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ARで3Dモデル容量を軽く見せる5つの調整ポイント

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

ARで3Dモデル容量が重く見える理由を整理する

表示目的に合わせて形状の細かさを調整する

テクスチャと色の使い方を軽く整える

読み込み範囲と表示順序を分けて体感速度を上げる

現場で使う端末や通信環境に合わせて確認する

現場で迷わせない情報量に整える

ARで扱いやすい3Dモデルに仕上げるためのまとめ


ARで3Dモデル容量が重く見える理由を整理する

ARで3Dモデルを表示するとき、単にファイル容量だけを小さくすればよいとは限りません。実務で問題になりやすいのは、実際の容量よりも「表示が重く感じること」です。読み込みに時間がかかる、動かすと画面がカクつく、現場でモデルがなかなか出てこない、端末が熱くなる、通信環境によって表示にばらつきが出るといった状態は、利用者にとって大きなストレスになります。特にARは、画面上の3Dモデルを見るだけでなく、カメラ映像、位置情報、姿勢推定、現実空間との重ね合わせを同時に処理するため、通常の3D閲覧よりも端末への負荷が高くなりやすい傾向があります。


3Dモデルが重く見える原因は複数あります。代表的なものは、形状を構成する面や点が多すぎること、細かな部品をすべて残していること、高解像度の画像素材を必要以上に使っていること、表示開始時に全データを一度に読み込んでいること、現場端末の性能や通信環境に合っていないことです。建設、設備、製造、維持管理などの現場では、元データが設計用や記録用として作られていることが多く、AR表示に最適化されていない場合があります。設計確認では必要な細部でも、現地説明や作業指示のAR表示では、必ずしもすべてをそのまま見せる必要はありません。


まず大切なのは、ARで何を伝えたいのかを明確にすることです。完成形の外観を見せたいのか、埋設物や配管の位置を説明したいのか、設備の交換箇所を示したいのか、施工前後の差分を確認したいのかによって、残すべき情報は変わります。目的が曖昧なまま容量を減らそうとすると、必要な部位まで削ってしまったり、逆に不要な細部を残したままになったりします。軽量化は単なる圧縮作業ではなく、現場で伝える情報の優先順位を整理する作業です。


ARでは、利用者が歩きながら見ることも多いため、遠くから見たときの分かりやすさも重要です。細かなネジ、内部の小部品、裏側の見えない面、説明に使わない装飾部分などは、表示負荷を増やす一方で、利用者の理解にはあまり貢献しない場合があります。反対に、位置の基準になる角、端部、境界線、干渉しやすい範囲、作業対象の輪郭などは、軽量化しても残すべき情報です。つまり、AR向けの調整では「削ってよい情報」と「削ってはいけない情報」を分けることが出発点になります。


また、容量が同じでも見せ方によって体感は変わります。最初に全体を一気に表示するより、必要な範囲から段階的に表示した方が軽く感じられることがあります。遠景では簡略化した形を見せ、近づいたときだけ細部を表示する方法も有効です。現場説明では、常に全情報を表示するより、作業者が今見るべき部分だけを出した方が、処理負荷だけでなく認識負荷も下げられます。ARの軽量化は、端末の負荷を下げるだけでなく、見る人の迷いを減らす工夫でもあります。


このように、3Dモデル容量を軽く見せるには、ファイルサイズ、形状の複雑さ、画像素材、読み込み方法、表示範囲、現場端末の条件をまとめて考える必要があります。以降では、実務担当者が確認しやすい調整ポイントとして、形状、見た目、読み込み、端末環境、情報整理の観点から整理します。


表示目的に合わせて形状の細かさを調整する

3DモデルをARで軽く見せるうえで、最初に確認したいのが形状の細かさです。3Dモデルは多くの場合、点、線、面の集まりで構成されています。面の数が多いほど滑らかで精密に見えますが、その分だけ表示処理の負荷は高くなります。設計や製造のために作られたモデルは、実物の細部を正確に表すことを重視しているため、ARで現場確認に使うには過剰に細かいことがあります。AR表示では、実寸や位置関係を確認できることが重要であり、すべての曲面や小部品を完全に再現する必要がない場面も多くあります。


