top of page

現場で土量管理の床掘り余幅を数量差にしない5確認

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均6分45秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

床掘り余幅が土量差の原因になる理由

確認1 適用する数量算出条件を着工前に固定する

確認2 オープン掘削と土留掘削を区分する

確認3 余幅の起点と床掘り断面を統一する

確認4 設計数量と実施工数量を分けて管理する

確認5 変更根拠を測量と施工記録で残す

床掘り余幅を日々の土量管理に反映する流れ

数量差が発生しやすい場面と対処方法

床掘りから埋戻しと残土処分まで連動させる

まとめ


床掘り余幅が土量差の原因になる理由

現場で土量管理を行う際、床掘り余幅は小さな寸法に見えても、延長や掘削深さが大きい工事では無視できない数量差につながります。床掘り余幅は、数量算出資料で余裕幅と表現されることもあり、構造物の外側に確保する施工上の空間を指します。型枠の組立て、足場、締固め、排水、出来形確認などに必要な空間ですが、必要寸法と数量上認められる寸法が常に一致するとは限りません。


数量算出上の床掘りは、一般に構造物の築造または撤去を目的として現地盤や施工基面から掘り下げ、後に埋戻しを伴う範囲として整理されます。これに対し、施工基面まで掘り下げて埋戻しを伴わない範囲は、掘削として整理される場合があります。ただし、実際の区分は工事ごとの設計図書、数量計算書、適用基準、発注者との協議内容で確認する必要があります。


床掘り余幅による差が生じやすいのは、設計数量で採用した断面と、現場で実際に確保した作業幅が異なるためです。図面には構造物本体の寸法だけが示され、余幅、足場、土留め、法勾配などの条件が数量計算書や特記仕様書に分かれて記載されていることがあります。図面だけで土量を計算すると、余幅を含めない数量、任意の作業幅を含めた数量、実際の掘削形状から求めた数量が混在しやすくなります。


例えば、延長40メートル、床掘り深さ2メートルの区間で、左右を合わせた床付け幅が設計条件より20センチメートル広くなったとします。側面を鉛直とみなす単純な例では、差は40メートル掛ける2メートル掛ける0.2メートルとなり、16立方メートルです。法勾配を伴う場合は上部幅にも影響するため、下幅の差だけで数量差を判断できません。


ただし、実際に広く掘った範囲の全量が、そのまま契約上の変更数量になるわけではありません。地質、湧水、埋設物、土留構造、足場条件など、当初想定と異なる条件によって必要になったのか、施工方法や使用機械の選択によって広げたのかを分けて考える必要があります。現場で把握する実施工量と、契約上の精算対象数量は、目的の異なる数値として管理します。


床掘り余幅を数量差にしないための基本は、着工前に断面の根拠をそろえ、条件変更が発生した時点で記録し、設計数量、承認済み変更数量、実施工数量を同じ区間単位で比較できる状態にすることです。ここからは、現場で土量管理を行う担当者が確認したい五つのポイントを順番に解説します。


確認1 適用する数量算出条件を着工前に固定する

最初の確認は、その工事で適用する床掘り余幅の算出条件を着工前に固定することです。余幅は担当者の経験だけで決めるものではありません。設計図書、数量計算書、特記仕様書、施工条件、発注者が指定する数量算出基準などを照合し、何を根拠に数量を算出するのかを明確にします。


国の直轄工事向け数量算出資料では、床掘工を土質、施工方法、土留方式、障害の有無などで区分し、オープン掘削と土留掘削、足場の有無などに応じて余裕幅を整理しています。ただし、その資料の標準的な取扱いを個別工事へ自動的に適用できるとは限りません。契約図書に別の基準や地域独自の取扱いが示されている場合は、そちらを優先して確認します。


着工前に整理したい要素は、構造物本体の幅、基礎材や均し材の張出し、型枠の有無、足場の有無、土留方式、床掘り深さ、法勾配、地下水への対応、既設構造物との離隔です。これらの認識が一つでも異なると、同じ構造物を対象にしていても床掘り断面は変わります。


