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点群をイベント会場設営に活かすための7つの確認

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

イベント会場の設営では、限られた時間の中で、ステージ、客席、通路、ブース、受付、仮設設備、搬入動線、避難経路などを正確に配置する必要があります。図面や写真だけでも計画はできますが、現地の起伏、柱や段差、天井高、既存設備、見通し、障害物の位置まで把握しようとすると、情報が分散しやすくなります。そこで役立つのが点群です。点群を活用すると、会場の形状を三次元で確認しながら、設営前の検討、関係者との共有、当日の手戻り防止を進めやすくなります。


目次

点群で会場設営を確認する意味

会場全体の寸法と基準位置を確認する

ステージと客席の見通しを確認する

搬入出動線と作業スペースを確認する

通路幅と避難経路を確認する

電源や照明など仮設設備の配置を確認する

高さ方向の制約と吊り物の干渉を確認する

設営後の記録と次回活用を確認する

まとめ


点群で会場設営を確認する意味

イベント会場設営で点群を使う目的は、現場を立体的に記録し、計画と実際のずれを早い段階で見つけることです。イベント会場は、展示会場、体育館、ホール、屋外広場、商業施設、工場跡地、仮設スペースなど、条件が大きく異なります。図面がある会場でも、現地には柱、壁の出っ張り、床の段差、天井設備、配管、既存看板、植栽、排水設備、フェンス、車止めなど、設営に影響する要素が多く存在します。点群は、こうした細かな現況を立体的に把握するための資料として使えます。


従来の現地確認では、写真を撮り、メジャーで寸法を測り、手書きでメモを残す方法が一般的です。この方法は今でも重要ですが、写真は撮影位置から見えた範囲しか記録できず、後から別の角度を確認したい場合に情報が不足することがあります。設営計画を進める中で、受付の位置を変えたい、動線を見直したい、ブースの間隔を再確認したい、機材車両の進入可否を確認したいといった場面が発生すると、再度現地に行かなければならないこともあります。点群があれば、少なくとも現地形状の確認については、事務所や遠隔地から再確認しやすくなります。


イベント設営では、関係者が多いことも特徴です。主催者、会場管理者、設営会社、施工担当、音響照明担当、警備担当、出展者、運営担当など、それぞれが異なる視点で会場を見ています。点群を共有資料として使うと、同じ会場の状態を同じ立体情報で確認できるため、認識のずれを減らしやすくなります。特に、設営当日に「思っていたより狭い」「図面上は入るが、現地では柱が邪魔になる」「搬入時に曲がり角を通れない」といった問題を避けるためには、計画段階で現場を具体的にイメージできる資料が重要です。


ただし、点群は取得すれば自動的に設営計画が正しくなるものではありません。点群の使い方を誤ると、寸法の確認不足、座標のずれ、不要な情報の混在、見落とし、関係者への伝達不足が起こります。イベント会場設営で点群を活かすには、何を確認するために取得するのか、どこまでの精度が必要なのか、誰がどの段階で見るのかを整理しておく必要があります。この記事では、点群をイベント会場設営に活かすために確認したい七つの視点を、実務担当者が使いやすい形で解説します。


会場全体の寸法と基準位置を確認する

最初に確認したいのは、会場全体の寸法と基準位置です。イベント設営では、図面上の寸法をもとにレイアウトを作ることが多いですが、現地の使える範囲と図面上の範囲が完全に一致するとは限りません。壁際に設備がある、床面に段差がある、扉の開閉範囲がある、柱の周囲を避ける必要がある、会場内に常設物が残るなど、実際の有効寸法は図面より狭くなることがあります。点群を使うことで、会場の端部、柱位置、床面、開口部、既存設備の位置を立体的に確認できます。


重要なのは、点群上でどこを基準にするかを決めておくことです。会場の壁芯を基準にするのか、内壁面を基準にするのか、柱面を基準にするのか、床の目地や既存墨を基準にするのかによって、レイアウトの位置合わせは変わります。点群を見ながら寸法を測る場合でも、基準が曖昧なままだと、関係者ごとに異なる位置を見てしまいます。イベント会場では、ステージ中心、客席中心、ブース列の通り、受付位置、出入口中心、搬入口中心など、後工程に影響する基準を明確にすることが大切です。


