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ICT施工の適用範囲を発注図書から読み解く6つのコツ

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

ICT施工の適用範囲は発注図書全体で判断する

工種と数量からICT施工の対象部分を切り分ける

特記仕様書の記載から必須事項と協議事項を分ける

設計図面と3次元化しやすい範囲を照合する

出来形管理と納品条件から実施範囲を逆算する

疑義が残る範囲は早期協議で記録に残す

まとめ


ICT施工の適用範囲は発注図書全体で判断する

ICT施工を円滑に進めるためには、まず発注図書のどこに適用範囲が示されているのかを丁寧に読み解く必要があります。ICT施工という言葉だけを見ると、現場全体をすべて三次元化し、すべての作業をICT建機や三次元計測で管理するように受け取られることがあります。しかし、実際の工事では、ICT施工の対象となる工種、数量、区間、管理項目、納品物が発注図書ごとに異なります。したがって、入札時や着手前の段階で、どこまでがICT施工の対象で、どこからが従来管理なのかを整理しておくことが重要です。


発注図書を読むときは、設計図面だけ、数量総括表だけ、特記仕様書だけを個別に見るのではなく、工事全体の条件をつなげて確認する姿勢が欠かせません。たとえば、数量表では掘削や盛土が示されていても、そのすべてがICT施工の対象とは限りません。特定の工種だけが対象になっている場合もあれば、対象工種のうち一部区間だけに適用される場合もあります。また、施工そのものはICT施工として扱われても、出来形管理や電子納品の条件は別に定められていることがあります。


最初に確認したいのは、工事名や工事概要にICT施工を前提とする記載があるかどうかです。ここにICT施工の対象工事であることが示されている場合でも、それだけで全範囲が対象になるとは判断できません。次に、特記仕様書、現場説明事項、数量総括表、設計図、施工条件明示書、出来形管理に関する記載を順番に確認します。これらを照合することで、ICT施工を実施すべき範囲と、受注者側で協議して決めるべき範囲が見えてきます。


発注図書の読み取りで注意したいのは、ICT施工の対象範囲が一つの場所に明確にまとめられているとは限らない点です。ある書類ではICT活用工事として扱われ、別の書類では対象工種や測定方法が示され、さらに別の書類で成果品や管理基準が指定されていることがあります。この状態で一部の書類だけを根拠に判断すると、後からその範囲は対象外だった、その成果品が必要だったという行き違いが起こりやすくなります。


実務では、発注図書を読み込んだ段階で、ICT施工の対象になりそうな範囲を一覧化しておくと確認が進めやすくなります。対象工種、対象区間、対象数量、必要な三次元設計データ、起工測量の範囲、施工中の計測方法、出来形管理の方法、納品データの種類を並べて整理します。この一覧は、施工計画書の作成、発注者との協議、協力会社への指示、測量計画の作成にもつながります。


また、発注図書の文言には、実施する、対象とする、協議により決定する、必要に応じて、原則としてなど、義務の強さが異なる表現が含まれます。これらを同じ意味として読んでしまうと、過剰な準備や不足した対応につながります。必ず実施すべき事項なのか、現場条件に応じて判断する事項なのか、発注者と協議して決める事項なのかを区別することが、ICT施工の適用範囲を読み解く最初のコツです。


工種と数量からICT施工の対象部分を切り分ける

ICT施工の適用範囲を判断するうえで、工種と数量の確認は欠かせません。ICT施工は、土工、舗装工、河川工、法面工、浚渫工など、対象となる工種ごとに考え方が異なります。発注図書にICT施工と書かれていても、工事全体のすべての作業が対象になるわけではなく、対象工種に該当する部分だけがICT施工として扱われることがあります。そのため、まずは数量総括表や内訳書を見ながら、どの工種がICT施工の対象になり得るのかを確認します。


たとえば、道路改良工事の中に掘削、路体盛土、路床盛土、法面整形、排水構造物、舗装、付帯工が含まれている場合、ICT施工の中心になるのは土工部分であることが多くなります。しかし、排水構造物や小規模な人力施工部分まで同じようにICT施工の対象に含めるかどうかは、発注図書の記載や現場条件によって変わります。数量が小さい部分、構造物周りの狭小部、機械施工が困難な部分は、ICT施工の対象外または従来管理になることもあります。


