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RTK精度を現場でフル活用する5つのポイント

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この記事は平均4分15秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

ポイント1:衛星配置の最適化で測位精度を安定化

ポイント2:マルチパスや電波干渉を避けて良好な測位環境を確保

ポイント3:基地局との距離を短く保ち、適切な補正情報を利用

ポイント4:GNSS機器の正しい設置と設定

ポイント5:適切な測定手順とリアルタイム精度チェック

おわりに:LRTKによる簡易測量

FAQ


RTK測位(リアルタイムキネマティック)は、測量や建設現場でセンチメートル級の高精度な位置情報を取得するための重要な技術です。高精度なFix解(固定解)を得られれば、工事の出来形管理やインフラ点検などで作業の効率と信頼性が飛躍的に向上します。しかし実際の現場では、マルチパス(電波反射)や衛星配置の悪さ、通信遅延など様々な要因によりRTKの精度が低下し、思うようにFix解が得られないこともあります。


本記事では、RTK精度を現場でフルに活用するための5つのポイントを解説します。衛星のジオメトリ最適化やマルチパス対策といった基本から、機器設定や測定手順までを網羅し、現場で安定してセンチ精度を得るコツを初心者にも分かりやすくまとめました。最後に、LRTKによる簡易測量という新しいアプローチも紹介します。それでは、RTK精度を最大限に引き出すためのポイントを順に見ていきましょう。


ポイント1:衛星配置の最適化で測位精度を安定化

RTKの測位精度を左右する大きな要因の一つが、GNSS衛星の配置(ジオメトリ)です。空に見えている衛星が特定の方向に偏って集まっていると、測位計算における幾何学的整合性が弱くなり、DOP値(精度劣化係数)が高くなってしまいます。DOP値が大きい(ジオメトリが悪い)状態では、位置の誤差が増大しFix解も得にくくなります。逆に、衛星が空全体にバランスよく配置されているとジオメトリが強固になり、DOP値は小さく抑えられて精度の良い解が得られます。


そのため、RTK測位を行う時間帯や場所を選ぶ際は、事前にGNSSプランナーなどで衛星配置を確認し、DOP値が低い時間帯を狙うのが有効です。また、近年の受信機はGPSだけでなくGLONASSやGalileo、みちびき(QZSS)といった複数の衛星測位システム(マルチGNSS)に対応しているため、利用できる衛星数を増やすことでジオメトリを改善できます。さらに、受信機の設定において仰角マスク(低高度の衛星信号を除外する角度)を高く設定しすぎないこともポイントです。仰角マスクが高すぎると利用衛星が減ってジオメトリが悪化します。一般的に10〜15°程度までの低仰角衛星もバランス良く使うことで、RTKの水平位置精度(HDOP)を良好に保てるでしょう。


ポイント2:マルチパスや電波干渉を避けて良好な測位環境を確保

RTK精度の大敵である「マルチパス(Multipath)」対策は現場で必須です。都市部や山間部では、ビルの壁面や岩場などでGNSS信号が反射し、直接の衛星信号に遅れて届くことで誤差を生じさせます。こうした反射波による誤差が大きい環境では、いくら高性能な受信機でも正確なFix解の取得が難しくなります。対策として、測位する場所はできるだけ周囲が開けた空が広い地点を選び、高層ビルや金属構造物、大型車両など電波を反射しそうなものを避けましょう。やむを得ず建物近くで測位する場合は、アンテナを可能な限り高い位置に設置して反射波の影響を減らす工夫が有効です。また、アンテナに装着できるグランドプレーン(金属板)があれば下方からの反射を遮断できます。基本的には「電波が反射しにくい環境づくり」が何より重要です。加えて、受信機の仰角マスク設定を適切に調整し、地表面や建物で反射しやすい低角度(例えば15°以下)の衛星信号を除外することでマルチパスの影響を抑えることができます。


次に、周囲の強い無線電波による干渉も避けるようにしましょう。RTKでは微弱な衛星からの信号を受信するため、高圧送電線の付近や無線機・Wi-Fiルーター、携帯電話基地局の近くなど強力な電磁波が出ている場所では受信機がノイズの影響を受け、精度が低下したりFixが不安定になる可能性があります。できる限り強い電波源から離れて測位作業を行いましょう。特に高圧線の真下やテレビ・ラジオの送信アンテナの近辺などは避けるのが賢明です。また、やむを得ずそうした場所で作業する場合は、受信機にノイズフィルターがあれば使用する、内蔵の不要な無線モジュール(Bluetooth等)をオフにする、他の機器はアンテナから距離を取る等の工夫で電波干渉を極力低減させます。電波的にクリーンな環境を選ぶことが、安定してRTKのFix解を得る近道になります。


