top of page

盛土の体積計算方法で法面小段の張り出し量を拾う6確認

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均10分15秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

盛土の体積計算では、道路や造成面の本体だけでなく、法面の途中に設ける小段の形状まで数量へ反映する必要があります。小段は、法面を上下に分割する平坦部または緩勾配部であり、排水、点検、維持管理、法面の安定確保などを目的として設けられます。しかし、標準横断図を簡略化して一枚の連続した斜面として計算すると、小段が外側へ張り出す部分の盛土量を拾い損ねる可能性があります。


法面小段の幅が一定でも、盛土高、法勾配、現況地盤、平面線形、小段の設置段数、構造物との取り合いによって、追加される盛土量は変わります。そのため、小段幅と施工延長を単純に掛けただけでは、正確な体積を求められない場合があります。完成形の断面を作成し、現況地盤との間に生じる盛土断面積を測点ごとに求めることが基本です。


この記事では、「盛土 体積 計算 方法」で検索する実務担当者に向けて、法面小段の張り出し量を拾うために確認したい6つのポイントを解説します。断面形状の読み方から、変化点の設定、現況地盤との交差、構造物の控除、平均断面法や三次元計算を使う際の注意まで、数量の過大計上と拾い漏れを防ぐ考え方を整理します。


目次

盛土の体積計算で法面小段が見落とされる理由

確認1 小段を含む完成形断面を確定する

確認2 小段幅と法勾配の基準点をそろえる

確認3 小段が発生する区間と消える区間を分ける

確認4 現況地盤と小段の交差位置を確認する

確認5 排水施設や構造物との重複を分離する

確認6 断面変化点を追加して計算誤差を抑える

法面小段を含む盛土体積の基本的な計算手順

小段の張り出し量だけを差分で確認する方法

曲線部や盛土端部で注意したい平面上の変化

三次元データで法面小段を計算する際の注意

数量計算書と現場確認を一致させる方法

法面小段の体積計算で起こりやすい間違い

まとめ


盛土の体積計算で法面小段が見落とされる理由

盛土の体積は、一般に完成後の設計面と施工前または所定の施工基面との間に形成される立体の体積として求めます。道路、堤防、造成地などのように延長方向へ連続する盛土では、複数の横断面で盛土断面積を求め、隣接する断面間の区間長を使って体積を積算する方法が広く用いられます。


小段のない単純な法面では、道路端や造成面端から法尻までを一定勾配の斜線で結べば、完成形断面を比較的容易に作成できます。これに対して小段のある法面は、上段法面を途中で止め、平坦部または緩勾配部を設け、その外側から再び下段法面を形成します。断面上の折れ点が増えるため、形状の設定を一つでも誤ると、法尻位置や盛土断面積が変わります。


小段を省略し、上部平場端から法尻までを一枚の法面として結んだ場合、実際の設計形状より内側を通る仮想法面になることがあります。このとき、小段外側端から下段法面へ続く部分が計算に含まれず、盛土量が不足します。反対に、小段を含む完成形で既に体積を計算しているにもかかわらず、小段幅を使った概算体積を別途加算すると、二重計上になります。


法面小段は平面図では細長い帯として表示されることが多く、造成面や道路本体に比べると数量への影響が小さく見えます。しかし、断面上で数平方メートルの差であっても、数百メートルの施工延長にわたって連続すれば、体積差は大きくなります。盛土高が大きく、小段が複数段設けられる区間では、さらに差が広がる可能性があります。


また、小段の全幅が追加盛土になるとは限りません。傾斜地への腹付け盛土では、小段の内側が既設地盤へ食い込み、外側だけが盛土になることがあります。現況地盤が高い場所では、小段部分に切土が発生する場合もあります。このため、小段幅、平均厚さ、延長だけを使った単純計算では、現況地盤との関係を十分に表せません。


法面小段の張り出し量を適切に拾うには、小段を単独の直方体や三角柱として後から加えるのではなく、小段を含む完成形断面を最初から作成し、現況地盤との間に生じる盛土部分を求める考え方が基本となります。


確認1 小段を含む完成形断面を確定する

最初に確認するのは、数量計算に使用する完成形断面へ法面小段が正しく反映されているかどうかです。小段の張り出し量を求めるには、その前提となる設計形状を確定しなければなりません。小段幅だけでなく、設置高さ、上下の法勾配、小段面の勾配、段数、開始位置、終了位置まで整理する必要があります。


