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RTK端末の精度が安定しない原因と見直す5ポイント

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

RTK端末の精度が安定しない状態とは

精度が揺らぐ原因は端末性能だけでは判断できない

見直し1:上空視界と衛星環境を確認する

見直し2:補正情報の受信状態と通信環境を確認する

見直し3:座標系と基準点の設定を確認する

見直し4:端末の設置姿勢と測定方法を確認する

見直し5:現場ごとの運用ルールを整える

安定したRTK測位のために端末選びで見るべきこと

まとめ


RTK端末の精度が安定しない状態とは

RTK端末を現場で使っていると、ある日は安定して測れるのに、別の日には数値が落ち着かないという場面があります。画面上では高精度測位になっているように見えても、同じ点を測り直すたびに座標が少しずつ変わることがあります。あるいは、測定開始直後は良好だったものの、建物の近くや樹木の下に移動した瞬間に精度表示が悪くなることもあります。こうした状態は、端末そのものの故障とは限りません。RTK測位は、衛星からの信号、補正情報、通信環境、座標系、端末の姿勢、周囲の遮蔽物など、複数の条件がそろって初めて安定します。


RTK端末の精度が安定しないとき、現場では「端末が悪いのか」「設定が間違っているのか」「この場所では測れないのか」という判断に迷いやすくなります。特に、測量専任者ではない担当者が日常業務の中でRTK端末を使う場合、原因を一つずつ切り分ける手順がないと、毎回感覚的な判断になってしまいます。その結果、測位できる場所とできない場所の境目が分からず、再測定や確認作業が増えてしまいます。


RTK測位の精度が安定している状態とは、単に画面上の精度表示が良いという意味だけではありません。同じ条件で同じ点を繰り返し測ったときに、座標のばらつきが小さいことが重要です。また、測定値が現場で求められる許容範囲に収まっていること、測定後に別の端末や別の日の測定結果と大きく食い違わないことも大切です。表示上の数値だけを見て安心するのではなく、測定環境と測定結果の再現性を合わせて確認する必要があります。


RTK端末は、条件が整えば非常に高い精度で位置を取得できます。しかし、衛星信号が反射しやすい場所、通信が途切れやすい場所、基準となる座標系が現場設定とずれている場所では、期待した精度が出にくくなります。つまり、RTK端末の精度が安定しない問題は、端末単体のスペックだけで解決するものではなく、現場設定と運用を含めて見直すべきテーマです。


この記事では、RTK端末の精度が安定しないときに確認すべき原因と、実務担当者が現場で見直せる5つのポイントを解説します。専門的な測量理論に深く入り込みすぎるのではなく、日々の現場確認や施工管理、出来形確認、位置記録、点群取得などにRTK端末を使う担当者が、迷わず確認できる内容として整理します。


精度が揺らぐ原因は端末性能だけでは判断できない

RTK端末の精度が安定しないとき、最初に疑われやすいのは端末の性能です。もちろん、アンテナ性能、受信できる衛星の種類、補正情報への対応、アプリ側の処理、端末の耐久性などは重要です。しかし、同じRTK端末でも、開けた場所では安定して測位でき、建物沿いや高架下に近い場所では不安定になることがあります。この違いは、端末性能だけでなく、衛星信号の入り方や周辺環境の影響が大きいことを示しています。


RTK測位は、衛星から届く信号をもとに現在位置を計算し、さらに基準局や補正配信から得られる補正情報を使って誤差を小さくする仕組みです。そのため、衛星信号が十分に届かない場所では、補正情報があっても精度は安定しにくくなります。上空が開けていない場所、周囲に高い建物がある場所、法面や谷地形のように一方向の空が遮られている場所では、受信できる衛星の数や配置が偏り、測位結果が揺らぎやすくなります。


また、衛星からの信号は、壁面、金属、車両、仮設構造物、水面などで反射することがあります。反射した信号を端末が受信すると、実際よりも長い経路を通った信号として扱われるため、位置計算に誤差が入りやすくなります。このような反射の影響は、画面上では分かりにくい場合があります。衛星数が多く見えていても、周辺反射が多い場所では測定値がじわじわ動いたり、同一点を測っても結果がばらついたりします。