屋外会場では、さらに基準位置の考え方が重要になります。広場や駐車場、公園、河川敷などでは、建物内のように明確な壁がないこともあります。その場合は、既存の舗装端、縁石、マンホール、照明柱、フェンス、植栽、道路境界、仮囲い位置などを基準にすることがあります。点群にはこれらの現況が含まれるため、設営図と現地の対応関係を確認しやすくなります。ただし、点群の座標が現地の測量基準や会場図面とずれている場合、点群上で正しく見えていても、実際の設営位置と合わないことがあります。


そのため、点群をイベント設営に使う場合は、取得後に基準点や既知寸法との照合を行うことが重要です。会場の長辺、短辺、柱間、扉幅、通路幅など、現地で確認しやすい寸法をいくつか選び、点群上の寸法と照合します。すべての箇所を細かく測る必要はありませんが、主要なレイアウト判断に関わる寸法については、点群だけを見て判断せず、現地確認や図面情報と組み合わせると安心です。


また、イベント設営では、会場全体の寸法だけでなく、実際に使える範囲を明確にすることが欠かせません。壁から一定距離を空ける必要がある場所、消防設備の前を塞げない場所、搬入口付近で待機スペースが必要な場所、関係者専用通路として残す場所など、単純な面積とは別に使えない範囲があります。点群を見ながらこれらの範囲を確認すると、レイアウト作成時に無理な配置を避けやすくなります。会場全体の点群を取得したら、まずは基準、寸法、有効範囲の三つを整理することが、後の確認を安定させる第一歩です。


ステージと客席の見通しを確認する

イベント会場で特に重要なのが、ステージと客席の見通しです。講演会、展示会、発表会、式典、音楽イベント、スポーツイベントなど、内容は異なっても、来場者が見たいものを無理なく見られるかどうかは満足度に直結します。点群を使うと、会場の床面、段差、柱、天井、壁、既存設備、客席候補位置を立体的に確認できるため、視界を遮る要素を把握しやすくなります。


見通しを確認するときは、ステージの位置だけでなく、来場者の目線位置を想定することが大切です。平面図上ではステージが見えているように見えても、実際には前列の人、柱、展示物、仮設壁、機材卓、カメラ台、照明スタンドなどが視界に入ることがあります。点群を使えば、これらの位置関係を立体的に確認できます。特に、会場の奥行きが長い場合や、柱が多い会場、天井が低い会場、床に傾斜や段差がある会場では、写真だけでは判断しにくい見通しの確認に役立ちます。


ステージ高さの検討にも点群は有効です。ステージが低すぎると後方から見えにくくなり、高すぎると前方の視線角度がきつくなることがあります。点群上で会場の床面や既存段差を確認しながら、ステージの設置位置や高さを検討すると、客席全体からの見え方を考えやすくなります。実際の視界確認には、点群上の断面確認や簡易的な視線検討が役立ちます。高度な解析を行わなくても、ステージ位置、客席位置、障害物の高さ関係を見える形にするだけで、関係者間の判断はしやすくなります。


客席配置では、座席数を増やすことだけを優先すると、通路幅や見通しが犠牲になることがあります。点群を活用する際は、客席エリアを広げる前に、柱や壁の出っ張り、出入口、避難経路、機材設置場所との関係を確認します。点群上で座席列の通りやステージ中心線を確認できるようにしておくと、左右の偏りや前後の詰まりに気づきやすくなります。特に、仮設ステージを設置する場合は、ステージ背面の余裕、袖スペース、出演者動線、機材置き場、控室への通路も同時に見ておく必要があります。


展示会や商談イベントでは、ステージだけでなく、ブースの見え方も重要です。入口から見たときに主催者ブースや案内サインが見えるか、通路の先に誘導要素があるか、大型展示物が他のブースを隠していないかを確認します。点群は会場内の高さ方向や奥行きを把握しやすいため、サインや展示物の高さを検討する材料になります。来場者の視線は平面図だけでは読みにくいため、点群を使って現地の立体感を共有することが効果的です。


注意したいのは、点群は取得時点の現況を示すものであり、設営後の人の混雑や可動物までは自動的に表しません。したがって、見通し確認では、点群に写っている常設物だけでなく、設営後に追加される仮設物や人の滞留も想定する必要があります。点群を土台にしながら、ステージ、客席、案内板、機材、スタッフ待機位置を重ねて検討することで、設営当日の見え方をより具体的に確認できます。


