top of page

境界確定図を農地転用前に確認する重要ポイント5つ

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均7分15秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

農地転用を進める前に、境界確定図を確認しておくことは、土地の端を把握するだけの作業ではありません。転用する土地の範囲、隣接地との関係、道路や水路との接続、造成計画との整合、申請書類に記載する面積や地番の根拠を整理するための重要な準備です。農地転用は、農地を住宅用地、駐車場、資材置場、事業用地など農地以外の用途に変える手続きであり、農地法に基づく届出または許可申請が関係します。自己所有農地を自ら転用する場合と、売買や賃貸借などを伴って転用する場合では手続きの区分が異なるため、境界確定図の確認不足は後工程の手戻りにつながりやすくなります。


特に農地は、宅地と比べて現地の境界が分かりにくいことがあります。畦畔、用排水路、農道、法面、既存の塀や簡易な囲いなどが、土地の境界と一致しているとは限りません。見た目の利用範囲だけで転用計画を作ると、隣地を含めてしまったり、逆に転用予定地の一部を計画から漏らしたりするおそれがあります。この記事では、境界確定図を農地転用前に確認する実務担当者に向けて、重要ポイントを5つに整理して解説します。


目次

農地転用前に境界確定図を確認する意味

重要ポイント1 転用対象地と地番の範囲を取り違えない

重要ポイント2 境界線と面積が転用計画に合っているか確認する

重要ポイント3 隣接地や道路・水路との関係を把握する

重要ポイント4 境界標と現地状況のズレを確認する

重要ポイント5 申請書類・造成計画・現地写真を同じ基準でそろえる

境界確定図を確認するときの実務的な進め方

まとめ 境界確定図の確認は農地転用の手戻り防止につながる


農地転用前に境界確定図を確認する意味

境界確定図は、隣接土地所有者や道路・水路などの管理者との確認を経て、土地の境界点、境界線、辺長、面積、隣接地番、道路や水路などとの位置関係を示す図面として扱われることが多い資料です。ただし、すべての土地に必ず同じ形式の境界確定図が存在するわけではなく、自治体や案件によって提出書類の名称や求められる資料も異なります。そのため、農地転用を検討する場面では、境界確定図を絶対的な唯一の資料と考えるのではなく、土地の範囲を客観的に説明するための重要資料として位置づけることが大切です。


農地転用の申請や届出では、どの土地を、どの範囲で、何の用途に変えるのかを明確にする必要があります。その前提となるのが、転用対象地の境界がどこにあるのかという確認です。農地転用の実務では、登記事項証明書、公図、地積測量図、現況測量図、土地利用計画図、造成計画図、排水計画図、現地写真など複数の資料を扱います。その中で境界確定図は、現地の境界と図面上の土地範囲をつなぐ基準資料として使いやすいものです。


境界確定図を見ないまま、現地の畦、フェンス、耕作されている範囲だけを頼りに計画を進めると、書類上の土地範囲と現地で想定している範囲が食い違うことがあります。農地では、長年の耕作や草刈りの慣行によって、利用境と筆界が一致していないこともあります。現地では一体の畑に見えても登記上は複数筆に分かれている場合や、一筆の中の一部だけを転用したい場合もあります。こうした土地では、境界確定図と他の資料を照合しながら、転用対象範囲を早い段階で整理する必要があります。


農地転用では、農地法上の許可や届出だけでなく、都市計画、開発許可、道路、排水、農業振興地域、土地改良区、用排水路管理、建築計画など、他の確認事項が関係することもあります。立地条件や事業計画の確実性、隣接農地への影響、他法令の許認可見込みなどが確認される場合もあるため、境界確定図で土地の範囲を整理しておくことは、複数の検討を同じ土台で進めるうえでも有効です。


また、農地は見た目の区画と権利上の区画が一致していないことがあります。長年同じ人が耕作していた土地でも、登記上は複数筆に分かれていたり、逆に一筆の中の一部だけを転用したい計画だったりすることがあります。隣接する畑との間に明確な構造物がなく、現地で境界を説明しにくい場合もあります。こうした土地で境界確定図を確認せずに申請準備を進めると、後から転用対象地の範囲を修正しなければならないことがあります。