設計図書には、平面図、縦断図、標準横断図、個別横断図、法面詳細図、排水計画図などが含まれます。標準横断図に小段幅や法勾配が記載されていても、すべての測点へ同じ断面を適用できるとは限りません。盛土高が低い区間では小段を設けず、一定の盛土高を超えた区間だけに小段を設けることがあります。盛土高がさらに大きくなれば、小段が一段から二段へ増える場合もあります。


完成形断面を作成するときは、道路端や造成面端から法尻までを一つの線として扱わず、折れ点ごとに分けて整理します。上部平場端、上段法面下端、小段内側端、小段外側端、下段法面下端、法尻という順番で、それぞれの位置と高さを設定します。小段内側端と上段法面下端が同一点となる場合でも、計算上の役割を区別しておくと照査しやすくなります。


小段面が完全な水平とは限らない点にも注意が必要です。排水のために山側または谷側へ横断勾配が設けられている場合、小段の内側端と外側端には標高差があります。幅が狭ければ差は小さく見えますが、延長が長い場合には体積計算へ影響する可能性があります。設計図に勾配が示されている場合は、水平線へ置き換えず、所定の高さ関係を反映します。


小段の高さをどこから測るかも確認します。道路中心線や造成面の計画高から一定の鉛直高さを下げる設計なのか、法面上の一定高さごとに設けるのか、特定標高で連続させるのかによって、縦断方向の形状が変わります。道路の縦断勾配に連動する小段と、独立した高さで設ける管理用平場では、同じ幅でも体積の求め方が異なる場合があります。


個別横断図が作成されている場合でも、小段が簡略表示されていないか確認します。概略設計時の断面、施工用の断面、数量計算用の断面で形状が異なると、同じ測点名でも断面積が一致しません。数量計算に採用する図面の改訂状態を統一し、どの設計条件を使ったかを明確にします。


左右の法面形状も分けて確認します。片側は一段の小段付き法面、反対側は小段なしの法面となる場合や、片側だけ擁壁へ接続する場合があります。中心線を基準に左右対称として処理すると、存在しない小段を計上したり、必要な小段を省略したりするおそれがあります。


完成形断面を確定する段階では、設計条件を断面上の折れ点へ落とし込み、どの点からどの点までが小段なのかを明確にすることが重要です。ここが曖昧なまま体積計算を始めると、後の区間分けや構造物控除を正確に行えません。


確認2 小段幅と法勾配の基準点をそろえる

二つ目の確認は、小段幅と法勾配を適用する基準点が統一されているかどうかです。法面小段を含む断面では、複数の寸法と勾配を順番に適用して折れ点を決めます。そのため、基準点を取り違えると、後続するすべての点がずれ、最終的な法尻位置や盛土面積にも差が生じます。


法勾配は、鉛直方向の高さに対する水平方向の張り出しとして表されることが一般的です。上部平場端から上段法面を下ろすときは、上段法面の高さと勾配から小段内側端の水平位置を求めます。次に、その位置から所定の小段幅を外側へ取り、小段外側端を決めます。さらに、小段外側端から下段法面を下ろして法尻位置を求めます。


ここで、小段幅を上段法面の仮想延長線から測るのか、実際の上段法面下端から測るのかが曖昧になると、張り出し量が変わります。通常は設計図の寸法線が示す両端点を確認し、折れ点間の水平距離または指定された距離として扱います。寸法線の端部が法面の交点を指しているのか、排水施設の端部を指しているのかも確認が必要です。


小段上に側溝や管理用通路が設けられる場合、図面に示された小段幅が土工上の全幅なのか、有効な通行幅なのかを区別します。たとえば、小段の全幅に排水施設が含まれているのに、有効幅を小段幅として使用すると、外側端が内側へ寄り、下段法面の位置もずれます。反対に、排水施設幅を小段幅へ追加すると、張り出しを過大に計上する可能性があります。


上段法面と下段法面の勾配が同じとは限りません。地盤条件、盛土材、法面保護、盛土高、用地条件などによって、上下で異なる勾配が設定される場合があります。一つの標準勾配を法面全体へ適用すると、小段外側から法尻までの水平距離を誤る可能性があります。


複数段の小段がある場合は、各段を独立して整理します。一段目の小段外側端から中段法面を下ろし、二段目の小段内側端を定めるというように、上から順番に折れ点を確定します。途中の一段を省略して法尻位置だけを合わせても、断面内部の盛土面積は正しくなりません。


