点群活用で工数60%削減？中小建設会社の実践事例まとめ

はじめに – **点群**で工数60%削減は本当？

近年、建設業界で注目を集める点群データ。現場を丸ごとデジタルコピーしたようなこの3次元データを活用することで、「測量にかかる手間が大幅に減った」「出来形管理が自動化できた」「再調査の必要がなくなった」など、生産性向上の声が各地から聞かれます。実際に「点群を導入したら工数が60%削減できた」という驚きの報告も登場しています。本記事では、点群とは何か、その活用でなぜ工数が減るのかを解説し、全国の中小建設会社による分野別の実践事例をご紹介します。さらに、導入時のハードルと解決策についても触れ、スマホで手軽に始める最新ソリューション(LRTK Phone)も自然にご紹介します。日々忙しい測量・施工管理に携わる土木技術者の皆様に、点群活用による生産性革命のヒントをお届けします。この記事を通じて、「点群で本当に工数は減るのか？」という疑問に答え、中小企業でも実践可能な具体策を提示します。

点群とは何か？初心者向けにやさしく解説

点群（点群データ）とは、一言でいうと「多数の点の集合で構成された3Dデータ」です。たとえば地形や構造物の表面に無数の微小な点でマーキングしていくイメージで、それを丸ごとデジタル化したものが点群データです。それぞれの点には正確な3次元座標(X,Y,Z)が付与され、必要に応じて色情報やレーザーの反射強度なども含まれます。この点の集まり（クラウド）を解析すると、以下のような特徴があります:

• 現場の形状をそのまま再現できる: 点群は現場をありのまま記録するため、地形の起伏や構造物の細部まで忠実に3次元再現できます。従来の手作業測量では難しかった樹木や配管など複雑な形状も、点群ならデータ化可能です。まさに「現場を丸ごとコピーしたデジタルデータ」といえるでしょう。

• 膨大な情報量を一度に取得: 点群データは数百万～数億点にもおよび、一度に広範囲を高密度に測量できます。その結果、後から任意の位置の距離・面積・体積をパソコン上で計測可能です。つまり「一度取得すれば後で必要な寸法を好きなだけ測れる」ため、測り忘れのために再度現地調査する手間を減らせます。

• 精度が高い: 高性能なレーザースキャナーや写真測量技術を用いて取得する点群は、ミリ～センチ単位の精度で座標を持っています。後述する国土交通省の検証でも「1回のスキャンが約1分で完了し、従来より高精度な計測と品質管理が可能になった」例が報告されています。点群によって品質管理レベルが向上し、不具合による手戻り削減にもつながります。

以上のように点群は「現場を精密に丸ごとデータ化する手法」です。では、この点群を活用すると具体的にどのように工数削減につながるのか、次章で見ていきましょう。

点群活用で工数はどう減るのか？その理由とメリット

点群技術を使うことで、従来の施工プロセスの様々な場面で効率化・省力化が実現します。主なメリットと工数削減のポイントをまとめると以下の通りです。

• 測量作業の時間短縮: 従来は2人1組で半日がかりだった測量も、点群スキャナーを使えば1人で短時間で完了します。例えばある道路工事の測量では、トータルステーションで2名×3時間（計6時間）かかった作業が、3Dレーザースキャナー導入後は1人で約1時間で済んだケースがあります。人手は半減、時間は1/6以下と劇的な効率化です。またドローン写真測量に比べても、リアルタイムで結果を得られる点群計測には強みがあります。ある小規模現場の試験導入では30分程度で現場全体の3Dスキャンが完了し、その場で盛土量算出まで実施できました。従来は撮影後に5時間以上かけていたデータ処理工程を省略でき、即座に体積計算まで可能になった例です。このように点群なら現場で即時に測量結果を活用でき、大幅な時間短縮となります。