補正情報の通信状態も大きな要因です。RTK端末が高精度測位を維持するには、補正情報を継続的に受け取る必要があります。通信が不安定な場所では、補正情報が遅延したり、一時的に途切れたりすることで、測位状態が変化します。山間部、地下に近い場所、仮設事務所周辺、通信が混み合うエリアでは、端末のGNSS受信自体は良好でも、補正情報の取得が不安定になり、結果として精度が安定しないことがあります。


さらに、座標系や基準点の設定が現場と一致していない場合、測位そのものは安定していても、現場の図面や基準点と合わないように見えることがあります。この場合、端末の精度が悪いのではなく、使用している座標の前提がずれている可能性があります。特に、平面直角座標系、任意座標、ローカライズ済み座標、設計図面上の座標を扱う場合は、どの座標系を基準にしているのかを現場内で統一することが欠かせません。


つまり、RTK端末の精度が安定しない原因は、一つに絞り込めないことが多いのです。端末、衛星環境、補正情報、通信、座標系、測定方法、現場運用のどこかに小さな不整合があり、それらが重なって精度の揺らぎとして現れます。現場で重要なのは、原因を決めつけることではなく、確認する順番を決めて一つずつ切り分けることです。


見直し1:上空視界と衛星環境を確認する

RTK端末の精度が安定しないとき、最初に見直したいのは上空視界です。RTK測位では、端末が衛星からの信号を安定して受信できることが前提になります。上空が広く開けている場所ほど、衛星信号を受信しやすく、衛星配置も偏りにくくなります。一方で、建物、樹木、法面、橋梁、重機、仮囲いなどが近くにある場所では、衛星信号が遮られたり反射したりして、測位結果が不安定になりやすくなります。


現場でよくあるのは、基準点や測定対象のすぐ近くに立って、その場で精度を判断してしまうケースです。しかし、測定対象の位置が建物の際や構造物の陰にある場合、端末は十分な衛星信号を受け取れない可能性があります。このとき、少し離れた開けた場所では精度が安定しているのに、対象点に近づくと急に不安定になることがあります。この差を確認するだけでも、端末の不具合なのか、測定場所の条件なのかを切り分けやすくなります。


上空視界を確認するときは、単に空が見えているかどうかだけでは不十分です。全天が均等に見えているか、特定方向だけが大きく遮られていないか、周囲に反射しやすい壁面や金属面がないかを確認します。特に都市部や構造物周辺では、空が見えていても衛星信号が壁面で反射し、端末に届くことがあります。この場合、衛星数はそれなりに確保できても、測定値が安定しないことがあります。


樹木の影響も見落とされがちです。葉や枝は完全な遮蔽物ではありませんが、衛星信号を弱めたり乱したりする要因になります。季節によって葉の量が変わるため、冬には測れていた場所が夏には不安定になることもあります。雨天や湿った葉の状態では、さらに影響が出ることがあります。現場の同じ場所でも、季節、天候、時間帯によって条件が変わる点は押さえておきたいところです。


衛星環境を確認する際には、端末画面に表示される測位状態や推定精度だけでなく、測位が安定するまでの時間も見ます。測定を開始してすぐに値を採用するのではなく、しばらく静止して座標の動きを観察することで、ばらつきの傾向が分かります。数値が徐々に落ち着く場合もあれば、一定範囲で揺れ続ける場合もあります。揺れが続く場合は、その場所の衛星環境に問題がある可能性が高くなります。


どうしても遮蔽物が多い場所で測定する必要がある場合は、周囲の開けた位置で基準となる点を確認し、対象点付近では測定時間を長めに取るなど、慎重な運用が必要です。ただし、測定時間を延ばせば必ず精度が改善するわけではありません。反射信号が強い場所や上空視界が極端に悪い場所では、時間をかけても座標が安定しないことがあります。その場合は、測定方法そのものを見直す判断も必要です。


RTK端末の精度が安定しないときは、まず開けた場所で正常に測位できるかを確認し、その後で問題の場所に移動して変化を見ると原因をつかみやすくなります。開けた場所でも不安定なら、端末設定や補正情報、通信環境の確認へ進みます。開けた場所では安定し、対象箇所で不安定になるなら、現場環境の影響を疑います。この順番で見れば、無駄な設定変更を繰り返さずに済みます。