小段面に勾配がある場合は、幅だけでなく高低差も反映します。小段内側端から外側端へ向かって下がる場合、その外側端から始まる下段法面の始点標高も低くなります。小段を水平として扱った場合と比べ、法尻位置や断面積がわずかに変化します。


計算担当者ごとの解釈差を防ぐには、断面上の各折れ点に共通の名称や番号を付ける方法が有効です。上部平場端を第一点、上段法面下端を第二点、小段外側端を第三点、法尻を第四点とするなど、計算書、断面図、三次元データで同じ呼び方を使用します。


小段幅と法勾配の基準点をそろえることは、張り出し量を正確に求めるだけでなく、現場で法肩、小段端、法尻の位置を確認するときにも役立ちます。数量計算と施工位置の基準が一致していれば、図面上では合っているのに現地で形状が合わないという問題を減らせます。


確認3 小段が発生する区間と消える区間を分ける

三つ目の確認は、法面小段がどの区間に存在し、どの位置から発生または消滅するかを整理することです。小段は盛土区間の全延長にわたって一律に設けられるとは限りません。盛土高、現況地盤、用地条件、構造物配置などに応じて、途中から始まり、幅が変化し、最終的に消える場合があります。


盛土高が小さい場所では、上部平場端から法尻まで一枚の法面で処理できることがあります。延長方向に進んで盛土高が増加すると、途中から小段が必要になります。この小段発生位置が通常の横断測点と一致するとは限りません。二つの測点の間で設置条件を満たす場合は、その区間内に追加の変化点を設定する必要があります。


小段の発生位置を確認せず、一方の測点を小段なし、次の測点を所定幅の小段ありとして平均断面法を適用すると、区間内で小段幅が直線的に増加する形状として計算されます。実際の設計が一定長のすり付けを設ける形状であれば、その近似が妥当な場合もあります。しかし、小段が特定位置から一定幅で始まる場合や、別途すり付け位置が指定されている場合には、計算モデルが実形状と一致しません。


小段が消える位置も同様です。盛土端部へ近づいて盛土高が低くなると、小段幅が徐々に狭まり、上段法面と下段法面が一枚の法面へ移行する場合があります。小段が急に終了するのか、一定延長ですり付けるのかを平面図と横断図で確認します。


複数段の小段では、段数が変わる位置を分けます。盛土高の増加に伴って一段目が発生し、さらに高くなる区間で二段目が追加される場合、それぞれの開始位置が数量計算上の変化点になります。二段目が発生した後も、一段目と二段目の幅や高さが一定とは限りません。


平面線形の変化にも注意が必要です。直線部から曲線部へ移行する位置、道路幅が広がる場所、造成面の隅角部、取付道路との接続部などでは、小段の平面形状が変わります。横断面上では同じ幅でも、平面上では扇形や台形に広がり、実際の張り出し面積が標準区間と異なることがあります。


用地境界や既設施設の影響で小段幅を縮小する区間がある場合、その開始点と終了点を明確にします。標準幅を全区間へ適用した後で用地外部分だけを一括控除すると、法面の折れ点や法尻位置との整合が取れなくなることがあります。幅が変わる区間ごとに完成形断面を作成する方が確認しやすくなります。


区間分けでは、測点間隔を単に細かくするのではなく、設計形状や現況地盤が変わる位置を捉えることが重要です。変化の少ない区間を細分化しても計算精度の向上は限定的ですが、小段の開始、終了、幅変更、段数変更を省略すると、体積差が大きくなる可能性があります。


小段の張り出し量を拾う際は、横断面だけを見るのではなく、平面図と縦断図を併せて確認し、延長方向に小段がどのように現れ、どのように変化しているかを整理することが必要です。


確認4 現況地盤と小段の交差位置を確認する

四つ目の確認は、小段を含む完成形と現況地盤がどこで交差するかを確認することです。設計上、小段が外側へ張り出していても、その全体が盛土になるとは限りません。完成形より現況地盤が低い部分は盛土となりますが、現況地盤が高い部分は切土になるか、既存地盤と重なるため追加盛土が発生しません。


平坦な地盤上に新しい盛土を構築する場合は、小段部分の多くが盛土として計上されます。一方、山腹や既設法面へ腹付けする盛土では、小段の内側が地山へ入り込み、外側部分だけが盛土になることがあります。同じ小段幅でも、地盤の傾斜方向や地盤高によって盛土断面積は大きく異なります。


断面法では、完成形線と現況地盤線を同じ横断面上に重ね、両者で囲まれる部分のうち、完成形が現況地盤より上にある範囲を盛土面積として求めます。小段部分だけを長方形として切り出すのではなく、上段法面、小段、下段法面を含む断面全体で盛土と切土を判定します。


