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RTK端末購入前に見るべきバッテリーと通信の6条件

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この記事は平均7分30秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

RTK端末選びでバッテリーと通信を先に見るべき理由

条件1:現場の作業時間を満たす連続稼働時間

条件2:交換・充電・給電のしやすさ

条件3:通信方式の選択肢と現場適応力

条件4:補正情報を安定して受け続ける通信品質

条件5:通信途切れや電池切れに備えた復帰性能

条件6:運用人数と作業フローに合う管理しやすさ

購入前に確認したい実務チェックポイント

まとめ:RTK端末は精度だけでなく継続運用で選ぶ


RTK端末選びでバッテリーと通信を先に見るべき理由

RTK端末を選ぶとき、多くの実務担当者が最初に確認するのは測位精度です。条件が整った環境で数cm級の測位を狙えるか、衛星をどれだけ安定して捕捉できるか、どの程度スムーズに固定解へ移行できるかといった項目は、確かに重要です。しかし、実際の現場で端末を使い続けると、精度そのものと同じくらい大きな差になりやすいのがバッテリーと通信です。


RTK測位は、単独測位とは異なり、基準局や補正情報配信サービスなどから補正情報を受け取りながら高精度な位置を求める仕組みです。そのため、端末が動いていても、電源が持たなければ作業は止まります。通信が不安定になれば、測位状態が変化し、記録した点の信頼性にも影響する可能性があります。つまりRTK端末は、カタログ上の精度だけで選ぶのではなく、現場で最後まで測り切れるか、移動しながら安定して通信できるか、複数人で迷わず運用できるかまで見て判断する必要があります。


特に、建設、土木、測量、インフラ点検、農地管理、災害調査、設備管理などの現場では、作業場所が屋外であり、電源環境や通信環境が常に整っているとは限りません。朝から夕方まで移動しながら使うこともあれば、山間部、河川沿い、造成地、構造物の近く、地下出入口周辺など、衛星や通信にとって条件の悪い場所で使うこともあります。このような現場では、端末の理論性能だけでなく、電池残量の見やすさ、補正情報の受信の安定性、通信が切れた後の復帰のしやすさ、予備電源を含めた運用設計のしやすさが成果物の品質に関わります。


また、RTK端末は導入して終わりではありません。購入後は、担当者が日常的に充電し、現場へ持ち出し、接続設定を確認し、測位状態を判断し、必要に応じてデータを保存・共有します。ここで操作が複雑だったり、電池管理が属人的だったり、通信設定が現場ごとに毎回手間取ったりすると、せっかく高性能な端末を導入しても活用頻度が下がります。反対に、バッテリーと通信まわりが扱いやすい端末であれば、専門担当者以外にも使いやすくなり、現場全体で高精度位置情報を活用しやすくなります。


この記事では、RTK端末の購入前に確認したいバッテリーと通信の6条件を、実務目線で整理します。単に「長時間使える」「通信できる」という表面的な確認ではなく、どのような作業で、どれくらいの時間、どの場所で、誰が使うのかまで踏まえて判断できるように解説します。


条件1:現場の作業時間を満たす連続稼働時間

RTK端末のバッテリーで最初に見るべきなのは、連続稼働時間です。ただし、表示されている稼働時間をそのまま現場時間として見ないことが大切です。端末の稼働時間は、使用条件によって変わります。衛星受信、補正情報の受信、画面表示、記録頻度、通信方式、気温、接続する外部機器の有無などによって消費電力は変動します。購入前には、想定している作業条件に近い状態で、どれくらい使えるかを確認することが重要です。


たとえば、短時間の境界確認や数点の座標取得だけであれば、半日程度の稼働でも足りる場合があります。しかし、造成地での出来形確認、広い敷地での点群基準点確認、農地やインフラ設備の巡回記録、災害現場での状況把握などでは、移動時間を含めて一日使い続けることがあります。この場合、単に測っている時間だけでなく、現場で待機している時間、移動中に電源を入れたままにする時間、通信状態を確認する時間も含めて考える必要があります。


実務では、カタログ値に余裕を持たせることが大切です。たとえば、作業予定が6時間なら、6時間ちょうど動く端末では不安が残ります。固定解に入るまでの待ち時間、現場での打ち合わせ、再測定、予期しない移動、気温による電池性能の変化を考えると、実運用では予定作業時間より長く動く端末を選ぶほうが安全です。特に冬季や高温環境では、バッテリーの持ち方が通常と異なる場合があるため、余裕のない端末は現場停止の原因になり得ます。


