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88条申請の対象設備を確認!提出期限に影響する4要素

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

88条申請は、対象設備や工事の内容によって「何日前までに提出するのか」が変わるため、実務担当者が迷いやすい手続きです。法令上は、労働安全衛生法第88条に基づく「計画の届出」と整理されるのが基本ですが、現場では慣用的に「88条申請」と呼ばれることがあります。特に足場、架設通路、型枠支保工、局所排気装置、化学設備などが関係する現場では、着工直前になって届出対象だと分かり、工程調整や書類作成に追われるケースがあります。この記事では、「88条申請 何日前」と検索している実務担当者に向けて、対象設備の考え方、提出期限に影響する4要素、期限遅れを防ぐ確認手順を、現場で使いやすい形で解説します。


目次

88条申請は何日前までに必要か

88条申請の対象設備を確認する基本

対象設備として確認されやすい機械・仮設設備

提出期限に影響する4要素

30日前と14日前を間違えやすい理由

工事開始日の考え方で期限は変わる

対象外に見えても注意すべきケース

書類作成で遅れやすいポイント

期限遅れを防ぐ実務フロー

まとめ:対象設備と開始日を早めに確定する


88条申請は何日前までに必要か

88条申請は、一般に労働安全衛生法第88条に基づく計画の届出を指して使われる実務上の呼び方です。法令上は「申請」というより「届出」と整理される手続きであり、一定の機械等を設置、移転、または主要構造部分を変更する場合や、一定規模・一定種類の建設工事、土石採取の仕事を開始する場合に、事前に計画を届け出るものです。


「88条申請は何日前か」という問いに対する基本は、届出区分によって分けて考えることです。機械等設置・移転・変更届に該当する場合は、当該工事の開始日の30日前までが原則です。足場、架設通路、型枠支保工、局所排気装置、化学設備など、法令で定められた機械等を設置、移転、変更する場合は、この30日前が重要な基準になります。


一方で、建設工事・土石採取に関する計画届では、仕事の規模や種類により、30日前までの届出と14日前までの届出に分かれます。特に大規模な建設工事は30日前までに厚生労働大臣へ届け出る区分があり、一定の建築物、橋梁、ずい道、掘削、石綿等、廃棄物焼却炉設備の解体等に関する仕事などは、14日前までに所轄の労働基準監督署長へ届け出る区分があります。そのため、88条申請を単純に「すべて30日前」または「すべて14日前」と覚えると、届出区分を取り違えるおそれがあります。


本記事の主なテーマである「対象設備」を確認する場合、まず見るべきは機械等設置・移転・変更届の対象になるかどうかです。設備そのものが届出対象であれば、作業でその設備を使い始める日ではなく、設置、組立て、移転、または主要構造部分の変更に関する工事を始める日を基準に30日前を逆算します。使用開始日や本体工事の開始日だけを基準にすると、届出期限を誤ることがあります。


実務では、30日前や14日前を法律上の最低ラインとして見るだけでは不十分です。図面、構造計算、作業方法、災害防止措置、計画参画者の確認、元請や協力会社との調整、提出先の確認などに時間がかかるため、社内締切はさらに前倒しする必要があります。特に足場や型枠支保工のように、現地条件によって計画が変わりやすい設備では、届出期限の直前に図面修正が発生しやすくなります。


したがって、実務担当者が最初に押さえるべきポイントは、「何日前か」だけではありません。どの設備が対象か、どの様式か、何を工事開始日と見るか、添付書類がいつ揃うかを同時に確認することが重要です。88条申請の期限管理は、カレンダー上の逆算だけでなく、対象設備の特定から始まる手続きだと考えると、ミスを減らしやすくなります。


88条申請の対象設備を確認する基本

88条申請の対象設備を確認するときは、まず「危険または有害な作業を必要とする機械等」「危険な場所で使用する機械等」「危険または健康障害を防止するために使用する機械等」に該当する可能性があるかを見ます。そのうえで、労働安全衛生規則や関係省令で具体的に定められた機械等に当てはまるかを確認します。


対象設備の判断では、設備名だけでなく、用途、規模、設置期間、設置場所、取り扱う物質、主要構造部分の変更の有無が重要です。たとえば同じ足場でも、つり足場や張出し足場なのか、それ以外の足場で高さが10メートル以上の構造なのか、組立てから解体までの期間が60日以上になるのかによって、届出の要否が変わります。単に「足場だから届出」「短期だから不要」といった判断は危険です。