現況地盤の測量間隔が粗い場合は、小段付近の微地形を十分に表現できないことがあります。既設の畦畔、旧道、水路跡、自然の平場、崩壊跡などがあると、現況地盤線には細かな折れが生じます。これらが測量点へ含まれていない場合、実際より滑らかな地盤面として補間され、盛土量が過大または過小に計算される可能性があります。


特に、小段の計画高と現況地盤高が近い場所では、わずかな高さ差で盛土と切土の区分が変わります。現況地盤データの取得時期、座標系、高さ基準、補間方法が適切かを確認し、数量計算に使用できる地盤面であることを確かめます。


施工前に表土除去を行う場合は、自然地盤面ではなく、表土除去後の基面から盛土体積を求める設計もあります。また、傾斜地では段切りを行い、階段状の施工基面を形成してから盛土する場合があります。自然地盤面から完成形までの体積と、段切り後の基面から完成形までの体積は一致しません。


表土除去部や段切り部の埋戻しを本体盛土へ含めるか、別の数量項目として扱うかは、設計条件や数量区分によって異なります。基準面を明確にせず、小段の張り出し量だけを追加すると、段切り部分や表土除去部分を重複計上するおそれがあります。


既設盛土へ新たな盛土を腹付けする場合も、どの面を現況地盤として使用するか確認します。施工前の既設法面を使用するのか、掘削や段切りを行った後の面を使用するのかによって、新設盛土量が変わります。既設盛土の撤去量と新設盛土量を別々に計上する場合は、両者の境界を断面上で明確にします。


小段の内側端、外側端、現況地盤との交点を断面図へ表示しておくと、張り出し量の範囲を説明しやすくなります。盛土部分と切土部分が同一断面内に混在する場合は、それぞれの面積を分けて集計し、正負を単純に相殺しないようにします。


確認5 排水施設や構造物との重複を分離する

五つ目の確認は、法面小段に設ける排水施設や、小段周辺の構造物が盛土数量と重複していないかを確認することです。小段は排水や維持管理に利用されることが多く、側溝、集水施設、縦排水、階段、点検通路などが配置されます。これらの構造物が占める体積を盛土へ含めたまま、構造物数量も別途計上すると、二重計上になります。


小段上に側溝を設ける場合、完成形断面を土だけの平坦面として作ると、側溝本体の範囲まで盛土として含まれることがあります。側溝の下に基礎材や均し材が設けられる場合は、盛土材、基礎材、構造物本体を区分して体積を整理します。


小段幅の寸法に側溝幅が含まれているかも確認が必要です。図面上の小段幅が法面折れ点間の全幅を示している場合、その中に排水施設を配置します。一方、有効な点検幅だけが示され、側溝幅を別に確保する設計では、小段全体の張り出し幅は有効幅より大きくなります。


縦排水施設が小段を横断する箇所では、小段土工が局所的に切り欠かれる場合があります。設置箇所が少なく、一箇所当たりの控除量が小さいときは、数量区分上控除しない扱いとなることもありますが、独自判断で省略せず、設計条件や数量算出上の基準を確認します。


法面階段や管理用通路が設けられる区間では、小段が拡幅されたり、別の勾配へ変更されたりすることがあります。標準小段の体積を全区間へ適用し、拡幅分だけを後から追加すると、標準部との重複範囲が分かりにくくなります。拡幅区間の完成形を個別に作り、断面全体で計算する方が確実です。


擁壁、橋台、函渠、排水構造物などと接続する場所では、小段が途中で終了することがあります。構造物背面の埋戻し材を本体盛土と別区分で計上する場合、小段の張り出し範囲と背面埋戻し範囲の境界を整理します。同じ空間を本体盛土と構造物背面埋戻しの両方に含めないようにします。


法面保護工との境界も確認が必要です。植生基材、客土、吹付材、張芝、保護マットなどの厚さが設計面の外側へ付加されるのか、盛土仕上がり面の内側へ設けられるのかによって、土量の境界が変わります。完成形線が盛土材表面を示しているのか、法面保護後の表面を示しているのかを図面から判断します。


小段上に排水材や透水層を設ける場合も、盛土材との材料区分を分けます。体積全体としては同じ空間でも、使用材料や施工方法が異なれば、数量項目を分ける必要があります。盛土体積だけを求める段階で別材料を含めてしまうと、材料計画や運搬計画にも影響します。


