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足場の88条申請で作業床と手すりを確認する5視点

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

足場の88条申請を進めるとき、図面や届出様式の整合性に目が向きがちですが、実務上の確認で特に重要になるのが作業床と手すりです。足場は単に建物の外側へ組む仮設物ではなく、作業者が立ち、移動し、材料や工具を扱い、外壁や設備に近づいて作業するための作業空間です。そのため、作業床の有効幅が足りない、床材間や建地まわりの隙間が大きい、手すりや中桟、幅木の機能が途中で切れている、昇降部や端部の納まりが曖昧であるといった不整合は、墜落、転落、物の落下、現場での手直しにつながります。


88条申請は、足場を設置する事実だけを届け出る手続きではありません。一定の足場について、工事開始前に計画を届け出る必要があるかを判断し、届出対象となる場合には、安全に使用できる計画として説明できる資料を整える実務です。足場では、構造、高さ、設置期間、組立てから解体までの工程、周囲の状況、作業内容を一体で確認する必要があります。特に作業床と手すりは、作業者が毎日使う場所に直接関わるため、図面上の線や記号だけではなく、現地条件と施工順序に照らして確認することが重要です。


この記事では、「88条申請 足場」で検索する実務担当者に向けて、足場の88条申請で作業床と手すりを確認する5つの視点を解説します。法令上の数値は最低限の確認軸として扱いながら、申請資料を作る前に現地で何を見て、図面に何を反映し、工事中の変更や点検までどうつなげるかを、公開前の実務記事として安全な表現で整理します。なお、届出の要否や提出先、必要書類の扱いは工事条件や所轄労働基準監督署の運用確認が関係するため、最終判断は個別の計画に即して確認することが前提です。


目次

88条申請で作業床と手すりを確認する意味

視点1:作業床の幅と連続性を図面で説明できるか

視点2:床材間と建地側の隙間を現場条件でつぶせているか

視点3:手すり、中さん、幅木の位置と機能が切れないか

視点4:昇降部、開口部、端部で墜落リスクが残らないか

視点5:組立て、変更、点検の流れまで申請資料に反映できるか

まとめ:88条申請は作業床と手すりを現場で使える形にする確認です


88条申請で作業床と手すりを確認する意味

足場の88条申請で最初に押さえたいのは、申請対象になるかどうかの判断だけで終わらせないことです。労働安全衛生法第88条は、一定の機械等を設置、移転、主要構造部分を変更しようとするときなどに、工事開始日の30日前までに計画を届け出る枠組みを定めています。足場の実務では、労働安全衛生規則上の対象に該当するかを、足場の種類、高さ、設置期間、組立てから解体までの期間、工事内容などから確認します。一般に、足場の88条申請と呼ばれる場面では、高さ10メートル以上の構造の足場で、組立てから解体までの期間が一定以上となる計画などが検討対象になりやすく、所轄労働基準監督署長への届出要否を確認する流れになります。


ただし、届出対象かどうかの判定と、足場が安全に使えるかどうかの確認は別の作業です。届出の要否を確認しただけでは、作業床が十分に連続しているか、手すり等が必要な箇所で機能しているか、建物側の隙間や昇降部の開口が危険な状態になっていないかまでは分かりません。作業床と手すりは、足場計画の中でも現場使用時の安全に直結する部分であり、申請資料の段階から具体的に説明できるようにしておく必要があります。


作業床は、作業者が立ち、歩き、材料や工具を扱う場所です。手すり、中桟、幅木、メッシュシート、防網などは、作業者の墜落や物体落下による危険を防ぐために機能します。構造図や平面配置が整っていても、実際に人が使う床面が途中で切れていたり、建地まわりや建物側の隙間が大きかったり、手すりが昇降部や資材受け渡し部で抜けたままになったりすれば、安全な足場計画とは言いにくくなります。


88条申請の資料を作るときは、足場の外形寸法、平面図、立面図、断面図、建物との離れ、昇降設備、搬入経路、作業内容を個別に見るだけでは不十分です。作業者がどこから足場へ上がり、どの床を通って、どの位置で作業し、どこに材料を仮置きし、どの方向へ退避するのかという動線を想定しながら、作業床と手すりが連続しているかを確認する必要があります。図面上では作業床が広く見えても、建地、手すり、幅木、壁つなぎ、養生材、既存配管、庇、看板などによって有効幅が狭くなることがあります。