また、RTK端末では「測位できる状態を維持する時間」が重要です。電源が入っているだけではなく、衛星を捕捉し、補正情報を受け、測位結果を記録できる状態で何時間使えるかを見なければなりません。画面を消せば長く使える、通信を切れば長く使えるという条件では、実際のRTK作業とは合わない可能性があります。購入前には、補正情報を受信しながら測位し、記録や確認を行う実作業に近い条件での稼働時間を確認すると失敗しにくくなります。


連続稼働時間を見るときは、端末本体だけでなく周辺機器も含めて考えます。受信機、表示用端末、通信機器、外部アンテナ、記録用端末などを組み合わせる場合、どれか一つの電池が切れても作業は止まります。端末本体は十分に動いていても、表示端末の電池が先に切れる、通信機器の電源が落ちる、接続機器の充電を忘れるといった事態は現場で起こりがちです。購入前には、構成全体として一日持つのか、どの機器が最も早く電池切れになりやすいのかを把握しておく必要があります。


実務担当者にとって望ましいのは、作業開始から終了まで、途中で電池残量に過度な注意を払わなくてもよい状態です。作業者が測位結果、現場状況、安全確認に集中できることは、結果として作業品質を高めます。RTK端末のバッテリーは、単なる便利機能ではなく、測位業務を止めないための基礎条件として考えるべきです。


条件2:交換・充電・給電のしやすさ

連続稼働時間と同じくらい重要なのが、電池が減ったときにどう対応できるかです。長時間使える端末であっても、充電に時間がかかる、予備電池を用意しにくい、外部給電しながら使いにくい、残量確認が分かりにくいといった問題があると、現場での安心感は下がります。RTK端末の購入前には、電池の容量だけでなく、交換、充電、給電、保管、持ち運びまで含めて確認する必要があります。


まず確認したいのは、バッテリーが内蔵型か交換型かです。内蔵型は端末がすっきりし、防水・防塵構造を保ちやすい一方で、電池が切れたときには端末全体を充電する必要があります。交換型は予備電池を持参すれば現場で復帰しやすい一方、電池の管理点数が増え、端子やカバーの扱いにも注意が必要です。どちらが正解というより、自社の作業時間、現場の移動距離、充電できる環境、管理できる人数に合っているかが判断基準になります。


次に見るべきなのが、外部給電しながら測位できるかです。車両移動が多い現場や、長時間同じ場所で基準点観測を行う現場では、外部電源から給電できると運用の幅が広がります。ただし、外部給電できると書かれていても、給電中に防水性能が落ちる、ケーブル接続部が作業の邪魔になる、端末の設置姿勢が制限される場合があります。購入前には、雨天や粉じんのある環境で給電運用が現実的か、三脚やポールに取り付けた状態でケーブルが干渉しないかまで確認するとよいです。


充電方法も軽視できません。専用充電器が必要な端末は、管理が明確になりやすい反面、充電器を忘れると現場で対応しにくくなります。汎用的な充電方式に対応している端末は、予備電源を使いやすくなりますが、必要な出力条件を満たしていないと充電速度が遅くなることがあります。現場では、前日の充電忘れ、移動中の追加充電、複数台同時充電が発生するため、机上の仕様だけでなく、実際の充電オペレーションを想像して選ぶことが重要です。


電池残量の表示も、実務では大きな意味を持ちます。残量が大まかな表示しかない端末では、あと何時間使えるか判断しにくくなります。特に複数人で使い回す場合、前の担当者がどれくらい使ったか分からないまま現場へ持ち出してしまうことがあります。残量の確認が簡単で、起動時や作業中にすぐ分かる端末であれば、現場に出る前の確認漏れを減らせます。


さらに、バッテリー管理は安全面にも関わります。高温の車内に放置しない、長期間保管時に適切な残量を保つ、破損や膨張がないか確認する、予備電池を濡らさないといった基本運用が必要です。端末の選定時には、現場担当者が無理なく管理できる構造か、保管ケースや充電場所を整えやすいかも見ておくと、導入後のトラブルを抑えられます。