搬入出動線と作業スペースを確認する

イベント設営では、搬入出動線の確認が非常に重要です。どれだけ完成後のレイアウトが整っていても、資材や機材を安全に搬入できなければ、設営工程は滞ります。大型の什器、音響機材、照明機材、映像機材、展示パネル、仮設ステージ、受付カウンター、椅子、机、養生材などは、搬入口から設置場所まで移動する必要があります。点群を使うと、搬入口の幅や高さ、曲がり角、段差、スロープ、通路の狭まり、天井設備との干渉を事前に確認しやすくなります。


搬入出動線を見るときは、最短距離だけで判断しないことが大切です。現地では、扉の開閉方向、床の段差、エレベーターやスロープの位置、養生が必要な範囲、他作業との重なり、車両の停車位置などが影響します。点群上で搬入口から各設置場所までの経路を追うと、図面では見落としやすい障害物に気づけます。例えば、通路幅は足りていても、曲がり角で長尺物が回せない場合があります。天井高は十分でも、途中に照明器具や梁があり、背の高い機材が通りにくい場合もあります。


作業スペースの確認も重要です。イベント設営では、完成時の配置だけでなく、組立中に必要な余白があります。ステージを組むための仮置き場所、パネルを立てるための作業幅、照明や音響機材の調整スペース、梱包材の一時置き場、工具や台車の待避場所など、作業中だけ必要になるスペースがあります。点群を使えば、壁際や柱周り、搬入口付近、通路脇などにどの程度の余裕があるかを把握しやすくなります。完成図だけを見ていると、この作業途中の余白が抜けやすいため注意が必要です。


搬入出は時間管理とも密接に関わります。複数の業者が同じ時間帯に搬入する場合、動線が交差したり、仮置き場所が不足したりします。点群で会場の立体的な制約を確認しておくと、どの順番で搬入すべきか、どこに一時置きできるか、どの経路を共用できるかを検討しやすくなります。特に、屋内会場では搬入口やエレベーターが限られることが多く、屋外会場では車両の進入範囲や路面の状態が課題になります。点群は床や地面の段差、傾斜、障害物を確認する材料として使えます。


搬出時の確認も忘れてはいけません。イベント終了後は、来場者退場、撤去作業、清掃、返却、次の利用者の準備が短時間で重なることがあります。搬入時には問題がなくても、撤去時には資材が分散していたり、廃材や梱包材が増えていたりするため、動線が詰まりやすくなります。点群を使って、搬出時に確保しておくべき通路や待機場所を計画段階で確認しておくと、撤去工程の混乱を抑えやすくなります。


また、点群を使った搬入出確認では、寸法だけでなく安全面も確認します。通路に段差がある場合は、台車の通行時に転倒や荷崩れが起きる可能性があります。床面に勾配がある場合は、重量物の一時停止や方向転換に注意が必要です。天井や壁に既存設備がある場合は、接触による破損を避ける必要があります。点群で危険箇所を見える化し、事前の養生、誘導員の配置、搬入順序の調整につなげることが、スムーズな会場設営につながります。


通路幅と避難経路を確認する

イベント会場では、来場者が安全に移動できる通路と、緊急時に避難できる経路を確保することが欠かせません。点群を設営に活用する場合、単に什器やブースが入るかどうかだけでなく、人が滞留しやすい場所、通路が狭くなる場所、出入口に人が集中する場所を確認する必要があります。図面上では通路幅が確保されているように見えても、現地の柱、壁の凹凸、常設設備、段差、扉の開閉範囲によって、実際の通行幅が狭くなることがあります。


点群を使うと、会場内の通路候補を実際の現況に沿って確認できます。特に、展示ブースや受付、物販、飲食スペース、案内所などを設ける場合、来場者が立ち止まる場所と通行する場所が重なりやすくなります。点群上で壁や柱の位置、出入口、既存設備を確認しながら、通路の直線性、曲がり角の余裕、滞留スペースとの分離を検討します。イベント当日は、案内表示、待機列、撮影する人、荷物を持った人、車いすやベビーカーの利用者など、さまざまな動きが発生します。点群はその前提となる物理的な空間条件を整理するために使えます。