実務担当者が迷いやすいのは、法令上の数値を満たすことと、申請資料として安全な計画を説明できることの間に差がある点です。数値は重要な基準ですが、現場ごとに建物形状、施工順序、作業人数、材料の搬入方法、近隣との離隔、第三者通行の有無が異なります。同じ足場形式でも、外壁の凹凸が多い建物、設備配管が密集する建物、隣地境界に近い建物、改修中に既存手すりや外装材を撤去する建物では、作業床や手すりの確認ポイントが変わります。


したがって、88条申請では作業床と手すりを、あるかないかだけで確認しないことが大切です。どこに、どの高さで、どの幅で、どの範囲に、どの工程まで、どのように連続して設けるかを確認し、図面と施工計画に反映する必要があります。申請書類の作成担当者、足場業者、元請の現場担当者、実際に作業する協力会社の認識がずれていると、図面上は整っていても、組立て後に手直しや追加説明が必要になります。申請前に作業床と手すりを丁寧に確認することは、届出対応だけでなく、着工後の手戻りと安全上の不安を減らすためにも有効です。


視点1:作業床の幅と連続性を図面で説明できるか

作業床を確認する最初の視点は、幅と連続性です。労働安全衛生規則では、足場の作業床について、足場の種類や条件に応じた基準が定められています。つり足場の場合など一部の扱いを除き、足場における高さ2メートル以上の作業場所には作業床を設けることが求められ、作業床の幅は40センチメートル以上、床材間の隙間は3センチメートル以下、床材と建地との隙間は12センチメートル未満とする基準が示されています。一側足場やつり足場などでは条文上の扱いが異なる部分があるため、実際の計画では足場の種類を前提に確認することが必要です。


申請実務では、幅40センチメートル以上という数値だけを図面に書けば十分というわけではありません。どの段に作業床を設けるのか、どの方向に連続しているのか、建物側と外側のどちらで作業するのか、昇降設備から作業位置まで無理なく移動できるのかを説明できることが重要です。作業者が実際に歩く範囲、材料を仮置きする範囲、外壁面へ近づく範囲を想定し、通路として使う床と作業位置として使う床を分けて考える必要があります。


作業床の幅は、床材の規格寸法だけで判断すると誤りやすくなります。現場で使える有効幅は、建地、手すり、幅木、壁つなぎ、養生材、仮設配線、既存配管、建物側の出っ張りなどの影響を受けます。足場芯から外壁までの寸法を示していても、作業者が安全に立てる床面がどれだけ残るかは別の問題です。特に改修工事では、バルコニー、庇、看板、雨どい、換気口、設備配管などが干渉しやすく、標準断面どおりに床材を割り付けられない箇所が出ることがあります。


88条申請の前には、標準部だけでなく、作業床が狭くなる箇所を把握しておくことが大切です。建物の角、階段室まわり、外壁がセットバックしている部分、設備配管の近く、隣地境界に近い部分、搬入車両や仮囲いと干渉する部分では、作業床の幅が一定にならない場合があります。このような場所を図面に反映せず、標準断面だけで申請資料を整えると、現場で組立てた後に、ここは作業床として安全に使えるのかという確認が発生しやすくなります。


作業床は、幅だけでなく連続性も重要です。途中で床が途切れると、作業者は足場部材をまたぐ、狭い箇所を横移動する、無理な姿勢で外壁に手を伸ばすといった動きを取りやすくなります。これは墜落や転倒だけでなく、工具や材料の落下、作業品質の低下にもつながります。申請資料では、どの階層を作業床として使うのか、昇降設備からどのようにアクセスするのか、端部でどのように止まるのかを平面図と断面図で対応させると説明しやすくなります。


現地調査の段階では、建物外周を一周し、標準断面どおりに作業床を確保できない場所を洗い出すことが有効です。設計図だけでは分からない既設物、仮設物、隣地との離隔、架空線や設備機器の位置、搬入経路などが、足場配置や作業床幅に影響します。作業床の確認は、数量拾いの後に行う補足作業ではなく、足場計画の前提を決める現地確認項目です。