ポイント3:基地局との距離を短く保ち、適切な補正情報を利用

RTKは基準局(基地局)と移動局(ローバー)の相対測位で高精度を得る方式のため、両者の距離(基線長)が長く離れすぎると精度が低下します。基地局から遠く離れるほど、大気圏による遅延や衛星軌道・時計誤差などが基地局とローバー間で異なってしまい、補正では完全に相殺しきれなくなるためです。一般的に基地局との距離は10km以内が望ましく、それ以上になるとFix解の取得に時間がかかったり、誤差が数センチ以上に拡大したりする可能性があります。可能であれば作業現場の近くに自前の基地局を設置するのが理想です。難しい場合でも、地方公共団体が運用する電子基準点データや民間サービスの仮想基準点(VRS)など、近隣エリアの補正情報を利用することで実質的な基線距離を短く保つことができます。基線を短く維持することで、両局間の誤差要因が小さくなり、結果として素早く安定したFix解が得られるようになります。


また、利用する補正情報の品質にも注意が必要です。ネットワーク型RTK(Ntripなど)を使う場合、配信される基準局データの種類が自分の受信機に適合しているか確認しましょう。例えばシングル周波数GNSS受信機ならシングル周波数用の補正データを、マルチ周波数機なら高精度なマルチ周波数用の補正データ(MSM4やMSM7など)を選択する必要があります。また、利用できる補正サービスが複数ある場合は、基地局に近いサービスや実績あるサービスを選ぶことで精度が安定します。さらに、補正情報を受信する通信環境も重要です。移動通信ネットワーク経由でNtripに接続する際は、電波状態の良い場所で行い、通信遅延や切断が起きないように注意します。補正データにタイムラグが生じると、RTK解がFloat解に落ちたり不安定になったりするため、常にリアルタイムで最新の補正が届く環境を確保しましょう。受信機やアプリの表示するRTKステータス(例えば補正受信の遅延秒数など)を確認し、必要に応じて別のマウントポイントに切り替えるなど柔軟に対応することも肝心です。


ポイント4:GNSS機器の正しい設置と設定

高精度を引き出すには、GNSS受信機およびアンテナを正しく設置・設定することが欠かせません。まずアンテナはしっかり水平に据え付けましょう。アンテナが傾いた状態だと、衛星からの信号受信パターンに偏りが生じ、最悪の場合測位結果にバイアス誤差が混入します。三脚やポールを用いる際は、気泡水準器で水平を確認し、常にアンテナ面が水平になるよう調整してください。また、アンテナの高さ(地上高)の入力ミスにも注意が必要です。特に高さ方向の精度を確保するには、アンテナを地表から十分な高さに設置し(地面近くだと障害物による遮蔽や地表反射の影響を受けやすいため)、測定点からアンテナ基準点までの高さを正確に測り、受信機やアプリに正しく設定しましょう。基地局を自前で設置する場合は、アンテナ高とともに基地局座標も正確に設定することが重要です。誤った基準座標で補正を配信すると、ローバーで得る座標すべてに同じ量の誤差が生じてしまいます。


受信機本体の設定も見直してみましょう。利用可能なGNSS衛星をフルに使う設定になっているか(マルチGNSS対応ならすべてONにする)、シングル周波よりマルチ周波を使える機種なら可能な限り多周波モードで測位する、といった点です。複数周波数を利用できれば電離層誤差の補正精度が上がり、Fixまでの時間短縮や精度向上につながります。また、受信機内蔵のフィルター設定(例えば移動平均やスムージング設定)がある場合、現場の用途に合わせて調整することでノイズを低減できることもあります。さらに、作業前にファームウェアや測位エンジンの設定が最新で安定したバージョンであることを確認しておくと安心です。このように機器のハード面・ソフト面双方で最適な状態を整えることで、RTKのポテンシャルを最大限発揮できます。


ポイント5:適切な測定手順とリアルタイム精度チェック

現場で確実にセンチ級の精度を得るには、正しい測定手順とリアルタイムでの品質確認が重要です。測位を開始する際は、受信機の電源投入直後や新しい地点に移動直後にすぐ測定を始めるのではなく、まず数十秒程度静止して待ち、衛星捕捉と補正情報の受信が安定してFix解になるのを確認しましょう。測定開始直後に移動し始めてしまうと、解がまだFloat(浮動解)状態のまま位置を記録してしまい、精度の劣るデータを取得してしまう恐れがあります。最初のFix解が得られてから移動・観測を行うことで、高精度なデータ収集が可能になります。また、単点測位の場合も、Fixになった直後に記録するのではなく、少し余裕を持って測定を続け、一度Fixが外れていないか様子を見ると安心です。必要に応じて数秒間の測定値を平均して記録するといった工夫で、精度の安定した点データを取得できます。


