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点群で大型機械の据付余裕を確認する6つの見方

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

大型機械の据付では、図面上では入るはずの機械が、現場では搬入できない、基礎に載せた後に点検扉が開かない、配管やダクトとの離隔が足りない、といった問題が起こることがあります。特に既存工場、プラント、倉庫、機械室、地下設備、狭い建屋内では、梁、柱、既設配管、ケーブルラック、手すり、架台、仮設材などが複雑に重なり、平面図や立面図だけでは据付余裕を読み切れない場面があります。


点群は、現場の形状を三次元で記録し、機械の外形や搬入経路、保守スペース、上部空間、周辺設備との離隔を確認するための有効な材料になります。ただし、点群を取得しただけで据付可否が自動的に判断できるわけではありません。どの余裕を、どの基準で、どの断面から確認するかを決めておかなければ、見た目には問題なさそうでも、実際の施工時に干渉や手戻りが発生することがあります。


この記事では、点群で大型機械の据付余裕を確認するときに押さえたい6つの見方を、実務担当者向けに整理します。新設工事だけでなく、既存設備の更新、機械入替、増設、レイアウト変更、搬入計画の確認にも使える考え方としてまとめます。


目次

点群で据付余裕を確認する前に見るべき前提

機械外形と基礎まわりの余裕を見る

搬入経路と旋回スペースの余裕を見る

上部空間と吊り込み作業の余裕を見る

周辺設備との離隔と干渉リスクを見る

点検扉や保守作業スペースの余裕を見る

施工誤差と将来変更を見込んだ余裕を見る

点群確認を据付判断に活かすための進め方

まとめ


点群で据付余裕を確認する前に見るべき前提

大型機械の据付余裕を点群で確認する前に、まず整理しておきたいのは、何に対する余裕を確認するのかという前提です。据付余裕と一口に言っても、機械本体が基礎上に収まる余裕、搬入時に通過できる余裕、吊り込みや仮置きに必要な余裕、点検や修理に必要な余裕、配管や電気設備を接続するための余裕など、確認対象は複数あります。これらを分けずに点群を眺めると、単に空間が広いか狭いかの印象確認で終わってしまいます。


点群を実務で使う場合は、確認したい大型機械の外形寸法、据付位置、基礎寸法、必要なメンテナンス範囲、搬入姿勢、作業時の仮設条件をあらかじめ整理することが重要です。機械の完成外形だけでなく、搬入時に取り外せない突起物、吊り金具、仮設フレーム、梱包材の有無、据付後に開閉するカバーや扉の範囲も確認対象になります。点群の中に機械モデルを重ねる場合でも、外形だけを合わせるのではなく、実際に動く部分や作業者が入る部分まで見ておく必要があります。


また、点群の座標系も重要です。建屋の通り芯、基礎芯、機械芯、既設設備の管理座標がばらばらのままだと、点群上では合っているように見えても、施工図や据付図との比較でずれが出ます。現場座標に合わせるのか、建屋の基準線に合わせるのか、機械基礎を基準にするのかを決め、関係者間で同じ基準を使うことが大切です。特に既存建屋では、過去の改修や施工誤差によって図面と現況が一致していないことがあるため、図面だけを正として点群を無理に合わせるのではなく、現況として何を信頼するかを整理しておく必要があります。


点群には、取得時の死角やノイズもあります。大型機械の据付を検討する場所では、配管の裏側、梁の上、架台の奥、設備の陰など、レーザーやカメラが届きにくい部分が発生します。床面に置かれた資材や仮設物が点群に写っている場合もあります。これらを恒久物と誤認すると、実際には撤去できるものを障害物として扱ったり、逆に見えていない既設物をないものとして判断したりする恐れがあります。そのため、点群を見るときは、取得日、取得範囲、不要物の有無、未取得箇所を把握しておくことが必要です。


据付余裕の確認では、点群を単なる三次元の見た目として使うのではなく、寸法確認の材料として使う意識が欠かせません。目視で十分に見える空間でも、実際には必要離隔に対して数センチしか余裕がないことがあります。反対に、見た目には混み合っていても、機械の搬入姿勢を変えることで通過できる場合もあります。点群を断面で切る、必要寸法を当てる、基準線からの距離を見る、複数の高さで比較する、といった使い方を組み合わせることで、据付余裕の判断が具体的になります。