見直し2:補正情報の受信状態と通信環境を確認する

RTK端末で高精度な測位を行うには、衛星信号だけでなく補正情報の受信が重要です。補正情報は、衛星測位に含まれる誤差を小さくするための情報です。端末が補正情報を安定して受け取れていない場合、測位状態が変わったり、精度表示が悪化したり、同じ点を測っても結果がばらついたりします。したがって、RTK端末の精度が安定しないときは、通信環境と補正情報の状態を必ず確認する必要があります。


補正情報の受信が不安定になる原因として多いのは、モバイル通信の電波が弱いことです。山間部、造成地、トンネル坑口付近、地下に近い場所、鉄筋コンクリート構造物の近く、仮設事務所の内外などでは、通信が不安定になることがあります。端末画面上では通信できているように見えても、補正情報の受信が途切れたり遅延したりしている場合があります。このような状態では、測位結果が一時的に良くなったり悪くなったりしやすくなります。


現場で確認したいのは、通信電波の強さだけではありません。補正情報が継続して届いているか、測位状態が短時間で切り替わっていないか、測定中に通信エラーが出ていないかを見ます。通信が一瞬途切れるだけでも、測定タイミングによっては座標の信頼性に影響することがあります。特に、出来形確認や記録用途で一点ごとの測定結果を残す場合は、補正情報が安定している状態で記録することが大切です。


補正情報には、現場に設置した基準局から受ける方法と、外部の補正配信を利用する方法があります。どちらの方法でも、基準となる位置情報や配信条件が適切でなければ、期待した精度は得られません。現場基準局を使う場合は、基準局自体の設置位置が正しいか、アンテナ高が正しく入力されているか、基準局が動いたり傾いたりしていないかを確認します。外部の補正配信を利用する場合は、使用エリアに合った補正情報を受けているか、端末側の設定が合っているかを確認します。


通信環境の問題は、端末の再起動やアプリの再接続で一時的に改善することもあります。ただし、それだけで根本解決したと判断するのは危険です。時間帯によって通信状況が変わる現場では、午前中は安定していたのに午後は不安定になることもあります。多くの作業員や機器が同じエリアで通信を使う場合、通信混雑の影響を受けることもあります。測定値の揺らぎが出たときは、同時に通信状態も記録しておくと、後から原因を追いやすくなります。


補正情報の状態を確認せずに測定を進めると、見た目には位置が取れているのに、後で図面や別測定の結果と合わないという問題が起きます。RTK端末の画面で高精度表示になった瞬間だけを見て記録するのではなく、その状態が継続しているかを見ることが重要です。高精度状態になった直後はまだ値が落ち着いていない場合もあるため、測定前に数秒から一定時間、座標の動きを確認する運用が有効です。


また、端末と補正情報の接続設定を複数人で共有している場合は、誰かが設定を変更したまま戻していないこともあります。現場名、使用する補正情報、座標系、通信方式、ログイン情報、アンテナ高などが混在すると、精度不安定の原因になります。設定を担当者ごとに任せきりにするのではなく、現場開始時に確認する項目として標準化しておくと、原因不明のトラブルを減らせます。


見直し3:座標系と基準点の設定を確認する

RTK端末の測位結果が不安定に見える原因の中には、実際には精度の問題ではなく、座標系や基準点の設定の問題であるケースがあります。端末上では安定した座標が取得できていても、設計図面、現場基準点、既存測量成果、施工管理用データと座標の前提が合っていなければ、位置がずれているように見えます。この場合、端末を何度測り直しても根本的な解決にはなりません。


現場で扱う座標には、公共座標、平面直角座標系、ローカル座標、施工用の任意座標などがあります。どの座標を基準にしているかが曖昧なままRTK端末にデータを取り込むと、測定結果と図面の位置関係が合わないことがあります。特に、複数の図面やデータを受け取っている現場では、同じように見える座標値でも、前提となる座標系や変換条件が異なる場合があります。


座標系の確認で重要なのは、端末側の設定、取り込む設計データ、現場で使う基準点の三つを一致させることです。端末だけ正しくても、設計データが別の座標系で作成されていれば合いません。逆に、設計データが正しくても、現場で使用している基準点の座標が古い、または別の管理体系に基づいている場合はずれが生じます。測位結果の良し悪しを判断する前に、まず座標の前提をそろえる必要があります。