申請資料に落とし込むときは、作業床の幅を数値で示すだけでなく、標準断面、狭小部の断面、平面上の作業床範囲を対応させることが重要です。現場条件によって標準と異なる納まりになる箇所は、別途メモや詳細図で理由を残しておくと、社内確認や監督署への説明、足場業者との再確認に対応しやすくなります。作業床は足場の床ですが、88条申請では安全に作業できる範囲を示す資料として扱う意識が必要です。


視点2:床材間と建地側の隙間を現場条件でつぶせているか

次に確認したいのが、床材間と建地側の隙間です。床材間の隙間、床材と建地との隙間、建物側との離れ、コーナー部の納まりは、図面上では小さな差に見えても、現場では大きなリスクになります。法令上も、通常の足場では床材間の隙間を3センチメートル以下、床材と建地との隙間を12センチメートル未満とする基準が示されています。ただし、床材と建地との隙間については、一定の条件に該当し、防網を張るなど墜落による危険を防止する措置を講じた場合に、原則基準の適用関係が変わる扱いがあります。したがって、例外的な納まりにする場合は、なぜその納まりが必要なのか、どの危険防止措置を講じるのかを説明できることが大切です。


床材間の隙間は、足が完全に落ちるほど大きくなくても危険です。作業者がつまずく、工具や小部材が落下する、床材の端部に荷重が偏る、床面の段差に気づかず体勢を崩すといったリスクがあります。外壁補修や設備工事では、ビス、金物、小型工具、補修材など細かい物を扱うことが多く、隙間からの落下が下階の作業者や第三者への危険につながることがあります。88条申請の段階では、床材の割り付け、支持部の位置、資材仮置き場所を合わせて確認し、隙間が生じやすい場所を見逃さないことが重要です。


建地側の隙間は、平面図だけでは見えにくい確認ポイントです。建地と床材の関係は、足場の形式、床材の割り付け、壁つなぎ、ブラケット、建物側の離れ、コーナー部の納まりによって変わります。標準部では問題がなくても、出隅、入隅、曲面、段差、庇まわり、バルコニーまわりでは、床材と建地の位置関係が崩れやすくなります。現場で足場板を少しずらして納める、一部だけ短い床材を使うといった調整を行うと、申請図面と実物の隙間が変わることがあります。


隙間の確認で大切なのは、数値だけを追いかけるのではなく、作業姿勢と動きを想定することです。作業者は常に床の中央に立っているわけではありません。外壁に手を伸ばす、材料を持って横移動する、しゃがんで作業する、体をひねる、仮置き資材を避けるといった動きをします。そのとき、足元の隙間が視界に入りにくかったり、資材で隠れたりすると、転倒や踏み外しにつながります。隙間の確認は、基準値を満たすかだけでなく、作業中に危険な踏み外しや落下が起きにくい状態かという観点で行う必要があります。


88条申請の資料では、隙間が問題になりそうな箇所を断面図や詳細図で示すと説明しやすくなります。建物外壁との離れ、建地位置、床材の幅、床材の支持位置、手すりや幅木の位置が分かる断面を用意すれば、作業床の安全性を一体で確認できます。隣地境界が近い現場や既存建物の形状が複雑な現場では、標準断面だけでなく、代表的な特殊部の断面を準備しておくと、申請前の確認が具体的になります。


隙間は、組立て時だけでなく工事中の変更でも生じます。外壁材の撤去、設備配管の交換、仮設養生の追加、資材搬入のための一時的な床材移動、作業段の変更などにより、当初計画とは異なる状態になることがあります。申請前の段階で、どの作業で床材の取り外しや変更が起こり得るかを想定し、必要な場合は一時的な措置、立入制限、復旧確認のルールを決めておくことが、実務上の安全管理につながります。


隙間を確認するときは、現地調査写真と図面を対応させることも有効です。現場のどの位置にどのような障害物があり、作業床にどのような影響を与えるのかを記録しておくと、足場業者との打ち合わせ、社内承認、申請資料の修正時に判断しやすくなります。作業床の隙間は小さな寸法の問題に見えますが、実際には現場条件をどれだけ丁寧に反映できているかを示す重要な確認項目です。