機械外形と基礎まわりの余裕を見る

大型機械の据付確認で最初に見るべきなのは、機械本体の外形と基礎まわりの余裕です。機械は最終的に基礎、架台、床面、アンカー位置に対して据え付けられるため、本体外形が予定位置に収まるか、基礎の端部から必要な余裕があるか、周囲の柱や壁と干渉しないかを点群で確認します。ここで重要なのは、平面上の幅と奥行きだけでなく、高さ方向も含めて立体的に見ることです。


図面上では機械の外形寸法と基礎寸法が整っていても、現場では壁のふかし、柱型、床の立ち上がり、排水溝、段差、既設アンカー、ケーブルピット、周辺架台などが影響します。点群を使えば、これらの現況を含めて機械外形との関係を確認できます。たとえば、機械本体の外形を箱状の簡易モデルとして配置し、基礎や床面との重なりを確認すると、設計図では見落としやすい突出部や段差が把握しやすくなります。


基礎まわりでは、機械の脚部やベースプレートだけでなく、アンカーボルトの施工に必要な作業余裕も見る必要があります。据付後にナットを締める、レベル調整を行う、グラウト材を施工する、養生する、といった作業が発生する場合、機械が載るだけの寸法では不十分です。点群上で基礎端部、壁、柱、既設配管との距離を確認し、工具を扱える空間が残るかを考えます。特に大型機械では、わずかな位置変更が周辺設備との関係に大きく影響するため、中心位置だけでなく外周部の余裕を見ることが大切です。


また、床面や基礎天端の状態も据付余裕に関係します。点群から床の高さや傾き、周囲との段差を確認することで、機械のレベル調整に影響する要素を事前に把握できます。点群の密度や精度によっては細かな凹凸までは判断しきれない場合がありますが、全体の傾向や大きな段差の確認には役立ちます。機械の据付高さが厳密に決まっている場合は、点群で概略を把握したうえで、必要に応じて別の測定方法で重要箇所を確認する流れが現実的です。


基礎まわりを見るときは、据付後の完成状態だけでなく、据付中の一時的な状態も意識します。機械を仮置きする位置、芯出しのために少しずらす範囲、ジャッキやローラーを入れる位置、作業者が立つ場所が必要になるためです。完成形の外形だけで空間を判断すると、据付作業中に動かせる余地がなくなり、現場で無理な作業になることがあります。点群上では、機械の最終位置に加えて、仮置き位置や移動範囲を想定して見ると、施工段階のリスクを減らしやすくなります。


さらに、既存設備更新では、撤去前の機械、残置される基礎、新設機械の外形が混在します。この場合、点群で既存機械の周囲を記録しておくと、新旧の寸法差や周辺余裕の変化を比較しやすくなります。既存機械が撤去された後で初めてわかる部分もありますが、撤去前の点群でも、壁、柱、天井、主要配管、床段差などの周辺条件は把握できます。更新工事では、既存と同じ場所に置くから問題ないと考えず、新しい機械の外形、保守範囲、接続位置が変わる可能性を踏まえて確認することが重要です。


搬入経路と旋回スペースの余裕を見る

大型機械の据付では、最終位置に収まるかどうかだけでなく、そこまで運び込めるかどうかが大きな問題になります。搬入口から据付場所までの経路に、扉、シャッター、廊下、曲がり角、段差、スロープ、柱、梁、配管、ケーブルラック、既設機械がある場合、平面図だけでは判断しにくい干渉が発生します。点群は、搬入経路の幅、高さ、曲がり角、床の段差を三次元で確認できるため、据付前の検討に向いています。


搬入経路を見るときは、機械の完成時寸法だけでなく、搬入時の姿勢を基準に考える必要があります。横倒しで運ぶのか、立てたまま運ぶのか、分割して運ぶのか、台車やローラーに載せるのか、吊りながら移動するのかによって、必要な空間は大きく変わります。点群上で機械の外形を仮に配置する場合も、据付後の向きだけではなく、搬入姿勢での幅、高さ、長さを想定して確認します。特に曲がり角では、機械の対角寸法や旋回時の外側の振れが効いてくるため、単純な通路幅だけで判断しないことが大切です。