基準点を確認するときは、既知点をRTK端末で測り、登録されている座標と比較する方法が有効です。開けた場所にある信頼できる基準点で測定し、測定結果が許容範囲に収まるかを確認します。ここで大きな差が出る場合は、端末の精度不安定ではなく、設定、補正情報、座標系、基準点情報のいずれかに問題がある可能性があります。複数の既知点で確認できれば、ずれの傾向も見やすくなります。


ただし、既知点での確認にも注意が必要です。基準点の周囲に遮蔽物が多い場合、その点自体がRTK測位に適していないことがあります。また、基準点の標識が移動していたり、現場内で仮に設けた点の情報が正しく共有されていなかったりする場合もあります。基準点だから必ず正しいと決めつけず、基準点の由来、設置状態、周辺環境を確認することが大切です。


高さ方向の扱いも注意点です。RTK端末では平面位置だけでなく高さ情報も扱えますが、高さには楕円体高、標高、現場基準高さなど、複数の考え方があります。高さ方向の設定が合っていないと、平面位置は合っているのに高さだけがずれて見えることがあります。盛土、掘削、出来形、構造物の高さ確認などでRTK端末を使う場合は、どの高さを基準にしているかを現場内で明確にしておく必要があります。


座標系や基準点の問題は、一度設定してしまうと見落とされやすい領域です。測定前に設定した内容が、翌日以降もそのまま使われているとは限りません。別の現場で使った設定が残っている、別担当者が別のデータを読み込んだ、アプリのプロジェクト選択を間違えたということも起こります。RTK端末の精度を安定させるためには、測定前の座標系確認を作業手順に組み込むことが欠かせません。


見直し4:端末の設置姿勢と測定方法を確認する

RTK端末の精度が安定しない原因は、周辺環境や設定だけでなく、端末の持ち方や設置姿勢にもあります。高精度な位置を取得するには、アンテナの位置を正しく扱う必要があります。端末を傾けたまま測る、アンテナ高の入力が合っていない、測定点の真上に正しく合わせていないといった小さなズレが、測定結果に影響します。特に、複数人で同じ端末を使う現場では、人によって測り方が異なり、結果がばらつくことがあります。


アンテナ高の設定は、実務上とても重要です。ポールや治具を使って測定する場合、測定点からアンテナ基準位置までの高さを正しく入力する必要があります。高さの入力を間違えると、高さ方向の測定値に直接影響します。また、使用する治具を変更したときや、端末の取り付け位置を変えたときに、以前のアンテナ高設定が残っていることがあります。この状態で測定すると、端末は正常に動作していても、記録値は正しくなりません。


端末の姿勢も確認すべきポイントです。ポールが傾いていると、アンテナの位置は測定点の真上から外れます。傾きがわずかでも、アンテナ高が高いほど平面位置のズレは大きくなります。急いで測定していると、ポールを完全に鉛直に保持する前に記録してしまうことがあります。画面上の精度表示が良くても、測定点に対する端末の位置がずれていれば、現場で必要な座標とは異なる結果になります。


同じ点を複数回測るときは、毎回同じ測定方法で行うことが大切です。ある担当者はポールを点にぴったり当てて静止してから測り、別の担当者は歩きながら近づいてすぐに記録するという運用では、測定値の再現性が落ちます。測定値がばらついたときに、衛星環境の問題なのか、測り方の問題なのか判断しにくくなります。測定前に静止時間を設ける、座標の変化を確認してから記録する、同一点を複数回確認するなど、基本動作をそろえることが重要です。


RTK端末を手持ちで使う場合は、さらに注意が必要です。手持ち測定は手軽ですが、アンテナ位置が安定しにくく、体の動きや端末の傾きの影響を受けます。現場写真の位置記録や概略確認には便利でも、高い再現性が必要な測定では、固定方法や測定手順を明確にする必要があります。どの業務でどの程度の精度が必要なのかを考え、用途に応じて手持ち、ポール、固定治具を使い分けることが現実的です。


測定方法のばらつきは、現場では意外と大きな問題になります。端末やアプリの表示だけを見ていると、誰が測っても同じ結果になるように感じますが、実際には人の操作が結果に影響します。測定ボタンを押すタイミング、静止の有無、端末の向き、ポールの鉛直確認、測定点への合わせ方が少しずつ違うと、結果に差が出ます。RTK端末を現場に広げるほど、測定方法の標準化が重要になります。