構造物との重複を避けるには、断面内の空間を材料別、工種別に区分し、どの部分をどの数量へ計上するかを事前に決めます。完成形全体を一度計算してから控除する方法でも、工種ごとの設計面を作って個別に計算する方法でも、計算基準が一貫していれば照査しやすくなります。


確認6 断面変化点を追加して計算誤差を抑える

六つ目の確認は、小段形状や現況地盤が変化する位置に横断面を追加し、平均断面法による近似誤差を抑えることです。平均断面法は、隣接する二つの断面積の平均値に区間長を掛けて体積を求める方法です。断面形状が区間内でおおむね直線的に変化する場合に利用しやすい一方、急な形状変化がある区間では誤差が大きくなることがあります。


区間始点の盛土断面積をA1、区間終点の盛土断面積をA2、区間長をLとすると、区間体積は、A1とA2の平均にLを掛けて求めます。小段を含む場合は、A1とA2の両方に、小段、上下の法面、現況地盤との交差を反映した盛土断面積を使用します。


小段が区間途中から発生する場合、両端の断面だけでは実際の変化を表せないことがあります。一方の断面には小段がなく、他方には所定幅の小段があると、平均断面法では両者の間が直線的に変化するとみなされます。実際のすり付け形状が異なる場合は、小段開始点や完成幅となる位置に断面を追加します。


小段幅が段階的に変わる場所や、段数が一段から二段へ増える場所も変化点です。一段目の開始点、二段目の開始点、小段幅変更点をそれぞれ分けることで、断面積の急変を計算へ反映できます。


現況地盤が急に変化する場所にも追加断面が必要です。谷部、尾根部、既設道路との交差、盛土端部、構造物付近では、測点間で地盤形状が単純に変化しないことがあります。小段の設計形状が一定でも、現況地盤との交点が急変すれば、盛土断面積も大きく変わります。


平面線形が折れる場所も注意します。直線から曲線へ移る区間、造成面の角部、道路の拡幅部、取付道路の接続部では、小段の平面形状が変化します。標準横断面積と中心線上の区間長だけでは、局所的な広がりを表現しにくい場合があります。


断面を追加する判断では、一定間隔を機械的に短くするより、設計条件が変わる位置へ配置することが重要です。形状変化の少ない区間では広い間隔でも体積を把握できますが、小段の発生や構造物接続を含む区間では、短い間隔で断面を確認する必要があります。


追加断面には、通常測点と区別できる名称を付けます。平面図、横断図、数量計算書で同じ名称を使い、位置を追跡できる状態にします。追加断面を計算書だけに設け、図面へ表示しないと、断面を作成した根拠や位置が分からなくなることがあります。


断面数を増やすと計算作業は増えますが、張り出し量の変化を把握しやすくなり、設計変更時にも影響範囲を特定できます。小段幅を変更した場合に、どの区間の数量を再計算すればよいかが明確になる点も利点です。


法面小段を含む盛土体積の基本的な計算手順

法面小段を含む盛土体積を断面法で求める場合は、対象区間、完成形、現況地盤、材料区分、変化点を順番に整理します。最初に計算対象とする盛土の範囲を確定し、法面小段を含める境界を平面上で設定します。


次に、標準測点と追加変化点を一覧化します。通常の横断測点に加えて、小段の開始点、終了点、幅変更点、段数変更点、法勾配変更点、構造物接続点、地盤急変点を抽出します。左右の法面条件が異なる場合は、同じ測点でも左右を別々に確認します。


各測点で現況地盤線を作成します。数量計算に使用する測量成果の時点を統一し、施工前地盤、表土除去後地盤、段切り後地盤のどれを基準にするかを明確にします。現況地盤の測量点が不足している場合は、小段付近の折れや既設構造物周辺を追加確認します。


完成形線は、上部平場端から上段法面、小段内側端、小段外側端、下段法面、法尻までを折れ線でつなぎます。小段が複数段ある場合は、すべての折れ点を反映します。小段面の勾配、上下の法勾配、構造物との境界も設計条件に合わせます。


完成形線と現況地盤線を重ね、完成形が現況地盤より高い部分を盛土として区分します。同一断面内に切土と盛土が存在する場合は、面積を分けて計算します。盛土面積から切土面積を差し引いた値だけを使用すると、実際の盛土施工量を過小に扱う可能性があります。


構造物や別材料がある場合は、断面内で占有範囲を分けます。側溝、基礎材、背面埋戻し、表土、法面保護材などを本体盛土へ含めるか、別数量とするかを決定します。控除を行う場合は、どの断面でどの範囲を控除したかを記録します。