点群を使うと、搬入経路の断面を複数箇所で確認できます。入口では通過できても、途中の梁下で高さが不足する、曲がり角の手すりに当たる、天井配管の低い部分だけ干渉する、といった局所的な問題を見つけやすくなります。特に既存施設では、同じ通路に見えても部分的に配管が下がっていたり、後付けの盤や架台が張り出していたりすることがあります。点群を高さ別、断面別に見ることで、搬入経路のボトルネックを把握できます。


搬入時には、機械そのものだけでなく、運搬機材の寸法も考慮します。台車、ローラー、フォークリフト、吊り具、仮設架台、養生材などが加わると、必要な高さや幅が増えることがあります。点群上で機械外形だけを通して問題なしと判断しても、実際には運搬機材が干渉する場合があります。点群確認では、機械本体の外形に余裕代を加えた搬入時外形として見ると、より安全な判断につながります。


旋回スペースも重要です。大型機械は、直線的に通れる経路であっても、据付場所の手前で向きを変えられないことがあります。曲がり角や機械室入口では、機械の前後左右にどれだけ逃げがあるか、どの位置で向きを変えるか、周辺設備に近づきすぎないかを点群で確認します。平面上の旋回軌跡に加えて、高さ方向の干渉も同時に見ます。たとえば、床面では余裕があっても、上部の梁やダクトに機械上端が近づく場合があります。


搬入経路の点群確認では、撤去可能な障害物と撤去できない障害物を分けることも大切です。仮置き資材、仮設棚、移動可能な手すり、簡易なカバーなどは事前に移動できる場合があります。一方、柱、梁、主要配管、電気設備、固定架台、壁開口の寸法は簡単には変えられません。点群上で障害物を見つけたときは、それが恒久物なのか一時的なものなのかを現場と照合し、対策の優先度を判断します。点群だけで決めつけるのではなく、現地写真や管理資料と合わせて確認すると、不要な手戻りを避けやすくなります。


上部空間と吊り込み作業の余裕を見る

大型機械の据付では、上部空間の余裕が見落とされやすいポイントです。機械を設置する床面や基礎まわりに余裕があっても、上部に梁、天井、配管、ダクト、照明、ケーブルラック、クレーンレール、吊り具があると、吊り込みや立て起こしの作業に支障が出ることがあります。点群では、床から上部障害物までの高さや、機械上端との離隔を立体的に確認できます。


上部空間を見るときは、機械の据付後高さだけでなく、作業中の最大高さを考えます。吊り上げるときには、機械本体の上に吊り具やワイヤー、シャックル、ビーム、フックなどが加わります。機械を立て起こす場合は、一時的に完成時より大きな高さや回転範囲が必要になることもあります。点群上で完成状態だけを配置して問題なしと判断すると、吊り込み時に上部干渉が発生する恐れがあります。


既存建屋内では、天井高が場所によって一定とは限りません。梁下、設備配管の下端、ラックの下端、天井点検口、照明器具の位置によって有効高さが変わります。点群を使えば、据付位置の直上だけでなく、搬入経路から据付位置までの上部空間を連続的に確認できます。特に、大型機械を少し持ち上げて移動する必要がある場合、通路の途中で最も低い部分がどこかを把握することが重要です。


吊り込み作業では、吊り点の位置と機械の重心も関係します。点群だけで重心や吊り荷の安全性を判断することはできませんが、吊り荷が振れた場合の周辺余裕や、作業者が退避できる空間、吊り具が上部設備に近づく範囲を検討する材料になります。点群上で上部障害物との距離が小さい場合は、吊り方、分割搬入、仮設開口、周辺設備の一時撤去など、別の施工計画を検討する必要があります。


また、上部空間は据付後の維持管理にも影響します。機械の上部カバーを外す、モーターや部品を吊り出す、フィルターや部材を上方に抜き取る、といった保守作業がある場合、据付時だけでなく将来の作業余裕も必要です。点群で据付時の空間だけを確認してしまうと、運転開始後のメンテナンスで天井や配管が支障になる可能性があります。機械の仕様や保守手順に合わせて、上方に必要な抜き代や作業空間を確認しておくことが大切です。


上部空間を確認する際は、点群の見え方にも注意します。天井や梁の下端は比較的捉えやすい一方で、細い配管、吊りボルト、ケーブル、照明器具などは点群密度や取得角度によって見えにくい場合があります。重要な箇所は点群だけでなく現地確認を併用し、点群上で不明瞭な部分を未確認として扱う姿勢が必要です。見えていないから障害物がないと判断するのではなく、取得条件による抜けを考慮して確認範囲を整理します。