避難経路については、特に慎重な確認が必要です。非常口、避難扉、消火設備、警報設備、誘導表示の前を塞がないことはもちろん、そこへ向かう通路が設営物で狭くならないようにします。点群には、非常口周辺の壁、扉、段差、柱、天井設備などが記録されるため、避難経路に関わる空間を立体的に確認できます。ただし、点群だけで法令や会場規定への適合を判断するのではなく、会場管理者や関係部署の確認と組み合わせることが前提です。点群は、確認漏れを減らすための資料として位置づけると実務で使いやすくなります。


通路幅の確認では、完成時の設営物だけでなく、運営中に追加されるものにも注意します。案内看板、パンフレット台、受付待機列、来場者の荷物置き、スタッフ用機材、清掃用具、臨時の仕切りなどは、設営図に十分反映されていないことがあります。点群を見ながら、どこに物を置くと通路が詰まるのか、どの位置なら来場者の流れを妨げないのかを事前に検討しておくと、当日の調整がしやすくなります。


屋外イベントでは、地面の状態や勾配も通路計画に影響します。舗装面と芝生、砂利、土の境目、排水溝、縁石、段差、仮設スロープの位置などを点群で確認することで、来場者が歩きにくい場所を把握できます。雨天時には水たまりができやすい低い場所や、ぬかるみやすい場所も問題になります。点群取得時点で天候条件が異なる場合でも、地形や勾配の確認は通路計画の参考になります。来場者動線を考えるうえでは、床や地面の見た目だけでなく、高さ方向の変化を確認することが重要です。


イベントの安全管理では、関係者が同じ認識を持つことが大切です。点群を使って通路と避難経路を確認した結果を、設営担当だけでなく、運営担当、警備担当、会場管理者とも共有すると、当日の判断が揃いやすくなります。通路幅や避難経路は、設営の最後に確認するのではなく、レイアウト検討の初期段階から条件として組み込むべき項目です。点群は、その条件を視覚的に確認するための有効な資料になります。


電源や照明など仮設設備の配置を確認する

イベント会場設営では、ステージやブースの配置だけでなく、電源、照明、音響、映像、通信、受付機器、案内表示などの仮設設備をどこに置くかが重要です。これらの設備は、見た目のレイアウトとは別に、ケーブル経路、機器設置スペース、操作位置、メンテナンス動線、来場者との接触防止を考える必要があります。点群を活用すると、壁面、床面、天井、柱、既存設備、コンセント位置、配線ルート候補を立体的に確認しやすくなります。


仮設設備でよく起こる問題は、計画段階では配置できると思っていた機器が、現地では設置しにくいというものです。例えば、機材卓を置く予定の場所に柱や段差がある、ケーブルを通したい経路に出入口がある、照明スタンドを置くと通路が狭くなる、壁際に既存設備があって機器を寄せられないといった状況です。点群を使えば、平面図だけでは見落としやすい立体的な制約を確認できます。特に、柱周り、壁際、天井付近、床の立ち上がり部分は、点群で確認する価値が高い箇所です。


電源計画では、電源位置から使用場所までの距離と経路を確認します。単に直線距離が短いだけでは不十分で、来場者通路を横断しないか、扉の開閉に干渉しないか、段差でケーブルが浮かないか、養生が必要な範囲が広すぎないかを確認する必要があります。点群上で会場の形状を確認しながら、ケーブルを壁際に沿わせる、通路を避ける、機器を集約するなどの工夫を検討できます。ケーブルが多いイベントでは、配線計画が来場者動線や安全管理に大きく影響します。


照明計画でも、点群は役立ちます。天井高さ、梁、既存照明、空調設備、壁面、ステージ位置、展示物の高さを確認することで、照明機材の設置位置や照射方向を検討しやすくなります。照明を置く場所が確保できても、来場者の視界を遮ったり、通路を狭くしたり、既存設備に近すぎたりする場合があります。点群を見ながら、機材の高さや設置範囲を確認すると、設営当日の位置変更を減らせます。


音響や映像の設備では、操作卓やスピーカー、画面、配信機材、カメラ位置などの配置が重要です。操作担当者がステージを見られるか、スピーカーの前に障害物がないか、画面を見る来場者の視線を遮らないか、カメラの撮影範囲に柱や通行人が入りすぎないかを検討します。点群は、これらの位置関係を立体的に整理するための土台になります。特に、配信や記録撮影を行うイベントでは、カメラ位置と来場者動線の干渉を事前に確認しておくと、当日のトラブルを抑えやすくなります。