境界確定図の確認は、申請を円滑に進めるためだけの作業ではありません。工事に入った後の越境、造成範囲の誤り、排水施設の位置ずれ、隣地との説明不足、完成後の管理トラブルを防ぐための準備でもあります。特に農地転用後に宅地、駐車場、資材置場、太陽光発電設備用地、事業施設用地などとして使う場合、境界の認識が曖昧なまま施工すると、利用開始後に修正が難しくなります。転用前の段階で境界確定図を確認し、現地と計画を照合することが、後工程全体の安定につながります。


重要ポイント1 転用対象地と地番の範囲を取り違えない

最初に確認すべき重要ポイントは、転用対象地と地番の範囲を取り違えていないかという点です。農地転用では、土地の所在、地番、地目、面積、権利者、転用目的などを整理します。ここで地番の選定や範囲の認識を誤ると、申請書類、計画図、現地説明のすべてに影響します。境界確定図は、対象地の外周や隣接地番を確認するうえで役立ちます。


農地では、現地で一体的に耕作されている区画が、登記上は複数筆に分かれていることがあります。反対に、登記上一筆の土地であっても、実際には一部だけを転用し、残りを農地として使い続ける計画もあります。この場合、境界確定図だけでなく、分筆の要否、転用面積の出し方、残地の利用、接道や排水の取り方も合わせて確認する必要があります。境界確定図に示された筆界と、今回の転用予定範囲が同じなのか、一部なのかを早い段階で整理しておくことが大切です。


地番の取り違えは、机上確認だけでは見落としやすい部分です。たとえば、隣り合う複数の農地が同じ所有者で管理されている場合、現地では一体の畑に見えても、申請対象となる筆はそのうち一部だけということがあります。境界確定図の隣接地番、辺長、方位、公図との位置関係を見ながら、登記事項や地番図と照合することで、どの筆を転用するのかを明確にできます。


また、所有者と耕作者が異なる場合や、農地を取得して転用する場合は、農地法上の手続きの区分にも注意が必要です。一般に、自己所有の農地を自ら転用する場合は農地法第4条、転用目的で所有権移転や賃借権設定などを伴う場合は農地法第5条の手続きが関係します。実務では、所有者、買主、借主、事業者、代理人などの関係者が複数になることもあるため、境界確定図で対象地を明確にしたうえで、誰がどの範囲について手続きを行うのかを整理しておくことが重要です。


地番の確認では、境界確定図に記載された作成年月日も見ておきたいところです。古い境界確定図であっても有効な参考資料になることはありますが、その後に分筆、合筆、道路拡幅、水路改修、土地改良、相続、売買などが行われている場合、現在の登記情報や現地状況と一致しないことがあります。図面が古いから使えないと決めつける必要はありませんが、現在の計画に使う前に、変更履歴を確認する姿勢が必要です。


農地転用前の地番確認では、申請予定地の範囲を一枚の資料だけで判断しないことも大切です。境界確定図、登記事項証明書、地積測量図、公図、現地写真、現況測量成果、所有者からの聞き取りを重ねて確認すると、取り違えのリスクを下げられます。特に農地転用では、対象地の一部に農道や水路のように見える部分が含まれている場合や、隣接地との利用境が曖昧な場合があります。境界確定図を中心に、複数資料を同じ地番で結び直す作業が欠かせません。


重要ポイント2 境界線と面積が転用計画に合っているか確認する

次に確認すべき重要ポイントは、境界線と面積が転用計画に合っているかという点です。農地転用では、申請書類に記載する面積と、計画図で示す利用範囲が整合している必要があります。境界確定図に記載された面積、登記面積、実測面積、転用予定面積が常に完全一致するとは限らないため、どの面積をどの資料で説明するのかを整理しておく必要があります。


境界確定図に記載されている面積は、境界点をもとに算出された実測面積であることが多いものの、図面の種類や作成目的によって扱いが異なります。登記上の地積と差がある場合もあります。農地転用の計画で一筆全体を使うのか、一部だけを使うのかによって、確認すべき内容は変わります。一筆全体を転用する場合は、境界確定図の外周と計画図の外周が一致しているかを確認します。一部転用の場合は、転用する部分の区画線がどのように設定され、その面積がどのように算出されているかを確認します。