周辺設備との離隔と干渉リスクを見る

大型機械の据付余裕を判断するうえで、周辺設備との離隔確認は欠かせません。機械本体が予定位置に収まっても、近くの配管、弁、盤、ダクト、架台、柱、壁、手すり、通路、排水溝と干渉する場合があります。点群は、既設設備の位置関係を三次元で把握しやすいため、図面に反映されていない現況設備との干渉リスクを確認するのに役立ちます。


周辺設備との離隔を見るときは、まず固定物と可動物を分けて考えます。固定物には柱、壁、梁、基礎、固定配管、固定架台などがあります。可動物には扉、点検カバー、操作レバー、取り外し部品、仮設材などがあります。機械本体と固定物の距離だけでなく、可動部が開いたときに周辺設備に当たらないかも確認する必要があります。点群では現況の閉じた状態しか記録されていないことも多いため、点群に加えて可動範囲を想定して見ることが大切です。


配管やダクトとの離隔は、単にぶつからない距離だけでは不十分です。保温材、支持金物、フランジ、弁の操作空間、振動による揺れ、温度変化による伸び、点検時の取り外し作業などを考える必要があります。点群上で機械外形と配管が数センチ離れているように見えても、実際には保温材や接続部品を含めると余裕がなくなることがあります。点群確認では、見えている管の外形が最終外形なのか、施工後に追加される部材があるのかを確認します。


電気設備や制御盤まわりでは、扉の開閉、作業者の立ち位置、ケーブル接続、将来の増設余地が重要です。点群で盤の位置や周辺通路を把握し、機械据付後に操作や点検がしにくくならないかを見ます。大型機械の外形が盤の前に近づきすぎると、点検扉が開かない、作業者が正面に立てない、ケーブルの引き回しが難しくなるといった問題が起こります。こうした問題は平面図でも検討できますが、点群で現況と重ねることで、実際の高さや張り出しを含めた確認がしやすくなります。


周辺設備との干渉リスクを見るときは、断面確認が有効です。平面上では離れているように見えても、上部で配管が張り出している場合や、床近くに基礎や配管サポートがある場合があります。複数の高さで断面を切ると、機械の下部、中部、上部で干渉しやすい対象が変わることがわかります。大型機械は高さ方向に形状が複雑なことも多いため、一つの高さだけで離隔を判断しないことが大切です。


点群で干渉を見つけた場合は、すぐに据付不可と判断するのではなく、対策可能性を整理します。機械位置を少しずらす、機械向きを変える、配管ルートを変更する、周辺設備を一時撤去する、部品を分割搬入する、保守方法を見直すなど、選択肢は複数あります。点群は、こうした対策案を比較するための現況資料としても使えます。関係者が同じ三次元情報を見ながら検討できるため、口頭説明だけでは伝わりにくい干渉リスクを共有しやすくなります。


点検扉や保守作業スペースの余裕を見る

大型機械の据付では、設置できるかどうかに意識が集中しがちですが、運転開始後に点検や保守ができるかどうかも同じくらい重要です。機械は据え付けて終わりではなく、点検扉の開閉、部品交換、清掃、給油、調整、計測、修理が発生します。点群を使うと、機械の周囲に作業者が入れるか、扉やカバーが開くか、部品を引き抜けるかを現況空間と照らし合わせて確認できます。


保守作業スペースを見るときは、機械本体の外形に加えて、点検時に必要な動作範囲を重ねて考えます。扉が横に開くのか、上に跳ね上がるのか、カバーを手前に引き出すのか、部品を上方に抜くのかによって、必要な余裕は変わります。点群上に機械外形だけを置いた状態では問題がなくても、扉の開閉範囲や部品の抜き代を考えると周囲と干渉する場合があります。機械の保守手順や点検口の位置を確認し、必要な空間を事前に見ておくことが大切です。


作業者の動線も重要です。大型機械の周囲に人が通れる幅があるか、しゃがんだり工具を扱ったりできる空間があるか、複数人で作業する場合に干渉しないかを点群で確認します。単に通路が残っているだけでは、実際の点検作業には不十分な場合があります。盤の前に立って操作する、弁を回す、ボルトを外す、部材を持って移動する、といった具体的な作業を想定すると、必要な余裕が見えやすくなります。