各断面の盛土面積を求めた後、隣接する断面間の区間長を確認します。道路中心線上の距離を使うのか、造成基準線上の距離を使うのかを統一します。曲線部で法面の張り出しが大きい場合は、中心線距離を使用した近似が適切か検討します。


区間ごとに平均断面積を求め、区間長を掛けて体積を算出します。計算途中では十分な桁数を保持し、各区間で早い段階から丸めないようにします。区間体積を積算した後、所定の数量単位や端数処理方法に従って整理します。


最後に、断面図、計算書、平面上の計算範囲を照合します。小段のある区間がすべて計算へ含まれているか、存在しない区間へ小段を適用していないか、構造物控除が重複していないかを確認します。


小段の張り出し量だけを差分で確認する方法

正式な盛土数量は、小段を含む完成形全体と現況地盤との差から求めることが基本です。一方、小段によってどれだけ盛土量が増えたかを確認したい場合は、比較用の断面を作成して差分を求める方法があります。


比較用断面では、小段を設けず、上段法面と下段法面を一枚の連続した法面として結びます。次に、小段を含む設計断面の盛土面積と、小段なしの比較断面の盛土面積をそれぞれ求め、その差を小段による張り出し面積として整理します。


測点ごとの張り出し面積を求めたら、隣接する測点間で平均し、区間長を掛けて張り出し体積を算出します。小段が途中から発生する場合は、発生点やすり付け区間にも比較断面を設定します。


この方法は、設計変更で小段幅が変わった場合の増減量を把握するときにも利用できます。変更前の小段幅による完成形と、変更後の完成形を比較すれば、盛土量への影響を区間別に確認できます。


ただし、比較用の小段なし断面は実際に施工する形状ではありません。法勾配のつなぎ方によって比較結果が変わるため、正式数量の代わりとして使用するのではなく、照査や増減確認のための補助資料として扱います。


現況地盤が小段へ食い込む区間では、設計断面同士の面積差だけでなく、それぞれを現況地盤と重ねた後の盛土面積差を求めます。完成形だけの幾何学的な差を使うと、地山と重なる部分まで追加盛土として扱うことがあります。


差分体積を確認すると、標準小段幅と施工延長から求めた概算値との比較ができます。差が大きい場合は、地盤との重なり、複数段小段、曲線部、構造物控除、盛土端部のすり付けなどが影響していないか確認します。


曲線部や盛土端部で注意したい平面上の変化

横断面法では、延長方向の基準線に沿って断面を配置します。しかし、法面小段は基準線から離れた位置にあるため、曲線部では内側と外側で実際の延長が異なります。曲率が小さく、小段の張り出しも小さい場合は影響が限定的ですが、急な曲線や高盛土では差が無視できないことがあります。


曲線外側の小段は、中心線より大きな半径で延びるため、中心線上の区間長より実延長が長くなります。曲線内側は反対に短くなります。左右の法面がほぼ対称であれば一部が相殺されることもありますが、片側だけ小段がある場合や左右の張り出し幅が異なる場合は、中心線距離による近似に偏りが生じます。


造成地の隅角部では、小段が平面上で折れ曲がります。二方向の法面小段を単純に重ねると、角部を二重計上する可能性があります。反対に、各方向の標準断面だけを積算すると、角部の扇形状の張り出しを拾えないことがあります。


盛土端部では、小段が法面の巻込みに合わせて細くなり、最終的に消滅します。端部まで一定幅が続くものとして計算すると過大計上になり、小段を途中で打ち切ると不足する可能性があります。平面図上で小段端部の線形を確認し、必要に応じて中間断面を追加します。


取付道路や乗入れ部では、法面勾配と小段位置が局所的に変わることがあります。通常の法面を切り開いて接続路を設ける場合、小段の一部がなくなり、別の盛土形状へ置き換わります。標準小段の体積を計上した後に接続路盛土を加えると、重複範囲が生じるため、完成形全体で計算します。


構造物の前後で法面が巻き込む場合も、平面上の変化が大きくなります。橋台や函渠の側面に沿って小段が曲がる、擁壁天端へ接続する、管理用平場へ広がるといった形状は、通常の直線区間とは分けて計算する必要があります。


平面上の変化が複雑な場所では、横断面法だけでなく、平面投影面積や三次元設計面を使って確認すると、張り出し範囲を把握しやすくなります。ただし、計算方法を混在させる場合は、各方法の計算境界を明確にし、同じ範囲を二重に含めないようにします。