特に注意したいのが、図面上の構造物幅と数量計算で使用した床付け幅を混同することです。本体コンクリート端から余幅を取る場合、基礎材の外端を含めて断面を組み立てる場合、矢板などの土留め部材を基準にする場合では、同じ余幅の数値でも全幅が異なります。数量計算書に最終幅しか記載されていない場合は、その内訳を設計者や発注者資料で確認します。


代表断面ごとに、本体幅、基礎材の張出し、左右の余幅、土留め位置、法勾配を分解して記録しておくと、変更時の比較が容易です。合計幅だけを残すと、後からどの要素が変わったのか説明しにくくなります。断面番号と適用区間を対応させ、平面図、横断図、数量計算書で同じ番号を使用すると照合しやすくなります。


適用基準の年度も確認します。数量算出資料は改定されることがあり、設計時と施工時に別年度の資料を参照すると、区分や注記の読み方に差が生じる可能性があります。最新版を参考にする場合でも、契約時に採用された条件を無断で置き換えず、変更が必要なら協議事項として整理します。


着工前の確認では、「余幅は何センチメートルか」だけで終わらせません。「どこを起点にするか」「足場や土留めの条件は何か」「どの区間へ適用するか」「例外区間をどう扱うか」まで固定します。ここまで決めておけば、実測数量が設計数量を上回ったときに、差の発生位置と理由を追いやすくなります。


確認2 オープン掘削と土留掘削を区分する

二つ目の確認は、オープン掘削と土留掘削を明確に区分することです。両者は床掘り形状だけでなく、余幅の考え方、作業空間、施工障害、積算上の区分が異なります。同じ構造物でも、途中で施工方法が変わる場合は、区間を分けて数量を管理します。


オープン掘削では、床付け面の幅に加えて、地盤面までの法勾配が土量を大きく左右します。床掘り深さが増えるほど上部幅が広がりやすく、土質や掘削高さによって勾配や小段の条件も変わります。適用する数量算出基準に標準勾配が示されていても、現地の安定条件や施工計画によって別途検討が必要な場合があります。


オープン掘削の土量管理では、床付け幅だけでなく、施工基面の標高、床付け標高、法肩、法尻、小段、左右の地盤高を記録します。傾斜地では左右の掘削高さが異なるため、左右対称の台形として扱うと差が生じることがあります。現況地盤を反映した非対称断面を用意し、変化点で区間を分けます。


土留掘削では、土留め部材と構造物の位置関係、切梁や腹起しなどの作業障害、床掘り深さによる区分が重要です。矢板を使用する場合の距離の起点や、親杭を使用する場合の扱いは、適用基準の注記を確認します。「土留め内側から何メートル」と現場独自に決めるのではなく、断面図に使用した基準線を明示します。


当初はオープン掘削を予定していても、隣接構造物、交通規制、用地境界、地下水、地山の安定などを理由に土留掘削へ変更することがあります。この変更は施工方法だけでなく、床掘り、埋戻し、土留工、揚排水などの数量へ波及します。変更が決まった時点で、当初断面と変更断面を同じ基準で作り直し、対象区間を明確にします。


一部区間だけ土留めを使用する場合は、全延長を一つの平均幅で処理しない方が安全です。オープン掘削区間、片側土留区間、両側土留区間、既設構造物近接区間などに分け、各区間の延長と断面を管理します。短い区間でも形状差が大きい場合は、独立した数量区分にした方が完成時の説明が容易です。


安全上の判断で法勾配を緩くした場合も、その増加量が自動的に設計変更となるわけではありません。設計時の地質条件と現地条件が異なっていたのか、施工者が選択した工法や機械配置によるものなのかを整理します。数量管理担当者は、掘削形状だけでなく、施工方法を変更した理由、確認者、協議状況も記録します。


確認3 余幅の起点と床掘り断面を統一する

三つ目の確認は、余幅を測る起点と床掘り断面の作り方を統一することです。数量差は、余幅の数値よりも、どこからどこまでを余幅として測ったかが曖昧なことで発生します。左右それぞれ同じ数値を採用していても、本体端、基礎材端、型枠外面、矢板中心など起点が異なれば、床付け幅は一致しません。