RTK端末は、測位性能が高いほど現場で頼りにされます。しかし、電池が切れた瞬間に高精度測位は使えなくなります。だからこそ、バッテリーは「何時間持つか」だけでなく、「切れそうになったときにどう続けられるか」まで含めて評価することが大切です。


条件3:通信方式の選択肢と現場適応力

RTK端末における通信は、補正情報を受け取るための重要な要素です。高精度な測位を行うには、基準局や補正情報配信サービスからのデータを安定して受信する必要があります。そのため、端末がどのような通信方式に対応しているか、現場ごとに適切な通信手段を選べるかは、購入前の重要な確認項目です。


一般的な現場では、携帯回線を使って補正情報を受信する方法が利用されることがあります。携帯回線が安定している場所では、広範囲で運用しやすく、移動しながらの測位にも向いています。一方で、山間部、海岸部、造成中の土地、地下構造物の周辺、災害復旧現場などでは、携帯回線が弱い場合があります。このような環境で使う可能性があるなら、携帯回線だけに依存せず、複数の通信手段を検討できる端末が有利です。


近距離無線による接続も確認したい項目です。端末本体と表示端末、受信機と記録端末を分けて使う構成では、近距離無線の安定性が作業性に影響します。距離が少し離れると接続が不安定になる、人体や車両、資材で遮られると切れやすい、再接続に時間がかかるといったことがあると、現場でのストレスにつながります。特に、ポール上の受信機と手元端末を組み合わせる場合や、車両に機器を載せて移動する場合は、近距離接続の安定性を確認しておくべきです。


無線LANを使った接続やデータ共有に対応している端末もあります。現場事務所や車両周辺でデータを確認したり、複数端末間で設定を共有したりする場合には便利です。ただし、屋外では通信範囲や障害物の影響を受けやすいため、補正情報の常時受信に使う場合は安定性を十分に確認する必要があります。通信方式は多ければよいというものではなく、自社の現場で実際に使う方式が安定しているかが重要です。


また、補正情報の取得方法に対応しているかも大切です。基準局を自社で設置する運用、公共または民間の補正情報を受ける運用、現場内で一時的な基準局を使う運用など、RTKには複数の使い方があります。購入時点では一つの運用しか想定していなくても、将来的に別の現場や部署で使う可能性があるなら、通信方式と補正情報の受け方に柔軟性がある端末を選ぶと長く使いやすくなります。


通信方式を見るときは、対応している名称を確認するだけでなく、設定のしやすさも見逃せません。通信設定が複雑で、専門担当者しか変更できない端末では、現場で急に通信先を変える必要が出たときに作業が止まります。接続状態、補正情報の受信状態、通信エラーの内容が分かりやすく表示される端末であれば、現場担当者が原因を切り分けやすくなります。


RTK端末の通信方式は、現場に出て初めて差が分かる部分です。机上では問題なく見えても、通信が弱い場所、障害物が多い場所、移動が多い作業では安定性に差が出ます。購入前には、想定現場で使う通信方式を明確にし、できれば実際の作業場所に近い環境で試すことが望ましいです。


条件4:補正情報を安定して受け続ける通信品質

RTK測位では、補正情報を一度受け取れば終わりではありません。作業中、継続して補正情報を受け取り続けることで、高精度な測位状態を維持しやすくなります。そのため、通信品質を見るときは、接続できるかどうかだけでなく、接続を維持できるか、遅延が大きくならないか、受信が途切れたときに測位状態がどう変化するかを確認する必要があります。


特に重要なのは、補正情報の遅延です。通信がつながっていても、補正情報の到達が遅れると、測位結果の安定性に影響することがあります。現場担当者から見ると、画面上では接続中に見えているのに、固定解に入りにくい、測位状態が頻繁に変わる、点を記録するタイミングで不安が残るといった形で現れる場合があります。購入前には、通信状態と測位状態を同時に確認できるか、補正情報の遅延や受信状況を分かりやすく把握できるかを見ておくと安心です。


通信品質は、端末のアンテナ性能や設置姿勢にも左右されます。手で持つ位置、身体との距離、ポールへの取り付け方、車両内外での使用、周囲の金属物や構造物の影響によって、通信状態が変わることがあります。測位用の衛星受信と通信の両方に配慮した設計になっている端末は、現場で扱いやすくなります。反対に、少し持ち方を変えただけで通信が弱くなる端末は、長時間作業で不安定になりやすいです。


