top of page

RTK端末連携の360度カメラで盛土状況を記録する5項目

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均7分15秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

盛土工事では、どの場所に、いつ、どの高さまで、どのような状態で土を盛ったのかを後から確認できる記録が重要です。従来の写真記録や測点ごとのメモだけでは、現場全体のつながりや周辺状況まで振り返ることが難しい場面があります。そこで有効な選択肢の一つになるのが、360度カメラとRTK端末を組み合わせ、位置情報付きの全周記録として盛土状況を残す方法です。単に現場を撮影するだけでなく、座標、高さ、施工範囲、層ごとの状態、締固め前後の変化を整理しておくことで、施工管理、出来形確認、社内共有、発注者説明、トラブル予防に役立てやすくなります。


目次

RTK端末連携の360度カメラが盛土記録に向いている理由

記録項目1:撮影位置と盛土範囲を座標で残す

記録項目2:層厚と高さ変化を現場写真と結び付ける

記録項目3:法面、肩、法尻、排水方向を全周で確認する

記録項目4:締固め前後の状態と施工機械の動きを残す

記録項目5:日付、天候、施工段階、管理メモを一体化する

盛土記録で起こりやすい失敗と運用上の注意点

まとめ:位置付き360度記録を盛土管理の標準作業にする


RTK端末連携の360度カメラが盛土記録に向いている理由

盛土状況の記録で難しいのは、写真そのものよりも、写真が示している場所と施工段階を後から正確に読み解くことです。一般的な工事写真では、黒板や撮影方向、背景の構造物を手掛かりにして場所を判断します。しかし、盛土工事は日々地形が変わり、仮設道路、土砂置場、施工ヤード、法面の形状も変化します。そのため、数週間後に写真を見返したとき、どの測点付近なのか、どの盛土段階なのか、どの方向を撮影したのかが曖昧になりやすいのです。


360度カメラは、撮影地点の周囲を一度に記録できるため、通常の写真では写りにくい背後や左右の状況も後から確認できます。盛土天端から見た法肩、法尻、搬入路、施工機械の位置、周辺構造物、仮排水の状況まで同時に残せるため、点の写真ではなく、現場空間の記録として使いやすくなります。現場巡回の途中で決まった地点を撮影しておけば、同じ場所の変化を時系列で比較しやすくなります。


さらにRTK端末を連携させることで、撮影地点の位置情報を測量成果や施工図面と結び付けやすくなります。一般的な位置情報だけでは、盛土の範囲や測点との対応が大まかになりがちですが、RTK測位を利用すれば、撮影位置を現場管理上の座標と関連付けやすくなります。もちろん、現場条件、衛星の受信環境、補正情報の状態、アンテナの設置方法によって測位精度は変動します。そのため、万能な証明手段として過信するのではなく、写真、座標、管理メモ、測量結果を組み合わせる運用が重要です。


盛土記録では、いつどこを撮ったかだけでなく、どの高さまで盛ったか、どの層を施工しているか、締固め前なのか後なのか、排水や法面に異常がないかを判断できることが求められます。RTK端末連携の360度カメラは、こうした情報を現場の視覚情報と位置情報で結び付けられる点に価値があります。記録の目的を明確にし、撮影地点と記録項目を決めて運用すれば、盛土管理の抜け漏れを減らし、後工程での確認作業を効率化できます。


記録項目1:撮影位置と盛土範囲を座標で残す

最初に記録すべき項目は、撮影位置と盛土範囲です。盛土工事では、施工範囲が日ごとに広がったり、高さ方向に段階的に進んだりします。どの範囲まで盛土が完了しているのか、どの範囲が仮置きや未施工なのかを後から確認できるようにするには、撮影位置を座標で残し、施工範囲との対応を明確にしておく必要があります。


360度カメラで撮影する場合、撮影地点は闇雲に決めるのではなく、現場の基準となる点をあらかじめ設定しておくと管理しやすくなります。たとえば、盛土範囲の起点付近、終点付近、中央部、法肩付近、法尻付近、搬入路との接続部など、施工状況を判断しやすい場所を定点として設定します。RTK端末でその地点の座標を記録しておけば、同じ地点での再撮影や時系列比較がしやすくなります。