適用する数量算出基準に、本体コンクリート端や矢板中心などの基準位置が示されている場合は、その定義を断面図へ反映します。親杭、鋼矢板、プレキャスト構造物、足場を伴う構造物などでは注記が異なることがあるため、標準図だけで判断せず、本文と注記を合わせて読みます。


実務では、断面図に本体幅、基礎幅、左右余幅、法勾配、床掘り深さを分けて表示します。「床掘り幅3.2メートル」とだけ書くより、「本体幅2.0メートル、基礎張出し左右各0.1メートル、施工上の余幅左右各0.5メートル」のように内訳を残す方が、変更時の検証に向いています。数値は工事ごとの適用条件に置き換えて使用します。


床付け面が水平で、左右の法勾配が同じ単純な台形断面なら、下幅と上幅の平均に高さを掛けて断面積を求められます。しかし、実際の現場では地盤の傾斜、片側の既設構造物、土質変化、段差などによって左右非対称になることがあります。その場合は、断面を三角形や台形に分けるか、座標から面積を算出し、計算方法を統一します。


延長方向に幅や深さが変化する場合は、代表断面の位置が数量精度を左右します。平均断面法を使用する場合は、隣接する断面積の平均に断面間距離を掛けるため、構造物幅、掘削深さ、法勾配、土留形式、地盤形状が変わる位置に断面を追加します。断面間隔を一定にすることだけを優先すると、重要な変化を取りこぼす可能性があります。


三次元計測や三次元モデルから数量を求める場合も、境界条件を明確にします。点の数が多くても、施工前面、床付け面、法面、土留め位置の区分が曖昧なら、設計数量との比較はできません。使用した座標系、標高基準、対象範囲、除外した点群や仮設物を記録し、同じ条件で再計算できる状態にします。


曲線区間では、中心線、構造物基準線、床掘り外縁で延長が異なります。適用基準に距離の取り方が示されている場合はそれに従い、半径が小さい区間や幅が大きい区間では、中心線延長だけで妥当かを確認します。左右で余幅が異なる場合は、左側と右側の外縁を別々に管理し、単純な平均幅へ置き換えない方が説明しやすくなります。


現場測量では、法肩だけを測って床付け幅を推定しないようにします。法面が計画勾配どおりでなければ、法肩位置から逆算した床付け幅と実際の床付け幅が一致しません。掘削前地盤、施工基面、床付け面、法肩、法尻を同じ座標系と標高基準で記録します。


掘削後に法面崩壊や肩部の流出が生じた場合は、崩壊後の最終形状をそのまま当初の床掘り数量として扱わないようにします。設計上の床掘り範囲、承認された変更範囲、施工中の変状による追加撤去範囲を分けて計測します。余幅の起点と断面内訳を固定しておけば、増加理由を区分しやすくなります。


確認4 設計数量と実施工数量を分けて管理する

四つ目の確認は、設計数量と実施工数量を一つの数値にまとめないことです。現場で土量管理を行う際は、少なくとも当初設計数量、承認済み変更数量、実施工数量を分けて扱います。工事の運用によっては、協議中数量や見込数量も別欄で管理すると状況を把握しやすくなります。


当初設計数量は、契約時の図面と数量算出条件に基づく数値です。承認済み変更数量は、変更後の条件と対象範囲について手続きが整った数値です。実施工数量は、現場で実際に掘削した形状や計測結果から把握した数値です。実施工数量が精密に測れていても、それだけで契約数量を置き換えられるとは限りません。


差が生じた場合は、一括して余掘りと呼ばず、原因別に整理します。構造物寸法、床掘り深さ、法勾配、足場条件、土留方式、既設物回避、湧水対策、施工上の過掘りなどに分けると、協議対象と施工者負担の可能性がある部分を切り分けやすくなります。


差分数量を求めるときは、当初断面と変更断面を同じ縮尺、同じ基準線、同じ標高で重ねます。床付け幅だけが変わった場合でも、法勾配を伴う断面では上幅や法面位置も変わるため、下幅の差に深さを掛けるだけでは正しく表せない場合があります。