三次元データで法面小段を計算する際の注意

三次元の現況地形面と完成形設計面を使用すると、法面小段を含む複雑な盛土体積を面的に計算できます。曲線部、造成地の角部、盛土端部、構造物周辺など、横断面だけでは表しにくい形状を扱いやすい点が利点です。


三次元計算では、現況地形面と完成形設計面の高さ差を計算し、完成形が現況面より高い部分を盛土として集計します。小段は完成形設計面の一部として作成し、上段法面、小段面、下段法面の境界線を明確に設定します。


特に重要なのは、小段内側端と外側端を形状の折れ線として与えることです。点の密度が高くても、折れ線が設定されていなければ、面の作成過程で上段法面と下段法面が斜めに補間され、小段が消えることがあります。小段幅が狭いほど、この影響を受けやすくなります。


小段面に横断勾配がある場合は、内側端と外側端の高さを正しく設定します。両端を同じ高さにすると、設計図とは異なる水平面が作られます。縦断方向に高さが変化する小段では、各変化点をつなぐ線も設計条件に合わせます。


現況地形面には、地盤以外の点を含めないようにします。植生、車両、重機、仮設物、資材などが残ると、実際の地盤より高い面が形成され、盛土量が少なく計算される可能性があります。反対に、地表面の欠測部を不適切に補間すると、谷や段差が実際より深くなり、盛土量が過大になることがあります。


計算範囲の境界線も確認します。盛土本体だけを対象とするのか、小段、法尻部、すり付け部、取付部まで含めるのかを明確にします。境界線が小段の途中を横切っていれば、張り出し量の一部が計算範囲外になります。


構造物を別数量とする場合は、完成形設計面から構造物範囲を除外するか、構造物の占有体積を後から控除します。どちらの方法を使う場合でも、基礎材や背面埋戻しをどの面に含めたかを記録します。


三次元計算では総体積だけが表示されることがありますが、総量だけで妥当性を判断しないことが重要です。代表的な測点で横断面を切り出し、小段幅、折れ点、高さ、現況地盤との交点が設計図と一致しているか確認します。


断面法と三次元計算の結果が異なる場合は、計算範囲、基準面、断面間隔、曲線部の延長、盛土端部、構造物控除、現況地形の補間などを比較します。計算方式が異なれば一定の差が生じることはありますが、大きな差がある場合は入力条件の不一致を疑います。


数量計算書と現場確認を一致させる方法

盛土体積の計算では、最終的な合計数量だけでなく、その数量がどの範囲と断面から求められたかを説明できることが重要です。法面小段は形状変化が多いため、計算書、設計図、現地の位置関係を一致させておく必要があります。


数量計算書には、測点、区間長、盛土断面積、平均断面積、区間体積、累計体積を記載します。小段の開始、終了、幅変更、段数変更、法勾配変更、構造物接続などがある位置では、変化の内容が分かるように整理します。


断面図には、上部平場端、小段内側端、小段外側端、法尻、現況地盤との交点を表示します。小段幅と高さだけでなく、排水施設や別材料との境界も示すと、盛土面積の範囲を確認しやすくなります。


計算書で使用する測点名と、平面図や横断図の測点名は統一します。追加断面を設けた場合は、その位置を平面図へ表示し、どの区間を分割したかが分かるようにします。計算書だけに追加測点が存在すると、後から再計算するときに位置を特定できません。


設計変更が発生した場合は、変更前後の計算条件を区別します。小段幅、法勾配、排水施設位置、盛土端部、構造物形状などが変わると、盛土量だけでなく法尻位置や施工範囲も変わります。変更箇所を含む区間だけを再計算できるよう、区間分けを明確にします。


現場では、法面小段の内側端、外側端、高さ、法尻位置を確認します。設計断面上の折れ点を現地の位置へ対応させることで、計算上の張り出し範囲と実際の施工範囲を照合できます。


施工途中の計測結果を使用して出来高や残土量を確認する場合は、完成形設計面と施工中の現況面の基準をそろえます。施工途中の法面が未整形である場合、設計面との差がそのまま不足盛土または過剰盛土を示すとは限りません。施工段階と完成条件を区別して評価します。


数量計算に使った現況地形データ、設計図の改訂状態、計算範囲、端数処理方法を記録しておくと、照査や変更対応がしやすくなります。同じ名称のデータでも取得時期や内容が異なることがあるため、使用したデータを識別できる状態にします。