農地転用後の用途が駐車場、資材置場、住宅用地、施設用地などである場合、必要面積を確保するだけでなく、出入口、通路、排水施設、法面、緩衝帯、管理スペースなども含めて計画する必要があります。見た目の有効利用面積だけで計画すると、実際には法面や側溝、道路とのすり付けのような調整部分が必要になり、利用可能な平坦部分が不足することがあります。境界確定図で外周を確認したうえで、計画図上の施設配置が境界内に収まっているかを丁寧に見ておくことが重要です。


農地は道路より低い、または高い位置にあることも多く、造成が必要になる場合があります。造成を行うと、境界線付近に擁壁、法面、排水側溝、集水桝、出入口のすり付けなどが計画されることがあります。これらの構造物が境界線を越えていないか、隣接農地の耕作や排水に支障を与えないかを確認するためにも、境界確定図の線と造成計画の線を重ねて考える必要があります。


面積確認で注意したいのは、計画に使う面積が書類ごとに微妙に違う状態を放置しないことです。申請書の面積、土地利用計画図の面積、排水計画の集水面積、工事見積や施工図の面積、社内管理資料の面積がばらばらになると、関係者間で認識がずれます。外部に提出する書類だけでなく、社内の検討資料も同じ境界確定図を基準に更新しておくと、打ち合わせ時の混乱を減らせます。


また、農地転用では、転用対象地の全体面積だけでなく、残る農地への影響も確認しておく必要があります。一部転用によって残地が狭くなりすぎたり、農機具の出入りが難しくなったり、排水経路が変わったりする場合、後から計画の見直しが必要になることがあります。境界確定図で元の土地全体の形状を把握し、転用後の利用範囲と残地の関係を見ておくことが、現実的な計画づくりにつながります。


重要ポイント3 隣接地や道路・水路との関係を把握する

三つ目の重要ポイントは、隣接地や道路、水路との関係を把握することです。農地転用では、対象地そのものだけでなく、周囲との接続や影響が大きな意味を持ちます。境界確定図には、隣接地番、道路、水路、里道、用排水路、官民境界などが記載されていることがあります。これらの情報は、転用後の出入口、排水、造成、管理、近隣説明に関わります。


農地の周囲には、農業用の用水路や排水路があることが珍しくありません。水路が公的に管理されているものなのか、土地改良区や地域で管理されているものなのか、隣接土地の一部として扱われるものなのかによって、確認先や協議内容が変わります。境界確定図で水路との境界が確認できれば、計画上の排水接続や横断、暗渠化、橋の設置、維持管理スペースの確保を検討しやすくなります。


道路との関係も重要です。農地転用後に車両の出入りが発生する場合、道路にどのように接続するかを確認する必要があります。現地で通路として使われている場所が、法令上の道路や車両進入に適した通路として扱えるとは限りません。農道、里道、私道、管理用通路、隣地内の通行部分など、見た目だけでは判断しにくいことがあります。境界確定図で道路境界や隣接地番を確認し、必要に応じて道路管理者や関係者に確認することが大切です。


隣接農地への影響も見落とせません。農地転用後に盛土を行う、舗装する、建物や設備を設ける、排水方向を変えるといった計画では、隣接農地に水が流れ込む、日照や通風に影響する、農作業の動線を妨げる、土砂が流出するといった問題が起きることがあります。農地転用の手続きでは、隣接農地や周辺営農への影響、被害防除措置を確認される場合があります。境界確定図で隣接関係を整理しておくと、どの隣接地にどのような説明や対策が必要かを検討しやすくなります。


農地では、畦畔や水路沿いの細い部分が、実際の境界と異なる場合があります。たとえば、隣地との間にある畦が共同で利用されているように見える場合でも、境界線が畦の中心なのか、片側なのか、別の位置なのかは図面で確認しなければ分かりません。出入口や排水施設を境界付近に計画する場合、この違いが大きな問題になります。境界確定図で境界線を確認し、現地の見た目との違いを把握しておくことが必要です。


官民境界が関係する場合は、さらに慎重な確認が求められます。道路や水路などの公的な土地に接する農地では、民有地の境界だけでなく、官有地との境界確認が必要になる場合があります。過去に官民境界が確定しているのか、境界標が設置されているのか、図面と現地が一致しているのかを確認しておくことで、出入口工事や排水工事の段階での手戻りを減らせます。