保守作業では、取り外した部品や工具を一時的に置く場所も必要です。大型機械の部品は重く、大きいことがあり、床に仮置きする、台車に載せる、吊り具で保持するなどの作業が発生します。点群で機械周辺の空間を確認し、仮置き場所や台車の通行余裕があるかを見ておくと、運転開始後の保守性を評価しやすくなります。設計段階では見落とされがちな仮置き空間も、現況点群と組み合わせることで現実的に検討できます。


また、保守作業スペースは安全にも関係します。狭い場所で無理に点検を行うと、転倒、挟まれ、接触、無理な姿勢による作業負担が増えます。熱を持つ設備、回転部、電気設備、高所作業、段差が近い場所では、必要な離隔や作業姿勢をさらに慎重に見る必要があります。点群は安全性そのものを保証するものではありませんが、危険な姿勢になりやすい場所や退避しにくい場所を事前に把握する材料になります。


既存設備の更新では、これまで問題なく保守できていたから新しい機械でも大丈夫とは限りません。新しい機械は点検口の位置、扉の開き方、部品の取り外し方向、接続配管の位置が変わることがあります。点群で既存空間を確認し、新設機械の保守範囲を重ねることで、更新後に保守性が悪化しないかを確認できます。特に狭い機械室では、数十センチの位置差が作業性に大きく影響するため、保守目線での点群確認が重要です。


施工誤差と将来変更を見込んだ余裕を見る

点群で大型機械の据付余裕を確認するときは、現況と機械外形がぎりぎり収まるかどうかだけで判断しないことが大切です。実際の施工では、測定誤差、点群の位置合わせ誤差、図面寸法の誤差、基礎施工の誤差、機械製作寸法の公差、据付時の調整量などが重なります。点群上で数ミリから数センチの余裕しかない場合、現場では余裕が小さい条件として扱い、追加確認や対策を検討する方が安全です。


点群自体にも精度の限界があります。取得方法、測定距離、反射条件、点密度、位置合わせ方法、座標変換の有無によって、点群の信頼性は変わります。大型機械の据付確認では、全体の空間把握には点群が有効ですが、アンカーボルト位置や基礎天端の細かな精度確認など、ミリ単位の判断が必要な箇所では別途測定が必要になることがあります。点群でどこまで判断し、どこからは現地測定で確認するかを決めておくことが重要です。


施工誤差を見込むためには、点群上で機械外形ぴったりの確認ではなく、必要な余裕代を含めた確認を行います。機械の外形に安全側の余裕を加えた仮想外形を考え、周辺設備との距離を見ます。搬入経路では、機械本体だけでなく運搬機材、養生材、作業者の動き、吊り荷の振れを考慮した余裕が必要です。据付場所では、芯出し調整、レベル調整、グラウト施工、配管接続、保守作業を考慮した余裕が必要です。


将来変更の余地も見ておきたいポイントです。大型機械は長期間使われることが多く、将来の部品交換、周辺設備の増設、配管ルート変更、点検方法の変更が起こる可能性があります。据付時点でぎりぎりの配置にしてしまうと、将来の改修で大きな制約になります。点群で現況空間を把握したうえで、将来使えそうな空間を残すのか、今の計画で使い切るのかを関係者で判断することが大切です。


また、周辺設備が今後増える可能性がある場合は、据付余裕の考え方が変わります。機械の周りに配管、ケーブル、点検歩廊、安全柵、排水設備などが追加される場合、現況点群だけを見て余裕があると判断しても、完成時には狭くなることがあります。点群は現況を把握するための材料ですが、完成後の状態は別途計画情報を重ねて考える必要があります。現況点群、施工図、設備計画を組み合わせて確認することで、据付後の空間不足を防ぎやすくなります。


施工誤差と将来変更を見込む考え方は、関係者間の合意にも役立ちます。点群上で見たときに、現状では入る、ただし余裕が小さい、施工誤差を考えるとリスクが高い、将来保守には不利、といった説明ができれば、単なる感覚ではなく判断の根拠を共有できます。据付計画では、入るか入らないかの二択だけでなく、どの程度の余裕で入るのか、その余裕は施工や保守に対して十分なのかを整理することが重要です。


点群確認を据付判断に活かすための進め方

点群で大型機械の据付余裕を確認する場合、ただ現場を三次元で記録するだけでは不十分です。確認の目的、必要な精度、取得範囲、重ねる図面や機械外形、判断基準を決めてから進めることで、点群が据付判断に使える資料になります。最初に、据付場所だけでなく、搬入口から据付位置までの経路、仮置き場所、吊り込み範囲、保守作業範囲まで含めて取得範囲を設定します。