法面小段の体積計算で起こりやすい間違い

法面小段の体積計算で起こりやすい間違いは、小段を省略した連続法面を完成形として使用することです。標準横断図には小段が示されていても、数量用の個別横断面へ展開するときに簡略化すると、外側へ張り出す部分が盛土面積へ含まれません。


反対に、小段を含む完成形で既に盛土体積を求めているにもかかわらず、小段幅と延長から算出した概算体積を加算すると、二重計上になります。小段の張り出し量を別途求める場合は、完成形全体の数量に含まれているかを確認します。


小段幅を全区間へ一律に適用することも注意が必要です。小段が途中から発生する区間、幅が変化する区間、盛土端部で消える区間を分けなければ、過大計上または不足が生じます。


左右の法面を同じ形状として扱う誤りもあります。地形、構造物、用地条件によって左右の小段数や幅が異なる場合、左右を分けて完成形を作成します。


小段部分を単純な長方形として計算し、現況地盤との重なりを考慮しない方法も誤差の原因です。傾斜地では、小段の内側が地山へ食い込み、全幅が盛土になるとは限りません。完成形と現況地盤の差として断面積を求めます。


小段面の勾配を無視することもあります。幅が狭く単一区間であれば影響が小さいこともありますが、長い区間では体積差が積み重なります。小段外側端の高さが変われば、下段法面の始点と法尻位置にも影響します。


側溝や排水施設を含む小段をすべて盛土として計算し、構造物数量も別途計上すると重複します。構造物本体、基礎材、盛土材の境界を断面上で区分します。


盛土面積と切土面積を同一断面内で相殺し、差引面積だけを体積計算に使用することも避ける必要があります。盛土と切土は施工内容が異なるため、基本的には分けて集計します。


断面間隔が粗く、小段の開始、終了、地形急変を捉えていない場合は、平均断面法の誤差が大きくなります。形状が変化する位置へ追加断面を設定します。


曲線部で中心線上の区間長だけを使用し、片側の小段が大きく張り出す影響を無視すると、実形状との差が生じることがあります。急曲線や非対称断面では、平面上の延長や三次元形状も確認します。


三次元計算では、小段の折れ線が設計面へ反映されず、斜めの面として補間されることがあります。画面上の表示だけで判断せず、代表断面を切り出して小段幅と折れ点を確認します。


計算途中で断面積や区間体積を早い段階から丸めると、区間数が多いほど累積差が生じます。内部計算では必要な桁数を保持し、最終集計時に所定の方法で端数を整理します。


まとめ

盛土の体積計算で法面小段の張り出し量を正しく拾うには、小段幅と施工延長を単純に掛けるのではなく、小段を含む完成形断面と現況地盤との関係を確認することが重要です。


最初に、小段幅、設置高さ、小段面の勾配、上下の法勾配、段数、開始位置、終了位置を整理し、完成形断面の折れ点を確定します。小段内側端と外側端の基準をそろえ、左右の法面条件も分けて確認します。


次に、小段が発生する区間、幅が変わる区間、段数が変わる区間、消滅する区間を分けます。通常の横断測点と変化点が一致しない場合は、追加断面を設定して平均断面法の誤差を抑えます。


現況地盤が小段へ食い込む場所では、小段の全幅が盛土になるわけではありません。完成形線と現況地盤線を重ね、実際に盛土となる部分の面積を求めます。表土除去、段切り、既設盛土撤去などがある場合は、どの施工基面を体積計算の基準にするかを統一します。


小段上の側溝、縦排水、階段、基礎材、構造物背面埋戻しなどは、本体盛土との材料区分を整理し、重複計上を防ぎます。曲線部、造成地の角部、盛土端部、構造物接続部では、平面上の張り出し形状にも注意が必要です。


三次元データを使う場合は、小段の内側端と外側端を折れ線として設定し、現況地形面、計算境界、構造物控除が適切かを確認します。総体積だけで判断せず、代表横断面を作成して設計図との整合を確かめます。


数量計算書には、測点、区間長、断面積、区間体積だけでなく、小段の開始や幅変更などの計算条件を残します。平面図、横断図、数量計算書、現地の位置情報をそろえることで、照査や設計変更にも対応しやすくなります。


現場で小段内側端、小段外側端、法尻の位置や高さを確認する際は、Phoneを活用して位置情報と現況を記録すると、設計断面と施工形状を照合しやすくなります。盛土の体積計算と現場確認を同じ基準で結び付け、法面小段の張り出し量の拾い漏れや二重計上を減らしていきましょう。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page