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ドローン測量の飛行禁止物件周辺で見落としやすい5項目

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

ドローン測量では、撮影範囲、飛行高度、標定点の配置、作業時間に意識が向きがちです。しかし、現場の近くに重要施設や管理上の飛行制限がある場合は、測量精度の前に、関係法令、管理者ルール、周辺住民への説明、安全対策を確認する必要があります。特に飛行禁止物件周辺では、地図上の一点だけを見て判断すると、実際の飛行経路、離着陸場所、自動帰還ルート、撮影画角、成果物に写り込む範囲まで管理しきれないことがあります。


ここでいう飛行禁止物件周辺とは、法令上の対象施設だけを指すものではありません。国の重要施設、外国公館、防衛関係施設、対象空港、原子力関連施設などの確認が必要な場所に加え、施設管理者が独自に飛行を制限している敷地、イベントや災害対応で一時的に飛行が制限される場所、警備上の配慮が求められる場所も含めて考える必要があります。制度や指定範囲は変わる可能性があるため、過去に飛ばせた場所でも今回も同じ条件とは限りません。


この記事では、ドローン測量の飛行禁止物件周辺で見落としやすい5項目を、現場担当者が事前確認に使いやすい視点で整理します。重要なのは、飛ばせるかどうかを感覚で判断するのではなく、計画、飛行、地上作業、成果物管理まで含めて説明できる状態にしておくことです。


目次

飛行禁止物件を点ではなく範囲で確認する

航空法の飛行禁止空域と重要施設周辺の規制を分けて見る

許可・同意・通報の相手と順番を取り違えない

離陸地点、退避経路、自動帰還まで含めて確認する

測量成果と現地説明に残す記録を先に決める

まとめ:飛ばせる範囲ではなく説明できる範囲で計画する


飛行禁止物件を点ではなく範囲で確認する

ドローン測量で最初に見落としやすいのは、飛行禁止物件を地図上の施設名や建物の位置だけで見てしまうことです。実務で問題になるのは、施設そのものの上空だけではありません。施設の敷地、区域、周辺地域、進入経路、離着陸場所、撮影画角まで含めて、作業全体がどの範囲にかかるかを見なければなりません。


現行の小型無人機等飛行禁止法では、対象施設の敷地または区域と、その周囲おおむね300mの地域の上空が飛行禁止の対象として案内されています。ただし、対象施設や指定範囲、例外に当たる場合の手続きは案件ごとに確認が必要です。また、2026年3月には、対象施設周辺地域として指定すべき地域を対象施設の敷地または区域とその周囲おおむね1000mの地域とする改正法律案要綱も公表されています。実際の飛行計画では、飛行日現在の法令、指定図、関係機関の案内を必ず確認する姿勢が欠かせません。


ここで注意したいのは、周囲の距離を現場の見た目だけで判断しないことです。建物から離れている、フェンスの外だから大丈夫、道路を挟んでいるから関係ない、という感覚的な判断は危険です。指定範囲は建物の外壁から単純に測るとは限らず、敷地や区域を基準に確認する必要があります。施設が広い場合、敷地境界から見ると想像以上に周辺地域が広がることがあります。市街地では、測量対象地から施設が見えなくても、指定範囲に含まれる可能性があります。


ドローン測量では、飛行範囲と撮影範囲が一致しない点も見落としがちです。真上から撮るだけなら問題ないと思っていても、実際には斜め撮影、旋回、重複撮影、標定点撮影、補足撮影を行うことがあります。写真測量では一定の重複率を確保するため、対象地より外側まで飛行経路を広げることがあります。境界付近だけを測るつもりでも、飛行ルートが少し外へ膨らむと、規制範囲に近づくことがあります。


また、成果に必要な範囲だけでなく、作業のために人が移動する範囲も確認が必要です。標定点を置く位置、検証点を設ける位置、基準点を観測する位置、離着陸のために機材を置く位置が、施設の管理範囲や通行制限区域にかかることがあります。飛行経路は外れていても、作業員が許可なく敷地に入ってしまえば別の問題になります。ドローン測量では、空のルートと地上作業のルートを一体で確認することが大切です。


飛行禁止物件周辺では、地図上の円や境界線を一度見て終わりにしないことも重要です。計画時、見積時、作業前日、当日の朝で状況が変わる場合があります。工事現場の仮囲い、警備範囲、通行止め、イベント設営、災害対応、緊急活動などにより、当初想定していた離着陸場所が使えなくなることがあります。現場で急に場所を変えると、別の規制範囲に近づいてしまうことがあるため、代替場所も含めて事前に確認しておく必要があります。