撮影位置を座標で残すときは、座標値だけを保存するのではなく、その座標がどの施工範囲を代表しているのかをメモとして残すことが大切です。たとえば、盛土中央の進捗確認地点なのか、法面整形の確認地点なのか、仮排水の確認地点なのかによって、写真を見る際の視点が変わります。写真と座標だけが残っていても、撮影意図が分からなければ、管理資料としての価値が下がってしまいます。


盛土範囲の記録では、撮影地点から見える範囲と、図面上の施工範囲を混同しないことも重要です。360度画像には広い範囲が写りますが、見えている範囲がそのまま管理対象範囲とは限りません。視界に入っているだけの未施工範囲、仮置き土、隣接工区、搬入車両の通路などが一緒に写るため、どこまでを当日の盛土完了範囲として扱うのかを明確にする必要があります。


RTK端末と連携した記録では、撮影地点の位置情報をもとに、現場図や平面図上で写真の位置を整理する運用が有効です。撮影後に一覧で見返すとき、ファイル名や撮影時刻だけで探すよりも、地図や図面上の地点から写真を開けるほうが実務では使いやすくなります。特に盛土範囲が広い現場では、写真の枚数が増えるほど、位置と写真の対応付けが重要になります。


また、盛土範囲の境界付近は、施工の進捗や出来形確認で問題になりやすい場所です。境界杭、丁張、既設構造物、仮設物など、位置の手掛かりになるものが写るようにしておくと、後から状況を説明しやすくなります。ただし、360度カメラは周囲全体を写すため、不要な個人情報や関係のない作業員、車両番号などが記録される可能性があります。社内ルールや現場ルールに従い、共有範囲や保管方法にも注意が必要です。


撮影位置と盛土範囲を座標で残す目的は、写真を探しやすくすることだけではありません。施工の進み方、盛土範囲の変化、出来形確認の対象範囲、手戻りが発生した箇所を、後から空間的に追跡できるようにすることです。盛土工事では、完成後に見えなくなる部分や、次の層に覆われる部分もあります。そのため、施工中の段階で位置付きの記録を残しておくことが、後日の説明力につながります。


記録項目2:層厚と高さ変化を現場写真と結び付ける

盛土状況を記録するうえで、層厚と高さ変化は欠かせない項目です。盛土は一度に完成形まで土を積み上げるのではなく、材料を敷き均し、所定の厚さで締め固めながら段階的に構築していきます。そのため、どの時点でどの高さまで施工されたのか、どの層の施工中なのかを記録しておくことが重要です。


360度カメラだけで層厚や高さを正確に測定できるわけではありません。しかし、RTK端末で取得した位置や標高情報、別途行う測量結果、現場メモを組み合わせることで、写真と高さ変化を結び付けることができます。たとえば、同じ撮影地点から、敷き均し前、締固め前、締固め後、次層施工前の状態を撮影しておくと、盛土の進行状況を視覚的に追いやすくなります。


層厚を記録する場合は、単に「何層目」と書くだけでは不十分です。現場ごとに管理基準や施工計画が異なるため、どの高さ範囲を施工しているのか、どの材料を使用しているのか、転圧後の状態なのか、次工程に移る前の確認なのかを整理しておく必要があります。360度画像とメモが結び付いていれば、写真を見返したときに、現場の状態をより具体的に理解できます。


高さ変化の記録では、撮影位置そのものの標高と、写っている盛土面の高さを混同しないことが大切です。RTK端末が示す標高は、端末のアンテナ位置や設置高さ、測位状態に影響を受けます。360度カメラの設置高さとRTKアンテナの高さが異なる場合は、その差を考慮しなければなりません。アンテナ高や機器の取り付け位置を一定にしておくと、記録のばらつきを抑えやすくなります。


また、盛土面は完全に平坦ではなく、施工機械の走行跡、材料のばらつき、敷き均し途中の起伏が残ることがあります。360度画像は現場の雰囲気を把握するには有効ですが、出来形値そのものを確定する資料として扱う場合は、必要な測量や検査記録と組み合わせる必要があります。写真だけで高さや厚さを断定するのではなく、測量結果の補助資料として位置付き画像を活用する考え方が安全です。


層厚管理では、施工直後に撮影するだけでなく、次層で覆われる前に必要な記録が残っているかを確認することも重要です。盛土の内部状態は完成後に見えなくなるため、施工中の記録が後から大きな意味を持ちます。どの層で、どの範囲を、どのような状態で施工したのかを、位置情報付きの360度画像として残しておけば、社内確認や発注者説明の際に、文字だけの記録よりも状況を伝えやすくなります。