また、通信品質は場所だけでなく時間帯にも影響されることがあります。多くの利用者が同じ通信回線を使う時間帯、イベントや災害対応で回線が混み合う状況、山間部で基地局との距離が遠い場所などでは、通常より通信が不安定になる可能性があります。RTK端末を選ぶ際には、良好な通信環境での動作だけでなく、通信がやや弱い環境でも測位状態を維持しやすいかを評価することが重要です。


補正情報の安定受信には、端末側の表示とアラートも役立ちます。通信が切れたとき、補正情報が古くなったとき、測位状態が変化したときに、現場担当者がすぐ気づける設計であれば、誤って不安定なデータを記録するリスクを減らせます。単に画面の小さな表示が変わるだけでは、炎天下や雨天、手袋着用時の作業では見逃すことがあります。実務では、状態表示の分かりやすさも通信品質の一部として考えるべきです。


さらに、通信品質はデータ保存や共有にも関係します。現場で取得した座標や写真、メモ、点検記録をあとで共有する場合、測位中の通信とデータ同期の通信が同じ端末や回線に依存することがあります。測位中に余計な通信処理が重なって動作が不安定になるようでは困ります。購入前には、測位、記録、同期、共有の流れが無理なく動くかを確認しておくと、導入後の実務がスムーズになります。


RTK端末の通信品質は、仕様表だけでは判断しにくい項目です。だからこそ、実際の現場条件を想定し、補正情報の受信状態、測位状態の安定性、画面表示、復帰動作を一体で見ることが重要です。通信が安定している端末は、現場担当者に余計な判断負荷をかけにくく、測るべき作業に集中しやすくしてくれます。


条件5:通信途切れや電池切れに備えた復帰性能

屋外現場では、通信が途切れないこと、電池が切れないことが理想です。しかし、実際には完全に避けることはできません。移動中に通信圏外へ入る、構造物の陰で補正情報が途切れる、端末の電池が想定より早く減る、予備電源への接続中に一時的に電源が落ちるといったことは起こり得ます。そこで購入前に確認したいのが、トラブルが発生した後にどれだけ早く、分かりやすく、確実に復帰できるかです。


通信が一時的に切れた場合、端末が自動で再接続するか、手動操作が必要かは大きな違いになります。自動復帰がうまく働く端末であれば、作業者は移動後に測位状態が戻るのを確認するだけで済みます。一方、毎回通信設定を開いて接続し直す必要がある端末では、作業の流れが止まり、設定ミスも起こりやすくなります。現場では、作業者が通信の専門家とは限らないため、復帰操作はできるだけ少なく、状態はできるだけ分かりやすいことが望ましいです。


固定解への復帰時間も重要です。通信が戻っても、すぐに高精度な状態へ戻らない場合があります。衛星環境、補正情報の状態、端末の処理性能、移動中か静止中かによって、復帰までの時間は変わります。購入前には、通信が一度途切れた後にどれくらいで再び信頼できる測位状態へ戻るのかを確認しましょう。特に、連続的に点を取得する作業や、移動体の位置を記録する作業では、復帰の遅さがデータの抜けや作業時間の増加につながります。


電池切れからの復帰も見逃せません。端末の電源が落ちた後、再起動してすぐ作業を再開できるか、前回の設定が保持されているか、接続先の情報を再入力する必要がないかは、現場効率に大きく影響します。起動後に毎回複雑な設定が必要な端末では、予備電源を接続しても復帰までに時間がかかります。作業中断を最小限にするには、電源復帰後の自動接続、設定保持、測位状態の分かりやすい表示が重要です。


また、通信や電源のトラブル時に、どのデータが有効でどのデータが不安定だったのかを後から確認できることも大切です。測位状態が不安定なまま記録した点と、固定解で記録した点が混在してしまうと、成果物の確認に手間がかかります。測位状態や時刻、補正情報の状態が記録に残る端末であれば、後から品質確認を行いやすくなります。これは、社内チェックや発注者への説明が必要な業務では特に重要です。


現場では、トラブルそのものよりも、トラブルに気づかず作業を続けてしまうことのほうが問題になる場合があります。通信が切れているのに測れていると思い込む、電池残量が少ないまま遠方へ移動する、固定解ではない状態で点を記録する、といった状況は避けなければなりません。端末が状態変化を分かりやすく知らせ、作業者が判断しやすい設計になっているかを確認しましょう。