形状調整で大切なのは、単純に全体を一律で荒くするのではなく、見る目的に応じて粗密を分けることです。たとえば、配管ルートを説明する場合、配管の中心線や外形、曲がり位置、接続先は重要です。一方で、細かな継手の凹凸や裏側の見えない部分は、説明の目的によっては簡略化できます。建物や構造物の完成イメージを見せる場合も、外観の輪郭や高さ、隣接物との関係は残しつつ、細かな装飾や内部部品は省略できることがあります。


特に注意したいのは、現場で見えない部分です。ARで現実空間に重ねる場合、利用者が確認する視点は限られます。地中に埋まる部分、壁の裏側、説明対象ではない内部構造、遠くからしか見ない部位などは、必要に応じて簡略化や非表示の対象になります。こうした部分をそのまま残すと、画面上ではほとんど見えないのに処理負荷だけが増えます。軽量化では、まず利用者が実際に見る範囲を想定し、不要な裏面や細部を整理することが効果的です。


また、小さすぎる部品を減らすことも重要です。現場のAR表示では、スマートフォンやタブレットの画面を通して見るため、極端に小さな部品は視認しにくくなります。見えないほど小さい部品を残しても、理解に役立たないことが多く、むしろ画面を複雑にしてしまいます。ボルト、細い溝、微細な面取り、内部の細かな金具などは、現場説明に必要かどうかを判断し、必要でなければ簡略化します。必要な場合でも、実形状を細かく再現するのではなく、色分けやラベル、簡略化した記号で示す方が分かりやすいことがあります。


曲面の扱いも容量に大きく影響します。円柱、曲管、曲面パネルなどは、滑らかに見せようとすると面数が増えやすい部分です。しかしARで見る距離や画面サイズを考えると、過度に滑らかでなくても違和感が出ない場合があります。近距離で確認する重要部位はある程度の滑らかさを保ち、遠くから見るだけの部位は面数を抑えるなど、距離に応じて調整すると効果的です。見た目の品質を保ちながら軽くするには、目立つ輪郭を残し、目立たない面を減らす考え方が有効です。


点群やメッシュ化したデータをAR表示する場合も同じです。取得時のデータ密度が高いほど詳細に見えますが、そのまま表示すると重くなりがちです。現場確認に必要な範囲だけを切り出し、不要な周辺地物やノイズを取り除き、必要に応じて密度を下げることで扱いやすくなります。点群由来のモデルでは、床や地面、壁などの広い面に大量の点や細かな面が残ることがあります。見た目に大きな差が出ない範囲で密度を調整するだけでも、表示の軽さは変わります。


形状を調整するときは、必ず調整前後で確認すべきポイントを決めておきます。位置の基準になる角が崩れていないか、寸法感が大きく変わっていないか、干渉確認に必要な外形が残っているか、施工説明に必要な境界が見えるかを確認します。軽くなったとしても、現場判断に必要な形が失われてしまえば実務では使いにくくなります。ARでの軽量化は、見た目を粗くする作業ではなく、必要な意味を残したまま情報量を整える作業です。


テクスチャと色の使い方を軽く整える

3Dモデルが重く見える原因は形状だけではありません。表面に貼り付ける画像素材や色の設定も、表示の重さに大きく関わります。高解像度の画像を多く使うと、ファイル容量が増えるだけでなく、読み込みや表示にも時間がかかります。ARでは、端末がカメラ映像と3D表示を同時に扱うため、画像素材が重いと表示の安定性に影響しやすくなります。特に、現場で通信しながらモデルを読み込む場合、画像の容量が大きいと初回表示までの待ち時間が長くなります。


まず確認したいのは、画像素材が本当に必要かどうかです。設計確認や記録閲覧では、表面の質感や写真の貼り付けが役立つことがあります。一方で、施工位置、設備位置、点検箇所、危険範囲などを伝えるARでは、リアルな質感よりも、色分けや輪郭の分かりやすさが重要になることが多いです。現場で見たい情報が位置や範囲であれば、重い画像を使うより、単純な色や半透明表示で整理した方が軽く、分かりやすい場合があります。


画像を使う場合は、表示距離に合わせて解像度を見直します。スマートフォンやタブレットの画面で、数メートル離れて見る対象に非常に高解像度の画像を使っても、利用者には違いがほとんど分からないことがあります。逆に、近距離で確認する重要な表示だけは、ある程度の鮮明さを保つ必要があります。すべての画像を同じ解像度にするのではなく、重要部位と背景的な部位で使い分けることが、品質と軽さの両立につながります。


