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3次元測量の手法比較!レーザースキャナー・ドローン・写真測量・LRTK方式のメリット・デメリット

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万能の測量機LRTKの説明

3次元測量とは、自然の地形や建造物などの形状をXYZ三次元の座標データとして収集する技術です。


建設現場や土木設計、遺跡の記録やVR/ゲーム用の3Dデータ構築など、様々な分野で活用されています。特に最近は3次元測量の技術が進化し、多くの手法が発達しています。本記事では、主要な3次元測量手法である「3Dレーザースキャナー測量」「ドローン測量」「写真測量(フォトグラメトリ)」「LRTK方式による測量」の4種類について、それぞれの特徴やメリット・デメリット、活用シーン、精度、コストの違いを比較解説します。専門的な複雑さを抱えつつ、一般の読者にも理解できるように平易な表現でわかりやすく説明していきます。形状や流れを見せる図表が必要な場合は「[ 図の挿入 ]」と表示します。


3Dレーザースキャナー測量

3Dレーザースキャナーは、専用のレーザー設備からレーザー光を発射し、対象物からの反射光を検出して距離や位置を精密に測定します。一回の測定で数千万に及ぶ点を収集できるため、大量の点で構成された「点群データ」を獲得できます。座標や形状を高精度で再現できるので、建設の現場調査や古代遺跡の記録、細部まで測りたいシーンで役立ちます。[ 図の挿入 ]


メリット: 極めて高精度な3Dデータを短時間で得られる点が最大の利点です。整備をきちんと行えば数mm程度の詳細な情報まで把握できます。同時に広範囲の地形を大量の点として単位時間で収集できるため、従来の手動測量に比べて省人化・効率化を実現できます。つまり、細かな建造物の模型作成やプレゼン資料の3D可視化にも有用で、臨場感のあるデジタルツールとして活用できます。

デメリット: レーザースキャナー自体の設備が高価で、数百万円以上の費用がかかります。さらに、運用には詳細な知識やデータ処理技術が必要です。収集した点群データは巨大で、容易にPCで処理できる量を超えるため、処理に時間がかかったり大型で高性能なPCを要したりする場合もあります。また、レーザー光線が当たらない後ろに隠れた部分は測れないため、取得できるデータは測定する角度や位置に左右されます。そのため、複数のポイントでスキャナーを設置し直す必要があり、結果的に多くの労力を要する場合もあります。これらの理由から、中小規模の企業や低予算のプロジェクトでは、別の手法が検討されることも多いでしょう。

活用シーンや例: 建設現場の現況調査やBIM/CIMを見据えた建造物の3Dスキャン、また古代の遺跡、巨大な据え置き物の平面データ化など、高精度と詳細さが要求される場面で有効です。

精度: 良質な機器と適切な設定で測定を行えば、数mm程度の非常に高い精度を達成できます。

コスト: 初期費用は特に高く、機器一台あたり数百万円から場合によっては1000万円以上に達します。運用コストやデータ処理環境にも無視できない費用が必要です。


ドローン測量

ドローン測量は、無人航空機(ドローン)を利用して地面を写真やレーザーで撮影し、後処理で空間的に再現する手法です。上空から広い地形を一度に撮影できるため、特に敷地が広大な土木工事現場の測量において、人力では測りきれないような広範囲も数時間程度で3Dモデル化できるのが強みです。人が立ち入りできない危険な地域も、ドローンなら(隠れて見えない部分を除いて)撮影可能です。レーザーセンサーを搭載すれば、枝葉が生い茂る森林の地表や複雑に起伏した軌道でも、地表面の点群データを取得できます。


メリット: 広範囲のデータを短時間で収集でき、高低差や地形を徹底的に解析できます。ドローンにより人が立ち入れない危険地でも安全に測れるため、災害調査などのシーンでも活躍します。また、人力では準備が大がかりだった大規模な現場も、ドローン測量なら少人数で測量が行えるため、従来比でコストも削減できます。

デメリット: 飛行や撮影には法的な制限や許可が必要です。特に都市部や人口の多い場所では厳しい制限を受ける場合があります。天候や時間帯の影響も考慮しなければならず、雨天・強風の日や夜間には測定が困難です。また、ドローンのバッテリー持続時間が短く長時間の撮影ができないため、大規模な現場では数回に分割して飛行させる必要があります。高精度な座標を得るにはRTK-GNSSを搭載したドローンや地上での基準点の設置が必要となり、専門的なスキルや機材も要求されます。さらに、レーザー測量を行う場合はドローン本体とセンサー装備で合計数千万円程度の費用がかかるため、通常の写真測量よりも高額な投資が必要になります。