RTK端末の復帰性能は、現場での安心感に直結します。どれだけ高性能な端末でも、途切れた後に戻しにくければ実務では扱いづらくなります。購入時には、正常時の性能だけでなく、通信不良、電池残量低下、再起動、再接続といった異常時の動きまで見ておくことが、後悔しない選定につながります。


条件6:運用人数と作業フローに合う管理しやすさ

RTK端末は、個人で完結して使う場合もあれば、部署や現場単位で複数人が使い回す場合もあります。購入前には、誰が、どの頻度で、どの現場に持ち出し、どのように充電し、どのように通信設定を管理するのかを考える必要があります。バッテリーと通信の条件は、端末単体の性能だけでなく、組織として運用しやすいかどうかにも関わります。


複数人で使う場合、まず問題になりやすいのが充電管理です。前日に誰が充電したのか、予備電池はどこにあるのか、どの端末が使用中なのか、故障や電池劣化がある端末はどれなのかが曖昧だと、現場に出てからトラブルになります。端末を選ぶ際には、充電状態を確認しやすいか、複数台をまとめて管理しやすいか、持ち出し時の確認手順を作りやすいかも見ておく必要があります。


通信設定の管理も重要です。現場ごとに補正情報の接続先や通信条件が変わる場合、設定を誰でも安全に切り替えられることが求められます。設定画面が分かりにくい端末では、担当者が変わるたびに教育が必要になり、設定ミスも増えます。逆に、よく使う設定を保存できる、接続状態が明確に表示される、誤って重要な設定を変更しにくい端末であれば、組織内で展開しやすくなります。


作業フローとの相性も確認しましょう。たとえば、測位後すぐに写真やメモと一緒に記録したい現場、事務所に戻ってから座標を整理する現場、現地で関係者に位置情報を共有したい現場では、端末に求める通信機能が異なります。データの保存や共有に手間がかかると、測位はできても業務全体の効率は上がりません。RTK端末は、測る機器であると同時に、現場情報を業務に接続する入口でもあります。


管理しやすさには、教育のしやすさも含まれます。高精度測位に詳しい担当者だけが使える端末では、活用範囲が限られます。現場監督、点検担当、施工管理担当、設備管理担当など、測量専門ではない人が使う場合には、電源を入れてから測位開始までの流れが簡単で、通信状態や測位状態を直感的に理解できることが重要です。バッテリー残量や接続状態が分かりやすければ、初心者でも基本的なトラブルを避けやすくなります。


また、長期運用を考えるなら、電池の劣化や通信環境の変化にも対応できるかを見ておきたいところです。購入直後は問題なく使えても、数年使ううちにバッテリーの持ちは短くなります。通信回線や補正情報の利用条件が変わることもあります。端末の設定変更、電池交換、保守、更新がしやすいかどうかは、初期導入時には見落とされがちですが、長く使うほど効いてきます。


RTK端末を現場に定着させるには、優れた性能だけでは足りません。作業前の準備が簡単で、現場中の確認が分かりやすく、作業後のデータ整理まで流れがつながっていることが必要です。バッテリーと通信の管理がしやすい端末は、結果として利用頻度が上がり、導入効果を出しやすくなります。


購入前に確認したい実務チェックポイント

RTK端末を購入する前には、仕様表を読むだけでなく、自社の作業に当てはめて確認することが重要です。バッテリーと通信は、現場条件によって評価が変わりやすい項目です。同じ端末でも、都市部の開けた現場で短時間使う場合と、山間部や広い敷地で一日使う場合では、必要な性能が異なります。導入後に「思ったより電池が持たない」「通信が安定しない」「担当者が使いこなせない」とならないように、購入前に実務目線で確認しましょう。


まず考えるべきなのは、一日の作業シナリオです。朝、誰が端末を持ち出し、何時から何時まで使い、移動中は電源を切るのか入れたままにするのか、昼休みに充電できるのか、雨天でも使うのか、データは現地で共有するのか事務所で整理するのかを具体的に想像します。この流れを描くと、必要な連続稼働時間、予備電源の有無、通信方式、データ共有機能が見えやすくなります。


