じ範囲で確認できるようにします。
重機が土山を踏み固めると体積は減りますが、土が消えたわけではありません。施工直後のほぐれた体積と、仮置き後の締まった体積を同じ条件として比較しないよう、計測時の状態を記録します。
降雨時は、土山の裾の流出、周辺地盤との混合、泥濘化、水たまりによる欠測が起こりやすくなります。排水、養生、区画 境界を維持し、流出や混合が生じた場合は、その範囲を記録します。
固化が進む土を長期間置くと、搬出時の小割りや積込み条件が変わる場合があります。発生速度と搬出能力を比較し、必要以上に滞留させない計画とします。仮置き場の残量は、体積だけでなく、使用率や現在の発生速度に対する残り日数で共有すると、工程判断に使いやすくなります。
地盤改良工事で土量差が生じやすい場面
改良範囲の外周部は、土量差が生じやすい場所です。施工機械の作業幅や重ね幅により、計画線の外側まで実施工が及ぶ場合があります。外周部の施工余裕を設計数量へ含めるのか、実施工の追加分として管理するのかを事前に決めます。
基礎、擁壁、側溝、既設舗装、埋設管などとの取り合いでは、機械が均一に動きにくく、局部的な盛り上がり、掘り返し、手作業による整形土が発生します。一般残土へ混ぜる前に、発生区画と概算量を記録します。
改良面の上に砕石や基礎材を施工する段階で、追加のすき取りが行われる場合があります。この土を地盤改良の余剰土とするのか、次工程の床付けや不陸調整として扱うのかが曖昧だと、工種間で二重計上または計上漏れが起こります。どの施工段階の高さを改良工の引渡し面とするかを共有します。
降雨後は、表面の泥濘化、重機走行による押し出し、清掃土や撤去土の増加が起こる場合があります。通常のすき取り土と混ぜる前に、発生原因と性状を記録します。
機械や撹拌装置の清掃で回収した付着土は、一回ごとの量が小さくても、施工期間や規模によっては収支へ影響します。清掃場所と移動先を決め、他の土へ無記録で混ざらないようにします。
品質不良箇所の撤去や再施工では、既設 の改良体を掘り返すことがあります。再利用、再改良、場外搬出のいずれを選ぶかで収支が変わるため、通常施工とは別に記録します。
改良後の地盤を工事用道路として使用すると、表面が削られたり、砕石や他の土が混ざったりします。改良完了から次工程への引渡しまで、地盤面と発生土を誰が管理するかを明確にします。
余剰土の数量を説明できる記録の残し方
余剰土の数量は、最終値だけでなく、その値へ至った経過を説明できる形で残します。計測日、対象範囲、施工段階、単位、土の状態が分からない数値は、後から照合できません。
施工前には、設計改良範囲、施工予定範囲、改良深さ、施工前地盤高、計画仕上げ高、想定余剰土量、仮置き場所、搬出または利用の方針を整理します。想定数量には、平均厚さ、初期実績などの計算根拠を付けます。
施工中は、施工日、区画、実施工範囲、深さ、材料使用量、追加施工、発生土の区分、仮置き先を記録します。写真は土山だけでなく、区画表示や周辺の固定物を入れ、撮影位置と方向を残します。
計測データには、計測者、使用した基準、計測範囲、施工段階、計算方法、除外範囲を付けます。ファイル名には、区画、日付、改良前、改良直後、整形後、仮置き前、仮置き後などの状態を含め、取り違えを防ぎます。
搬出記録には、日付、土の区分、搬出元、車種、台数、積載状態、受入先記録との対応を残します。体積と重量が混在する場合は単位を明記し、換算した場合は換算条件を保存します。
場内利用した量は、利用場所、用途、数量、利用前の区分、承認または確認の記録を残します。搬出記録がないまま仮置き量が減っている場合、場内利用の記録がなければ不明差に なります。
概算値を実測値へ更新する場合は、元の値を消さず、修正日、修正理由、新しい根拠を残します。最終集計では、設計数量、実施工数量、地盤差分、仮置き量、場内利用量、搬出量、残量を並べ、差が残る場合は体積状態、含水状態、計測時期などの理由を記載します。
現場で土量管理を安定させる運用のポイント
余剰土管理を安定させるには、施工担当者だけに任せず、施工、測量、品質、環境、運搬、原価の情報を同じ施工区画へ結びつけます。区画番号や施工日を共通の識別情報にすると、施工履歴、計測データ、写真、仮置き、搬出記録を照合しやすくなります。
記録項目は、毎日必ず入力するものと、節目で計測するものに分けます。施工区画、施工量、発生土の区分、移動先は日々記録し、仮置き山の詳細計測は一定量が増えた時点、搬出前後、月次締めなどに行う運用が考えられます。
報告条件も事前に決めます。発生量が予測を継続して上回る場合、仮置き場の余裕が少なくなった場合、予定外の泥状物や異物混じり土が出た場合、処理区分に疑義が生じた場合は、早い段階で関係者へ共有します。
施工前の計画値は固定せず、初期実績を反映して更新します。地中の状態を施工前に完全に把握することは難しいため、予測値と実績の差そのものより、差を把握した後も計画を更新しないことが問題になります。
現場で土量管理を行う目的は、最終数量の算出だけではありません。仮置き場の不足を防ぎ、搬出工程を調整し、場内利用の可否を確認し、関係者へ数量根拠を説明することまで含まれます。
広い範囲や複雑な土山では、座標と高さを取得できる測量機器や点群計測を用いると、施工前後の面比較や仮置き量 の把握に役立ちます。ただし、機器の名称や計測方式だけで精度が保証されるわけではありません。基準点、計測範囲、精度確認、不要点除去、データ名、計測時期を統一して運用することが重要です。
まとめ
現場で土量管理を行う際、地盤改良に伴う余剰土は、設計上の改良体積や材料使用量だけでは把握できません。材料添加、ほぐれ、盛り上がり、施工時排出、支障物除去、仕上げすき取り、再施工など、複数の要因が重なるためです。
1点目は、改良方式と体積変化の要因を施工前に整理することです。原位置混合、掘削混合、置換え、排土を伴う施工を分け、現場条件に合った予測を作ります。
2点目は、設計数量と実施工数量の差を区画ごとに追跡することです。範囲、深さ、材料使用量、追加施工、再施工を日々の実績へ反映します。
3点目は、改良前後の地盤形状を同じ基準で計測することです。改良前、改良直後、整形後、仮置き前後を区別し、地盤差分、仮置き量、搬出量を照合します。
4点目は、余剰土を発生工程、性状、利用先、法的な処理区分に分けて管理することです。「余剰土」という現場用語だけで一括せず、建設発生土や建設汚泥などの区分は関係資料と個別条件に基づいて判断します。
これらを日々の土量収支へ取り入れれば、施工終盤に想定外の土量が判明するリスクを抑えやすくなります。仮置き残量、場内利用量、搬出量、実施工量を継続して更新し、数量差が生じた時点で原因を確認することが、現場で土量管理を安定させる基本です。
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