What is RTK-GNSS positioning that is attracting attention now?
Published June 24, 2022
"Satellite positioning system" used in car navigation systems and map applications.
Among them, "RTK positioning", which can measure position information with higher accuracy, is attracting attention.
So, in this article, what is RTK-GNSS? And I would like to explain the actual RTK positioning.
RTKの定義と基本原理
RTKは相対測位と呼ばれる測位方式の一種で、少なくとも2つのGNSS受信機(移動局と基準局)を同時に使います。
まず既知の座標に設置した基準局が複数のGPS衛星(GNSS衛星)から受信した信号をもとに、自身の測位結果と実際の位置との差(誤差)をリアルタイムで算出します。次に基準局は無線や通信回線を通じて誤差情報(補正データ)を移動局に送信し、移動局はそれを利用して自分の測位結果に補正を加えることで、高精度な位置を求めます。
このようにRTKでは、単独の受信機だけで測位する通常の方法と異なり、2点間の相対的な測位によって誤差を打ち消す仕組みになっています。
リアルタイムキネマティックという名称が示す通り、これらの補正は測位と同時進行で行われます。測位結果は現場で即座に得られるため、後処理を待つ必要がなく、その場で位置座標を確認したり測量作業を進めたりできます。RTKは従来のディファレンシャルGPS(DGPS)の発展形とも言え、特にGNSS信号の搬送波位相という波の位相のズレを利用することで、更に精密な測距を可能にしています。
搬送波の波長は数十センチメートルと短いため、この位相差を解析することで数センチの誤差レベルまで位置を追求できるのです。
なお、高精度な補正を行うためには移動局と基準局の距離があまり離れすぎないことが重要です。一般的に基線長(基準局-移動局間の距離)は10km程度以内で運用することが推奨されます。
これは、離れすぎると両局で共通する誤差(後述)の条件が変わってしまい、補正効果が薄れるためです。近年は国土地理院の電子基準点データやネットワーク型RTKサービス(Ntrip通信など)を利用して長距離でも補正できる仕組みも整ってきていますが、ここでは基本的な単一基準局によるRTK原理を押さえておきましょう。
通常のGPSとの違い – 誤差の原因とRTKによる補正
単独のGPS測位(1台の受信機での測位)では、一般に数メートルから十数メートル程度の誤差が生じます。
一方、RTK測位を用いると誤差は数センチメートル以内に収まります。RTKがこれほど高精度な理由は、通常のGPS測位に影響を与える様々な誤差要因を基準局との相対測位によって打ち消しているためです。
GPS測位の主な誤差要因
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衛星軌道誤差:衛星の軌道位置のわずかなずれによる誤差
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衛星時計誤差:衛星に搭載された原子時計と受信機側の時計の誤差
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電離層・対流圏遅延:電離層や対流圏での信号伝播の遅れによる誤差
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マルチパス誤差:建物や地形による信号の反射・干渉で生じる誤差
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受信機ノイズ:受信機内部の電子ノイズや環境電磁誘導による誤差
単独測位では上記の誤差要因がすべて積み重なってしまうため、どうしても測位精度に限界があります。例えば、スマートフォンのGPSで地図上の現在位置が数メートルずれて表示されるのは、これら誤差の影響によるものです。
RTKでは、基準局と移動局が同じ衛星からの信号を受信しているため、衛星軌道誤差や時計誤差、電離層・対流圏遅延といった両局で共通の誤差成分をほぼ打ち消すことができます。
基準局で得た誤差情報を適用することで、移動局側ではそれらの誤差を差し引いた「より真の位置」に近い測位が可能になるのです。ただし、電波の反射によるマルチパス誤差や各受信機固有のノイズなど、局所的に異なる誤差までは完全には除去できません。
それでも影響の大きな誤差要因の大半を補正できるため、結果としてRTKでは桁違いに高い測位精度が得られます。