例えば、片側の床付け幅を20センチメートル広げた場合、鉛直掘削なら増加断面を長方形に近い形として整理できます。一方、法勾配がある場合は、法面の移動方法によって増加断面が変わります。掘削深さが区間ごとに違えば差分面積も変化するため、代表一断面だけで全延長へ適用しないようにします。


実施工数量を把握する際は、計測の時系列にも注意します。同じ場所を段階的に掘削した場合、各時点の体積をそのまま合計すると重複することがあります。施工前地盤から最終床付け面までを一括計算するのか、前回計測面との差分を積み上げるのかを決め、途中で方法を変えないようにします。


搬出車両の台数や荷台容量から推定した量と、地山状態の測量から求めた床掘り量は、直接一致しないことがあります。掘削時のほぐれ、含水状態、積載のばらつき、計量方法などが影響するためです。運搬記録は土量収支の確認資料として有用ですが、設計床掘り数量と比較するときは、土量の状態と換算条件をそろえます。


数量管理表では、区間番号、断面番号、当初数量、変更数量、実績数量、差、差の理由、協議状況を関連付けます。一つの欄に複数原因をまとめず、変更原因や施工区間ごとに分けます。測点、構造物番号、施工日を共通の識別情報にすると、図面、写真、測量結果、日報を照合しやすくなります。


全体数量が設計以内でも、区間管理を省略しないことが重要です。ある区間の過掘りと別区間の未施工が相殺されると、総量だけでは出来形の問題を見つけにくくなります。床掘りの形状と数量は、構造物別、区間別、施工段階別に確認します。


確認5 変更根拠を測量と施工記録で残す

五つ目の確認は、床掘り余幅が変わった理由を測量と施工記録で残すことです。完成後の測量結果だけでは、変更が必要だった背景や判断時点まで説明できません。なぜ当初条件で施工できなかったのか、いつ誰が確認し、どの区間をどの条件へ変更したのかを時系列で整理します。


変更の可能性が生じた時点で、掘削を進める前の現況を記録します。地山、湧水、崩壊、埋設物、既設構造物、用地境界、作業機械、足場、排水設備など、余幅変更の理由が分かる範囲を撮影します。近景だけでなく、測点や構造物番号が分かる全景も残します。


写真には寸法関係が分かる対象を写しますが、写真一枚だけで数量を確定しないようにします。写真は状況説明、測量は位置と形状の記録、断面図は数量計算、協議記録は取扱条件の確認というように、資料ごとの役割を分けます。


測量では、変更前地盤、変更後の床付け面、法肩、法尻、土留め部材、構造物外面などを計測します。座標値だけでなく、各点が何を示すかを記録します。「法肩」「矢板中心」「本体外面」などの属性がなければ、後から断面を再作成しにくくなります。


掘削中に土質が変化した場合は、平面位置と深さ方向の両方を記録します。「途中から砂質土になった」という文章だけでは、どの範囲へ法勾配や施工区分を適用するか判断できません。開始測点、終了測点、変化した標高を整理し、必要な位置に断面を追加します。


湧水対応のために作業幅を広げた場合は、集水箇所、排水経路、ポンプ位置、仮排水溝なども記録します。実際に広く掘った事実だけではなく、その幅が必要になった理由を説明できる資料を残します。施工性の向上だけを目的とした拡幅と、現地条件に対応するための拡幅を区分できるようにします。


既設埋設物を避けて片側の余幅を増やした場合は、埋設物の確認位置、管理者との立会い結果、必要離隔、掘削方法の変更を残します。左右非対称の断面を作成し、平均幅だけに置き換えないようにします。どちら側で数量が増えたかを断面と平面の両方で示します。


変更協議では、当初断面、現況断面、変更断面、対象区間、差分数量を一組にします。変更理由が妥当でも、開始位置と終了位置が曖昧なら数量の合意に時間がかかります。測点、構造物番号、断面番号を使って適用範囲を特定します。


施工日報には、「床掘り実施」だけでなく、施工区間、掘削深さ、土質、湧水、土留めの状態、追加掘削の理由、確認者などを記載します。日報日、測量日、写真撮影日、協議日がつながると、変更経緯を説明しやすくなります。