飛行禁止物件を点で見るのではなく、作業範囲、撮影範囲、退避範囲、地上作業範囲、説明責任の範囲として見ることが、最初の見落としを防ぐ基本です。ドローン測量は、ただ飛ばす作業ではなく、測量成果を作るための一連の現場作業です。禁止物件周辺では、飛行ルートだけを安全側に置くのでは足りません。現場全体の動きを地図上で重ね、少し余裕を持って判断することが求められます。


航空法の飛行禁止空域と重要施設周辺の規制を分けて見る

次に見落としやすいのは、航空法の飛行禁止空域と、重要施設周辺の飛行規制を混同することです。ドローン測量の現場では、許可を取っているから大丈夫、包括許可があるから飛ばせると考えてしまうことがあります。しかし、どの制度の何に対する許可や承認なのかを分けて確認しないと、別の規制を見落とす可能性があります。


航空法では、100g以上の機体が無人航空機として扱われ、一定の空域や飛行方法に該当する場合に許可または承認が必要になります。代表的には、空港等の周辺、地表または水面から150m以上の空域、人口集中地区の上空、緊急用務空域などの確認が必要です。これに対し、重要施設周辺の規制は、施設の安全確保や公共の安全を目的とする別の制度として確認が必要になる場合があります。航空法上の許可や承認と、重要施設周辺で必要となる同意や通報は、同じものではありません。


飛行禁止物件周辺でのドローン測量では、まず空域の確認と施設周辺の確認を分けて行うと整理しやすくなります。空域の確認では、空港等の周辺に入らないか、高度が150m以上にならないか、人口集中地区に該当しないか、緊急用務空域が指定されていないかを確認します。施設周辺の確認では、対象施設の敷地や区域、周辺地域、施設管理者の同意、関係機関への通報、土地管理者の承諾を確認します。


特に注意したいのが緊急用務空域です。災害や事故などで警察、消防、救助活動の航空機が飛行する可能性がある場合、緊急用務空域が指定されることがあります。空港周辺、150m以上、人口集中地区などについて許可を受けていても、緊急用務空域では飛行できない扱いとなるため、飛行前の最新確認が必要です。土木や建設の測量現場では、豪雨後、地震後、火災後、事故後の状況確認を急いで行いたくなる場面がありますが、そのような時ほど緊急用務空域の確認を省略しないことが大切です。


また、空港周辺は航空法だけでなく、小型無人機等飛行禁止法の対象空港に該当する場合もあります。航空法上の空域確認だけで済ませると、別途必要な同意や通報を見落とすことがあります。測量対象が空港から離れているように見えても、滑走路方向、進入表面、周辺施設の配置によって確認が必要になることがあります。空港やヘリポートの近くでは、距離だけでなく、どの制度の対象として確認しているのかを明確にしておくことが大切です。


ドローン測量では、飛行計画を作る担当者、許可申請を行う担当者、現場で操縦する担当者、発注者に説明する担当者が別々になることがあります。このとき、航空法の許可書だけが共有され、重要施設周辺の確認結果が共有されないと、現場判断にズレが出ます。逆に、施設管理者から同意を得ていても、航空法上の空域や飛行方法の承認が抜けている場合もあります。制度を一枚のチェックリストに混ぜてしまうのではなく、空域、施設、土地、飛行方法、現場安全の区分で整理すると抜けが減ります。


制度や指定範囲は、法改正や対象施設の追加、臨時指定、災害対応によって変わることがあります。以前は範囲外だった、前回の案件では飛ばせた、近くの別現場では問題なかったという経験だけでは判断できません。飛行禁止物件周辺では、飛行計画を作成した日だけでなく、飛行直前にも最新情報を確認し、確認した日付と判断根拠を残しておくことが重要です。


飛行禁止物件周辺でのドローン測量は、ひとつの許可だけで成立するとは限りません。航空法、重要施設周辺の規制、施設管理者のルール、土地所有者や発注者との取り決め、自治体や公園管理者などの利用ルールが重なることがあります。現場担当者は、どの制度について確認済みで、どの制度について未確認なのかを分けて記録する必要があります。ここを曖昧にすると、後から、許可はあったがその場所で飛ばしてよい根拠が不足していた、という説明しにくい状態になります。


許可・同意・通報の相手と順番を取り違えない

三つ目の見落としは、許可、同意、通報を同じ意味で扱ってしまうことです。ドローン測量の現場では、発注者からここは飛ばしてよいと言われた、土地所有者から承諾を得た、施設管理者に連絡した、航空法の許可がある、という複数の確認が並びます。しかし、それぞれの意味と相手が違うため、ひとつ済ませたから全部済んだとは言えません。


