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鉄道施工を革新するLRTK:高精度測位とAR施工支援で省力化を実現

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

鉄道施工現場の省力化ニーズと課題(軌道・構造・保守)

鉄道インフラの現場では、近年ますます省力化(少ない人員で効率よく作業すること)のニーズが高まっています。背景には深刻な人手不足と作業量増加の問題があります。たとえばJR東日本の発表によれば、2035年度にはメンテナンス作業量が2024年度比で約20%増加する一方、鉄道工事従事員は約20%減少する見込みとされ、現場スタッフの継続確保や作業の効率化が急務となっています。老朽化した設備の更新・保守量が増える中で作業員が減っていくため、省力化技術による生産性向上が避けて通れません。


人手不足が特に顕著なのは軌道工事や保線作業の分野です。レールや枕木の交換・補修といった軌道作業は重労働であり、しかも列車の運行停止後の深夜帯に実施せざるを得ないケースが多くなります。真夜中の屋外作業や長時間労働を伴う労働環境は現代の若者には敬遠されがちで、若手人材の確保が難しい状況です。実際、ある調査では鉄道の保守要員の約67%が夜間作業ではなく昼間へのシフトを望んでいるとも報告されています。また、熟練技術者の高齢化によって技術継承の断絶も起きています。ベテラン社員が次々定年を迎え、培ったノウハウが若手に十分引き継がれないまま失われつつあるという指摘もあります。こうした人材面の課題から、鉄道業界では外国人技能実習生の受け入れまで検討されていますが、根本的な解決策とは言えません。


さらに鉄道特有の事情として、現場作業は軌道・土木構造物の施工から定期保守まで、狭隘(きょうあい)な空間や限られた時間内で行わなければならないという制約があります。駅構内や線路脇の限られたスペース、トンネル内部などでの作業は大型機械の導入が難しく、どうしても人海戦術に頼らざるを得ません。また列車の安全運行を優先するため、多くの工事は終電から始発までの深夜数時間に集中して行われます。夜間の短時間施工では段取りに少しでもミスがあると作業が完了せず、列車運行に支障をきたすリスクもあるため、過度な緊張と負担が現場にかかっています。このように鉄道施工の現場では、人員不足・技能伝承・作業環境といった多方面の課題が山積しており、新たな技術による抜本的な効率化が求められているのです。


測量・位置出し作業の属人化と非効率(夜間、狭小、熟練技術者依存)

鉄道工事における測量位置出し(墨出し)作業は、従来からベテランの職人芸に依存してきた分野です。たとえばレールの基準位置のマーキングや構造物の据え付け位置出しでは、測量士が図面上の座標をもとに現地で丁張りをかけたり、測点に杭を打ったりします。これらの作業は高度な熟練とチームワークを要し、通常2~3人がかりで時間をかけて行っていました。特定の熟練者に属人化している業務の典型であり、その人が不在だと作業が滞る、あるいは品質にばらつきが出るリスクがあります。属人化により業務がブラックボックス化し、生産性低下やミスの見逃しにつながる懸念もあります。


また、鉄道現場の測量は夜間作業狭小空間での作業ゆえの非効率にも悩まされてきました。夜間の線路上で測量機器(三脚やトータルステーション)を据え付けて視準するのは難しく、暗所では測定誤差やヒューマンエラーも増えがちです。線路際は足場が悪く照明も限られるため、ベテラン作業員でも迅速な測点は容易ではありません。さらに光学式の測量機器では、測定には直線的な視通しが必要なため、カーブした線路や障害物の多い駅構内では何度も据え直しが必要になることもあります。例えばトータルステーションで杭打ち位置を出す場合、機器とプリズムの間の視通し確保が難しい環境だと測点作業に手間取り、時間を浪費してしまいます。これらの要因が重なり、現場測量の効率は決して高いとは言えない状況でした。


属人化と非効率が重なると、現場では「測量の神様」と呼ばれるような一部のエキスパートに負荷が集中しがちです。しかしそうしたベテランも定年で減っており、若手へのノウハウ伝承が急務です。鉄道施工の生産性向上には、測量・位置出し作業を誰でも容易かつ正確に行える仕組みが必要とされています。夜間や狭隘部でも効率よく測点でき、熟練者でなくとも扱える技術が望まれているのです。