色の数や材質設定も整理できます。3Dモデルには、部品ごとに細かな色や質感が設定されていることがあります。しかしARで現場説明に使う場合、色が多すぎると何を見ればよいのか分かりにくくなります。用途別、工程別、注意度別など、意味のある色分けに絞ることで、見た目が整理され、データも扱いやすくなります。たとえば、確認対象、既設物、計画物、注意範囲、参考情報といった分類に分けると、実務担当者が判断しやすくなります。


透明表現にも注意が必要です。ARでは、現実空間に3Dモデルを重ねるため、半透明表示は便利です。埋設物、壁の裏側の配管、将来設置物、干渉範囲などを見せるときに使いやすい表現です。ただし、透明な面が多く重なると表示負荷が高くなったり、見え方が分かりにくくなったりすることがあります。透明にすれば必ず分かりやすくなるわけではありません。重要な面だけを半透明にし、輪郭線や色分けで補うなど、見せ方を整理することが大切です。


細かな模様や写真の貼り込みも、ARでは慎重に扱う必要があります。現場では屋外光、反射、画面の明るさ、手ブレ、歩行中の視点移動などにより、細かな模様が見えにくいことがあります。見えにくい模様のために容量を使うより、面の色を単純化し、必要な情報をラベルや記号で補った方が実務では伝わりやすくなります。特に安全確認や作業指示では、装飾的な見た目よりも、対象箇所を迷わず認識できることが優先されます。


また、同じ画像素材を複数箇所で使っている場合は、重複を減らすことも検討します。部品ごとに似た画像を個別に持っていると、見た目はほとんど変わらないのに容量が増えます。共通化できる表面表現はまとめ、必要な部分だけ個別に設定することで、モデル全体を軽くできます。現場でのAR表示では、細部の個性よりも、対象物の種類や位置が分かることが重要な場面が多いため、共通化は有効な調整方法です。


テクスチャや色の調整では、軽量化と同時に視認性を確認します。容量を下げるために画像を粗くしすぎると、必要な表示がぼやけてしまうことがあります。色を減らしすぎると、部位の区別がつきにくくなることもあります。そのため、調整後は実際の端末で見て、屋外や明るい場所でも区別できるか、画面越しに対象がすぐ分かるか、作業者が迷わないかを確認します。ARで重要なのは、きれいな3Dモデルではなく、現場で判断しやすい3Dモデルです。


読み込み範囲と表示順序を分けて体感速度を上げる

3Dモデル容量を軽く見せるには、データ自体を小さくするだけでなく、読み込み方を工夫することも重要です。同じ容量のモデルでも、最初にすべてを読み込む場合と、必要な範囲から順に表示する場合では、利用者の体感は大きく変わります。ARでは、利用者が現地で端末をかざしてすぐに確認したい場面が多いため、初回表示までの待ち時間が長いと使いにくく感じられます。最初の数秒で必要な情報が見えるかどうかが、現場での印象を左右します。


まず考えたいのは、表示範囲の分割です。大きな設備、長い道路、広い敷地、複数階の建物、広範囲の点群などを一つの巨大なモデルとして扱うと、読み込みも表示も重くなりやすくなります。ARで実際に見る範囲は、利用者の現在位置や作業内容によって限られます。そのため、区域、階層、工程、対象物ごとにモデルを分け、必要な部分だけを読み込む方が実用的です。現場で確認する単位に合わせてデータを分割することで、容量の大きさを感じにくくできます。


表示順序の設計も大切です。最初に必要なのは、必ずしも高精細な完成モデルではありません。利用者が現在地と対象の位置関係を把握できる簡略モデル、輪郭、基準線、確認範囲などが先に表示されれば、作業は始めやすくなります。その後、必要に応じて詳細な部位を表示する流れにすると、初回表示が軽く感じられます。ARでは、最初に全体像をつかみ、近づいたら詳細を見るという使い方が自然です。この流れに合わせてデータを構成すると、体感速度が上がります。


遠くの対象と近くの対象を同じ細かさで表示しないことも効果的です。遠くにあるモデルは画面上では小さく見えるため、細かな形状や画像を表示しても識別しにくい場合があります。遠距離では簡略化した形を表示し、近距離で必要な情報だけ詳細にすることで、表示負荷を抑えられます。これは、利用者の視点に合わせて情報量を変える考え方です。現場でのARは常に動きながら見るため、距離に応じた表示切り替えは軽さと分かりやすさの両方に役立ちます。