数量を見るときは、単に総量だけで判断しないことが大切です。掘削量や盛土量が大きくても、施工区間が分散している場合、ICT建機や三次元計測の効果が限定されることがあります。反対に、数量がそれほど大きくなくても、連続した施工範囲で三次元設計データを活用しやすい場合は、ICT施工の効果が出やすくなります。発注図書から適用範囲を読む際は、数量、施工延長、施工幅、施工厚、施工位置、施工時期を合わせて見ることが必要です。


また、数量表に記載されている名称と、ICT施工の対象工種の名称が完全に一致しないこともあります。現場では、同じ土工でも掘削、床掘り、盛土、埋戻し、整形など、細かな区分が使われます。ICT施工の対象として扱うべきものと、構造物施工に付随する小規模な土工を同じように考えると、適用範囲が曖昧になります。特に、構造物周辺の床掘りや埋戻し、狭い施工ヤードでの作業、既設物に近接する作業は、三次元管理の対象にするかどうかを早めに確認しておきたい部分です。


工種と数量を確認したら、次に対象範囲を図面上で色分けするように整理します。発注図書上では文章や数量で示されている範囲も、現場で使うときには平面図や縦断図、横断図に落とし込まなければ伝わりません。どの測点からどの測点までがICT施工の対象なのか、どの断面が三次元設計データの対象なのか、どの部分を出来形管理の対象にするのかを、図面と数量の両方で確認します。


このとき注意したいのは、施工数量と出来形管理数量が必ずしも同じ見え方にならないことです。施工では一体で進める範囲でも、出来形管理では測定項目や管理単位が分かれることがあります。また、設計変更が発生した場合には、数量が変わるだけでなく、ICT施工の対象範囲も変わる可能性があります。発注時の数量だけで固定的に判断するのではなく、変更が生じた場合にどこを再確認するのかまで考えておくと、後工程で混乱しにくくなります。


ICT施工の適用範囲を切り分ける目的は、対象を狭めることではありません。必要な範囲を過不足なく把握し、測量、設計データ作成、建機設定、出来形管理、成果品作成を無理なくつなげることです。工種と数量を丁寧に読み解くことで、どこにICT施工の効果を集中させるべきかが明確になります。


特記仕様書の記載から必須事項と協議事項を分ける

発注図書の中でも、ICT施工の適用範囲を読み解くうえで特に重要なのが特記仕様書です。特記仕様書には、対象工種、実施内容、施工管理方法、出来形管理、電子納品、協議事項などが記載されることがあります。ここを丁寧に読むことで、受注者が必ず対応すべき事項と、現場条件に応じて発注者と協議すべき事項を分けることができます。


特記仕様書で最初に確認したいのは、ICT施工の実施が指定されているのか、受注者の提案や協議によって実施する扱いなのかです。発注者指定型に近い記載であれば、対象範囲や実施内容が比較的明確に示されていることが多くなります。一方で、受注者希望や協議によって活用範囲を決める場合は、現場条件、施工規模、使用する計測方法、管理体制を踏まえて、実施範囲を整理して提案する必要があります。


次に、特記仕様書に書かれている実施項目を確認します。ICT施工には、三次元起工測量、三次元設計データ作成、ICT建機による施工、三次元出来形管理、三次元データの納品など、複数の段階があります。発注図書では、これらすべてが対象になる場合もあれば、一部だけが指定されている場合もあります。たとえば、三次元出来形管理は求められるが、施工機械の制御までは指定されていない場合もあります。逆に、施工段階で三次元データを活用することは想定されていても、納品データの形式や範囲は協議事項になっている場合もあります。


この違いを見落とすと、必要以上に準備してしまったり、反対に求められる成果品が不足したりします。特記仕様書の文言を読むときは、各段階を分けて確認することが大切です。起工測量は対象か、設計データ作成は誰がどこまで行うのか、施工中の管理はどの方法を使うのか、出来形測定はどの項目に適用するのか、納品はどのデータまで求められるのかを一つずつ整理します。


また、特記仕様書には、監督職員と協議する、現場条件により決定する、といった記載が含まれることがあります。このような表現がある場合、受注者側で一方的に判断して進めるのではなく、早めに協議資料を作ることが重要です。協議資料には、対象と考える範囲、対象外と考える範囲、その理由、施工上の制約、計測方法、成果品の作成方針をまとめます。発注者に判断を求めるだけでなく、現場として妥当な案を示すことで、協議が進みやすくなります。