活用シーンや例: 土木エリアや建設現場全体の調査、険しい山間部の探索、もしくは農地や森林の生態調査など、広く地形や状況を把握するプロジェクトで有効です。

精度: 写真測量(ドローン写真含む)は、設定と調整方法にもよりますが、標準的に数cm程度の精度を取得できます。特にカメラにRTK-GNSSや地上基準点を使用したキャリブレーションでは、平面方向では2~3cm程度の精度を期待できます。ただし、鉛直方向の精度はやや悪くなるケースもあります。

コスト: 写真測量だけであれば、機材の費用は比較的低く抑えられます。生産性も高く、参入開始のコストも数十万円程度から行えます。しかし、高精度な測量を目指す場合は、RTK搭載等の高精度ドローンやレーザー搭載のドローンが必要になるので費用が跳ね上がります。


写真測量(フォトグラメトリ)

写真測量は、撮影した複数の写真から特定の要素を拾い出して空間上の点として復元する技術です。根本的な原理は両眼視差による立体視の原理に基づいており、複数の角度からの写真を統合することで、ある実体を比例関係付きで再現できます。最近ではSfM(Structure from Motion)と呼ばれる高度なアルゴリズムが発展しており、PC上で自動的に高度な点群情報を復元できるようになりました。過去には航空測量として実測図や地図作成に活用されてきましたが、現代ではドローンやカメラの高解像度化が進み、簡便にパソコンで処理できるようになりました。[ 図の挿入 ]


メリット: 特殊な設備を用意せずに、一般的に出回っているカメラやドローンが利用できる点が大きな魅力です。費用を抑えられるため、特に中小規模のプロジェクトでは小さな予算でも開始できる点もメリットです。しかも、撮影した写真により実物に近い3Dデータを得られるため、表面の質感やテクスチャも同時に取得可能です。例えば、遺跡のモデリングや顧客に見せる3D再現モデルなどに有効でしょう。

デメリット: 複数の写真を処理するのに時間がかかり、数百枚の写真を処理するにはPCによっては数日を要する場合もあります。専用ソフトの操作や処理手法を理解していないと、膨大なデータが得られても有効活用できない可能性があり、専門性も要求されます。また、凹凸のない土地や透明なガラス面などは特定できないため、そのままでは測れません。これらの場合は他の手法と補って使用することが重要です。結果として、写真測量の精度はレーザーやRTKに頼る方法ほど高くはないといえます。

活用シーンや例: 文化財の再現やVRコンテンツ作成、住宅など建造物の設計プラン作成など、デジタルに現実的な再現が求められるシーンに適しています。ドローンやレーザーではコストがかかりすぎる場合や、対象の再現性が重要なプロジェクトで有用です。

精度: 複数の観測点から処理するため、平面的な有効範囲における初期測定精度は数cm程度となる事が多いですが、結果的に実物との高い互換性を持たせる再現が可能です。

コスト: 取り込む写真数や座標処理等によりますが、一般的に費用も時間も最も抑えられる手法です。ただ、最終的な完成データの詳細度や精度は他手法に一歩譲るため、複数の方法を適切に使い分けることが大切です。


LRTK方式による高精度な簡易測量

LRTK方式は、小型のRTK-GNSS受信機をスマートフォンに搭載することで実現する新技術です。RTK-GNSSとは、精度の高いグローバル定位を実現するセンチメートル級のGPS技術(リアルタイムキネマティック測位)のことです。LRTKはこれを更に軽量小型化し、ポケットサイズの測量機を一人1台持てるようにしたものです。[ 図の挿入 ]


LRTKデバイスをiPhoneやiPadに装着しておくことで、いつでもすぐに高精度の座標を測定できる環境が実現します。ただ指定の場所にデバイスを合わせてボタンを押すだけで、緯度・経度・高さといった測位結果が得られます。これにより、それほど知識がない人でも、ボタンを押す程度の感覚で高精度な位置情報をそのまま取得することが可能です。撮影した写真上でマーキングしたい点に対しLRTKで座標を収集し、そのポイントを図面上にAR表示したり、場合によってはスマートフォンのLiDARセンサーやカメラで結果を即時表示する事も可能です。例えば、iPhoneのLiDAR機能を使って簡易な点群スキャンを行い、取得した点群にLRTKの位置情報を重ね合わせれば、一般的な電源とスマートデバイスのみで容易に絶対座標付きの高精度点群を取得できます。