飛行禁止物件周辺では、まず誰がその場所を管理しているのかを確認する必要があります。測量対象地の所有者、工事現場の元請、施設の管理者、道路や河川の管理者、隣接地の管理者、警備担当、管轄する警察署など、関係者が複数になることがあります。現場の入口で了承を得ただけでは、制度上必要な同意や通報を満たさない場合があります。反対に、制度上の通報を行っていても、民有地での離着陸や標定点設置には土地所有者の承諾が別途必要になる場合があります。


小型無人機等飛行禁止法では、飛行禁止の例外に当たる場合でも、対象施設およびその周辺地域の上空で小型無人機等を飛行させる場合には、関係先への通報が必要とされています。ここで重要なのは、通報は飛行の予定を知らせる手続きであって、現場の全リスクが自動的に解消されるわけではないということです。飛行計画の妥当性、施設管理者との調整、土地使用、第三者への安全対策は、別途きちんと整える必要があります。


順番も大切です。先に飛行ルートを作り込んでから関係者に確認すると、同意条件によって大幅な変更が必要になることがあります。たとえば、施設側から特定方向の撮影を避けるよう求められる、離着陸場所を変更するよう求められる、時間帯を限定される、警備上の理由で高度や接近距離に制限が加わる、といったことが起こり得ます。測量計画を組む前に、規制範囲と関係者を確認し、条件を反映してから飛行ルートを作るほうが手戻りを減らせます。


ドローン測量では、精度確保のために標定点や検証点を設置することがあります。飛行禁止物件周辺では、この地上作業にも注意が必要です。施設の近くに標定点を置く、フェンス沿いで撮影する、警備員の視界に入る場所で三脚や測量機器を設置する、といった行為は、飛行していなくても誤解を招く場合があります。測量のための地上作業であること、どこまで立ち入るのか、どの方向を撮影するのか、成果物に何が写るのかを説明できるようにしておく必要があります。


発注者との役割分担も見落とされがちです。発注者が施設管理者と調整するのか、測量会社が直接確認するのか、元請が取りまとめるのかが曖昧だと、誰も最終確認をしていない状態になりかねません。特に公共工事や大規模民間工事では、工事全体の許可とドローン飛行の確認が別管理になっていることがあります。工事区域内だから自由に飛ばせると考えず、ドローン測量としての飛行条件を別途確認する姿勢が必要です。


また、施設周辺では撮影データの扱いも事前に確認したい項目です。測量成果に不要な施設内部、警備設備、出入口、車両、人物が写り込む場合、成果物の共有範囲や加工方法に配慮が必要です。飛行そのものが許容されても、画像の保存、共有、報告書への掲載には別の注意が必要になることがあります。高精細なオルソ画像や三次元点群は、通常の写真より多くの情報を含むため、成果物として誰に渡すのか、どの範囲まで表示するのかを先に決めておくと安心です。


許可、同意、通報の確認では、口頭確認だけに頼らないことも大切です。日時、相手、確認内容、条件、連絡先、飛行範囲、飛行目的、機体数、作業人数、緊急時対応を記録しておくと、当日の説明がしやすくなります。現場で警備員や近隣関係者から質問を受けたとき、担当者が根拠を示せないと作業が止まります。ドローン測量は短時間で終わる作業に見えても、禁止物件周辺では事前説明と記録の品質が作業継続を左右します。


離陸地点、退避経路、自動帰還まで含めて確認する

四つ目の見落としは、計画した飛行ルートだけを確認し、実際の運用で起こるズレを見ていないことです。ドローン測量では、自動飛行ルートを作成し、対象範囲の外側に余裕を持たせて撮影します。画面上では飛行禁止物件から離れているように見えても、離陸地点、自動帰還、通信途絶時の挙動、風による流され方、障害物回避、手動操作への切り替えまで考えると、リスクの範囲は広がります。


まず確認したいのは離陸地点です。飛行ルートが規制範囲外でも、離陸地点が禁止物件周辺に近すぎる場合があります。作業車を停めやすい、見通しがよい、対象地に近いという理由で選んだ場所が、実は施設の敷地境界や警備範囲に近いことがあります。離陸地点は、機体が最も低高度で不安定になりやすく、第三者の目にも入りやすい場所です。周囲に人が集まりやすい道路、駐車場、歩道、施設出入口の近くは、法的な確認だけでなく安全管理上も慎重に判断する必要があります。