仮設設備の確認では、設営後だけでなく撤去時も考える必要があります。ケーブルや機材が複雑に絡むと、撤去に時間がかかり、忘れ物や破損の原因になります。点群を使って、機器を集約できる場所、ケーブルを整理しやすい経路、スタッフが安全に作業できる余白を確認しておくと、設営から撤去までの全体効率が上がります。イベント会場設営における点群活用は、見た目の配置だけでなく、設備運用と安全管理まで含めて考えることで効果を発揮します。


高さ方向の制約と吊り物の干渉を確認する

点群の大きな強みは、高さ方向の情報を確認しやすいことです。イベント会場設営では、床面の広さだけでなく、天井高さ、梁、照明設備、空調設備、配管、スピーカー、既存看板、吊り点、庇、樹木、電線、仮設屋根など、高さ方向の制約が多くあります。平面図だけでは十分に把握できないため、点群を使って立体的に確認することが重要です。


屋内会場では、天井が一様に高いとは限りません。梁や設備が部分的に下がっている場所、天井内設備の点検口がある場所、既存照明が低い位置にある場所、空調吹出口の周辺など、設営物と干渉しやすい箇所があります。大型の展示物、背景パネル、トラス、サイン、照明スタンド、映像スクリーンなどを設置する場合、床面では入るように見えても、高さ方向で干渉することがあります。点群で天井や梁の高さを確認しておくと、設営当日に機材を立てられないという問題を避けやすくなります。


吊り物を使うイベントでは、さらに慎重な確認が必要です。吊り物とは、サイン、照明、音響、装飾、幕、映像設備など、上部から吊るして設置する要素を指します。吊り点の位置、吊り高さ、周辺設備との距離、下部の来場者動線、ステージや展示物との位置関係を確認する必要があります。点群は、吊り点そのものの構造判断を行う資料ではありませんが、位置関係や干渉確認のための資料として活用できます。荷重や取付可否については、必ず会場管理者や専門担当の確認が必要です。


屋外会場でも高さ方向の確認は欠かせません。仮設テント、ステージ屋根、看板、照明塔、スピーカー、のぼり、ゲートなどを設置する場合、樹木、街灯、電線、建物の庇、看板、橋梁、架空設備との干渉を確認する必要があります。点群を使えば、設置予定範囲の上空に何があるかを立体的に確認できます。特に、搬入車両や高所作業車を使う場合は、走行経路や作業範囲の高さ制限も確認対象になります。


高さ方向の確認では、点群の取得範囲にも注意が必要です。床面や壁面だけを中心に取得していると、天井付近や上部設備の点群が不足することがあります。イベント設営で上部空間を検討する予定がある場合は、取得時点で天井、梁、吊り点、上部設備が確認できるように撮影位置や取得範囲を考える必要があります。後から上部情報が不足していることに気づくと、再取得が必要になる場合があります。


また、点群にはノイズや欠落が含まれることがあります。光を反射しやすい面、黒い面、ガラス面、複雑な設備の裏側、高所の細い部材などは、点群上で見えにくいことがあります。高さ方向の干渉確認では、点群上で見えないから安全と判断するのではなく、現地写真や会場資料、目視確認と組み合わせることが大切です。点群は便利な現況資料ですが、設営可否や安全性を単独で断定するためのものではありません。


高さ方向の制約を事前に把握できると、設営計画の自由度が高まります。天井が低いエリアには低い展示物を配置する、高いサインは干渉の少ない位置に移す、ステージ屋根の高さを見直す、照明の設置方法を変更するなど、早い段階で代替案を検討できます。イベント設営では、当日になってから高さの問題が発覚すると、時間的にも安全面でも大きな負担になります。点群を使った高さ確認は、手戻りを防ぐための重要な確認です。


設営後の記録と次回活用を確認する

点群は設営前の計画だけでなく、設営後の記録にも活用できます。イベントが終わると、会場はすぐに撤去され、設営状態は残りません。そのため、完成時の配置、通路、ステージ、ブース、サイン、設備、来場者動線、仮設物の位置を記録しておくことは、次回開催や別会場での展開に役立ちます。写真でも記録はできますが、点群を残しておくと、後から寸法や位置関係を確認しやすくなります。