高精度GNSS(RTK)とARの組み合わせが変える作業フロー

こうした課題を解決する切り札として注目されているのが、高精度GNSS測位AR(拡張現実)技術の組み合わせです。RTK(リアルタイムキネマティック)方式のGNSS測位により、屋外でセンチメートル級の高精度な位置座標をリアルタイム取得できるようになりました。一方AR技術は、現場のカメラ映像に設計図面や3Dモデルを重ねて表示することで、直感的に「どこに何を設置すべきか」を可視化してくれます。この測位表示を組み合わせることで、鉄道施工の作業フローが大きく変わろうとしています。


従来は図面の数値を読み取り、巻尺や測量機で現地にポイントを移設するというアナログな手順が必要でした。例えば架線柱の建植位置を決めるにも、まず測量班が基準点からオフセットを計算して杭を打ち、その位置に施工班が柱を立てて…といった具合に工程が分かれていました。RTK-GNSS+ARを活用すれば、設計上の目標位置をデジタルに現地へプロットできるため、この手順が劇的に簡素化されます。具体的には、高精度測位で得た現在位置と設計座標との差分をリアルタイムに計算し、AR上で「ここに設置」とマーカー表示したり、誘導用の矢印を出したりできます。作業員は画面の指示に従って移動するだけで所定位置にマーキングでき、煩雑な測り取り作業が不要になります。視通しの確保が難しい広い現場や夜間でも、GNSSなら衛星さえ見通せれば測位可能なので、暗所や障害物下でも効率よく正確な位置出しが行えるでしょう。


RTKとARの組み合わせにより、複数人で行っていた測量が1人で完結する場面も出てきます。従来は測量士が1人、補助者が1人以上ついて行った杭打ち作業も、RTK受信機を持った1人だけでこなせる可能性があります。またAR表示によって、ベテランでなくとも設計図どおりの位置を直感的に把握できるため、作業品質の属人性が低減します。図面の読み違いやコミュニケーションロスも防げるため、結果的に手戻りやミスも減少します。要するに、高精度GNSSによる測位の省力化と、ARによる情報伝達の視覚化を組み合わせることで、鉄道施工のワークフロー全体が抜本的に効率化されるのです。


スマホと小型GNSSによる高精度位置誘導の仕組みと精度水準

高精度GNSSと聞くと大がかりな専用機器を思い浮かべるかもしれませんが、近年ではスマートフォンと小型RTK受信機の組み合わせで簡単に実現できるようになっています。スマホの上部に装着できるアンテナ一体型のRTK-GNSS受信機が登場し、これを使えばスマホがそのままセンチメートル精度の測量機器になります。日本では準天頂衛星「みちびき」によるセンチメータ級補強サービス(CLAS)が提供されており、対応する受信機であれば基地局を設置せずとも衛星から直接補正情報を得てcm級測位が可能です。あるいは携帯通信網経由で全国の電子基準点ネットワークから補正データを受け取るネットワーク型RTKも整備されており、スマホが通信できる環境ならどこでも高精度測位が行えます。


肝心の測位精度ですが、RTKを用いれば一般に水平位置で±2~3cm、鉛直方向で±3~4cm程度の誤差に収まります。スマホ用の小型受信機でも、安定した環境下ではほぼ同等のcm級精度が期待できます。実際、とある小型RTKデバイスでは単独測位で約12mmの標準偏差が得られ、複数測定の平均化により8mm程度の精度まで高められた例もあります。鉄道工事において数cmの精度は、路盤の位置出しや構造物の設置には概ね実用十分と言えるでしょう(軌道の線形調整などミリ単位が要求される工程では、最後の微調整を別途行う必要がありますが、初期位置出しの段階でcm精度が確保できれば大幅に省力化できます)。またGNSS測位は基本的に1人で受信機を持って移動すれば完結するため、従来のように測量班が3人1組でトランシットを操作するといった非効率も解消できます。


図: スマートフォンに装着する超小型RTK受信機「LRTK Phone」。 重量約125g・厚さ13mmのポケットサイズで、スマホをセンチメートル級の測位端末に変えることができる。