視点3:手すり、中さん、幅木の位置と機能が切れないか

手すりの確認では、高さや部材の有無だけでなく、連続性と機能を見ることが重要です。足場における墜落防止設備は、丈夫な構造で、たわみが生じるおそれがなく、著しい損傷、変形、腐食がないものとして設ける必要があります。わく組足場では交さ筋かい、桟、幅木、手すりわくなどの組み合わせが関係し、わく組足場以外では手すり等と中桟等の配置が重要になります。手すり等の高さや中桟等の位置は、足場の種類や適用される規定に応じて確認し、関係規定で用いられる高さ85センチメートル以上の手すり等、高さ35センチメートル以上50センチメートル以下の中桟等といった基準を安易に読み違えないことが大切です。


ここで注意したいのは、手すりがあることと、墜落防止機能が切れずに働くことは別だという点です。標準部では手すりが連続していても、出入口、昇降設備、資材受け渡し口、コーナー、妻側、建物との取り合い、作業床の段差部などで手すりが途切れることがあります。申請資料では、標準的な立面図だけでなく、手すりが途切れやすい箇所を確認し、必要に応じて詳細な納まりや作業中の立入管理を示すことが大切です。


手すりと中桟は、作業者の体が外側へ倒れたり、足元を滑らせたりしたときに、墜落を防ぐために一体で機能します。上部の手すりだけがあっても、床面との間が大きく空いていれば、しゃがみ作業や中腰作業のときに体が抜けるリスクが残ります。反対に、中桟だけがあっても、上半身を支える機能は十分ではありません。したがって、手すりと中桟をセットで確認し、作業姿勢に応じて危険な開口が残らないかを見る必要があります。


幅木も見落とされがちな重要項目です。作業のため物体が落下することで労働者に危険を及ぼすおそれがあるときは、高さ10センチメートル以上の幅木、メッシュシート、防網、または同等以上の機能を持つ設備を設ける考え方があります。外壁工事や設備工事では、小型工具、金物、ビス、補修材などが多く使われます。足場下に作業者、通行人、車両、既存設備がある場合、物の落下は大きな事故につながります。手すりと中桟が墜落防止を担い、幅木や養生が物体落下防止を補うという関係で確認すると、足場全体の安全性を説明しやすくなります。


手すりの確認では、部材の状態も無視できません。仮設材に損傷、変形、腐食、著しいたわみがある場合、図面上は手すりとして描かれていても、現場では安全機能を満たせない可能性があります。88条申請の段階で個々の部材状態まで全て確定することが難しい場合でも、使用材料の管理、組立て後の点検、不良材を使わない体制を施工計画の中で説明できるようにしておくと、実効性のある計画になります。


手すりは外側だけでなく、建物側にも注意が必要です。建物に近接しているから安全とは限りません。建物側に大きな隙間がある場合、外壁面が途中で途切れる場合、開口部や吹抜けに面する場合、建物側にも墜落リスクが生じます。改修工事では、外壁材、サッシ、バルコニー手すりなどの既存部材を撤去する工程があり、作業床と建物側の境界が途中で変わることがあります。申請前に施工順序を確認し、どの時点でどの側に墜落リスクが生じるのかを把握しておくことが重要です。


また、作業の必要上、手すりや中桟などの足場用墜落防止設備を臨時に取り外す場合は、要求性能墜落制止用器具を安全に取り付けるための設備等を設けて使用させることや、関係作業従事者以外の立入を禁止することなど、危険防止措置と復旧ルールが必要になります。取り外した設備は、必要がなくなった後に直ちに原状に復すことを前提に管理しなければなりません。申請資料では、外したまま使う計画に見えないよう、作業範囲、時間帯、監視、復旧確認を明確にしておくことが望まれます。


視点4:昇降部、開口部、端部で墜落リスクが残らないか

足場の事故や手戻りは、標準部よりも昇降部、開口部、端部で起こりやすくなります。標準部の作業床や手すりが整っていても、足場へ上がる場所、作業床が切り替わる場所、資材を受け渡す場所、足場が終わる端部に危険が残っていると、計画全体の安全性が損なわれます。88条申請では、標準断面だけでなく、こうした切れ目を重点的に確認する必要があります。


昇降部では、作業者が手すりを持ち替えたり、体の向きを変えたり、工具や材料を持ったまま移動したりします。そのため、作業床から昇降設備へ移る部分に段差や隙間があると、転倒や踏み外しが起きやすくなります。昇降口まわりでは、開口を確保するために手すりや中桟が途切れる場合がありますが、その場合も、扉、囲い、手すりの折り返し、立入管理、使用時以外の閉鎖といった方法により、通常作業時に墜落リスクが残らない納まりにすることが必要です。