• 出来形管理・図面作成の自動化: 点群データは取得後の処理をソフトウェアで自動化しやすく、人手による作図や計算の工数を削減します。例えば老朽化したコンクリート構造物のひび割れ調査では、従来1～3日かけて人が目視・写真撮影・手描きで図面化していた作業が、LiDAR搭載タブレットで点群スキャンしたところわずか5分ほどで必要なデータ取得が完了しました。専用ソフト上でひび割れ抽出や図化を自動処理できるため、外注作業を含め3～4割の作業量削減につながったとの報告があります。別の現場では「点群データ生成に1週間かかっていたのが1日に短縮した」という声もあり、図面作成や数量計算の自動化による劇的なビフォー・アフターが生まれています。出来形管理要領に沿った土量計算もボタンひとつで行えるため、工程ごとの検測作業を省力化できます。

• 測り残し・再調査の削減: 一度点群を取得しておけば、後からオフィスで自由に計測できるため追加の現場調査が減ります。従来は「図面化してから不足寸法に気づき再測量」という手戻りも起こりがちでしたが、点群データがあれば必要事項をデータ上で確認・追測可能です。例えば出来形検査前に点群を残しておけば、後日になってから設計変更や追加工事が生じても再び現地に出向くことなくデータ上で寸法や形状を確認できます。結果として不要な現場出張や調査の工数削減につながります。ある集合住宅の改修工事では、レーザースキャナ計測した点群から効率的に3Dモデルを作成することで、現地調査の工数という課題を克服し、検査作業が従来比60%以上の省力化を達成した例も報告されています。

• 安全性向上による付帯工数の削減: 点群計測は非接触かつ遠隔からでも行えるため、危険な現場での安全確保と同時に作業時間短縮をもたらします。急斜面や高所作業では、安全対策のための人員配置や待機時間が発生しますが、ドローンや長距離レーザで離れた場所から計測できればその分の手間が省けます。実際、雪崩の恐れがある急斜面の工事では、従来は測量のために3人×6日（延べ18人日）を要していたところ、ドローン空撮による点群測量に切り替えた結果2人×1日（2人日）で完了し、16人日の工数削減に成功しています。このように危険箇所への人力投入を減らすことで、安全管理に伴う時間やコストも削減できます。また点群を使えば人が立ち入れない夜間や悪天候時でも計測可能な場合があり、作業待機や順延によるロスも減らせるでしょう。

以上のような理由で、点群活用は測量から設計・施工・検査まで幅広い工程で工数削減に寄与します。次章では、こうしたメリットを実際に享受している中小建設会社の事例を分野別に見ていきましょう。「本当にうちのような小規模現場で効果があるの？」という方も、実例を知ることでイメージが湧くはずです。

中小建設会社における点群活用の実践事例集

点群技術は大手ゼネコンやコンサルだけでなく、全国各地の中小建設会社でも続々と活用が広がっています。道路、上下水道、造成、法面、橋梁など様々な分野の現場で「試してみたら大きな効果があった！」という声が上がっており、60%もの工数削減を実現したケースも出てきました。ここでは分野ごとに、導入方法や工夫、削減できた具体的な工数・作業時間、現場の感想を交えた事例を紹介します。

道路工事の事例 – 測量が1/6に短縮

道路改良や舗装工事の現場では、3Dレーザースキャナーを使った測量が人手と時間の大幅削減に直結しています。ある地方の道路工事では、従来2人でトータルステーションを使い約3時間かけていた現況測量が、試験的に導入した地上型レーザースキャナーで1人約1時間で完了しました。延べ6時間の作業が1時間に短縮された計算で、人員も半分で済んだため80%以上の工数削減と言えます。担当者は「天候に左右されにくく作業計画が立てやすい」「自動で点群取得でき新人に任せやすい」と利点を実感しています。新人技術者でもボタン操作で取得できるため育成期間の短縮にもつながったそうです。 また別の小規模な道路付替工事では、上空からの写真測量に代えてドローン搭載LiDARによる点群計測を試したところ、約30分で現場全体の3Dスキャンを取得し、その場で盛土量も算出できました。従来はドローン写真を撮った後にオフィスで5時間以上処理し土量計算していたのが、その場で即完了した形です。現地で監督や発注者とすぐに出来高を共有・検討できるため意思決定も早まり、工事全体の効率化につながりました。「小さな現場でも点群技術の恩恵は大きい」と実感する声が広がっています。