また、設備を新たに設置するときだけでなく、移転するときや主要構造部分を変更するときも対象になり得ます。現場では「前回と同じ設備を移すだけ」「一部を盛り替えるだけ」「既存設備の能力を変えない改修だけ」と考えがちですが、構造や配置、安全機能、使用条件に関わる変更であれば、届出が必要になる可能性があります。とくに仮設設備は、現場条件に合わせて計画変更が起こりやすいため、変更時の扱いを早めに確認することが重要です。


88条申請の対象設備は、建設現場だけに限られません。工場、研究施設、処理施設、製造ライン、保守作業場所などでも、動力プレス、溶解炉、乾燥設備、アセチレン溶接装置、ガス集合溶接装置、化学設備、局所排気装置、放射線に関係する装置などが関係することがあります。建設業の担当者だけでなく、設備保全、製造技術、安全衛生、施設管理の担当者も、対象設備の考え方を理解しておく必要があります。


確認の起点として有効なのは、設備を「何のために設置するのか」で分類することです。生産加工のための機械なのか、危険物や有害物を扱う設備なのか、墜落や倒壊の危険を伴う仮設設備なのか、作業環境を改善するための換気設備なのかによって、確認すべき資料が変わります。設備名称だけで検索するよりも、用途と危険性をセットで整理したほうが、届出対象の見落としを防ぎやすくなります。


さらに、対象設備の確認では「誰が届出者になるのか」も重要です。機械等設置・移転・変更届では、原則として事業者が届出を行います。建設工事の計画届では、数次の請負関係がある場合に、発注者が自ら仕事を行うか、元請負人がいるかによって整理が変わる場合があります。複数社が関わる現場では、設備の所有者、施工者、使用者、元請の役割が分かれるため、早い段階で届出主体を確認しておかなければ、期限直前に責任分担が曖昧になります。


対象設備かどうかの判断に迷う場合は、図面、仕様書、工程表、設置期間、作業方法をそろえたうえで、所轄の労働基準監督署に確認するのが安全です。口頭で「対象ですか」と聞くだけでは、判断に必要な前提が伝わらないことがあります。実務では、設備の概要、規模、設置場所、設置期間、変更内容を整理してから相談することで、届出要否の確認がスムーズになります。


対象設備として確認されやすい機械・仮設設備

88条申請の対象設備として、建設現場で最も確認されやすいものの一つが足場です。つり足場、張出し足場は特に注意が必要で、それ以外の足場でも高さが10メートル以上の構造となる場合は届出対象になり得ます。さらに、足場は組立てから解体までの期間が60日未満の場合に除外される取扱いがありますが、工程変更によって60日以上に延びる可能性がある場合は、当初から慎重に判断する必要があります。


架設通路も見落とされやすい設備です。高さと長さがそれぞれ10メートル以上のものは、対象設備として確認が必要です。現場内の通路は仮設物として扱われるため、足場ほど意識されないことがありますが、高低差のある現場、法面、プラント設備周辺、橋梁関連工事などでは、架設通路の規模が届出対象に達することがあります。作業員が日常的に通行する設備であるため、構造、材質、主要寸法、設置期間を明確にすることが求められます。


型枠支保工も重要な対象です。支柱の高さが3.5メートル以上になる型枠支保工は、倒壊リスクが大きく、計画段階で構造や荷重条件を確認する必要があります。足場と同じ仮設設備の感覚で扱われることがありますが、支える荷重や作業時の安全確保が異なるため、図面や計算の整合性が特に重要になります。高さ、支柱配置、水平つなぎ、斜材、地盤条件、コンクリート打設手順などが届出書類の精度に影響します。


製造現場では、動力プレス、容量が一定以上の溶解炉、一定の乾燥設備、固定式のアセチレン溶接装置やガス集合溶接装置、化学設備などが対象設備として確認されます。これらは機械そのものの危険性に加え、加熱、圧力、火災、爆発、有害物ばく露などのリスクを伴うため、仕様書や設備図だけでなく、取り扱う物質、温度、圧力、標準仕込量、作業条件、附属設備の内容まで整理する必要があります。