資材搬入や荷揚げのための開口部も重要です。作業の必要上、一時的に手すり、幅木、メッシュシートなどを取り外す場面がある場合、取り外している間の墜落防止措置、落下物防止措置、関係者以外の立入禁止、作業終了後の復旧確認を明確にしなければなりません。開口部の位置が図面に表れていないと、現場でその場判断になりやすく、申請資料と実際の管理がずれる原因になります。


端部の確認も申請前に欠かせません。足場の端部では、平面図上の足場ラインが終わるため、手すりの折り返し、妻側の墜落防止、作業床の固定、幅木の止まり方を確認する必要があります。外壁面に沿った長い足場では、端部が目立ちにくく、図面でも簡略化されがちです。しかし、現場では端部からの出入り、資材の仮置き、作業者の方向転換が発生するため、端部の処理が曖昧だと危険が残ります。


開口部や端部では、作業床と手すりを別々に見るのではなく、一体の安全区画として確認することが大切です。床が途切れる場所には、手すり、囲い、覆い、立入制限などが必要になります。手すりが途切れる場所には、作業床の使用範囲を制限したり、別の墜落防止措置を講じたりする必要があります。作業床と手すりのどちらか一方だけを整えても、もう一方に抜けがあれば安全な動線にはなりません。


昇降部、開口部、端部は、工事の進行によって状態が変わりやすい場所です。外壁材の撤去、設備の搬入、仕上げ工事、検査、清掃、解体準備などの工程で、一時的に開口が増えたり、手すりを外したり、作業床の使い方が変わったりします。88条申請の段階では、最終的な足場形状だけでなく、工事中にどのような変更が起きるかを想定しておくことが重要です。


実務では、申請資料の中に標準図だけを入れるのではなく、昇降部、荷揚げ部、端部、特殊な開口部の位置を平面図で示し、必要に応じて断面や詳細で補足すると説明しやすくなります。現地で撮影した写真に位置やメモを紐づけ、どの場所にどの納まりが必要かを整理しておくと、足場業者との打ち合わせや社内確認がスムーズになります。88条申請の品質は、標準部のきれいな図面だけでなく、例外部分をどれだけ丁寧に扱えるかで大きく変わります。


視点5:組立て、変更、点検の流れまで申請資料に反映できるか

足場の88条申請で作業床と手すりを確認するときは、完成形だけでなく、組立て、変更、点検、解体までの流れを見る必要があります。足場は設置した瞬間から解体まで同じ状態で使われるとは限りません。外壁工事や設備工事の進行に合わせて、作業床の一部を変更したり、手すりや幅木を一時的に外したり、養生を追加したり、昇降設備の使い方を変えたりすることがあります。そのため、申請時点で完成形だけを示しても、実際の作業中に安全性が保たれるかは別途確認が必要です。


労働安全衛生規則では、つり足場、張出し足場、高さ2メートル以上の構造の足場の組立て、解体、変更作業について、作業の時期、範囲、順序を作業者へ周知すること、作業区域内への関係作業従事者以外の立入を禁止すること、強風、大雨、大雪などで危険が予想されるときは作業を中止することなどが定められています。また、足場材の緊結、取り外し、受渡し等の作業では、原則として幅40センチメートル以上の作業床を設けることや、要求性能墜落制止用器具を安全に取り付けるための設備等を設けて使用させることが求められます。


申請資料では、作業床と手すりの配置図だけでなく、組立てや変更の手順と矛盾しないかを確認することが重要です。組立て途中に作業床がまだ設けられていない状態で高所作業が発生する場合、どのように墜落防止措置を取るのかを検討しなければなりません。手すりを後から設置する計画であれば、その前段階で作業者がどこに立ち、どの設備に要求性能墜落制止用器具を取り付けるのかを明確にする必要があります。完成形では安全でも、組立て途中が危険であれば計画として不十分です。


変更時の扱いも重要です。工事中に足場の一部を解体したり、張り出し部を追加したり、作業床の段を変えたりする場合、当初の申請資料と実際の足場状態がずれることがあります。小さな変更でも、作業床の幅、床材間の隙間、建地側の隙間、手すりの連続性、端部処理に影響することがあります。主要構造部分の変更や届出内容との関係が問題になる場合は、社内の安全衛生担当者や所轄労働基準監督署に確認し、必要な手続きを誤らないようにすることが大切です。