上下水道工事の事例 – 埋設物管理で手戻り防止

上下水道の工事では、埋設管やマンホールなど見えない部分の把握に点群が役立ちます。例えば下水道管の布設工事では、開削したトレンチ（溝）や埋設済みの管渠を点群スキャンしてデータ化しておくことで、将来の改修や増設時に位置を正確に把握できます。ある現場では、埋設した配管を覆土する前にスマートフォンで点群計測しクラウドに保存しておき、次回の掘削時にそのデータをAR（拡張現実）で地中の管を可視化したところ、重機オペレーターでも容易に埋設物の位置が把握できました。この取り組みにより誤って管を損傷するリスクをゼロに抑え、掘削作業の手戻りや補修工数を削減できています。発注者への事前協議でも、埋設物の点群データを3D図面上に重ねてAR表示することで認識共有しやすくなり、無駄な試掘調査を減らす効果がありました。 また上水道の耐震化工事でも、既設管路や地下構造物をレーザースキャンして図化することで設計変更に迅速に対応し、再調査の手間を省いた会社があります。点群により掘削範囲の最適化や掘削土量の正確な算出が可能となり、従来の経験則に頼った計画よりも工数ベースで20～30%効率化したといいます（※社内報告事例）。上下水道工事は地味ながら掘ってみないと分からない部分も多い分野ですが、点群データの活用で「掘って確認」の手間やリスクを減らすことができるのです。

宅地造成の事例 – ドローン点群で土量管理を効率化

宅地造成や埋立・掘削を伴う造成工事では、土量管理に点群が威力を発揮します。長野県のある中小土木会社では、これまで現況測量を外部の測量会社に依頼し多額の費用と手間をかけていましたが、自社でレーザースキャナー(LS)とドローン写真測量を導入し測量の内製化を進めました。当初はレーザースキャナーで現況点群を取得していましたが、現場によって機械の持ち運びが大変で計測だけで2日、点群処理にさらに1日ほど要することもあり課題でした。そこで国産のクラウド型ドローン点群サービスを導入したところ、ドローンは自動航行アプリで飛ばすだけで人が動き回る必要がなくなり、撮影自体も1日で完了。さらにクラウドに写真をアップロードすると1時間かからず点群生成が完了し、土量計算まで楽になったといいます。結果として、従来は測量に3日（延べ24時間）かかっていた工程が1日＋1時間に短縮し、約60%以上の工数削減を達成しました。測量外注費も削減できたためコスト面の効果も大きく、「公共工事にも問題なく活用でき、初期コストも抑えられた」と満足されています。 このようにドローン＋点群ソフトを使えば、広範囲の造成地でも短時間で精密な地形データを取得できます。その点群データから切土・盛土量を自動算出し、出来形図書にも反映できるため、工程管理と書類作成の両面で効率化できます。実際、ある自治体の埋立造成事業では、従来9人日かけていた土量計算作業をドローン点群により1人30分で完了させたとの報告もあります（※メーカー事例紹介） 。点群導入により、煩雑な土量管理業務から解放された施工管理者も多いのではないでしょうか。

法面工事の事例 – 遠隔計測で安全確保と16人日削減

急斜面の法面工事や治山工事では、安全と効率の両立が課題です。長野県白馬村のスキー場で行われた雪崩対策工事の事例では、崩壊の恐れがある急峻な斜面での現況測量に点群技術が活用されました。従来は斜面上に対策施設（対空標識など）を設置し、測量員3名が6日間もかけて地形測量を行っていましたが、安全面の不安が常につきまとっていました。そこで日立建機が提案する「Solution Linkage Point Cloud（SL-Point Cloud）」というドローン写真測量＋クラウド点群生成サービスを導入し、自社で空中写真測量を実施したところ、2名1日で同等の測量を完了できました。結果として18人日かかっていた測量が2人日に短縮（16人日の削減）となり、加えて対空標識の設置作業も不要になったため作業員の危険も減少しました。外注していた測量費も大幅節減できたといいます。この工事は発注者との協議でICT施工の指定を受け、点群活用による生産性向上が評価され「令和5年度長野県優良技術者表彰」を受賞しています。担当者は「安全性と生産性を同時に向上できた」と述べており、法面現場こそ点群の恩恵が大きいと感じたそうです。 他にも、崖崩れ対策で斜面の変位計測にドローン点群を用いたり、砂防ダム施工で出来形を点群チェックすることで検測時間を半減した事例など、法面分野での活用報告は増えています。地形が複雑で危険な現場ほど、点群の「非接触・広範囲・高精度」という利点が活かせるのです。