有害物を扱う作業では、局所排気装置、プッシュプル型換気装置、全体換気装置、発散源を密閉する設備などが対象になることがあります。有機溶剤、鉛、特定化学物質、粉じんなどに関係する設備は、作業環境や健康障害防止と密接に関係します。換気装置は「安全対策のための設備だから届出対象ではない」と誤解されることがありますが、危険または健康障害を防止するために使用する設備として、88条申請の対象になり得ます。


エックス線装置など、放射線に関係する設備も注意が必要です。研究施設、医療関連施設、検査施設、製造施設では、建設業の仮設設備とは異なる観点で届出対象を確認します。このような設備では、専門部署や外部業者が仕様を管理していることが多いため、安全衛生担当者が届出要否を把握していないまま計画が進むことがあります。設備更新や部屋の改修、遮蔽構造の変更、換気方式の変更がある場合は、早い段階で関係者を集めて確認することが重要です。


つまり、88条申請の対象設備は「建設現場の足場だけ」ではありません。仮設設備、生産設備、換気設備、有害物質関連設備、放射線関連設備など、危険性や健康障害防止に関係する幅広い設備が対象になり得ます。自社の工事や設備更新がどの分類に近いのかを把握し、対象設備の候補を洗い出すことが、提出期限を守る第一歩です。


提出期限に影響する4要素

88条申請の提出期限に影響する第一の要素は、届出の区分です。機械等設置・移転・変更届に該当する場合は、当該工事開始日の30日前までが基本です。一方、建設工事・土石採取計画届では、特に大規模な仕事は30日前、それ以外の一定の仕事は14日前となることがあります。同じ88条に基づく手続きでも、様式、提出先、期限が異なるため、最初に「設備の届出なのか、工事そのものの計画届なのか」を切り分ける必要があります。


第二の要素は、設備の種類、規模、設置期間です。足場であれば種類、高さ、組立てから解体までの期間が判断に影響します。架設通路であれば高さと長さ、型枠支保工であれば支柱の高さ、化学設備であれば取り扱う物質や設備の能力が重要です。短期設置の除外に該当すると思っていた設備でも、工程変更で設置期間が延びれば届出対象になる可能性があります。設計段階の予定だけでなく、実際の工程余裕も見込んで判断する必要があります。


第三の要素は、工事開始日の捉え方です。88条申請の期限は、設備を使用し始める日ではなく、設置、移転、主要構造部分の変更に関する工事を始める日から逆算します。足場であれば、外壁工事の開始日ではなく、足場の組立開始日が基準になると考えるべきです。局所排気装置であれば、装置を稼働させる日ではなく、設置工事に着手する日が基準になります。ここを誤ると、書類上は30日前に見えても、実際には期限を過ぎているという状態になりかねません。


第四の要素は、添付書類と計画作成体制です。届出には、設備の概要だけでなく、図面、構造、材質、主要寸法、配置、作業方法、災害防止措置などを示す書類が必要です。一定の計画では、資格を有する者を参画させる必要もあります。図面や計算書が未確定のままでは、形式的に届出書を作成できても、内容確認で修正が発生し、実質的な工程遅れにつながります。期限に影響するのは提出日だけではなく、提出できる品質まで書類を整える期間です。


この4要素をまとめると、88条申請の期限は「30日前か14日前か」という単純な日数だけで決まるものではありません。届出区分、対象設備の要件、工事開始日の設定、添付書類の完成時期が重なって、実際に守るべきスケジュールが決まります。現場実務では、法定期限のさらに前に、対象設備の確定日、図面確定日、社内確認日、提出予定日を設定することが大切です。


30日前と14日前を間違えやすい理由

88条申請で30日前と14日前を間違えやすい理由は、労働安全衛生法第88条の中に複数の届出区分が含まれているからです。機械等の設置、移転、主要構造部分の変更に関する届出は30日前が基本ですが、建設業などの一定の仕事に関する計画届では、30日前と14日前の区分があります。現場ではこれらがまとめて「88条申請」と呼ばれるため、担当者同士の会話で前提がずれることがあります。


たとえば、足場の届出について「88条は30日前」と理解している担当者と、高さ31メートルを超える建築物の建設等に関する計画届について「88条は14日前」と理解している担当者が同じ現場で話すと、どちらも届出区分としてはあり得る話なのに認識が噛み合わないことがあります。したがって、会議や工程表で期限を確認するときは、「何条か」だけでなく、「機械等設置・移転・変更届なのか」「建設工事・土石採取計画届なのか」まで明記する必要があります。