点検の流れも、作業床と手すりの安全性を維持するために欠かせません。現行の規則では、足場で作業を行うとき、その日の作業開始前に点検者を指名して、作業箇所に設けた足場用墜落防止設備の取り外しや脱落の有無を点検させることが定められています。また、強風、大雨、大雪などの悪天候、中震以上の地震、組立て、一部解体、変更の後に作業を行う場合には、点検者を指名して、床材の損傷、取付け、掛渡しの状態、緊結部や接続部の緩み、足場用墜落防止設備や幅木等の取り外しの有無などを点検させることが必要です。組立て、一部解体、変更後などの点検については、点検結果と点検者の氏名、補修等を行った場合の内容を記録し、足場を使用する作業が終了するまで保存することも求められます。


88条申請の段階で点検まで考えておくと、資料の説得力が増します。作業床と手すりを設ける計画だけでなく、それらが工事中に維持される仕組みを示せるからです。どのタイミングで誰が確認するのか、異常があった場合にどのように補修し、誰が作業再開を判断するのかを整理しておくと、現場運用に落とし込みやすくなります。特に大規模な足場や長期間使用する足場では、日々の点検と記録が安全管理の基礎になります。


組立て、変更、点検の流れを申請資料に反映するには、現地調査の段階から記録の取り方を決めておくことが有効です。作業床の狭小部、手すりが途切れやすい箇所、開口部、昇降部、端部、建物側の隙間などを写真とメモで残し、図面番号や位置と対応させておくと、申請資料の作成や修正がしやすくなります。後からその場所はどうなっていたかを確認する時間を減らすことができ、関係者間の認識違いも防ぎやすくなります。


また、88条申請の実務では、足場業者だけでなく、元請、発注者、設計者、協力会社、建物管理者、近隣関係者との調整が発生する場合があります。作業床と手すりの確認結果を分かりやすく共有できれば、安全上の懸念だけでなく、搬入計画、作業時間、通行制限、養生範囲などの調整にも役立ちます。足場は仮設物ですが、工事期間中の作業環境そのものです。申請資料は、法令対応の書類であると同時に、関係者が安全な作業環境を共有するための実務資料でもあります。


まとめ:88条申請は作業床と手すりを現場で使える形にする確認です

足場の88条申請で作業床と手すりを確認する目的は、届出に必要な資料をそろえることだけではありません。作業者が安全に立ち、移動し、作業し、資材を扱える足場になっているかを、申請前の段階で具体的に確認することです。作業床の幅と連続性、床材間や建地側の隙間、手すりや中桟、幅木の機能、昇降部や開口部、端部の処理、そして組立て、変更、点検の流れまで見ていくことで、図面上の足場を現場で使える計画に近づけることができます。


「88条申請 足場」で情報を探している実務担当者にとって重要なのは、対象判定や提出期限を押さえるだけでなく、申請後に現場で困らない資料を作ることです。作業床や手すりの不備は、申請資料の修正、現場での組み直し、作業中断、安全指摘につながりやすい部分です。だからこそ、標準図だけで済ませず、現地の特殊条件、作業動線、施工順序、点検体制まで含めて確認することが大切です。


実務では、最初から完璧な資料を作ろうとするよりも、現地調査で危険が残りやすい箇所を拾い、足場計画に反映し、関係者と確認しながら精度を上げていく進め方が現実的です。特に作業床と手すりは、現地写真、位置、図面、メモがつながっているほど確認しやすくなります。申請前の段階で、どこを見たのか、なぜその納まりにしたのか、変更時はどう復旧するのかを説明できれば、審査対応だけでなく、現場管理の質も高まります。


足場の88条申請を安全管理の実務に生かすなら、作業床と手すりの確認結果を現場で共有しやすい形で残すことが重要です。現地で撮影した写真、位置情報、メモ、図面との対応関係を整理し、申請資料、施工計画、点検記録に連動させれば、関係者が同じ前提で足場の安全性を確認しやすくなります。作業床と手すりを現場で使える形にすることが、88条申請を単なる書類作成で終わらせないための基本です。


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