隣接関係の確認は、単に境界トラブルを避けるためだけではありません。転用後の土地を安全に、継続して使うための基礎確認でもあります。道路に接していても車両の進入に適さない場合、水路に接していても排水先として使えない場合、周囲に農地が残るため配慮が必要な場合など、現地条件によって計画の実現性は変わります。境界確定図を使って周囲との関係を早めに把握しておくことで、無理のない転用計画を立てやすくなります。


重要ポイント4 境界標と現地状況のズレを確認する

四つ目の重要ポイントは、境界確定図に示された境界点と、現地の境界標や利用状況が合っているかを確認することです。境界確定図があっても、現地の境界標がすべて残っているとは限りません。農地では、耕作、草刈り、土の移動、用水路の維持管理、道路改修、災害、造成履歴などにより、境界標が見えにくくなっていたり、失われていたりすることがあります。


境界標には、コンクリート杭、金属標、鋲、プラスチック杭、石杭などさまざまなものがあります。農地では、草や土に埋もれていることもあり、現地確認を短時間で済ませると見落としやすいです。境界確定図の点名や辺長、近くの構造物との位置関係を見ながら、現地で境界標を探し、確認できた点と確認できない点を記録しておくことが大切です。


境界標が見つからない場合、すぐに境界が不明と決めつける必要はありませんが、計画を進める前に専門家へ相談する判断が必要になることがあります。境界確定図、測量成果、過去の立会記録、隣接所有者との確認資料などをもとに復元や再確認ができる場合もあります。ただし、現地で自分たちだけの判断で仮の位置を決め、そこを基準に造成や構造物の設置を進めるのは避けるべきです。農地転用後の工事では、境界付近に恒久的な構造物を設置することがあるため、曖昧なまま施工しない姿勢が必要です。


現地状況とのズレでよくあるのは、耕作範囲と境界線が一致していないケースです。長年の利用の中で、隣地との間の畦が少しずつ移動していたり、草刈り範囲が境界を越えていたり、隣地と一体的に管理されていたりすることがあります。このような場合、現地の見た目だけで転用範囲を決めると、実際の境界とは違う範囲を計画してしまうおそれがあります。境界確定図を持って現地を歩き、見た目の利用境と図面上の境界線の違いを確認することが重要です。


また、境界付近に既存の構造物がある場合は、その構造物が境界内に収まっているかも確認しておきます。古いブロック、簡易な柵、農業用のパイプ、排水桝、電柱、支線、看板、進入路の舗装端などがある場合、それらが誰の土地に設置されているのか、転用後の計画に影響するのかを見ておく必要があります。特に構造物を撤去、移設、再利用する予定がある場合、境界線との関係を誤ると隣地や管理者との調整が必要になります。


現地確認では、写真記録の取り方も重要です。境界標を見つけた場合は、近景だけでなく、周辺状況が分かる中景、対象地全体との位置関係が分かる遠景も残しておくと、後から説明しやすくなります。境界確定図上のどの点に対応する写真なのかを整理しておけば、申請書類作成、関係者説明、施工前打ち合わせで役立ちます。境界標が見つからない点についても、未確認箇所として記録しておくことで、後続作業で再確認しやすくなります。


農地転用前の現地確認は、晴天時だけでなく、可能であれば雨後の排水状況やぬかるみの出方も把握しておくと実務上有効です。境界そのものの確認とは別に、土地の低い場所、水が集まる場所、隣地へ水が流れやすい場所を知っておくことで、排水計画や造成計画に反映しやすくなります。境界確定図を基準に、現地の高さ、勾配、水の流れ、利用状況を合わせて見ることが、転用後のトラブル防止につながります。


重要ポイント5 申請書類・造成計画・現地写真を同じ基準でそろえる

五つ目の重要ポイントは、申請書類、造成計画、現地写真を同じ基準でそろえることです。農地転用の準備では、担当者ごとに別々の資料を作成することがあります。行政手続き担当、設計担当、測量担当、施工担当、土地所有者、事業者がそれぞれ異なる図面やメモを見ていると、対象範囲や面積、出入口、排水方向の認識がずれやすくなります。境界確定図を共通の基準資料として扱うことで、資料間の整合を取りやすくなります。