また、同じ現場で複数の届出が必要になる場合もあります。大規模な建設工事に該当する計画届と、足場や型枠支保工などの機械等設置届が並行して必要になることがあります。この場合、一つの88条申請を出せばすべて足りると考えるのではなく、対象となる仕事と設備を別々に確認し、それぞれの様式、提出先、期限を管理します。


さらに、14日前の建設工事計画届があるからといって、足場などの設備届も14日前でよいわけではありません。足場や架設通路などが機械等設置・移転・変更届の対象であれば、30日前の管理が必要です。反対に、設備の届出が不要であっても、工事そのものが一定の建設工事計画届に該当する場合は、14日前の届出が必要になることがあります。


この混同を避けるには、案件ごとに「設備起点」と「工事起点」の両方で確認することが有効です。設備起点では、足場、架設通路、型枠支保工、局所排気装置などが対象かを見ます。工事起点では、建築物の高さ、橋梁の支間、ずい道、掘削深さ、石綿等の作業、廃棄物焼却炉設備の解体等に該当するかを見ます。どちらか一方だけで判断すると、届出漏れや期限誤認につながります。


工事開始日の考え方で期限は変わる

88条申請で最も実務上のズレが起きやすいのが、工事開始日の考え方です。届出期限の30日前や14日前は、単なる提出希望日ではなく、法令上の基準日から逆算する日数です。したがって、何を「開始日」と見るかを誤ると、どれだけ早めに書類を作成しているつもりでも期限管理が崩れます。


設備の届出では、対象設備の設置、移転、主要構造部分の変更に関する工事開始日を基準にします。たとえば足場の場合、外壁補修や塗装の開始日ではなく、足場の組立てを開始する日が実務上の基準になります。仮に外壁工事が6月1日開始で、足場組立てが5月20日開始であれば、30日前の逆算は5月20日を起点に考える必要があります。外壁工事の開始日から逆算すると、期限を誤ることになります。


製造設備や換気設備でも同じです。装置の試運転日、使用開始日、生産開始日ではなく、設置工事に着手する日が基準になります。基礎工事、アンカー施工、搬入据付、ダクト施工、配管接続、電源接続など、どの作業を当該工事の開始と見るかは、設備計画の内容によって確認が必要です。現場によっては、準備工事と本体設置工事の境目が曖昧になるため、工程表上で開始日を明確にしておくことが重要です。


また、主要構造部分の変更では、変更工事の開始日が基準になります。既存設備を停止してから改造に着手する場合、停止日と工事開始日が同じとは限りません。部品の取り外し、支持構造の変更、安全装置の取付け、排気経路の変更など、どこから届出対象の変更工事が始まるかを整理する必要があります。保全担当者が「軽微な改造」と考えていても、安全衛生上は主要構造部分の変更に該当する可能性があります。


工程変更も期限管理に影響します。当初は60日未満で解体予定だった足場が、追加工事や天候、資材調整で60日以上になる場合、届出要否の判断が変わる可能性があります。短期予定を根拠に対象外と判断する場合は、工程が延びたときの対応も含めて記録しておくべきです。届出対象になる可能性が高い設備は、最初から余裕をもって届出前提で進めたほうが、安全側の管理になります。


工事開始日の確認では、現場工程表、施工計画書、設備搬入計画、仮設計画を突き合わせることが重要です。担当者が個別に持っている日付だけで判断すると、書類上の開始日と実際の作業開始日がずれることがあります。元請、設備業者、仮設業者、安全衛生担当、発注者側担当が同じ日付を共有しておくことで、期限直前の混乱を防げます。


対象外に見えても注意すべきケース

88条申請では、対象外に見えるケースほど注意が必要です。よくあるのは、設置期間が短いという理由だけで届出不要と判断してしまうケースです。一部の機械等や足場、架設通路などには短期設置に関する除外の考え方があります。しかし、設備の種類によって除外の扱いは異なり、特定機械等や型枠支保工などは別の確認が必要になる場合があります。短期だから一律不要と判断するのは避けるべきです。