ご覧のように、RTKを使用することでGPS測位の誤差を飛躍的に小さくできることが分かります。従来は高精度測位と言えば静的な測量や長時間の平均測定が必要でしたが、RTKの登場により移動しながらでも即時にセンチ精度を得ることが可能となりました。この技術革新により、これまでGPSの精度では難しかった作業も GNSS による自動測位で代替・効率化できるようになっています。
RTKのメリットと活用事例
RTKがもたらすメリットは大きく分けて「測位精度の向上」と「作業効率の向上」の二点です。精度が向上することで今まで人手に頼っていた微妙な位置出し作業を機械測位に置き換えられ、効率が上がることで大規模な測量や施工管理も短時間・省人手で実施できるようになります。ここでは、測量・建設業界を中心に具体的な活用シーンを紹介します。
測量分野でのRTK活用
RTKは土地測量や地形測量で威力を発揮します。従来、測量士がトータルステーション(TS)という光学機器を据えて行っていた丁寧な観測も、RTK-GNSS受信機を使えば短時間でカバーできます。例えば広い造成地の地形を測る場合、ベース局とローバー局のセットを使えば人が歩き回りながらポイントごとの標高や位置を即座に取得でき、人員や手間を大幅に削減できます。
RTK測位により得た座標は既知点に基づく世界座標系(日本なら世界測地系)で記録されるため、後の図面作成や設計座標との照合もスムーズです。
また、基準点測量にもRTKが活用されています。国土地理院の電子基準点から補正情報をリアルタイムにもらうネットワーク型RTK(GNSS)測量を用いれば、離れた現場でも新たな基準点をセンチ単位で設置可能です。これにより工事現場の測量網づくりも効率化され、従来必要だった長距離のトラバース測量を減らせます。
最近ではドローン(UAV)による写真測量にもRTK-GNSSが搭載されており、地上に多数の標定点を設置せずとも空中写真から正確な地形モデルを作成できるようになっています。
広大な工事現場を短期間で測量するためにRTK付きUAVを導入した例もあり、上空からリアルタイムに高精度位置補正を行うことで地上設置の標定点作業を削減できたという報告があります。
土木施工・建設機械でのRTK活用
土木工事の施工管理でもRTKは重要な役割を担います。国土交通省が提唱するICT施工(スマート施工)では、ブルドーザやショベルなどの建設機械にGNSS受信機を搭載し、作業を自動または半自動で行うマシンガイダンス・マシンコントロールが普及しつつあります
。例えばブルドーザのブレード(排土板)にRTK-GNSSを取り付けて設計面の高さ通りに自動制御したり、バックホウ(掘削機)にGNSSを載せて地面の掘削ラインを事前の丁張(杭や水糸)なしで掘削したりすることが可能です。
ロードローラー(転圧機)に搭載して盛土の締固め回数を管理するといった応用例もあり、高精度な位置情報を活用することで重機オペレーターの熟練度に頼らず正確・安全に施工できるようになります。
出来形管理(完成した土工形状の検測)にもRTK-GNSS測量機が用いられており、従来は人力で多数測点を計測していた作業を、ローバー受信機を持って歩くだけで面的に記録できるようになりました。
これらにより工事全体の生産性向上と品質確保が両立できるとして、RTKは次世代の建設現場になくてはならない技術となっています。
さらにインフラ分野では、鉄道や道路の維持管理にRTKを活用する動きもあります。例えば鉄道会社では線路の検測や設備管理に高精度な位置把握が求められるため、GNSSやレーザースキャナを組み合わせた計測台車でRTK測位を行い、レールや枕木の歪みを精密に測定する試みが行われています。またトンネルや高架下など衛星信号が届かない環境では利用できないという制約はあるものの、今後は日本の準天頂衛星「みちびき」による補強信号や、IMU(慣性計測装置)との融合によって、RTKを含む高精度測位がさらに幅広い場面で活躍すると期待されています。
What is GPS
GPS stands for "Global Positioning System" and is a satellite positioning system developed by the United States.
As mentioned at the beginning, it is used to acquire location information for smartphones and car navigation systems, and has become a familiar part of our lives.
LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上
LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。
LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。
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