申請書類では、土地の所在、地番、面積、転用目的、計画内容などを記載します。計画図では、建物や設備、駐車区画、資材置場、通路、排水施設、緑地、法面などを示します。現地写真では、対象地の全景、隣接地との関係、道路接続、水路、境界標、既存構造物などを示します。これらが同じ境界認識で作られていないと、書類上は整っていても、現地説明の段階で矛盾が出ることがあります。


特に注意したいのは、図面の向きや縮尺が異なる資料を扱うときです。境界確定図、公図、土地利用計画図、造成計画図、排水計画図は、それぞれ表現方法が異なります。北の向き、道路の位置、隣接地番、縮尺、線の太さが違うため、慣れていない担当者が見ると、どの線が境界で、どの線が計画線なのか分かりにくくなります。資料を作る段階で、境界線、転用範囲、工事範囲、残地、道路、水路を明確に区別しておくことが重要です。


造成計画との整合も欠かせません。農地を転用する場合、整地、盛土、切土、舗装、砕石敷き、排水施設の設置、法面保護などが必要になることがあります。造成範囲が境界線ぎりぎりまで及ぶ場合、隣地への土砂流出や雨水流出を防ぐ対策が必要になることがあります。計画図上では境界内に収まっているように見えても、実際の施工幅、重機の作業余地、仮設排水、資材置場などを考えると、境界付近の管理が難しくなる場合があります。


現地写真は、境界確定図と結びつけて整理すると実務で使いやすくなります。単に写真を多く撮るだけでは、後からどこを撮影したものか分からなくなることがあります。対象地の入口、四隅、各境界線、隣接農地、水路、道路、境界標、既存構造物など、確認したい項目ごとに撮影し、図面上の位置と対応させておくことが大切です。写真の向きや撮影位置を簡単に記録しておくと、関係者への説明がしやすくなります。


農地転用の手続きでは、自治体や農業委員会によって必要書類や確認の流れが異なる場合があります。市街化区域内の農地では農地法第4条または第5条の届出が中心となる場合があり、市街化調整区域などでは許可申請が必要になる場合があります。農業振興地域の農用地区域、開発許可、道路占用、排水協議などが別途関係することもあるため、具体的な添付資料や審査の進め方は、提出先の案内や窓口で確認することが大切です。


社内で複数人が関わる場合は、最新版の図面管理も重要です。古い境界確定図を見ている人、修正前の計画図を見ている人、現地写真だけを見ている人が混在すると、打ち合わせで結論がずれます。図面名、作成日、更新日、担当者、確認済み範囲を明確にし、どの資料を基準にするのかを決めておくことで、後戻りを減らせます。農地転用前の境界確認は、現地作業と書類作業をつなぐ管理作業でもあります。


境界確定図を確認するときの実務的な進め方

境界確定図を確認するときは、いきなり現地に行くのではなく、まず机上で資料の関係を整理することから始めると効率的です。対象地の地番、所有者、登記地目、現況地目、面積、隣接地番、接道状況、水路の有無、農地転用後の用途を確認し、境界確定図と照合します。この段階で、図面の作成年月日、測量者、座標や辺長の記載、隣接者の確認状況、官民境界の記載があるかを見ておくと、現地確認で見るべき点が明確になります。


次に、境界確定図と他の資料を並べて、対象範囲が一致しているかを確認します。登記事項で確認した地番が境界確定図に正しく示されているか、公図上の位置関係と大きく矛盾していないか、現況測量図や計画図の外周と境界確定図の外周が合っているかを見ます。ここで違和感がある場合は、現地で確認する前に、資料の取り違えや古い図面の可能性を疑う必要があります。


現地確認では、境界確定図を持参し、図面上の点を順に確認します。農地では草や作物があるため、境界標が見えにくいことがあります。無理に掘り返したり、隣地に立ち入ったりするのではなく、所有者や関係者の了解を得ながら確認することが大切です。確認できた境界標、確認できなかった境界標、現地の利用境、道路や水路、隣接農地との高低差を記録します。