必須事項と協議事項を分ける際には、言葉の強さにも注意します。行う、提出する、対象とする、といった表現は、原則として対応が必要な事項として扱います。一方で、必要に応じて、協議のうえ、現場条件を踏まえ、といった表現は、実施の有無や範囲を確認する余地があります。ただし、曖昧な表現だから対応しなくてよいと考えるのは危険です。曖昧な部分こそ、着手前に確認して記録に残すべきです。


特記仕様書を読むときは、禁止事項や制約条件にも目を向けます。たとえば、既設構造物への近接、交通規制、施工時間帯、用地境界、隣接工区との調整、環境条件などがICT施工の適用範囲に影響することがあります。三次元計測を行いたくても、視通が悪い、衛星測位が安定しにくい、作業時間が限られる、立入範囲が制限されるといった条件がある場合は、計測方法や管理範囲を調整する必要があります。


特記仕様書は、ICT施工の範囲を決めるための出発点であり、協議の根拠にもなります。現場担当者は、そこに書かれている文言をそのまま読むだけでなく、実際の施工手順に置き換えて理解することが求められます。必須事項と協議事項を分けておけば、施工計画書の内容も具体的になり、発注者との認識合わせも進めやすくなります。


設計図面と3次元化しやすい範囲を照合する

ICT施工では、発注図書に示された設計内容を三次元データとして扱う場面が多くなります。そのため、適用範囲を読み解く際には、設計図面と三次元化しやすい範囲を照合することが大切です。発注図書上ではICT施工の対象と読める範囲でも、設計図面の情報が不足していたり、既設物との取り合いが複雑だったりすると、そのまま三次元設計データにできないことがあります。


まず確認したいのは、平面図、縦断図、横断図、構造図の整合です。ICT施工に使う三次元設計データは、これらの図面情報をもとに作成します。平面線形、縦断勾配、横断形状、法面勾配、幅員、構造物位置、境界条件が矛盾していると、データ作成時に判断が必要になります。図面間の不整合を放置したまま施工データを作ると、現場で位置ずれや高さ違いが発生し、手戻りにつながります。


特に注意したいのは、標準断面だけで施工形状を判断してしまうことです。標準断面は代表的な形状を示すものであり、すべての測点にそのまま当てはまるとは限りません。擦り付け区間、交差点部、構造物周辺、既設道路との接続部、法面端部などでは、横断形状が変化します。ICT施工の対象範囲を決めるときは、標準断面で処理できる範囲と、個別に確認が必要な範囲を分けることが重要です。


三次元化しやすい範囲とは、設計情報が連続しており、形状のルールが明確で、施工時にも同じ考え方で管理できる範囲です。たとえば、一定の幅員と勾配で連続する土工区間は三次元化しやすい一方、既設構造物が多い場所や現況合わせの施工が多い場所は、データ作成に判断が必要です。発注図書から適用範囲を読むときは、単に対象工種かどうかだけでなく、設計データとして無理なく表現できるかを確認します。


また、図面に示された測点や座標、基準高の情報も重要です。ICT施工では、現場の位置と設計データの位置を正しく合わせる必要があります。座標系、基準点、標高基準、既設点との関係が曖昧なままでは、起工測量や出来形測定の結果を正しく比較できません。発注図書に基準点や座標の情報が示されている場合は、現地で使用できる状態か、亡失や移動の可能性がないか、追加確認が必要かを整理します。


設計図面と現況が大きく違う可能性がある場合は、起工測量の範囲も重要になります。ICT施工では、着手前に現況を三次元的に把握し、設計との差を確認することで、土量や施工計画の精度を高めることができます。しかし、起工測量の範囲が狭すぎると、施工に必要な周辺情報が不足します。反対に、必要以上に広い範囲を測ると、処理や確認に時間がかかります。発注図書の対象範囲を読みながら、施工に必要な余裕範囲も含めて計測計画を立てることが実務的です。


図面の確認では、三次元化が難しい部分を早めに洗い出すことも大切です。たとえば、既設構造物への取り付け、用地境界付近、仮設の影響を受ける範囲、施工段階で形状が変わる部分、設計変更が見込まれる部分などです。これらを無理に一つの三次元データにまとめようとすると、後で修正が複雑になります。あらかじめ管理単位を分け、協議対象として整理しておくことで、ICT施工の範囲を現実的に設定できます。