次に、自動帰還のルートです。ドローンは通信が途切れた場合やバッテリー残量が低下した場合、設定された高度まで上昇し、離陸地点へ戻ることがあります。このとき、通常の撮影ルートとは違う直線的な経路を通ることがあります。通常飛行では禁止物件から離れていても、自動帰還ではその上空や近接範囲に入る可能性があるなら、計画としては不十分です。禁止物件周辺では、通常ルートだけでなく、異常時のルートを地図上で確認する必要があります。


高度設定も見落としやすい項目です。測量では一定の地上画素寸法や撮影範囲を確保するために、高度を上げたくなることがあります。しかし、高度が上がるほど風の影響を受けやすくなり、機体の位置ズレや帰還時の移動範囲も大きくなります。周囲に高い建物、鉄塔、樹木、クレーン、法面、橋梁がある場合、飛行高度と障害物回避の設定によっては、想定外の上昇や迂回が発生することがあります。飛行禁止物件の近くでは、測量精度だけでなく、空間的な余裕を見た高度計画が必要です。


風向きと風速も、禁止物件周辺では軽視できません。通常の現場なら多少の風で作業を続ける判断をすることもありますが、禁止物件の近くでは機体が流された場合の影響が大きくなります。突風、建物の吹き下ろし、河川沿いの風、海岸部の風、谷地形の風は、地上で感じるより複雑です。測量計画上は外側に余裕を持っていても、風下側に禁止物件がある場合は、飛行可否の判断を厳しくする必要があります。


通信環境や衛星測位環境も確認が必要です。重要施設周辺や市街地では、高い建物、金属構造物、電波環境、反射の影響により、測位や通信が不安定になることがあります。ドローン測量では位置情報の安定性が成果品質にも直結しますが、禁止物件周辺では品質以前に安全な制御が必要です。測位が不安定な場所で自動飛行を続けると、飛行ルートから外れる可能性があります。手動で戻せる場所か、目視を維持できるか、補助者を配置できるかを含めて判断することが大切です。


撮影画角も見落としやすいポイントです。機体が禁止物件上空に入らなくても、カメラが施設方向を向いている場合、成果物に施設が大きく写ることがあります。測量目的では不要な情報でも、オルソ画像や三次元モデルには周辺状況が残ることがあります。施設管理者から撮影方向や画像の扱いに条件が付く場合もあるため、飛行経路だけでなく、カメラの向き、撮影範囲、成果範囲を説明できるようにしておく必要があります。


さらに、ドローン測量では途中で補足飛行が必要になることがあります。撮影漏れ、ピンぼけ、影、反射、標定点の写り込み不足が見つかると、その場で追加撮影したくなります。しかし、禁止物件周辺では、計画外の補足飛行が最も危険です。予定していない方向へ少しだけ移動する、予定より低く飛ぶ、斜めから撮る、といった判断が規制範囲への接近につながります。補足撮影が必要になった場合の判断基準を、事前に決めておくことが重要です。


離陸地点、退避経路、自動帰還、風、通信、画角、補足飛行まで含めて確認すると、飛行計画は少し保守的になります。しかし、禁止物件周辺では、その保守性が作業の信頼性になります。飛べるぎりぎりのルートを狙うより、説明しやすく、止めやすく、戻しやすい計画にするほうが、結果的に現場の手戻りを減らします。


測量成果と現地説明に残す記録を先に決める

五つ目の見落としは、飛行前の確認結果を成果や現地説明に残す設計ができていないことです。ドローン測量では、最終的な成果物としてオルソ画像、点群、三次元モデル、断面図、出来形確認資料、数量算出資料などを作成します。しかし、飛行禁止物件周辺では、成果物の精度だけでなく、どの範囲を確認し、どの条件で飛行し、どのように安全管理したかを説明できる記録が重要になります。


記録すべき内容は、単に飛行ログを保存するだけでは足りません。飛行計画時に確認した規制範囲、確認日、確認した地図情報、関係者との調整内容、飛行目的、飛行日時、離着陸地点、飛行ルート、予備ルート、補助者配置、緊急時対応、撮影範囲、成果物の共有範囲を整理しておくと、後から説明しやすくなります。公的な地図情報では、対象施設周辺地域や航空法による規制範囲を重ねて確認できる場合もありますが、境界付近では地図だけで確定せず、必要に応じて関係機関や管理者に確認することが大切です。