設営後の点群記録では、完成状態だけでなく、問題が起きた箇所も記録対象にすると効果的です。通路が狭かった場所、来場者が滞留した場所、受付が混雑した場所、搬入時に通りにくかった場所、機材が干渉しそうになった場所、案内表示が見えにくかった場所などを、点群やメモと合わせて残します。これにより、次回の改善点を具体的に検討できます。イベントは一度きりのように見えても、同じ主催者、同じ会場、同じ形式で繰り返されることが多いため、記録の価値は高くなります。


点群を次回活用するためには、データの整理方法も重要です。取得日、会場名、設営前か設営後か、取得範囲、座標や基準、関連する図面、レイアウト案、写真、メモを紐づけて管理します。点群データだけを保存しても、どのイベントのどの段階の記録か分からなくなると、後から使いにくくなります。ファイル名やフォルダ構成を決め、関係者が探しやすい状態にしておくことが大切です。


また、点群を共有する相手に合わせて見せ方を変えることも考えます。設営担当者には寸法や干渉確認が必要ですが、主催者には全体の配置や来場者動線が分かる見せ方が重要です。会場管理者には避難経路や既存設備との関係、警備担当には人の流れや滞留しやすい場所、出展者にはブース周辺の空間が重要になります。点群をそのまま渡すだけでは伝わりにくい場合があるため、確認したい場所を明確にして共有することが効果的です。


設営後の点群は、トラブル対応の記録にもなります。設営物がどこにあったか、通路がどの程度確保されていたか、既存設備を塞いでいなかったか、撤去前の状態がどうだったかを確認できる場合があります。ただし、記録目的で点群を取得する場合は、人物や個人情報、掲示物、企業名、機密情報などが写り込む可能性に注意が必要です。公開用、社内共有用、関係者確認用など、用途に応じて取り扱い範囲を決めておくと安全です。


次回活用を考えるなら、点群から得た気づきを単なる記録で終わらせないことが重要です。次回の標準レイアウト、搬入計画、通路計画、サイン計画、スタッフ配置、仮設設備配置に反映して初めて、点群の価値が高まります。イベントごとに点群を蓄積すれば、会場ごとの注意点や使いやすい配置が見えてきます。経験者の記憶だけに頼らず、立体的な記録として残すことで、担当者が変わっても設営品質を引き継ぎやすくなります。


まとめ

点群をイベント会場設営に活かすには、単に会場を三次元で記録するだけではなく、設営計画のどの判断に使うのかを明確にすることが重要です。会場全体の寸法と基準位置を確認し、ステージや客席の見通しを検討し、搬入出動線と作業スペースを整理することで、計画段階の不確実性を減らせます。さらに、通路幅や避難経路、仮設設備の配置、高さ方向の干渉を点群で確認すれば、当日の手戻りや安全上の不安を抑えやすくなります。


イベント会場は、図面上では整って見えても、現地には多くの制約があります。柱、段差、天井設備、扉の開閉、壁際の設備、搬入口の狭さ、上部の干渉、床の勾配などは、設営当日に初めて気づくと大きな負担になります。点群は、こうした現地条件を事前に見える化し、関係者が同じ情報をもとに判断するための有効な手段です。


一方で、点群は万能ではありません。取得範囲が不足していれば確認できない場所が残りますし、座標や基準が曖昧であれば、レイアウトとの整合が取りにくくなります。安全性や法令、会場規定への適合は、点群だけで判断せず、会場管理者や専門担当者の確認と組み合わせる必要があります。点群は、現地確認を置き換えるものではなく、現地確認の質を高め、関係者の認識を揃えるための資料として使うと効果的です。


これからイベント会場設営に点群を取り入れる場合は、まず設営前の現況把握から始めると実務に定着しやすくなります。会場全体を記録し、主要寸法を確認し、搬入出動線や通路、ステージ周辺を重点的に見るだけでも、設営計画の精度は高まります。さらに、設営後の状態を記録して次回に活かせば、イベントごとの改善が蓄積され、担当者が変わってもノウハウを引き継ぎやすくなります。


現場で点群を扱う際には、取得、確認、共有、記録までを一連の流れとして考えることが大切です。イベント会場のように短期間で判断が求められる現場では、点群を素早く確認できる環境があると、設営前の確認から当日の調整まで進めやすくなります。点群を特別な測量資料としてだけ扱うのではなく、会場の状態を関係者で共有するための実務資料として位置づけることで、設営品質の向上と手戻りの削減につなげやすくなります。


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