ICT施工の適用範囲は、発注図書に書かれた文言だけでなく、図面として施工できる形になっているかどうかで判断する必要があります。設計図面と三次元化しやすい範囲を照合することで、データ作成の手戻りを減らし、現場で使えるICT施工につなげることができます。


出来形管理と納品条件から実施範囲を逆算する

ICT施工の適用範囲を考えるとき、施工方法だけに注目すると見落としが生じます。実務で重要なのは、最終的にどの出来形をどの方法で管理し、どの成果品を納品する必要があるのかという点です。つまり、出来形管理と納品条件から逆算して、ICT施工の実施範囲を整理することが必要です。


発注図書には、出来形管理の対象、測定項目、管理方法、提出資料に関する記載が含まれることがあります。ICT施工の対象工種であっても、すべての出来形項目を三次元計測で管理するとは限りません。高さ、幅、延長、法面形状、出来形面、厚さなど、管理すべき項目は工種ごとに異なります。どの項目を三次元データで確認し、どの項目を従来の測定や写真で補完するのかを整理しておく必要があります。


出来形管理から逆算する理由は、施工中に必要なデータの取り方が変わるからです。完成時に三次元出来形管理を行うのであれば、施工途中から基準となる設計データ、現況データ、出来形データの管理方法をそろえておく必要があります。測定時期、測定密度、不要点の処理、構造物や仮設物の扱い、施工途中の形状変更の記録などを考えずに進めると、完成時に必要なデータが不足することがあります。


また、納品条件はICT施工の範囲に大きく影響します。発注図書で三次元設計データ、起工測量データ、出来形計測データ、管理帳票、施工履歴、写真、協議記録などの提出が求められている場合、それぞれの作成範囲を明確にする必要があります。施工では使ったが納品対象ではないデータ、納品は必要だが施工では直接使わないデータが混在することもあります。どのデータを正式な成果品として扱うのかを早めに確認しておくことで、完成前の整理作業を軽減できます。


納品条件を読むときは、データ形式だけに注目しないことも重要です。どの範囲のデータを出すのか、どの時点のデータを出すのか、どの管理単位で整理するのか、協議によって決める部分があるのかを確認します。形式が合っていても、範囲や内容が発注者の想定と違えば、再提出や追加整理が必要になることがあります。ICT施工では、データそのものが成果品になるため、施工中から完成時の見え方を意識して管理することが大切です。


出来形管理と納品条件を逆算すると、現場で準備すべき体制も見えてきます。誰が計測するのか、誰がデータを確認するのか、誰が帳票化するのか、誰が発注者との協議記録を管理するのかを決めておかなければ、施工が進むほど情報が分散します。特に、測量担当、施工担当、品質管理担当、協力会社、データ作成担当が分かれている現場では、適用範囲の認識に差が出やすくなります。発注図書から読み取った範囲を共有し、役割ごとに必要なデータを確認しておくことが重要です。


出来形管理では、対象外とする範囲の扱いも明確にしておきます。ICT施工の対象範囲に隣接する従来施工部分がある場合、境界部の管理方法が曖昧になりやすくなります。たとえば、三次元管理を行う土工面と、構造物周りの人力仕上げ部分が接する場所では、どちらの管理方法で確認するのかを決めておく必要があります。ここを曖昧にすると、完成検査前に説明が難しくなります。


ICT施工の目的は、単に新しい方法を使うことではなく、施工管理の品質と効率を高めることです。そのためには、最終的な出来形確認と納品から逆算し、必要な範囲を漏れなく管理することが欠かせません。発注図書を読む段階でこの視点を持っておくと、施工途中の判断がぶれにくくなります。


疑義が残る範囲は早期協議で記録に残す

発注図書を丁寧に読んでも、ICT施工の適用範囲が完全に明確にならないことは少なくありません。現場条件、設計図面の不足、数量の区分、施工方法の制約、出来形管理の考え方などによって、判断に迷う部分が出てきます。このような疑義を放置したまま施工を進めると、後から手戻りや追加対応が発生しやすくなります。疑義が残る範囲は、着手前または対象作業に入る前に協議し、記録に残すことが重要です。