スマホ+RTK受信機による位置誘導の仕組みもシンプルです。あらかじめ設計図面の座標データをスマホのアプリに取り込んでおき、現地で受信機が測定する現在位置と目標位置との差をリアルタイム演算します。画面上には「目標地点まで東西南北に何cm・上下方向に何cm」といったガイダンスや矢印が表示され、作業員はその指示に従って移動するだけで所定の位置に到達できます。目標地点に近づくと誘導表示がゼロに収束し、そこで杭打ちやマーキングを行えば完了です。これなら熟練の勘がなくても誰でも正確な測点が可能になります。また誘導対象は地上の点だけでなく、高度方向の誘導も可能なので、例えば架線柱の高さ調整や構造物の設置高さ合わせも支援できます。GNSSによる測位自体は夜間でも機能するため、日中と変わらぬ精度で深夜の位置出しが行えます。狭隘な場所では衛星が十分見えずRTK解が不安定になる場合もありますが、その際は補助的に既知点からのローカル測位やIMUセンサーの活用などでカバーし、安定した誘導を実現する工夫もなされています。


総じて、スマホと小型RTK受信機を組み合わせることで「どこでも1人で測量&測位誘導」が可能な時代になりつつあります。高価な専用測量機を使わずとも、身近なスマホで高精度の位置誘導ができることは鉄道施工現場にとって大きなメリットです。機器の扱いも直感的で、専用の長期研修を受けなくても現場担当者が短時間で使いこなせるよう設計されています。まさに手のひらサイズの測量員を各自が携行できるイメージで、現場作業の在り方が変わり始めています。


AR表示による鉄道設備・構造物の施工誘導と出来形確認

高精度測位で得た座標情報は、AR(拡張現実)表示によってさらに直感的な施工支援に役立てることができます。スマホやタブレットの画面越しに、設計上の構造物モデルや基準線を現実の風景に重ねて表示すれば、「どこに何を設置するか」をその場で視覚的に確認できます。鉄道工事では、軌道回りの設備(信号機、標識、架線柱、ケーブル類など)や土木構造物(橋梁部材、擁壁、トンネルライニングなど)を設計どおりの位置に施工する必要がありますが、ARはこの位置合わせ作業に強力なツールとなります。


例えば、タブレットのカメラを線路際の設置予定箇所にかざすと、画面上に設計3Dモデルの架線柱が実寸大で立って見えるようにできます。作業員はその仮想モデルの位置・向きを参考にしながら実物の柱を立て込めばよく、図面と実物を見比べる手間なく正確な建植が可能です。従来は図面を片手にスケールを当てて測りながら位置出ししていた作業が、AR表示のおかげで「見るだけ」でズレなく行えるわけです。配管工事などの例では、ARで表示した設計モデルを現地で確認することで、施工前に干渉や位置ミスを発見でき、手戻り工事の激減につながったとの報告もあります。清水建設の事例では、設備配管工事にタブレットのARシステムを導入し、図面情報と現場実物を画面で照合できるようにした結果、紙図面での確認に比べ作業負担が大幅軽減しヒューマンエラーも低減したそうです。このようにARによる施工誘導は、位置ずれ・寸法間違いの未然防止に大きな効果を発揮します。


図: スマートフォンのAR表示で設計モデルに基づく出来形ヒートマップを現場に重ねて確認している様子。 GNSS測位により絶対座標が合わされているため、現地でカメラをかざすだけで施工箇所の誤差を色分け表示できる。


さらにARは、施工後の出来形(できがた)確認にも有用です。出来形とは完成した構造物や設備が設計どおりに作られたかを示す形状・寸法のことで、品質管理上とても重要です。ARを使えば、完成した実物の上に設計モデルを透かし合わせて表示し、その場でズレを目視チェックできます。例えば架橋工事で、ボルト締結位置がずれていないかをAR越しに確認したり、軌道の設置直後に設計の通り線形が出ているかを重ね表示で検証したりできます。もしズレが判明しても即座に現場で手直し可能なので、後日に問題が発覚して再工事…という事態を防げます。近年では、3次元計測した実測データ(点群)と設計3Dデータを比較して色分けした「出来形ヒートマップ」を現場で活用するケースも出てきました。出来形ヒートマップとは、設計との差異をヒートマップ(熱分布図)のように色で示したもので、設計通りの部分は青〜緑、盛土過剰や不足、部材の位置ズレがある部分は赤〜黄といった具合に一目で良否が判別できます。従来、出来形図面で不良箇所を特定するには測量図と現場を見比べてマーキングする必要がありましたが、AR対応のシステムではヒートマップを現場映像に重ねて表示できるため、ずれている箇所をその場で特定しやすくなっています。例えば、あるシステムでは出来形ヒートマップをスマホに表示して現地をかざすと、色付きの虚像が実物とピタリと重なって見えるため、誤差の位置と程度が直感的に把握でき、即座に補修作業に取りかかれるようになりました。このようにARは施工の最中から事後検査まで幅広く活用でき、ヒューマンエラーの低減品質の担保に貢献します。