不要な同時表示を避けることも重要です。たとえば、複数の設備、複数工程の計画、過去の記録、将来の変更案を一画面に重ねると、表示が重くなるだけでなく、画面も混雑します。必要な情報を切り替えて表示できるようにすれば、端末負荷を下げながら、利用者の理解も助けられます。ARでは「全部見える」ことよりも「今必要な情報が見える」ことが重要です。表示レイヤーを整理し、作業場面ごとにオンとオフを切り替える設計が有効です。


読み込みの単位は、現場の動線とも関係します。点検ルート、施工手順、説明順路が決まっている場合、その順番に合わせてデータを準備すると、次に見る範囲を先に読み込むことができます。利用者が移動してから読み込みを始めるより、移動前後の流れを想定しておく方が待ち時間を感じにくくなります。特に屋外や地下、建物内など通信が不安定になりやすい場所では、必要な範囲を事前に準備しておくことも大切です。


モデルを分割するときは、位置合わせの基準がずれないように注意します。軽くするためにデータを細かく分けた結果、各モデルの原点や座標基準がばらばらになると、AR上で重ねたときに位置が合わなくなるおそれがあります。容量を軽くする作業と、現地で正しい位置に表示する作業はセットで考える必要があります。分割後も同じ座標基準で扱えるか、基準点や方向が保たれているかを確認しておくと、現場での手戻りを減らせます。


読み込み範囲と表示順序の工夫は、ファイル容量そのものを大きく減らさなくても効果が出やすい調整です。利用者が最初に必要な情報をすぐ見られれば、全体容量が多少大きくても軽く感じられます。反対に、必要のない情報まで最初に読み込ませると、容量以上に重く感じられます。ARで使いやすい3Dモデルにするには、どの情報を、どのタイミングで、どの距離から見せるのかを設計することが欠かせません。


現場で使う端末や通信環境に合わせて確認する

ARで3Dモデルを軽く見せるためには、作成環境だけで判断せず、実際に使う端末や通信環境で確認することが重要です。制作担当者の高性能な端末では問題なく表示できても、現場で使う端末では読み込みが遅い、動作が不安定、画面が固まるといったことがあります。ARは端末の処理性能、カメラ性能、位置情報の取得状況、通信状態、バッテリー残量、発熱などの影響を受けやすいため、机上の確認だけでは十分ではありません。


まず、利用する端末の画面サイズと性能を前提にします。大きな画面では細部が見やすい一方、持ち歩きや片手操作には負担が出ることがあります。小さな画面では持ち運びやすい一方、細かな表示を詰め込みすぎると見えにくくなります。3Dモデルを軽くするだけでなく、画面上で情報が読み取れるか、作業中に視線移動が少ないか、屋外でも見えるかを確認します。端末に合わせて表示情報を絞ることは、容量対策にも視認性向上にもつながります。


通信環境の確認も欠かせません。屋外現場、山間部、地下、建物内部、設備室、トンネル周辺などでは通信が安定しない場合があります。通信が前提のAR表示では、モデルの読み込みが遅れたり、途中で止まったりすることがあります。容量を軽くするだけでなく、現場で必要なデータを事前に準備できるか、読み込み済みの範囲を再利用できるか、通信が弱い場所でも最低限の表示ができるかを考える必要があります。現場利用では、理想環境ではなく実際の環境に合わせることが大切です。


また、AR表示中の端末負荷も確認します。最初は問題なく表示できても、長時間使うと端末が熱を持ち、動作が重くなることがあります。バッテリー残量が少なくなると、処理性能に影響する場合もあります。現場では、短いデモ表示ではなく、実際の作業時間に近い条件で試すことが望ましいです。歩きながら表示する、複数箇所を切り替える、写真や記録と併用するなど、実務に近い使い方で負荷を確認すると、問題が見つけやすくなります。


位置合わせの安定性も、軽く見えるかどうかに関係します。モデル自体が軽くても、現実空間との重なりが不安定だと、利用者は使いにくいと感じます。表示が揺れる、位置がずれる、向きが合わないといった状態では、処理が軽くても実務には使いにくくなります。特に施工や点検では、数値や位置の信頼性が重要です。容量調整によって基準点や座標情報が失われていないか、モデルの原点や向きが変わっていないかを確認します。