次に、最も条件の悪い現場を基準に考えることが大切です。普段の現場で問題なく使える端末でも、通信が弱い場所、衛星が遮られやすい場所、長時間作業が必要な場所では不満が出ることがあります。購入判断では、理想的な条件ではなく、実際に困りそうな条件で使えるかを確認しましょう。特に、構造物の近く、樹木の多い場所、谷地形、河川沿い、造成直後の現場、通信圏が不安定な地域で使う予定がある場合は、事前確認の価値が高くなります。


現場テストを行う場合は、単に座標が取れるかだけでなく、電池の減り方、通信状態の変化、固定解への入りやすさ、途切れた後の復帰、画面表示の見やすさ、手袋着用時の操作性まで確認するとよいです。短時間のデモでは問題が見えにくいため、可能であれば実作業に近い時間、実作業に近い移動範囲で確認するのが理想です。少なくとも、通信環境が良い場所だけで判断しないようにしましょう。


複数人で使う予定がある場合は、専門担当者以外にも触ってもらうことをおすすめします。詳しい人が操作すれば問題なく使える端末でも、初めて使う人には接続状態の意味が分かりにくい場合があります。現場で使う人が、電池残量、通信状態、測位状態、記録完了を迷わず確認できるかを見れば、導入後の教育コストを予測しやすくなります。


また、購入前には保守やサポート体制も確認しておきましょう。電池の交換や劣化時の対応、通信設定に関する問い合わせ、端末更新時のデータ移行、故障時の代替運用などは、長期運用では重要です。RTK端末は現場業務に組み込まれる機器であるため、止まったときの影響が大きくなります。万一のときにすぐ相談できるか、現場での切り分けがしやすいかは、購入後の安心感につながります。


最後に、必要以上に複雑な構成になっていないかを確認してください。高機能な機器を複数組み合わせれば、対応できる範囲は広がりますが、その分、充電する機器、接続する機器、設定する項目、故障の原因も増えます。自社の作業に必要な精度と運用性を満たしながら、できるだけシンプルに使える構成を選ぶことが、現場定着への近道です。


RTK端末の購入は、単なる機器選びではなく、現場の位置情報業務をどう変えるかという判断です。バッテリーと通信を丁寧に確認することで、導入後の使いやすさ、作業の止まりにくさ、データ品質の安定性が大きく変わります。


まとめ:RTK端末は精度だけでなく継続運用で選ぶ

RTK端末を選ぶ際、測位精度はもちろん重要です。しかし、実務で成果を出すためには、精度を発揮し続けられるバッテリーと通信の条件が欠かせません。どれだけ高精度に測れる端末でも、作業途中で電池が切れたり、補正情報の通信が不安定だったり、復帰に時間がかかったりすれば、現場では使いにくい機器になってしまいます。


購入前に見るべきポイントは、現場の作業時間を満たす連続稼働時間、交換や外部給電を含めた電源運用、現場に合う通信方式、補正情報を受け続ける通信品質、通信途切れや電池切れからの復帰性能、そして複数人でも管理しやすい運用性です。これらは一つずつ独立した条件ではなく、現場の作業フロー全体に関わっています。電池が十分に持ち、通信状態が分かりやすく、途切れても復帰しやすく、誰でも扱いやすい端末であれば、RTK測位は日常業務に組み込みやすくなります。


実務担当者がRTK端末を選ぶときは、仕様表の数値だけで判断せず、自社の現場で朝から夕方まで使う姿を具体的に想像することが大切です。どこで充電するのか、どの通信方式を使うのか、通信が弱い場所ではどうするのか、測位状態を誰が判断するのか、取得したデータをどう活用するのかまで考えることで、本当に必要な端末像が見えてきます。


RTK端末は、現場の位置情報を高精度化するための道具であると同時に、作業の効率化、記録の信頼性向上、情報共有のスピードアップを支える基盤です。その価値を十分に引き出すには、精度だけでなく、バッテリーと通信を含めた継続運用のしやすさを重視して選ぶ必要があります。


これからRTK端末を導入するなら、現場で無理なく使い続けられるかを基準に比較することをおすすめします。スマートフォンを活用したシンプルな高精度測位を検討している場合も、持ち運びやすさ、通信の扱いやすさ、日常業務への取り入れやすさを確認し、特定の製品名や価格だけで判断せず、実際の作業条件に合う端末を選びましょう。


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