取得時には、機械まわりの障害物や死角を意識します。床面、基礎、壁、柱、梁、上部配管、架台、盤、通路など、据付余裕に影響する対象が十分に記録されているかを確認します。特に狭い場所では、一方向からの取得だけでは設備の裏側が抜けやすくなります。必要な箇所は複数方向から取得し、点群の抜けを減らします。取得後に不足がわかると再訪問が必要になるため、現地で確認範囲を意識しておくことが大切です。


点群を取得した後は、基準合わせを行います。建屋の通り芯、床レベル、基礎芯、機械据付芯など、計画と比較するための基準を決めます。点群上で機械モデルや簡易外形を配置する場合は、その基準がずれていないかを確認します。基準が曖昧なまま重ねると、見た目の干渉確認はできても、施工図との整合が取れず、最終判断に使いにくくなります。


確認作業では、全体表示、平面確認、断面確認、距離計測を組み合わせます。全体表示では、機械と周辺設備の位置関係を把握します。平面確認では、基礎まわりや搬入経路の幅を見ます。断面確認では、梁下、配管下、機械上端、床段差、扉開閉範囲などを確認します。距離計測では、必要離隔に対してどの程度の余裕があるかを数値で把握します。見た目だけでは判断がぶれやすいため、重要箇所は数値として記録しておくと、後から説明しやすくなります。


判断結果は、問題なし、要注意、要再確認、対策必要といった形で整理すると実務で使いやすくなります。問題なしの箇所でも、どの条件で問題なしとしたのかを残しておくことが大切です。要注意の箇所では、余裕が小さい理由、点群の精度上不確かな理由、現地確認が必要な理由を明記します。対策が必要な箇所では、機械位置変更、周辺設備移設、分割搬入、仮設変更、保守方法見直しなど、検討すべき方向性を整理します。


点群確認の結果は、現場担当者、設計担当者、設備担当者、施工担当者、保守担当者が同じ情報を見ながら確認できる形にすると効果的です。大型機械の据付では、立場によって重視する余裕が異なります。施工担当者は搬入や吊り込みを重視し、保守担当者は点検スペースを重視し、設備担当者は配管や電気接続を重視します。点群を共有することで、それぞれの視点から据付余裕を確認し、手戻りの少ない計画に近づけることができます。


まとめ

点群で大型機械の据付余裕を確認する際は、機械が置けるかどうかだけでなく、搬入できるか、吊り込めるか、周辺設備と干渉しないか、点検や保守ができるか、施工誤差や将来変更に耐えられるかを分けて見ることが重要です。大型機械の据付では、最終位置の外形だけを確認しても、現場で必要になる作業余裕までは判断できません。点群を活用することで、現況空間を三次元で把握し、図面だけでは見えにくいリスクを早い段階で見つけやすくなります。


特に、既存施設への機械更新や増設では、現況図と実際の設備配置が完全には一致しないことがあります。梁、柱、配管、ダクト、盤、架台、手すり、床段差などが複雑に絡む場所では、点群を使って現況を確認し、機械外形や搬入経路と重ねて検討することが有効です。ただし、点群にも取得範囲、死角、精度、位置合わせの限界があります。点群だけで全てを確定するのではなく、重要寸法は現地測定や関係資料と照合しながら判断する姿勢が必要です。


据付余裕の確認では、関係者が同じ三次元情報を見て合意できることも大きな利点です。口頭説明や二次元図面だけでは伝わりにくい狭さ、上部干渉、作業スペース不足、搬入時の旋回リスクを、点群上で具体的に共有できます。その結果、機械位置の調整、搬入方法の変更、周辺設備の移設、保守スペースの確保といった対策を早めに検討しやすくなります。


大型機械の据付計画で点群を使うなら、基礎まわり、搬入経路、上部空間、周辺設備、保守範囲、施工誤差の6つの見方をそろえて確認することが大切です。点群は据付可否を自動的に決めるものではありませんが、現況を立体的に確認し、関係者間で判断材料を共有するうえで役立ちます。現場条件、機械仕様、施工方法、保守条件を合わせて確認することで、据付後の干渉や手戻りを減らしやすくなります。


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