AR活用の利点はその他にもあります。例えば、完成イメージを発注者や近隣住民に説明する際、現地にARで完成予想の構造物を実寸表示すれば直感的に伝わります。施工者と設計者・発注者間で完成形の共有がスムーズになり、認識のズレを減らす効果があります。またAR上に施工手順書や注意点を表示しておけば、現場作業員は一目で指示内容を理解でき、ベテランと若手のイメージギャップ解消にも役立ちます。遠隔地の専門技術者がAR映像越しに現場を確認しながらアドバイスするといったリモート支援も可能となり、人の移動時間を省きつつ適切な指示が行えるようになります。鉄道施工では地域的に広範囲な現場や特殊な工事も多いですが、こうしたAR+通信による遠隔臨場は効率化と安全性向上につながるでしょう。総じて、ARの導入は「勘と経験」頼みだった施工管理をデジタルで見える化し、誰もが理解しやすい形で現場をサポートすることで、ミスの激減と大幅な効率向上をもたらしています。


夜間作業の省人化とヒューマンエラーの削減効果

高精度RTK測位とAR施工支援の導入は、特に夜間作業における省人化に大きな効果を発揮します。鉄道の線路保守や工事は深夜に行われることが多く、これまでは安全確保のためにも複数人チームで作業するのが常識でした。しかし先述のように、RTK測位で一人でも正確な位置出しができ、AR表示で施工ミスも防止できるとなれば、必要な人手を大幅に減らすことが可能です。測量や墨出し作業では既に「3人1組から1人作業へ」の転換が起きつつあり、今後は他の工程でもデジタルツールによって1人でも完結できる作業が増えていくでしょう。


夜間作業では人員を減らせること自体が労務環境の改善につながります。少人数で済めば交代要員の手配や長時間残業も削減でき、各人の負担が軽減します。若手が敬遠する深夜勤務を最小限にできれば、人材確保にもプラスです。実際、JR西日本などは終電繰上げや昼間作業へのシフトを打ち出していますが、デジタル技術の活用も夜勤縮小の助けとなるでしょう。また夜間は視界不良や作業ミスのリスクが高まる時間帯ですが、ARによる視覚サポートはヒューマンエラーの削減にも直結します。暗闇で勘に頼って計測・設置するより、画面に示されたガイドに従う方がミスは格段に減ります。例えばあるインフラ企業では、地下に埋設された管路の位置をARで可視化したことで掘削ミスが激減したと報告されています。鉄道の保守作業でも、夜間に見えにくいケーブル類や信号装置を事前にスキャンデータで把握し、ARで「そこにあるもの」として表示しておけば誤って損傷する事故を防げます。さらに出来形検査もARでその場確認できれば、後日発覚するミスが無くなり即日是正できます。つまり、その日のうちにミスを潰せるわけで、品質不良の放置による大事故リスクも下がります。


省人化とミス削減は経済的なメリットも大きいです。人数が減れば人件費が削減でき、ミスや手戻りが減れば工期短縮・コスト圧縮につながります。例えばAR活用により施工ミス防止と工程短縮でプロジェクト予算の7~11%に相当する無駄を削減できた海外事例も報告されています。鉄道工事は安全優先で冗長なプロセスを取る傾向がありましたが、デジタル技術で無駄を省きつつ安全性を高めることで、効率と安全の両立が可能になってきました。夜間作業を担う現場スタッフの働き方改革にも直結するため、労働環境改善・人材定着の観点からも期待されています。


もちろん、夜間の鉄道現場から人をゼロにすることは当面難しいでしょう。しかし「少数精鋭+デジタル」で臨めば、今まで5人必要だった巡回点検を2人でこなす、重機誘導員を配置せずARで機械に自動警告させる、といった省力化も十分考えられます。これらは単なる人減らしではなく、限られた人員でより安全に確実に仕事を完遂する手段です。結果として残業や深夜勤務も削減され、鉄道現場の生産性と安全性が飛躍的に向上するでしょう。