現地で境界線の位置を確認するときは、線そのものを見るというより、点と点の関係、周辺構造物との関係、土地利用の変化を見る意識が必要です。農地では境界線上に塀があるとは限らず、点だけが残っていることもあります。境界確定図の辺長と現地感覚が明らかに合わない場合は、測り間違い、図面の読み違い、境界標の誤認、過去の土地形状変更などの可能性があります。その場で断定せず、追加確認の対象として扱うことが安全です。


現地確認後は、写真とメモを境界確定図に対応させて整理します。どの境界点が確認済みで、どの点が未確認なのか、隣接地との説明が必要な箇所はどこか、道路や水路の管理者確認が必要な箇所はどこかをまとめます。農地転用の申請や届出に必要な資料とは別に、社内確認用の整理資料を作っておくと、後で設計や施工の担当者に引き継ぎやすくなります。


そのうえで、転用計画との照合を行います。土地利用計画図の外周、造成範囲、出入口、排水経路、構造物の位置、残地の利用、隣接農地への影響を境界確定図に照らして確認します。ここで重要なのは、申請書類を作るための確認と、工事後に問題が起きないための確認を分けずに考えることです。書類上は問題がないように見えても、境界ぎりぎりに排水施設を設ける計画や、隣地との高低差を十分に考慮していない計画では、施工段階で調整が必要になることがあります。


境界確定図に不明点がある場合は、土地家屋調査士、行政書士、測量担当者、設計担当者、農業委員会、道路や水路の管理者など、内容に応じた相手に確認します。すべてを一人の担当者だけで判断しようとすると、専門外の論点を見落とすことがあります。境界そのものの確認、農地転用手続き、造成設計、排水協議、道路接続は、それぞれ確認先や判断基準が異なるため、早めに論点を分けて整理することが大切です。


また、農地転用前の境界確認では、将来の利用者や管理者の視点も入れておくと実務的です。転用後に誰が土地を使うのか、車両の出入りはどこから行うのか、排水施設の清掃はどこから行うのか、隣接地との境界管理は誰が行うのかを考えると、単に申請を進めるだけでは不足する確認点が見えてきます。境界確定図は、転用前の手続き資料であると同時に、転用後の土地管理の基準資料にもなります。


まとめ 境界確定図の確認は農地転用の手戻り防止につながる

境界確定図を農地転用前に確認する重要ポイントは、転用対象地と地番の範囲を取り違えないこと、境界線と面積が転用計画に合っているか確認すること、隣接地や道路、水路との関係を把握すること、境界標と現地状況のズレを確認すること、申請書類や造成計画、現地写真を同じ基準でそろえることです。どれも基本的な確認ですが、農地転用の実務では一つの見落としが後工程の大きな手戻りにつながります。


農地は、現地の見た目だけでは境界を判断しにくい土地です。耕作範囲、畦畔、水路、農道、草刈り範囲、古い構造物が境界線と一致しているとは限りません。境界確定図を確認することで、転用する土地の範囲を客観的に整理し、申請書類、計画図、現地説明、施工準備を同じ基準で進めやすくなります。特に一部転用、隣接農地が多い土地、水路や道路に接する土地、造成を伴う土地では、境界確認の重要性が高くなります。


農地転用は、農地法上の手続きだけで完結するものではなく、都市計画、道路、排水、造成、農業振興地域、隣接農地への影響など、複数の確認事項が関係することがあります。だからこそ、早い段階で境界確定図を確認し、対象地、面積、周辺関係、現地状況を整理しておくことが大切です。書類を作り始めてから境界の不明点が出るよりも、最初に境界を確認してから計画を組み立てるほうが、結果として効率的です。


実務担当者としては、境界確定図を単なる添付資料として扱うのではなく、計画全体の基準図として活用する意識が必要です。現地で境界標を確認し、写真を残し、計画図と照合し、関係者が同じ資料を見ながら判断できる状態を作ることで、農地転用の準備は安定します。確認できない点がある場合も、そのまま進めるのではなく、未確認事項として整理し、専門家や窓口に相談することでリスクを下げられます。


農地転用前の境界確認をより確実に進めるには、現地で取得した写真、メモ、測量成果、関係者確認の記録をすぐに整理し、境界確定図や申請資料と結びつける仕組みも役立ちます。境界標、道路、水路、出入口、排水先などの確認結果を図面と対応させて残しておけば、申請準備、設計、施工、完成後の管理まで一貫した判断をしやすくなります。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page