また、移動しながらの測定や点群取得を行う場合は、歩行速度や端末の向きも安定性に関係します。急に向きを変える、端末を大きく振る、対象物に近づきすぎる、測定中に通信が途切れるといった条件が重なると、取得データの品質に影響することがあります。単点測定と連続的な記録では注意点が異なるため、用途ごとの操作方法をあらかじめ決めておくことが大切です。


見直し5:現場ごとの運用ルールを整える

RTK端末の精度を安定させるには、技術的な設定だけでなく、現場ごとの運用ルールが必要です。端末を導入した直後は、担当者が慎重に設定を確認しながら使うため、大きな問題が出にくいことがあります。しかし、利用者が増え、複数現場で使い回すようになると、設定の戻し忘れ、プロジェクト選択ミス、座標系の取り違え、アンテナ高の入力ミス、補正情報の接続忘れなどが発生しやすくなります。これらは端末性能ではなく、運用管理の問題です。


現場ごとの運用ルールでは、まず測定前の確認項目を決めることが重要です。測定開始時に、使用するプロジェクト、座標系、補正情報、通信状態、アンテナ高、端末のバッテリー、既知点での確認結果を確認する流れを作ります。毎回すべてを複雑に記録する必要はありませんが、最低限の確認を省略しないことが、精度不安定の予防につながります。


次に、測定中に異常が出たときの判断基準を決めておきます。例えば、測位状態が不安定になったときにそのまま記録を続けるのか、一度開けた場所に戻って確認するのか、既知点を測り直すのかといった判断を現場任せにすると、担当者ごとに対応が変わります。後からデータを見たときに、どの測定値が信頼できるのか判断しづらくなります。異常時の対応を決めておくことで、データ品質をそろえやすくなります。


測定結果の管理方法も重要です。RTK端末で取得した座標、写真、点群、メモなどを個人端末内に残したままにすると、後から確認しにくくなります。現場名、測定日、担当者、使用した設定、測定目的が分かる形で保存し、必要な人が確認できる状態にすることが望ましいです。測定データの管理が曖昧だと、精度に疑問が出たときに原因を追えません。測定時の状況が残っていれば、衛星環境の問題だったのか、設定の問題だったのか、操作の問題だったのかを検討しやすくなります。


複数人でRTK端末を使う場合は、教育も欠かせません。専門担当者だけが使う機器であれば、個人の経験で補える部分もあります。しかし、施工管理者、現場監督、協力会社、点検担当者など、さまざまな人が使う運用では、基本的な注意点を共通理解にする必要があります。高精度測位の仕組みをすべて理解する必要はありませんが、上空視界、補正情報、座標系、アンテナ高、測定姿勢が結果に影響することは知っておくべきです。


現場ルールは、細かすぎると守られません。重要なのは、作業前、作業中、作業後に何を確認すればよいかを分かりやすくすることです。特に、測定前に開けた場所で測位状態を確認すること、既知点で座標を確認すること、測定中に値が揺れる場合は無理に採用しないこと、現場終了後にデータを共有することは、基本ルールとして定着させたい内容です。


また、現場によってRTK端末に求める精度は異なります。概略位置を記録したい場合と、出来形確認や施工位置の確認をしたい場合では、必要な精度も確認手順も変わります。すべての業務に同じ厳しさを求めると運用が重くなり、逆に重要な測定で確認が不足するとリスクが高くなります。用途ごとに必要な精度と確認レベルを決めておくことが、現場運用として現実的です。


RTK端末は、正しく使えば現場の位置情報管理を大きく効率化できます。しかし、誰でも簡単に使えることと、誰が使っても同じ品質で測れることは別です。精度を安定させるには、端末を使う人、確認する人、データを受け取る人の間で、共通のルールを持つことが重要です。運用ルールが整うほど、RTK端末は一部の担当者だけの道具ではなく、現場全体で活用できる基盤になります。


安定したRTK測位のために端末選びで見るべきこと

RTK端末の精度が安定しない原因を見直すとき、現場環境や運用だけでなく、端末選びも重要です。どれだけ運用を整えても、現場で必要な機能に合っていない端末では、安定した活用が難しくなります。端末選びでは、単に測位精度の数値だけを見るのではなく、現場でどのように使うか、誰が使うか、取得したデータをどう共有するかまで考える必要があります。