点群取得とクラウド管理による出来形の高精度記録

GNSSとARで現場作業を効率化した後は、3次元点群データの取得によって出来形を高精度に記録し、クラウドで管理する段階へと進みます。スマートフォンの最新モデルにはLiDARセンサーや高性能カメラが搭載されており、これとRTK測位を組み合わせることで手軽に高精度な点群計測が可能です。例えばiPhoneやiPadにRTK受信機を装着し、専用アプリで現場をスキャンすると、カメラ映像やLiDARで取得した点群一つ一つにcm精度の位置座標タグが付与されます。こうして得られた点群データは、現場そのものを仮想的にコピーしたようなデジタル3Dモデル(デジタルツイン)となります。


点群計測のメリットは、広範囲の出来形を短時間で捉えられることです。鉄道工事では、橋梁やトンネルといった大きな構造物から、線路周辺の地形や設備配置まで、出来形管理対象が多岐にわたります。従来は各所をメジャーや計測器で点測して図面化していましたが、点群なら面的な形状を一度に取得できます。国土交通省も3D点群を用いた出来形管理を推進しており、こうしたスマホ+RTKによる簡易計測も要領に沿った形で活用が進んでいます。例えばRTK対応のドローン空撮や高額なレーザースキャナーを使わなくとも、スマホを持って現場を歩くだけで60m先までの高精度点群を作成できる技術が登場しています。あるシステムでは訓練不要で大規模現場を実働5分以内でスキャン完了でき、取得した点群には全て絶対座標が与えられるため、そのまま出来形成果として提出可能です。橋梁の裏側のようにGNSS信号が届かない箇所でも、外側からスキャンした点群に基準点を与えることで内部の座標を割り出せるため、一連の構造物全体を統一座標系で記録できます。このようにして取得した出来形点群データは、設計3Dモデルと重ね合わせての比較にも威力を発揮します。前述の出来形ヒートマップも、まさに設計モデル vs 点群の差分計算によって自動生成されるものです。


取得した点群や測位データは、クラウド上で一元管理するのが近年のトレンドです。専用クラウドにアップロードすれば、オフィスにいながらブラウザで現地の出来形状況を3D閲覧できます。またクラウド上で測点間距離や面積、体積などを計測することも可能で、たとえば盛土・掘削の土量計算や、高さ基準面からのずれ量算出などもボタン一つで行えます。現況点群と設計データの差分チェックもクラウド上で自動実行でき、色分けヒートマップが数クリックで生成されます。現場で取得した膨大な3Dデータもクラウドに上げてしまえば、ローカルPCで重い処理をする必要はなく、関係者間でデータ共有・合意形成も容易です。報告書用の図面や写真もクラウドから自動生成する仕組みが登場しており、出来形管理の事務作業すら省力化が進んでいます。


鉄道工事において出来形の高精度記録は、将来的なメンテナンスや資産管理にも役立ちます。例えば橋脚やトンネルの出来形点群を保存しておけば、将来の変位測定や損傷調査時に過去データとの比較が可能です。線路周囲の地形データを持っておけば、豪雨後の土砂流出状況を過去と照合するといった災害対応も迅速になります。さらに、出来形点群はそのままBIM/CIMの完成モデルに取り込んでデジタルツインとして利活用することもできます。鉄道会社ではインフラ設備の3Dデータ化を進める動きもありますが、スマホで手軽に精密点群が取れるなら一気に現実解となるでしょう。要は、現場で起きたことをそのまま高精度デジタル記録して蓄積できるようになったのです。紙の帳票や2次元図面では表現しきれなかった微妙なズレや形状も、点群なら漏れなく残せます。これは発注者・施工者双方にとって透明性の高い品質証明となり、ひいては鉄道インフラ全体の信頼性向上につながっていくはずです。


スマホRTK+AR+点群で省力化を実現する**LRTK**のワークフロー

以上見てきたようなスマートフォンRTK測位・AR施工支援・3D点群計測を組み合わせた一連の省力化ワークフローは、実際に現場導入が始まっています。その代表的なソリューションが、今回テーマにも挙げた 「LRTK」 です。LRTKはレフィクシア株式会社が開発したスマホ装着型のRTK-GNSS受信機およびクラウドサービスで、スマホ1台で測位・誘導・スキャン・共有までを完結できる次世代ツールとして注目されています。LRTKを使うことで、鉄道施工の現場でも誰もが手軽に高度なデジタル計測・施工管理を行えるようになります。その主な特徴をまとめると以下の通りです。