特に、施工範囲が広い現場や複数班で作業する現場では、層ごとの進捗認識がずれやすくなります。ある班は締固め完了と認識していても、別の班は敷き均し途中と認識している場合、後工程で手戻りが発生することがあります。撮影時点の層番号、高さ、施工段階を統一したルールで残しておくことで、関係者間の認識差を減らすことができます。


RTK端末連携の360度カメラを活用する場合、層厚や高さ変化を記録する目的は、写真から数値を読み取ることではなく、数値管理と現場状況を結び付けることです。測量結果だけでは分かりにくい施工中の状況を、360度画像が補完します。逆に、写真だけでは不十分な高さや層厚の根拠を、RTK測位や測量記録が補完します。この組み合わせによって、盛土管理の記録はより実務的なものになります。


記録項目3:法面、肩、法尻、排水方向を全周で確認する

盛土状況の記録では、天端の進捗だけでなく、法面、法肩、法尻、排水方向も重要な確認対象です。盛土は上面だけを見て管理すると、周辺部の崩れ、法面の乱れ、排水不良、端部の締固め不足といった問題を見落とすことがあります。360度カメラは、撮影地点の周囲を一度に記録できるため、こうした周辺状況の確認に向いています。


法面の記録では、勾配の正確な数値を写真だけで判断するのではなく、整形状況や変状の有無を確認できるように撮影することが大切です。たとえば、法面に大きな凹凸がないか、雨水の流れ跡がないか、材料の偏りがないか、表面が荒れていないかなどを視覚的に残します。施工直後の状態と降雨後の状態を比較できるようにしておけば、排水や安定性に関する早期確認にも役立ちます。


法肩は、盛土の上面と法面が接する重要な部分です。重機の走行や材料の敷き均しによって形状が崩れやすく、端部の締固め不足が問題になることもあります。360度画像で法肩の連続性を残しておくと、どの区間で肩の通りが乱れているのか、どの場所で補修や再整形が必要なのかを共有しやすくなります。法肩付近を撮影する際は、天端側と法面側の両方が見える位置を選ぶと、記録の意味が高まります。


法尻は、盛土の安定や排水に関わる部分です。法尻付近に水が溜まっていないか、仮排水が機能しているか、周辺地盤との取り合いに不自然な段差がないかを確認します。盛土工事では、雨水が想定外の方向に流れると、洗掘やぬかるみ、作業性の低下につながることがあります。360度画像で法尻と周辺排水の関係を残しておくと、問題が起きたときに原因を追いやすくなります。


排水方向の記録では、現場の水の流れを文章だけで説明するよりも、周辺地形を含めて撮影しておくほうが分かりやすい場合があります。仮排水溝、集水箇所、低い方向、既設構造物との取り合い、進入路の勾配などが一枚の360度画像に写っていれば、関係者が同じ視点で現場を確認できます。特に盛土中の仮設排水は、施工段階に応じて形が変わるため、時系列で残す価値があります。


ただし、360度画像は広範囲が写るため、どの部分に注目してほしいのかが分かりにくくなることがあります。そのため、撮影後の管理では、注目箇所をメモで補足する運用が有効です。「法肩の通り確認」「法尻の排水確認」「降雨後の洗掘確認」など、撮影目的を短く残しておくだけでも、後から見返したときの理解が大きく変わります。


RTK端末を連携させていれば、法面や法尻の確認地点を座標と結び付けて管理できます。盛土延長が長い現場では、似たような法面写真が多数発生し、写真だけでは場所の識別が難しくなります。位置情報が付いていれば、どの区間の法面なのか、どの排水系統に関わる場所なのかを整理しやすくなります。これにより、巡回時の指摘箇所、補修箇所、再確認箇所を追跡しやすくなります。


法面、肩、法尻、排水方向は、完成後の見た目だけでなく、施工中の安全性や品質にも関わる項目です。天端の高さや範囲だけを記録していると、周辺部の問題が資料に残らないことがあります。360度カメラを使う場合は、現場全体が写る特性を活かし、盛土の中心部だけでなく、端部と水の流れまで意識して記録することが重要です。