現場での明るさや背景も見え方に影響します。屋外の強い日差し、暗い設備室、反射の多い床面、複雑な背景の前では、同じ3Dモデルでも見え方が変わります。細かな線や薄い色は見えにくくなることがあり、利用者が端末を動かしながら確認する場合は、より単純で視認性の高い表示が求められます。容量を軽くするために表示を簡略化する際は、現場の背景でも必要な情報が埋もれないようにすることが重要です。


複数人で使う場合は、誰が見ても同じ判断ができるかも確認します。作成者はモデルの意味を理解しているため、多少表示が簡略化されても読み取れます。しかし、初めて見る作業者や発注者、協力会社の担当者には、何を示しているのか分かりにくい場合があります。軽量化によって説明に必要な手がかりが消えていないか、色やラベルの意味が伝わるか、表示切り替えの操作が複雑すぎないかを確認します。ARは共有ツールとして使われることが多いため、専門者だけでなく関係者全体に伝わる見せ方が必要です。


端末や通信環境に合わせた確認では、合格基準を決めておくと判断しやすくなります。たとえば、初回表示までの待ち時間、操作時の滑らかさ、対象箇所の見つけやすさ、位置ずれの許容範囲、通信が弱い場所での挙動などです。これらを曖昧にしたまま感覚で判断すると、担当者によって評価がばらつきます。現場で使えるARモデルにするには、軽いかどうかを感覚だけでなく、実際の利用条件に沿って確認することが大切です。


現場で迷わせない情報量に整える

3Dモデル容量を軽く見せる調整では、技術的な軽量化だけでなく、情報量の整理も重要です。ARでは、現実空間の上に情報を重ねるため、表示する情報が多すぎると画面が混雑します。モデルが軽く動いていても、利用者が何を見ればよいのか分からない状態では、実務上は使いやすいとは言えません。反対に、必要な情報が整理されていれば、モデルの容量が完全に最小でなくても、軽快で分かりやすい印象になります。


まず、作業目的ごとに表示内容を分けます。施工前の確認、施工中の位置確認、検査前のチェック、維持管理の点検、関係者への説明では、それぞれ必要な情報が異なります。施工前であれば計画位置や干渉範囲、施工中であれば基準位置や作業対象、点検であれば確認箇所や記録位置が重要になります。すべての情報を常時表示するのではなく、場面ごとに切り替えられるようにすると、画面も処理も軽くなります。


ラベルや注記も適量にする必要があります。ARでは、3Dモデルだけでは意味が伝わりにくい部分を文字で補うことがあります。しかし、ラベルが多すぎると画面を覆い、モデルの視認性を下げます。文字情報は、対象名、注意点、確認番号、工程名など、現場で判断に必要なものに絞ります。詳細な説明は別画面や記録情報に分け、AR画面では短く分かりやすい表示にする方が使いやすくなります。情報を分けることは、容量だけでなく作業効率にも関わります。


色分けの意味を統一することも大切です。ある画面では赤が注意、別の画面では赤が完了を意味するような使い方をすると、利用者が混乱します。ARでは瞬時に判断する場面が多いため、色や表示ルールを統一しておく必要があります。確認対象、注意箇所、完了箇所、参考表示など、意味を決めて使えば、形状を細かく作り込まなくても情報が伝わります。これは、モデルを軽くしながら実務性を保つための有効な方法です。


表示の優先順位も考えます。利用者が最初に見るべき情報、近づいたときに見る情報、必要なときだけ見る情報を分けることで、AR画面は整理されます。たとえば、遠くからは対象の位置と方向だけを示し、近づいたら詳細な形状や確認項目を表示する流れにできます。最初からすべてを出すより、作業の流れに合わせて段階的に見せた方が、処理負荷も認識負荷も下がります。軽く見せるとは、単に少なく見せることではなく、必要な順番で見せることです。


不要な背景モデルを減らすことも有効です。現実空間そのものが背景になるARでは、周辺環境を3Dモデルで過度に再現する必要がない場合があります。既に目の前に見えている壁、床、道路、設備をモデルとして重ねると、表示が重くなるだけでなく、現実とモデルのずれが目立つこともあります。現実に見えているものは現実に任せ、ARでは見えない情報、将来の情報、注意すべき情報を中心に表示すると、軽く分かりやすい画面になります。