協議が必要な範囲として多いのは、ICT施工の対象工種に含まれるかどうかが曖昧な作業、三次元設計データに含めるべきか判断が分かれる範囲、出来形管理を三次元で行うか従来方法で行うか迷う範囲、既設物との取り合いが複雑な範囲です。これらは現場担当者だけで判断できるように見えても、発注者の検査や成果品確認に関わるため、事前に認識を合わせておく必要があります。


早期協議で大切なのは、単にどうすればよいですかと尋ねるのではなく、受注者側の考え方を整理して提示することです。発注図書の該当箇所、図面上の対象範囲、数量との関係、現場条件、施工上の制約、提案する管理方法をまとめて説明します。対象に含める場合のメリットと、対象外にする場合の理由を整理しておけば、発注者も判断しやすくなります。


協議内容は、口頭だけで済ませないことが重要です。打合せで合意した内容は、打合せ記録、協議書、施工計画書の修正、図面への注記など、後から確認できる形で残します。ICT施工では、データ作成や計測、納品の範囲が成果品に直接影響するため、記録がないまま進めると、完成時に説明が難しくなります。特に、対象外とした範囲や従来管理とした範囲については、その理由を明確に残しておくことが大切です。


また、協議は一度だけで終わるとは限りません。起工測量の結果、現況と設計の差が大きいことが分かる場合があります。施工中に地形条件や既設物の位置が想定と異なることが判明する場合もあります。設計変更によって数量や施工範囲が変わる場合もあります。このような変化があったときは、当初のICT施工の適用範囲がそのままでよいかを再確認します。変更があったのに当初の協議内容だけで進めると、実態と成果品が合わなくなることがあります。


疑義を減らすためには、現場内の共有も欠かせません。発注者と協議して決めた内容が、測量担当、施工担当、機械オペレーター、協力会社、データ処理担当に伝わっていなければ、現場では別々の判断が行われてしまいます。適用範囲を図面や簡単な管理表に落とし込み、関係者が同じ情報を見られるようにしておくと、施工中の迷いが減ります。


ICT施工では、データの扱いが増える分、判断の根拠を明確にしておくことが従来以上に重要になります。早期協議と記録化は、発注者との信頼関係を保つだけでなく、現場内の手戻りを防ぐための実務的な手段です。発注図書を読んで少しでも判断が分かれる部分があれば、後回しにせず、早い段階で確認することが適用範囲を正しく読み解く大きなコツです。


まとめ

ICT施工の適用範囲を発注図書から読み解くには、単にICT施工と書かれているかどうかを見るだけでは不十分です。工事概要、特記仕様書、数量総括表、設計図面、施工条件、出来形管理、納品条件をつなげて確認し、実際の施工手順に落とし込むことが必要です。ICT施工の対象範囲は、工種、数量、区間、設計データの作成範囲、計測方法、成果品の条件によって決まります。どれか一つの資料だけで判断すると、対象範囲の過不足が生じやすくなります。


特に重要なのは、必須事項と協議事項を分けることです。発注図書に明確に指定されている内容は確実に対応し、現場条件によって判断が必要な部分は早めに協議します。三次元化しやすい範囲と難しい範囲を図面上で整理し、出来形管理と納品条件から必要なデータを逆算しておけば、施工中の判断がぶれにくくなります。


また、ICT施工の適用範囲は、着手前に一度確認すれば終わりではありません。起工測量、現地踏査、施工中の変更、設計変更によって、対象範囲の見直しが必要になることがあります。そのたびに発注図書との関係を確認し、協議内容を記録に残すことで、完成時の説明や成果品整理がスムーズになります。


現場でICT施工を活かすには、発注図書を読む力と、現場の実態に合わせてデータ活用範囲を整理する力の両方が求められます。適用範囲を曖昧にしたまま進めるのではなく、対象工種、対象区間、測量範囲、出来形管理、納品データを一つずつ確認し、関係者で共有することが大切です。


ICT施工の範囲整理ができると、三次元測量や点群確認、施工データ作成、出来形管理の流れも組み立てやすくなります。現場で取得した位置情報や点群をすばやく確認し、発注図書で読み取った対象範囲と照合できれば、協議や施工判断の精度も高まります。次の段階では、現場で扱いやすい計測環境を整え、必要な範囲をその場で確認できる体制づくりが重要になります。測量機器や現場端末を活用して位置情報や点群を確認できる環境を整えることで、ICT施工の適用範囲を読み解くだけでなく、実際の施工管理にも結びつけやすくなります。


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