次に注意したいのが、既存設備の更新や移設です。新設ではないため届出不要だと考えられがちですが、88条申請は設置だけでなく、移転や主要構造部分の変更も対象に含みます。既存の局所排気装置を別の作業場所へ移す、ダクト経路を大きく変更する、化学設備の附属設備を変更する、足場を大きく盛り替えるといった場合は、対象設備の変更として確認が必要です。


設備の名称が変わっていない場合も注意が必要です。同じ種類の装置であっても、能力、処理量、使用条件、取り扱う物質、設置場所、作業者の動線、周囲との関係が変われば、災害リスクは変わります。届出対象かどうかは、設備名だけでなく、構造や使用条件の変更内容で判断します。更新前と同等品だから不要と考えるのではなく、図面や仕様の差分を確認することが大切です。


仮設設備では、現場途中の変更が特に問題になります。足場の高さや範囲の追加、張出し部の追加、壁つなぎ位置の変更、荷重条件の変更、架設通路の延長、支保工の配置変更などは、当初計画と安全性が変わる可能性があります。小さな変更に見えても、主要構造部分や安全措置に関わる場合は、届出内容との整合を確認しなければなりません。


複数の法令手続きが絡む設備も注意が必要です。化学物質、石綿等、放射線、有機溶剤、粉じんなどに関係する設備では、88条申請以外の手続きや規制が関係する場合があります。別の申請や許可を行っているから88条の届出が不要になるとは限らず、逆に一定の申請を行った場合に88条の届出が不要となる特例的な整理がある場合もあります。このようなケースでは、設備の用途と関連手続きの両方を確認する必要があります。


対象外と判断した場合も、判断理由を残しておくことが大切です。設備名、規模、設置期間、対象外と判断した根拠、確認日、確認者、必要に応じて監督署へ相談した内容を記録しておけば、後から工程変更や監査があった場合にも説明しやすくなります。届出しない判断は、届出する判断よりも根拠が曖昧になりやすいため、記録の重要性が高くなります。


書類作成で遅れやすいポイント

88条申請の書類作成で遅れやすいポイントは、届出書そのものよりも添付資料です。様式に基本情報を記入するだけであれば比較的短時間で進められますが、設備の種類に応じた図面、構造、材質、主要寸法、配置、作業方法、災害防止措置を整えるには、現場情報と設計情報が必要です。届出期限直前に図面が未確定だと、提出日だけを決めても実務は進みません。


足場では、組立図、配置図、平面図、立面図、断面図、壁つなぎ計画、荷重条件、通路や昇降設備、養生、落下物防止措置などの整合が重要です。建物形状が複雑な場合や、既存設備、道路、隣地、架空線、出入口との干渉がある場合は、現地確認を十分に行わなければ図面修正が繰り返されます。足場の高さや設置期間が工程表と一致していないことも、よくある修正要因です。


型枠支保工では、支柱高さ、荷重、支柱間隔、水平つなぎ、斜材、地盤や下部支持条件、打設手順などの整合が求められます。構造計算の前提と施工図の配置が一致していない場合、形式上の書類は揃っていても、内容確認で修正が必要になります。構造安全性に関わる書類は、作成者、確認者、現場担当者が同じ前提を共有することが大切です。


局所排気装置や換気設備では、発散源の位置、フードの形式、風量、ダクト経路、排気先、作業者の位置、取り扱う物質、作業頻度などを整理する必要があります。作業環境を改善する設備は、設計図面だけでは安全衛生上の意図が伝わりにくいことがあります。なぜその位置にフードを設けるのか、どの発散源を対象にするのか、どの作業を想定しているのかを説明できる資料が必要です。


化学設備や乾燥設備では、温度、圧力、処理量、加熱方式、取り扱う物質の性状、附属設備、配管、保安装置などの情報が必要になります。これらの情報は設備メーカーや設計担当が持っていることが多く、安全衛生担当だけでは集められません。発注段階で88条申請に必要な資料を依頼しておかないと、納入直前になって仕様書や図面の不足が判明することがあります。


書類作成で遅れないためには、対象設備が決まった時点で、届出に必要な情報を関係者へ共有することが重要です。施工会社に任せる場合でも、発注者側や元請側が提出期限を把握し、資料提出の社内締切を設定しておく必要があります。実務では、法定期限の30日前に提出するために、少なくともその前に図面確定、内容確認、押印や電子手続きの準備を終えておくのが安全です。