一方で、基準になる情報まで削りすぎると、利用者は位置関係を把握しにくくなります。たとえば、対象物だけを単独で表示しても、周囲との関係が分からなければ、現場判断に使いにくいことがあります。そのため、背景情報は完全に消すのではなく、必要最低限の基準線、境界、通路、既設物の外形などを残すとよいです。軽量化では、削ることと残すことのバランスが重要です。


現場で迷わせないARモデルにするには、操作の分かりやすさも欠かせません。表示切り替えが多すぎる、階層が深すぎる、どのボタンを押せばよいか分からない状態では、モデルが軽くても使われにくくなります。作業者が現場で手袋をしていたり、片手で端末を持っていたりすることもあります。表示内容を整理し、少ない操作で必要な情報にたどり着けるようにすることが、体感的な軽さにつながります。


ARで扱いやすい3Dモデルに仕上げるためのまとめ

ARで3Dモデル容量を軽く見せるには、単にファイルを小さくするだけでは不十分です。形状の細かさ、画像素材、色分け、読み込み範囲、表示順序、端末性能、通信環境、現場での見え方を総合的に調整する必要があります。実務で大切なのは、容量の数字だけを追うことではなく、現場で必要な情報がすぐに表示され、利用者が迷わず判断できる状態にすることです。


最初のポイントは、ARで何を伝えたいのかを明確にすることです。目的が決まれば、残すべき形状と削ってよい形状を分けやすくなります。施工位置を伝えるのか、設備の配置を確認するのか、完成後の見え方を説明するのか、点検箇所を示すのかによって、必要な情報は変わります。目的に合わない細部を減らすことで、モデルは軽くなり、見た目も分かりやすくなります。


次に、形状を一律に削るのではなく、重要部位を残しながら不要な細部を整理することが大切です。見えない裏側、小さすぎる部品、説明に使わない内部構造、過度に滑らかな曲面などは、現場での利用目的に応じて簡略化できます。点群やメッシュ化したデータでは、必要範囲の切り出しや密度調整も有効です。ただし、位置基準や外形が崩れるとARの実用性が下がるため、調整後の確認は欠かせません。


さらに、テクスチャや色の整理も効果的です。高解像度の画像素材を多用すると、読み込みや表示が重くなります。現場説明では、リアルな質感よりも、色分け、輪郭、半透明表示、ラベルの方が役立つ場面があります。必要な画像だけを残し、意味のある色分けに整理することで、軽さと分かりやすさを両立できます。ARでは、きれいに見えることよりも、判断しやすいことが重要です。


読み込み方の工夫も忘れてはいけません。広範囲のモデルを一度に表示するのではなく、区域、工程、対象物ごとに分け、必要な範囲から順に表示すると体感速度が上がります。遠くでは簡略表示、近くでは詳細表示にするなど、距離や作業の流れに合わせて情報量を変えることも有効です。初回表示で利用者が待たされないようにするだけで、ARの使いやすさは大きく変わります。


最後に、実際の端末と現場環境で確認することが重要です。制作環境では問題なくても、現場端末、通信状態、屋外光、長時間利用、移動しながらの操作では問題が出ることがあります。初回表示、操作の滑らかさ、位置合わせ、視認性、発熱、通信不安定時の挙動を確認し、実務で使える状態まで整える必要があります。


ARで3Dモデルを軽く見せる調整は、データ制作だけの作業ではなく、現場での使われ方を設計する作業です。必要な形を残し、不要な情報を整理し、表示の順番を整え、端末と環境に合わせて確認することで、3Dモデルは扱いやすくなります。現場でARを活用するなら、3Dデータをただ表示するのではなく、作業者がすぐ理解できる形に整えることが重要です。


そのためには、3Dモデル、位置情報、現地確認、記録共有を一連の流れとして扱える環境が役立ちます。現場で3Dモデルを見せるだけでなく、必要な位置に正しく重ね、確認結果を残し、関係者と共有できれば、ARは単なる見せ方の工夫ではなく、現場判断を支える実務ツールになります。3Dモデル容量を軽く見せる工夫を進める際は、現場での測位、表示、記録までをまとめて考えられる運用環境を検討すると、導入後の使い方を具体化しやすくなります。


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