記録は完成時にまとめて作るのではなく、条件が変わった時点で整理します。埋戻し後は床掘り形状を直接確認できず、構造物完成後は余幅の起点も見えにくくなります。見えなくなる前に測る、埋める前に撮る、条件が変わった時点で協議するという流れを現場内で共有します。


床掘り余幅を日々の土量管理に反映する流れ

床掘り余幅の数量差を防ぐには、着工前の確認を日々の施工管理へつなげる必要があります。施工区間の設定、事前確認、施工中確認、施工後計測、数量更新という流れを固定すると、担当者が変わっても記録方法をそろえやすくなります。


施工区間は、構造物のまとまりだけでなく、断面条件が同じ範囲で区切ります。同じ水路や擁壁でも、深さ、幅、足場、土留め、法勾配、地盤高が変わる位置で区間を分けます。区間番号を平面図、横断図、日報、写真、数量管理表で共通化します。


施工前には、その区間で使用する床掘り断面を現場担当者と掘削担当者で共有します。床付け幅、余幅の起点、床付け標高、法勾配、掘削限界を確認し、現地の基準点や丁張と照合します。構造物中心と床掘り中心が一致しない区間では、左右の余幅を別々に確認します。


施工中は、床付け面へ到達する前に幅と位置を確認します。掘りすぎた後に元へ戻すことは難しいため、深さに応じて段階的に確認します。深い床掘りでは、法肩、法面、小段の位置が計画断面から外れていないかを途中で確認します。


床付け完了後は、構造物施工に必要な空間が確保されているかを確認します。幅不足で追加掘削する場合は、追加前後を計測し、追加部分を差分として管理します。最初の床掘り数量と重複して計上しないよう、基準面と対象範囲を固定します。


数量更新は、施工区間が完了した時点で行います。月末にまとめると、写真や日報との対応が分からなくなることがあります。区間ごとの設計数量、実測数量、差分、理由、協議状況を入力し、未承認の差分は確定数量と区別します。


実測数量の算出方法も統一します。床掘り完了時の断面から求めるのか、施工前後の三次元面の差から求めるのかを決めます。どちらの方法でも、施工前地盤が正しく記録されていなければ精度は上がりません。掘削着手後に施工前地盤を推定しないよう、事前測量を工程へ組み込みます。


三次元計測を利用する場合は、施工機械、仮設材、水面、崩落土などの不要な点が含まれていないかを確認します。計測範囲の境界をどこに設定したか、設計面と実測面の座標基準が一致しているかも確認します。どの面とどの面の間を体積として算出したかを説明できる状態にします。


数量差が発生しやすい場面と対処方法

床掘り余幅の数量差は、直線で断面が一定の区間よりも、施工条件が切り替わる場所で発生しやすくなります。構造物端部、曲線部、段差部、既設構造物との取合い、仮設道路との交差部などは、平面と断面の両方で範囲を確認します。


構造物端部では、横断方向だけでなく延長方向にも作業空間が必要になることがあります。数量計算が構造物延長だけで作成されていると端部が漏れる一方、連続する構造物の端部余幅をそれぞれ計上すると重複する可能性があります。床掘り範囲の外周を平面図で確認し、隣接区間との重なりを整理します。


曲線部では、内側と外側で床掘り外縁の延長が異なります。中心線延長に一定幅を掛ける方法は概算には使えても、曲線半径が小さい場合や床掘り幅が大きい場合は差が無視できないことがあります。適用基準の距離の取り方を確認し、必要に応じて平面面積や図心位置を使って検証します。


床付け標高が段階的に変わる箇所では、縦断方向にすり付けが生じます。変化点の前後だけで断面を作ると、実際のすり付け形状を十分に表せない場合があります。開始、途中、終了など、形状を表せる位置に断面を追加します。


既設構造物との取合いでは、片側の余幅を狭くし、反対側を広げることがあります。左右同一の設計断面だけでは実施工形状を説明しにくいため、左右別の余幅を持つ断面を作り、既設物との離隔を記録します。