まず確認したいのは、現場で使いやすい形になっているかです。高精度な測位機器でも、持ち運びが大変だったり、設定が複雑だったり、測定結果の確認に時間がかかったりすると、日常的な業務には定着しにくくなります。RTK端末は、測量専任者だけでなく、施工管理や点検、記録業務の担当者が使う場面も増えています。そのため、現場で素早く準備でき、測定結果を直感的に確認できることが重要です。


次に、補正情報や座標系の設定が分かりやすいかを見ます。RTK端末の精度トラブルでは、設定ミスが大きな原因になります。現場ごとに座標系やプロジェクトを切り替える場合、操作が複雑だとミスが増えます。設定内容を確認しやすく、現在どの条件で測定しているかが分かる端末であれば、現場での誤操作を減らせます。測定前に確認すべき情報が見やすいことは、精度安定のための実務的な価値があります。


データ活用のしやすさも見逃せません。RTK端末で取得した位置情報は、測って終わりではなく、写真、メモ、点群、図面、3Dデータなどと組み合わせて活用されることが増えています。位置情報付きの記録を関係者と共有できれば、現場に行かなくても状況を確認しやすくなります。測定結果を現場内だけでなく、事務所や発注者、協力会社と共有する前提で考えると、端末とクラウド連携、データ閲覧環境、出力形式の扱いやすさが重要になります。


また、RTK端末を現場に広げるには、測位だけでなく周辺業務まで含めた一体感が大切です。単点測定、位置出し、写真記録、点群取得、図面や3Dモデルとの照合などを別々の機器や作業で行うと、データのつながりが悪くなります。位置情報を中心に現場記録をまとめられる端末であれば、測定値の確認だけでなく、施工管理全体の効率化にもつながります。


精度が安定しない現場では、端末の表示情報も重要です。測位状態、推定精度、補正情報の接続状態、通信状態、測定中の座標変化などを確認しやすいほど、現場担当者は判断しやすくなります。逆に、内部では高度な処理が行われていても、現場で状態が分かりにくい端末では、異常時の切り分けが難しくなります。現場で使う道具としては、精度そのものに加えて、状態確認のしやすさが欠かせません。


さらに、サポートや運用設計のしやすさも端末選びの一部です。RTK端末は、購入して終わりの道具ではありません。現場ごとの設定、担当者への説明、データ管理、トラブル時の切り分けなど、導入後の運用が成果を左右します。端末の操作が分かりやすく、現場での使い方を標準化しやすいことは、長期的な精度安定につながります。


まとめ

RTK端末の精度が安定しないときは、端末性能だけを疑うのではなく、現場条件と運用全体を見直すことが重要です。上空視界が悪い場所では衛星信号が遮られ、建物や金属面が近い場所では反射の影響を受けやすくなります。通信が不安定で補正情報が途切れれば、測位状態は安定しません。座標系や基準点の設定が合っていなければ、端末は正しく測れていても、図面や現場基準とずれて見えることがあります。さらに、アンテナ高、端末姿勢、測定タイミング、担当者ごとの操作差も、測定結果に影響します。


実務では、精度が悪いと感じた瞬間に原因を一つに決めつけないことが大切です。開けた場所で測位状態を確認し、補正情報の受信を確認し、既知点で座標を確認し、端末の姿勢や測定方法をそろえるという順番で見直すと、原因を切り分けやすくなります。特に、複数人でRTK端末を使う現場では、測定前の確認項目と異常時の対応をルール化することで、測定品質を安定させやすくなります。


RTK端末は、条件が整えば現場の位置情報を高い精度で扱える強力な道具です。一方で、衛星、補正情報、通信、座標系、操作方法が関係するため、使い方を誤ると期待した結果が得られません。だからこそ、現場で扱いやすく、測位状態を確認しやすく、取得したデータを共有しやすい端末を選ぶことが重要になります。


現場でRTK端末をもっと安定して活用したい場合は、測位だけでなく、位置出し、写真記録、点群取得、3Dデータ活用まで一体で扱える仕組みを検討すると、日々の確認作業を効率化しやすくなります。スマートフォンを中心にRTK測位と現場記録をつなげたい方は、次の選択肢としてLRTK Phoneを確認してみてください。


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