期限遅れを防ぐ実務フロー

期限遅れを防ぐには、案件が始まった段階で88条申請の要否確認を工程に組み込むことが重要です。設備工事や仮設計画が具体化してから確認するのではなく、見積、発注、施工計画、現地調査の段階で対象設備の候補を洗い出します。足場、架設通路、型枠支保工、換気設備、化学設備、加熱設備、有害物関連設備が出てきた時点で、88条申請の確認対象として扱うと、後工程の手戻りを減らせます。


最初に整理すべき情報は、設備名、用途、設置場所、規模、能力、高さ、長さ、設置期間、取り扱う物質、作業方法、工事開始予定日です。これらが不明なままでは、対象設備かどうかも、提出期限も判断できません。現場担当者は作業日程を把握していても、設備の法令上の分類までは把握していないことがあります。安全衛生担当者は法令要件を把握していても、実際の組立開始日や設置期間を知らないことがあります。この情報差を早期に埋めることが、期限管理の要点です。


次に、設備起点と工事起点の両方で確認します。設備起点では、機械等設置・移転・変更届の対象設備に当たるかを見ます。工事起点では、建設工事・土石採取計画届に当たる仕事かを見ます。両方に該当する可能性がある現場では、片方の届出だけで足りると決めつけず、それぞれの提出期限を工程表に反映します。


その後、工事開始日を確定します。工程表上の本工事開始日、仮設開始日、設備搬入日、据付開始日、変更工事開始日を分けて確認します。特に足場や架設通路は、実際の使用開始日より前に組立てが始まります。設備も、試運転日や使用開始日より前に据付や配管接続が始まります。届出期限の逆算では、最も早い対象工事の開始日を見落とさないようにします。


書類作成では、様式、添付図面、概要書、構造資料、災害防止措置、工程表、参画者に関する情報を早めに集めます。電子申請を利用する場合でも、添付ファイルの形式、容量、社内承認、提出権限、控えの保管方法を確認しておく必要があります。窓口や郵送で提出する場合は、受付時間、郵送日数、修正対応を考慮します。いずれの方法でも、法定期限当日に提出すればよいという考え方ではなく、修正や確認の余裕を持たせることが重要です。


最後に、提出後の変更管理を行います。88条申請は提出して終わりではありません。工程変更、設置期間の延長、構造変更、配置変更、作業方法の変更があれば、届出内容との整合を確認する必要があります。現場で変更が発生したときに安全衛生担当へ情報が届かないと、届出内容と実施工がずれてしまいます。施工中の変更連絡ルールを決めておくことで、追加確認や変更届の要否判断を早めに行えます。


まとめ:対象設備と開始日を早めに確定する

88条申請で最も大切なのは、「何日前までに出すか」を単独で考えないことです。機械等設置・移転・変更届であれば30日前、一定の建設工事・土石採取計画届では30日前または14日前が基準になりますが、実務上の期限は、対象設備の種類、規模、設置期間、工事開始日、添付書類の完成時期によって大きく変わります。


対象設備の確認では、足場や架設通路、型枠支保工のような仮設設備だけでなく、動力プレス、溶解炉、乾燥設備、化学設備、局所排気装置、換気装置、放射線関連設備、有害物関連設備なども視野に入れる必要があります。建設現場だけでなく、工場、研究施設、処理施設、保守現場でも88条申請が関係することがあります。


提出期限に影響する4要素は、届出区分、設備の種類・規模・設置期間、工事開始日の捉え方、添付書類と計画作成体制です。この4つを早めに確認すれば、30日前か14日前かの判断だけでなく、社内でいつまでに図面を確定し、いつまでに関係者確認を終えるべきかも見えてきます。


実務担当者は、対象設備の候補が出た段階で、設備概要、設置場所、規模、設置期間、工事開始予定日を整理し、必要に応じて所轄の労働基準監督署へ確認する流れを作ることが重要です。届出対象外と判断する場合でも、理由を記録しておくことで、後日の工程変更や確認に対応しやすくなります。


また、88条申請では現地情報の正確さが書類品質を左右します。足場の高さ、架設通路の位置、設備の配置、周囲との関係、搬入経路、危険箇所、作業範囲などを現場で正確に記録できれば、図面作成や関係者確認の手戻りを減らせます。88条申請の期限を守るためには、対象設備の早期確認と、現場情報を正確に残す仕組みづくりを同時に進めることが大切です。


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