橋梁工事・点検の事例 – 補修計画に点群フル活用

橋梁の新設・補修・点検においても点群データの利活用が進んでいます。北海道の東海建設株式会社では、橋梁補修工事に3D点群を用いたインフラ補修計測システム「Hatsuly」を導入しました。従来は職人が橋桁下面の損傷箇所を手測りしてマーキングし、図面化していたものを、点群スキャンで精密に損傷部を記録し3Dモデル化することで計測精度と作業効率を大幅に向上させています。発注者からも「画期的なシステムだ」と驚かれ、担当者は「10点満点でおすすめできる」と評価しています。具体的な効果としては、手計測では見落としがちだった細かなひび割れ・剥離も点群データから自動抽出可能となり、補修数量の算定ミスが減りました。その結果、現地調査に要していた日数が約半分になり、図面作成の手間も大幅削減できたとのことです（※東海建設ヒアリング）。橋梁補修では夜間作業も多いですが、点群を取得しておけば昼夜問わずデスク上で詳細を確認できるため、夜間現場での作業短縮にもつながっています。 また、別の橋梁点検事例では、LiDAR搭載のタブレットで橋脚や桁下をスキャンし、ひび割れ図を自動生成したことで図面化作業を効率化したケースがあります。従来は高所作業車を使って近接目視・計測していたものが、地上から短時間で点群取得できるため高所作業車の準備・待機時間も削減できました。点群処理ソフトのAIを使えば、コンクリート表面のひび割れや鉄筋露出を自動で判別するといった最新技術も登場しており、これにより従来比で7～8割の工数削減を達成した例もあります。橋梁分野では精密な3D記録がそのまま維持管理資料になるため、将来的なモニタリングにも役立ちます。中小の橋梁工事会社でも、点群をBIM/CIMデータと連携させて足場計画や重機干渉チェックに活かす動きがあり、現場の段取り改善やミス削減に寄与しています。このように橋梁分野でも点群活用が生産性と品質を同時に向上させるツールとして定着しつつあります。

点群導入のハードルとその解決策 – 小規模でも始められる工夫

「とはいえ、点群なんて難しそうだし高額な機材が必要なのでは？」と不安に思う方も多いでしょう。しかしご安心ください。技術の進歩により、中小企業や小規模現場でも無理なく点群を導入できる環境が整いつつあります。ここでは、現場の声で多い導入時のハードルと、その解決策となるポイントを整理します。

• ハードル① 機材が高価: 以前は数百万円するレーザースキャナーが必要でしたが、今やスマホやタブレット＋小型機器で代用できるケースも出てきました。例えば最新のiPhoneやiPad ProにはLiDARセンサーが搭載されたモデルがあり、このスマホのLiDARで手軽に点群取得が可能です。専用アプリを使えば部屋の中から土木構造物の一部までスキャンでき、高価な機材を買わずとも身近なスマホで点群デビューできる時代です。さらに、市販のハンディ3Dスキャナーは100万円以下の商品も登場しており、必要なときだけ機器レンタル（数日で数万円程度）する企業も増えています。このように初期投資を抑える工夫が十分可能です。

• ハードル② 導入の手間・スキル不足: 「高度な測量知識やソフト操作が必要なのでは？」という心配も、最近のツールでは軽減されています。ワンストップで完結する専用アプリが増えており、現場でのスキャンからデータ処理・図面化まで一つのアプリでできるものも登場しています。例えば前述の LRTK Phone では、スマホに専用アプリを入れるだけで測位から点群スキャン、写真計測までオールインワンで使えるよう工夫されています。クラウドサービスも充実しており、撮影データをアップロードすれば自動で点群合成・解析してくれるため、難しいソフトを操作する必要もありません。技術サポート体制が整った製品を選べば、未経験者でも安心して使い始められます。社内で人材育成する際も、まずは簡単な計測から始めて徐々にスキルアップできるでしょう。