さらに、測定中は常に現在の測位解や精度指標を監視する習慣を付けましょう。受信機やアプリの画面には、Fix/Floatのステータス表示や利用衛星数、HDOP値(水平精度指数)などがリアルタイムに示されます。これらを随時チェックし、万一Float解に落ちていないか、衛星数が極端に減っていないかなどを監視します。HDOP値が急激に悪化したり、補正データの受信が途絶えた場合は、いったん立ち止まって原因を確認しましょう。場合によっては測位環境を少し移動して視界を確保し直す、Ntripの再接続を行う、などの対処で再びFixに戻せることもあります。また、可能であれば既知点(座標が分かっているポイント)を測定してみて誤差を確認する、もしくは同じポイントを時間を変えて複数回観測し結果を比較する、といった現場での精度検証も有効です。測定データを現場でリアルタイムに評価し、問題があれば即座に対策を講じることで、後から「位置がずれていた」という事態を防ぎ、RTKの精度を最大限活かすことができます。


おわりに:LRTKによる簡易測量

以上の5つのポイントを実践すれば、現場でRTKの高精度をフルに活用でき、測量作業や施工管理の効率・精度が大きく向上します。しかし、ここまで見てきたような衛星の把握や機器設定・運用のコツをすべて把握するのは、初心者にとってハードルが高いと感じるかもしれません。また、高精度RTKを使うには従来は専門の高価なGNSS機器やベース局の用意が必要でした。


そこで登場したのが、スマートフォンを活用した新しい高精度測位システム「LRTK」です。LRTKは専用の小型GNSS受信機とスマホアプリを組み合わせることで、一人でも手軽にセンチメートル級測位を可能にした画期的なソリューションです。例えば、スマホにLRTK受信機を取り付けてポールや一脚で測量すれば、従来は専門機器と熟練者が必要だった杭打ち作業や出来形測定も、誰でも簡単に高精度でこなせます。通常のスマホ内蔵GPSが誤差数メートル(高さは測れないことも多い)であるのに対し、LRTKでは水平±1〜2cm・垂直±3cm程度の精度で測位が可能です。さらに数秒間測定して平均を取ることで、点位の精度をミリ単位まで高めることもできます。その測位精度は一級水準の測量機にも匹敵しながら、シンプルな操作とコンパクトな機材で実現している点が特長です。


LRTKのようなソリューションを活用すれば、RTK測位の専門知識がなくても現場で簡易測量が行え、作業の省力化と高度化を同時に達成できます。高精度が要求される現場業務において、「難しい設定は抜きにしてとにかく素早く測りたい」というニーズがある方は、ぜひLRTKによるスマート測量を検討してみてはいかがでしょうか。


FAQ

Q: RTKとは何ですか? A: RTK(リアルタイムキネマティック)とは、基準点となる基地局と移動局の2つのGNSS受信機を使い、リアルタイムに誤差補正を行うことでセンチメートル級の高精度測位を実現する技術です。基地局とローバーが同じ衛星からの信号を受信し、共通の誤差要因(衛星時計誤差や大気誤差など)を相殺することで、高精度な相対位置を算出します。単独測位では数メートルの誤差が出るGPSも、RTKを用いることで数センチの精度にまで位置を特定できるため、測量や土木分野で広く活用されています。


Q: RTK測位ではどれくらいの精度が得られますか? A: 十分に良好な環境でFix解を得られた場合、RTK測位の精度は通常、水平位置で1〜3cm程度、鉛直方向で数センチ程度と言われます。例えば水平方向に約2cm、高さ方向に3〜5cm以内に収まるのが目安です。ただし精度は基地局との距離や衛星配置、環境条件によって変動します。また、「Fix解」(整数固定解)が得られていることが前提で、もしFloat解(浮動解)の状態であれば精度は数十センチ程度に落ちてしまいます。安定してセンチ精度を得るには常にFix解を維持することが重要です。


Q: 現場でFix解が得られない場合はどうすれば良いですか? A: まずは測位環境を見直してみましょう。周囲に高い建物や遮るものがあれば少し開けた場所に移動し、衛星視野を確保します。また、利用可能な衛星の数やDOP値が極端に悪くないか確認し、必要に応じて時間帯をずらして測量することも検討してください。基地局との距離が遠すぎる場合や補正情報が適切に受信できていない場合もFixが得られない原因になります。通信状態をチェックし、場合によっては別の補正サービスに切り替える、基地局を増設するなどの対策も考えられます。電波干渉も疑われるなら強電界源から離れることが有効です。それでもFixにならない場合、受信機を再起動したり設定をリセットすることで改善するケースもあります。最終手段として、その場でのリアルタイム測位を諦めて静的測位や後処理(PPK)に切り替える選択肢もありますが、まずは原因を一つ一つ潰していくことが肝要です。


Q: 高価な機器がなくてもRTKの高精度測位は可能ですか? A: はい。近年では手頃な機器やサービスを利用してRTK測位を行うことが十分可能になっています。例えばスマートフォンと組み合わせて使える高精度GNSS受信機「LRTK」のようなソリューションなら、大掛かりな測量機材を揃えなくてもセンチメートル級の測位が行えます。従来は数百万円クラスの測量機が必要だった精度が、コンパクトな受信機と通信サービスによってより身近なものになっています。このような新しい機器を活用すれば、専門の測量士でなくても現場で高精度な位置測定を実施できるでしょう。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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