記録項目4:締固め前後の状態と施工機械の動きを残す

盛土の品質管理では、締固めの前後で現場状態が大きく変わります。材料を敷き均した直後の状態、転圧中の状態、締固め後の表面状態を分けて記録しておくことで、施工の流れを後から確認しやすくなります。360度カメラは、作業範囲全体と施工機械の位置関係を同時に残せるため、締固め作業の記録にも活用できます。


締固め前の記録では、材料の敷き均し状況、厚さのばらつき、含水状態の見た目、異物の混入、作業範囲の端部などを確認します。もちろん、含水比や締固め度の判断は必要な試験や管理方法に基づいて行うべきであり、写真だけで品質を断定することはできません。しかし、写真として状態を残しておけば、試験結果や管理値と現場の見た目を結び付けて確認できます。


転圧中の記録では、施工機械の走行方向、作業範囲、重複の有無、端部への進入状況などが重要です。360度画像では、撮影地点の周囲にある施工機械、作業員、搬入車両、未施工範囲の関係を一度に確認できます。動画や連続撮影を用いる場合は、施工の流れをより具体的に残せますが、データ量が増えるため、保存方針をあらかじめ決めておく必要があります。


締固め後の記録では、表面の不陸、わだち、ひび割れ、軟弱な箇所、端部の乱れ、水たまりの有無などを確認します。施工直後は問題が見えにくくても、降雨後や次工程前に変状が現れる場合があります。そのため、締固め直後だけでなく、必要に応じて時間をおいた再撮影も有効です。同じ座標の撮影地点から記録を残せば、変化の比較がしやすくなります。


施工機械の動きを残す目的は、作業員を監視することではなく、施工プロセスを説明できる資料を残すことです。盛土工事では、後から「どの範囲をどのように施工したのか」を確認する場面があります。特に、端部や構造物周り、狭い範囲、段差付近では、通常の作業範囲より施工条件が難しくなります。こうした箇所で、締固め前後の状態と機械の位置関係を残しておくと、説明資料として使いやすくなります。


RTK端末と連携する場合、締固め作業の記録地点を座標で管理しておくと、試験位置や出来形確認位置との対応付けがしやすくなります。たとえば、現場密度試験や平板載荷試験などの管理記録がある場合、試験位置の周辺状況を360度画像で残しておくと、数値だけでは分からない施工環境を補足できます。試験結果の根拠を写真が代替するわけではありませんが、確認資料としての価値は高まります。


運用上は、締固め前後の撮影タイミングを現場で決めておくことが大切です。作業が忙しいと、撮影が後回しになり、気付いたときには次層の施工が始まっていることがあります。盛土のように工程が積み重なる作業では、一度覆われた状態を後から撮り直すことはできません。記録担当者だけに任せるのではなく、施工班全体で、どのタイミングで撮影するのかを共有しておく必要があります。


また、施工機械が動いている現場で360度カメラを使用する際は、安全確保が最優先です。撮影のために重機の動線へ入ったり、死角に立ち入ったりしてはいけません。カメラの設置位置は、作業の妨げにならず、かつ記録したい範囲が見える場所を選びます。RTK端末の測位状態を確認する際も、画面に集中しすぎず、周囲の安全を確認しながら作業することが重要です。


締固め前後の状態と施工機械の動きを位置付きで残すことは、盛土品質の説明力を高めるうえで有効です。数値管理、工事写真、日報、試験記録を別々に保管するだけでは、現場の実態を一体的に把握しにくい場合があります。360度画像を中心に、施工段階と位置情報を結び付けることで、盛土管理の記録はより分かりやすく、後から活用しやすいものになります。


記録項目5:日付、天候、施工段階、管理メモを一体化する

盛土状況の記録では、画像と座標だけでなく、日付、天候、施工段階、管理メモを一体化して残すことが重要です。どれほど鮮明な360度画像を撮影しても、それがいつ、どの工程で、どのような意図で撮影されたものか分からなければ、実務資料として使いにくくなります。特に盛土工事は天候の影響を受けやすいため、撮影時の状況を簡潔に残しておくことが欠かせません。


日付と時刻は、時系列管理の基本です。盛土工事では、同じ場所でも朝と夕方で状態が変わることがあります。午前中は敷き均し中で、午後には締固めが完了している場合もあります。撮影時刻が記録されていれば、日報や作業記録、搬入記録、試験記録と照合しやすくなります。自動で記録される時刻に頼る場合でも、端末の時刻設定や保存時刻の扱いに注意し、後から混乱しないようにします。