メリット: この方法の最も大きな利点は、専門の測量技術者でなくても手軽に高精度の測量を実現できる点です。特定の現場に一人で赴き、その場で高精度な座標データを収集でき、データは都市部から山間部まで変わらずクラウド上で共有可能です。RTK方式はGPS衛星からの補正データが取得できれば、夜間や雨天でも測量可能です。電源さえ確保すれば災害現場でもスマホ一つで調査を簡潔に行えます。このように、LRTK方式はポケットサイズで手軽に高精度の位置情報を収集できるという意味で、今後さらに気運を上げる方法だといえます。データが揃えば即座に実用的な成果として利用できるため、建設現場では比較的容易に検証や追跡を実施できるはずです。一人1台ずつLRTKを持てば、何日もかかっていた現場調査が数時間で完了する可能性も示唆されています。その上、他の方法と比べて校正や測定範囲の補助作業が少なく、全体的なコストも低いと評価されます。誰でも簡単に高精度な3Dデータを自分で手に入れられる時代が近いと言えるかもしれません。

デメリット: 現状、LRTK方式がすべてのシーンに適しているわけではありません。特に、都市部の環境ではGNSS信号が受信しにくかったり、周囲の建物からのマルチパス(反射による測位誤差)で精度が低下するリスクもあります。また、屋外での使用が前提ですが、GNSS信号が届かない室内では測定ができません。しかし、これらの欠点を考慮してもなお、LRTK方式は3次元測量を必要とする現場や企業にとって新しい選択肢となり得る可能性を備えています。

活用シーンや例: 建設現場でいつでも簡易に高精度な調査を行いたい場合や、単体構造物の寸法をいくつかの点で拾い上げる調査、また災害現場や巨大なプロジェクトでは、部分的に他の方法にかえてLRTKを利用することでコストをかけずに高精度な現場把握が可能です。

精度: RTK-GNSSを使用したLRTKは、単点の測定でもおよそ1cm以内の誤差での測定が可能です。試しに複数回の平均処理を行うと、平面方向で約10mmを切る精度に到達しました。

コスト: ポケットサイズであるため、当初費用も数十万円程度で揃えられることが多いと考えられます。これは、多少な補助回数が必要なドローンRTKや宇宙レーザー以上に比べ、お手軽なコストで始められる可能性を意味します。アプリやクラウドサービスの利用料金を含めても、建設IT化の中では非常に手頃なコストであると評価されています。


まとめ:3次元測量手法の選択とLRTKの活用

以下に各手法の精度やメリットの違いを簡単に比較した表を示します。


各手法のポイントを改めて振り返ると、次のようになります。 レーザースキャナー測量は、細部まで高精度な3D構造を迅速に収集できる方法ですが、装備とスキルが要求されるため、使用場面が限られることもあります。ドローン測量は、広範囲を高精度なデータで迅速に取得できますが、飛行制限や高度な操縦資格などの要件もあり、高度なスキルを持つ人材が必要です。写真測量は、凹凸のない白一色の表面などでは多数の写真や高度な処理が必要で精度に限界があります。しかし、専用機材が不要で費用や環境に無理なく始められる点は大きな魅力です。例えば、広範囲の地形はドローン写真測量で取得しつつ、要所の高精度な点だけをLRTKや地上測量で補うことで、効率と精度の両立が可能です。また、複雑な構造物はレーザースキャナーで詳細を取得し、全体像は写真測量でカバーするといった組み合わせも有効でしょう。これらを相互に使い分ける事で、多様な調査ニーズに対応できます。とりわけLRTK方式は、高精度を要求される分野でも試行されている新技術です。カーナビの画面をタップするような直感的な操作で誰でも高精度な座標データを収集できるLRTKは、今後の3次元測量に新たな革新をもたらす可能性を秘めています。例えば、これまで現場に大掛かりな機材が必要だった高精度測量を、大きな手間をかけずに既存の人員で行えるようになったことは、運用面での広がりが非常に大きいでしょう。新しい測量ツールやIT技術に興味がある方は、ぜひLRTK方式を一度試し、その成果を体感してみてはいかがでしょうか。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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