• ハードル③ 精度や基準への不安: 「スマホや安価な機器で精度は大丈夫？基準点との整合は？」といった懸念もあります。これにはRTK測位と組み合わせたスマホソリューションが解決策となります。例えば LRTK Phone のようなスマホ装着型のRTK-GNSS受信機を使えば、iPhoneに小型アンテナを付けるだけでスマホをセンチメートル級の測位ができる万能測量機に変身させることが可能です。重さ約165g・厚さ1cm程度のコンパクト機器ながら、スマホ単体では得られない高精度位置情報を取得できます。これにより取得した点群には緯度・経度・標高の絶対座標を自動付与でき、後処理で基準点に合わせる手間もかかりません。つまり既存のスマホにプラスするだけで低コストに本格的な3D測量が始められるのです。実際、スマホ＋RTKで橋梁の下面をスキャンし、GNSSが届かない箇所も高精度に位置合わせできた事例があります。このように最新ソリューションを活用すれば、小規模事業者でも精度と実用性を両立した点群計測が可能です。

*スマートフォンに小型GNSS受信機を取り付け、三脚に据えて点群測量を行っている様子。LRTK Phoneのようなソリューションを使えば、片手で持てるデバイスでセンチメートル級の高精度測位が実現し、誰でも手軽に絶対座標付きの点群が作成できる。現場の不便を解決する新兵器として注目されている。*

• ハードル④ 社内の抵抗感: 新技術導入には「うちの現場規模では不要では？」「ベテランに扱えるか？」といった心理的ハードルもあります。しかし、むしろ小規模だからこそ点群計測で省力化するメリットは大きいと専門家は指摘します。最初はスマホなどで試してみて、効果を実感してから本格導入するなど段階的に取り入れるとスムーズです。社内研修では小さな構造物をスキャンしてみるデモから始めたり、興味のある若手社員にまず使わせてみるのも良いでしょう。「点群は難しい・高額」というイメージは今や過去のものとなりつつあり、技術の民主化によって誰もが使いこなせるツールへと進化しているのです。国も*i-Construction*の一環で3次元技術の活用を推進していることから、今後現場の新常識になる可能性も高まっています。社内の理解を得るには、今回紹介した事例のような成功例を共有し、「まずはやってみる」文化を醸成することが大切です。

まとめ – 点群活用で中小建設業の未来を切り拓く

点群技術は一見ハードルが高そうに思えますが、実際には中小建設会社こそ恩恵を享受できる有力な手段であることが各種事例からお分かりいただけたと思います。ポイントを振り返ると、測量時間の大幅短縮、作図や数量計算の自動化、再調査・手戻りの削減、安全性確保と効率化の両立と、あらゆる面で工数を削減できるポテンシャルがあります。実際に「作業時間が従来比60%減少した」「1週間かかっていた工程が1日に短縮した」などの劇的な改善例も報告されています。

中小規模の現場でも、道路・上下水道・造成・法面・橋梁といった幅広い分野で点群活用の成功事例が全国に存在します。本記事で紹介したように、それぞれ創意工夫しながら導入し、効果を上げています。「うちは人手も少ないし忙しいから…」と敬遠せず、まずは身近なスマホやドローンからできる範囲で部分的に導入してみることをおすすめします。幸い、LRTK Phoneに代表されるような手軽で高精度なソリューションも登場しつつあり、技術の壁は大きく下がっています。

これからの建設現場は点群データの活用が新常識になるとも言われます。担い手不足や働き方改革が叫ばれる中、限られた人員で効率よく高品質な施工を行うための鍵が点群技術です。ぜひ今回の事例まとめを参考に、自社の現場で「工数60%削減」の実現に向けた第一歩を踏み出してみてください。点群活用が中小建設業の生産性と競争力向上に寄与し、ひいては現場の働き方改革につながることを期待しています。技術の力で未来の現場を切り拓いていきましょう！