天候は、盛土材料の状態や作業性に大きく関わります。晴天時、降雨前、降雨後、強風時、低温時などでは、同じ盛土面でも見え方や管理上の注意点が異なります。写真だけでは、撮影時の天候や直前の降雨状況までは判断しにくいことがあります。そのため、撮影メモに天候や路面状態、作業中断の有無を残しておくと、後から状況を解釈しやすくなります。


施工段階の記録では、単に「盛土中」と書くのではなく、敷き均し前、敷き均し後、締固め前、締固め後、法面整形中、仮排水設置後、次層施工前など、現場で使う段階名を統一しておくと便利です。表現が担当者ごとに違うと、後から写真を検索したり比較したりするときに手間がかかります。用語を統一し、同じ意味の記録は同じ言葉で残すことが、記録活用の第一歩です。


管理メモには、写真だけでは伝わらない判断や注意点を書き添えます。たとえば、端部の再整形予定、降雨後の再確認予定、仮排水の追加予定、試験待ちの範囲、次工程への引き継ぎ事項などです。長い文章を書く必要はありませんが、後から見返した人が現場の判断を理解できる程度の情報は必要です。360度画像は情報量が多いため、注目すべき点をメモで示すことが、資料としての使いやすさにつながります。


RTK端末連携の記録では、座標、標高、撮影方向、測位状態などの情報を扱うことがあります。ここで注意したいのは、記録項目を増やしすぎると現場運用が続かなくなることです。理想的な項目をすべて記録しようとして、撮影に時間がかかりすぎると、作業員が使わなくなってしまいます。最初は、日付、場所、施工段階、確認目的、特記事項といった基本項目を確実に残し、必要に応じて項目を増やすほうが実務的です。


記録の一体化で重要なのは、後から検索しやすい形に整理することです。撮影ファイル、座標データ、メモ、日報が別々の場所に保管されていると、確認作業に時間がかかります。撮影地点や施工段階で整理し、同じ現場の関係資料にたどり着きやすくしておけば、管理者だけでなく、現場代理人、測量担当、品質管理担当、協力会社との共有にも役立ちます。


また、記録を共有する際は、誰が見ても分かる表現を意識する必要があります。現場内だけで通じる略語や担当者名だけのメモでは、時間が経つと意味が分からなくなることがあります。盛土範囲、測点、施工段階、確認内容などは、できるだけ客観的な表現で残すことが大切です。将来の確認、引き継ぎ、監査、説明の場面を考えると、少し丁寧に記録しておくことが後の負担を減らします。


日付、天候、施工段階、管理メモを一体化することで、360度画像は単なる現場写真から、施工管理に使える情報資料へ変わります。RTK端末による位置情報は、その資料を現場空間に結び付ける役割を果たします。盛土工事では、現場の状態が日々変わるからこそ、いつ、どこで、何を、どの段階として記録したのかを明確にすることが重要です。


盛土記録で起こりやすい失敗と運用上の注意点

RTK端末連携の360度カメラは便利ですが、導入すれば自動的に盛土記録が整うわけではありません。現場で起こりやすい失敗を理解し、運用ルールを決めておくことが大切です。特に多いのは、撮影位置が毎回ばらばらになる、撮影意図が残っていない、測位状態を確認していない、データ整理が後回しになる、写真だけで品質を断定してしまうといった問題です。


撮影位置がばらばらになると、時系列比較が難しくなります。盛土の進捗を見たいのに、毎回違う場所から撮影していると、高さや範囲の変化を判断しにくくなります。現場の状況によって撮影位置を変える必要はありますが、定点として残す地点と、臨時で撮る地点を分けて運用すると整理しやすくなります。RTK端末で定点の座標を記録しておけば、再撮影時の位置合わせにも役立ちます。


撮影意図が残っていないことも大きな問題です。360度画像は情報量が多いため、何を確認するために撮影したのかが分からないと、見る人によって解釈が分かれます。法面確認なのか、締固め後確認なのか、仮排水確認なのか、出来形確認前の状況なのかをメモで残しておくことが必要です。短いメモでも、撮影目的があるだけで資料としての価値は大きく上がります。