基礎杭、切梁、腹起しなどが床掘り内にある場合は、体積を一律に控除するかどうかではなく、適用する数量算出条件での区分や障害の扱いを確認します。現場独自の判断で控除や加算を行うと、設計数量との比較条件が変わる可能性があります。


雨天後の法面崩壊で掘削範囲が広がった場合は、当初床掘り、崩壊土撤去、法面復旧を分けて記録します。崩壊後の最終形状だけを測ると、当初施工分と変状対応分を区分できません。崩壊前の写真や途中計測が重要です。


機械の作業性を理由に床掘りを広げる場合は、その幅が契約上想定された余幅なのか、施工方法の選択で増加した幅なのかを確認します。大型機械を使用するために広げた範囲が、必ず変更数量になるとは限りません。施工計画の段階で、設計条件内で作業できる機械配置かを検討します。


床掘りから埋戻しと残土処分まで連動させる

床掘り余幅の増減は、床掘り数量だけで完結しません。構造物完成後に余幅部分を埋め戻す場合は、埋戻し数量、材料区分、締固め範囲、場内利用量、残土処分量にも影響します。床掘りだけを更新し、埋戻しや搬出量を更新しないと土量収支が合わなくなります。


埋戻し対象は、床掘り形状と完成構造物、基礎材、裏込め材などの形状関係から求めます。ただし、何を控除し、どの材料を別数量とするかは適用基準や設計図書で確認します。単純に床掘り体積から構造物体積だけを差し引けばよいとは限りません。


床掘り量は地山状態、埋戻し量は締固め後の状態として整理されることがあります。残土処分量を求める際は、同じ立方メートル表記でも土の状態が異なる点に注意します。適用する土量変化率と計算式を確認し、現場で独自の換算係数を混在させないようにします。


床掘り余幅が広がれば、一般には埋戻し範囲も増えます。ただし、余幅部分へ砕石、裏込め材、改良土などを使用する場合は、発生土による埋戻し量が同じ割合で増えるとは限りません。材料別に断面と体積を分けて管理します。


現場の土量収支では、床掘り発生土、場内仮置き、埋戻し再利用、不適合土の搬出、購入材料による置換を区分します。発生土を仮置きしてから再利用する場合、仮置き量と埋戻し量を別の新規発生量として加算すると二重計上になります。土の移動経路を追えるようにします。


床掘り余幅の変更協議では、床掘り増加量だけでなく、増減する埋戻し量、材料量、搬出量、締固め範囲も確認します。変更断面を作成した時点で、完成構造物や基礎材を反映した埋戻し断面も作ると、後工程の数量整理がしやすくなります。


構造物施工後には、本体寸法や基礎幅が設計どおりかを確認します。本体や基礎の寸法が変更されていれば、床掘り断面が同じでも埋戻し数量は変わります。床掘り完了時の数量と、構造物完成後に確定する埋戻し数量を分け、土量収支で照合します。


まとめ

現場で土量管理を行う際、床掘り余幅を数量差にしないためには、実際に掘った幅を測るだけでは不十分です。適用する数量算出条件を着工前に固定し、オープン掘削と土留掘削を区分し、余幅の起点と断面の作り方を統一する必要があります。


当初設計数量、承認済み変更数量、実施工数量を分け、差の理由を断面、測量、写真、日報、協議記録で追える状態にします。床掘り余幅が変わった場合は、床掘り量だけでなく、埋戻し量、使用材料、場内利用量、残土処分量まで連動して更新します。


実務では、余幅の数値だけでなく、どの条件で、どこを起点に、どの区間へ適用したかが重要です。代表断面だけで全区間を処理せず、深さ、土質、足場、土留め、既設物、地盤形状などの変化点で区分すると、設計数量と実施工数量の差を説明しやすくなります。


床掘りは埋戻し後に見えなくなるため、掘削前の地盤を測り、条件が変わった時点で記録し、埋め戻す前に出来形を確定する流れを現場の標準にすることが有効です。現地で測点、写真、座標、断面を一体で管理できるスマートフォンなどの計測手段を活用する場合も、契約図書の基準と計測条件をそろえ、数量計算の根拠を再確認できる形で保存します。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page