センチメートル級の高精度測位(水平誤差±2cm程度、最良条件で8mm精度) 超小型アンテナ一体型の受信機をスマホに装着するだけで、高精度のRTK-GNSS測位が可能です。みちびき(QZSS)のCLAS信号にも対応し、通信圏外でも補正情報を受信できるため、山間部や通信不安定な現場でもcm級測位を実現します。受信機はバッテリー内蔵型でコードレス、重量わずか約125gのため、作業中の負担になりません。機器構成は専用スマホケース+着脱式受信機のみで、煩雑なセッティング不要です。

スマホで完結する点群スキャンと出来形管理 LiDAR搭載のiPhone/iPadで周囲をスキャンすれば、絶対座標付きの高精度点群データを取得できます。取得データから土量計算や断面図作成も即座に可能で、測量から出来形検査までスマホ1台で完結します。スキャン範囲は半径数十メートルに及び、橋梁など大型構造物の出来形も鮮明に点群化できます。取得した点群や測位写真データはクラウドに自動同期され、事務所のPCでリアルタイムに確認・解析できます。国交省の3次元出来形管理要領にも準拠しており、公式な出来形成果品として提出することも可能です。

ARによる現場誘導と可視化 設計BIMデータや図面情報をクラウド経由でスマホに取り込み、現場でAR表示する機能を備えています。設計モデルを実景に正確に重ね合わせるAR投影により、杭打ち位置や構造物の設置位置を現物合わせで示せます。また、出来形ヒートマップを現地AR表示する高度な機能も追加されており、施工不良箇所をその場で視認することができます。歩き回ってもARオブジェクトがズレない安定表示が可能で(高精度な位置・方位検出による)、現場の誰もが直感的に利用できます。さらに、測位データ付きの現場写真撮影や、地下埋設物のAR透視表示など、現場の見える化を促進する機能が盛り込まれています。

誰でも使える省力化ツール LRTKは現場の作業者が特別な訓練なしに使えるよう設計されています。スマホアプリの操作はシンプルで、ワンタップで測位開始・停止、データ保存やアップロードができます。ポケットに入る軽さ・サイズのため、必要なときにすぐ取り出して利用でき、現場の常備ツールとして機能します。価格も従来の測a量機器類に比べて非常にリーズナブルに設定されており、1人1台の配備も現実的です。実際に能登半島地震の被災現場調査や各地の土木測量・インフラ管理で採用が広がっており、その有効性が実証されつつあります。現場で必要な測る・記録する・伝えるという工程をオールインワンで担えるため、導入すれば現場業務の生産性は飛躍的に向上するでしょう。


このように、LRTKに代表されるスマホRTK+ARソリューションは、鉄道施工の在り方を大きく変えようとしています。人手不足や夜間作業の課題に悩む現場にとって、誰でも正確に測れて、ミスなく施工できて、確実に記録も残せるデジタルワークフローはまさに革新的です。従来はベテランの勘に頼っていた作業も、これらツールの助けで新人でもこなせるようになりつつあります。省力化は単に人減らしではなく、限られた人員でより安全・高品質に仕事を行うための知恵です。スマートフォンという身近なデバイスを入り口に、高精度測位・AR・点群という先端技術が現場実務へ普及し始めた今、鉄道施工のDX(デジタルトランスフォーメーション)はいよいよ具体的な成果を上げ始めています。その波に乗り遅れないよう、現場の技術者も積極的に新技術を学び、使いこなしていくことが求められるでしょう。鉄道インフラを未来につなぐために、LRTKが切り開く省力化の道が今後ますます重要になっていくに違いありません。


(※参考:鉄道施工DXやLRTKに関する詳細情報は、JR各社の公式発表や建設IT関連のニュースサイト、レフィクシア社の公式ページなどで公開されています。興味のある方は例えば[JR東日本ニュースリリース](https://railf.jp/news/2025/12/10/000000.html)や[建設ITブログの記事](https://ken-it.world/it/2025/07/lrtk-ar-as-built.html)もご参照ください。)


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

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