ドローン測量の成果は、現場の状況を高密度に記録できる反面、不要な情報まで残りやすい特徴があります。禁止物件周辺では、成果物に写り込む施設、車両、人物、警備設備、出入口、標識などを事前に意識しておく必要があります。不要な範囲は撮影しない、成果として使わない範囲は切り出す、共有先を限定する、説明資料では必要な範囲だけを表示する、といった運用を決めておくと、後処理で迷いません。


現地説明の記録も大切です。作業当日に近隣住民、施設警備、別業者、発注者の担当者から質問を受けることがあります。その場で許可はありますとだけ答えても、相手が知りたいのは、どこを飛ぶのか、どのくらいの時間飛ぶのか、何を撮るのか、どこまで近づくのか、緊急時にどう止めるのかです。飛行計画を現場説明用に簡潔にまとめておくと、不要な不安や作業中断を減らせます。


測量成果と規制確認を結びつけるうえでは、座標管理も重要です。飛行禁止物件周辺の確認に使った地図、現場で測った基準点、写真に記録された位置情報、最終成果の座標系が混在すると、後からどの範囲を飛んだのかが説明しにくくなります。特に、現場用の簡易地図、設計図、測量成果、写真管理用の地図がそれぞれ違う座標系や縮尺で扱われている場合、わずかなズレが大きな誤解を生みます。禁止物件周辺では、座標の正確さだけでなく、資料間の整合性を確認することが大切です。


飛行前後の写真記録も役立ちます。離着陸地点、標定点、検証点、現場入口、注意看板、作業範囲の端部、飛行禁止物件方向の見通しなどを記録しておくと、作業条件を説明しやすくなります。ただし、写真を撮ること自体が施設や第三者の情報を含む場合があります。撮影してよい対象か、共有してよい範囲かを意識し、必要以上に施設の詳細を写さないようにします。


また、作業中止の記録も軽視できません。禁止物件周辺では、飛行しない判断が最も適切な場合があります。風が強い、通信が不安定、関係者確認が取れない、緊急用務空域が指定された、離陸場所が変更になった、周辺でイベントや警備対応が始まった、といった理由で作業を中止した場合、その判断理由を残しておくことは重要です。中止理由が記録されていれば、再計画時に同じ確認を繰り返さずに済み、発注者にも説明しやすくなります。


ドローン測量の品質管理では、精度、解像度、標定点配置、点群密度などが注目されます。しかし、飛行禁止物件周辺では、法令確認、関係者調整、飛行安全、情報管理の記録も成果品質の一部として扱うべきです。測量成果が正確でも、飛行の根拠や安全確認を説明できなければ、業務全体の信頼性は下がります。最終成果を作る前から、現地説明と記録の形を決めておくことが、見落としを防ぐ実務的な対策になります。


まとめ:飛ばせる範囲ではなく説明できる範囲で計画する

ドローン測量の飛行禁止物件周辺で大切なのは、飛ばせるかどうかだけで判断しないことです。実務では、飛行禁止物件を点ではなく範囲で見ること、航空法の飛行禁止空域と重要施設周辺の規制を分けて確認すること、許可・同意・通報の相手と順番を取り違えないこと、離陸地点や自動帰還まで含めて安全側に見ること、そして測量成果と現地説明に残す記録を先に決めることが重要です。


特に、ドローン測量は一度飛ばして終わりではありません。飛行計画、関係者調整、標定点設置、撮影、データ処理、成果確認、報告までが一連の業務です。飛行禁止物件周辺では、そのどこか一つでも確認が抜けると、現場停止、再撮影、成果の使い直し、関係者への説明不足につながります。飛行ルートだけを安全側にするのではなく、作業全体を説明できる形にすることが、実務担当者に求められる視点です。


また、制度や指定範囲は変わる可能性があります。過去に飛ばせた場所、前回の担当者が問題ないと言っていた場所、現場から施設が見えない場所でも、今回の条件で安全に飛ばせるとは限りません。ドローン測量の計画では、作業日の情報をもとに、最新の規制範囲、関係者、現場条件を確認する姿勢が欠かせません。


飛行禁止物件周辺でのドローン測量は、慎重に進めるほど準備に時間がかかるように見えます。しかし、事前に確認すべき項目を整理しておけば、発注者への説明、現場での判断、成果物の管理が安定します。飛ばす前に地図と現場を重ね、空域と施設を分け、関係者との確認を記録し、異常時の動きまで想定することが、トラブルを避ける近道です。


現場の位置確認、標定点の記録、飛行範囲の説明、成果物に紐づく写真管理を簡単にしたい場合は、ドローン測量の事前確認とあわせて、スマートフォンを使った位置記録と現場共有の運用も確認しておくと、飛行禁止物件周辺での説明力を高めやすくなります。


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