測位状態の確認不足にも注意が必要です。RTK測位は、衛星の受信状況、周辺の遮蔽物、補正情報、アンテナの設置状態などによって精度が変わります。盛土現場では、重機、仮設物、地形、周辺構造物の影響を受けることがあります。測位状態が不安定なまま撮影すると、写真の位置情報に誤差が含まれ、後から図面上で確認したときにずれが生じる可能性があります。重要な記録では、測位状態を確認し、必要に応じて再測位や別地点からの確認を行うことが望ましいです。


データ整理を後回しにすることも避けたい失敗です。360度画像は通常の写真よりもデータ量が大きくなりやすく、撮影枚数が増えると管理が複雑になります。現場で撮影したまま保存場所や命名ルールを決めていないと、必要な写真を探すだけで時間がかかります。撮影日、施工範囲、施工段階、撮影地点が分かるように整理し、不要な重複データや失敗撮影を適切に扱うルールを決めておくことが重要です。


写真だけで品質を断定しないことも大切です。360度画像は盛土状況を視覚的に把握するための有効な資料ですが、締固め度、含水比、支持力、出来形寸法などを写真だけで判断することはできません。必要な試験、測量、検査記録と組み合わせて使うことで、記録の信頼性が高まります。写真は現場状況を説明する補助資料であり、数値管理の代わりではないという前提を共有しておく必要があります。


安全面にも注意が必要です。盛土現場では、重機や搬入車両が頻繁に動きます。撮影に集中して周囲確認がおろそかになると、接触や転倒の危険があります。カメラやRTK端末を設置する場所は、作業動線から外れた安全な位置を選び、必要に応じて周囲に周知します。撮影のために危険箇所へ近づくのではなく、安全な範囲から記録できる方法を優先することが重要です。


運用を定着させるには、現場担当者に過度な負担をかけないことも大切です。毎回細かい入力を求めると、忙しい現場では続きません。まずは、定点撮影、施工段階メモ、位置情報の確認、日次整理といった基本ルールを絞り込み、確実に続けることを優先します。運用に慣れてから、法面確認、排水確認、試験位置との連携など、活用範囲を広げていくと無理がありません。


RTK端末連携の360度カメラを盛土記録に使う際は、機器性能だけに頼らず、現場ルールと記録設計を整えることが成功の鍵です。どこで撮るのか、何を残すのか、どの情報を一緒に管理するのか、誰が確認するのかを決めておけば、記録は単なる写真保管ではなく、施工管理を支える仕組みになります。


まとめ:位置付き360度記録を盛土管理の標準作業にする

盛土状況の記録では、撮影位置と盛土範囲、層厚と高さ変化、法面や排水方向、締固め前後の状態、日付や施工段階のメモを一体的に残すことが重要です。360度カメラは、現場全体のつながりを記録しやすい道具です。RTK端末と連携すれば、撮影地点を座標と結び付け、図面や測量記録と合わせて管理しやすくなります。


ただし、360度画像もRTK測位も、それだけで盛土品質を完全に証明するものではありません。必要な測量、試験、検査、日報と組み合わせて使うことで、初めて実務に耐える記録になります。写真は現場の状態を伝え、座標はその場所を示し、メモは施工段階や判断を補足します。この三つをそろえることで、盛土記録は後から見返して意味のある資料になります。


盛土工事では、施工が進むほど過去の状態は見えなくなります。敷き均し前の状態、締固め後の状態、法面整形前の状態、降雨後の排水状況などは、その時点で記録しておかなければ後から再現できません。位置付きの360度記録を日常業務に組み込むことで、現場の説明力を高め、手戻りや確認漏れを減らしやすくなります。


これから盛土管理に360度カメラとRTK端末を取り入れるなら、最初から複雑な運用を目指す必要はありません。まずは、定点を決めて撮影すること、施工段階を統一して記録すること、撮影地点の位置情報を残すこと、重要な変化をメモに残すことから始めるのが現実的です。運用が定着すれば、出来形管理、品質確認、発注者説明、社内教育、次工程への引き継ぎにも活用範囲を広げられます。


現場で使いやすい形で、RTKによる位置情報と360度カメラの記録をまとめられれば、盛土状況をその場で整理し、施工中の判断や後日の確認をよりスムーズにできます。RTK端末連携の360度カメラを、特別な作業ではなく日々の盛土管理に組み込むことで、現場記録の精度と共有性を高めていけます。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page