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88条申請の添付図面で失敗しない|配置図・断面図の確認点

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

88条申請は、実務上よく使われる呼び方ですが、制度上は労働安全衛生法第88条に基づく計画の届出です。対象となる計画は一つではなく、機械等の設置、移転、主要構造部分の変更に関する届出や、一定規模以上の建設工事に関する届出などに分かれます。そのため、添付図面を作る前に、今回の計画がどの区分に該当し、提出先、提出期限、様式、添付書類がどのように求められるのかを確認することが重要です。


特に建設工事に関する計画届では、配置図や断面図が安全衛生上の計画を説明する中心資料になります。届出書の文章だけでは、現場の周囲との関係、作業範囲、仮設設備、工事用機械、作業動線、高さや深さの条件を十分に伝えられません。図面が不足していたり、図面間で寸法が食い違っていたりすると、追加説明や補正が必要になり、工事開始前の段取りに影響することがあります。


本記事では、88条申請のうち、建設工事や仮設設備を含む計画届で問題になりやすい添付図面を中心に、配置図と断面図の確認点を整理します。実際に必要となる図面や記載内容は工事内容、届出区分、所轄窓口の運用によって異なるため、最終的には最新の様式と所轄の案内を確認してください。その前提で、公開前の社内チェックに使いやすい実務目線のポイントをまとめます。


目次

88条申請で添付図面が重視される理由

配置図で最初に確認すべき基本情報

周囲の状況と四隣関係を図面でどう示すか

工事用機械と仮設設備の配置で見落としやすい点

断面図で確認すべき高さ・深さ・離隔

安全設備と作業動線を図面に反映する考え方

添付図面で差し戻しにつながりやすい不備

提出前に行う図面チェックの実務手順

現場計測と位置情報管理で図面精度を高める

まとめ


88条申請で添付図面が重視される理由

88条申請で添付図面が重視されるのは、図面が工事計画の安全性を読み取るための資料になるからです。届出書には事業場名、工事名称、作業内容、工期、工法などを記載しますが、文章だけでは現場の危険要因や周辺との関係を立体的に説明しきれません。配置図や断面図があることで、作業者がどこで作業し、どの機械がどこに置かれ、どの範囲で立入禁止や墜落防止などの措置が必要になるのかを確認しやすくなります。


建設工事の計画届では、仕事を行う場所の周囲の状況や四隣との関係を示す図面、建設物等の概要を示す図面、工事用の機械や設備の配置を示す図面、工法の概要、安全対策、工程表などが求められる場合があります。つまり添付図面は、単なる参考資料ではなく、計画が安全衛生上どのように成立しているかを説明する資料として扱われます。


図面で失敗しやすいのは、設計図や施工図をそのまま添付すれば足りると考えてしまうケースです。設計図は完成物を表すための図面であり、施工図は施工上の納まりや手順を伝えるための図面です。一方、88条申請で確認される図面では、工事中の状態、仮設設備、工事用機械、作業床、搬入経路、立入禁止範囲、周辺道路や隣地との関係が読み取れることが重要です。完成形だけでなく、施工中にどのような危険が生じ、どのような対策を講じるのかを説明できる図面にする必要があります。


また、添付書類の例示は、すべての工事に同じ資料を一律に添付すればよいという意味ではありません。対象となる工事や作業の内容によって、必要な図面の種類や詳しさは変わります。反対に、例示されている図面だけでは安全性を説明しきれない場合には、追加の説明図、詳細図、写真、計算書、施工手順書などを組み合わせることもあります。


実務担当者が意識すべきなのは、添付図面は見た目が整っているだけでは不十分だという点です。縮尺が不明、寸法が不足、周辺条件が省略されている、工事中の仮設配置が反映されていない、図面間で数値が違うといった状態では、確認する側が計画の妥当性を判断しにくくなります。提出前の図面チェックでは、きれいな図面かどうかよりも、判断に必要な情報が過不足なく入っているかを確認することが大切です。


配置図で最初に確認すべき基本情報

配置図で最初に確認すべきなのは、現場の位置、敷地境界、方位、縮尺、対象物、作業範囲が明確に示されているかです。配置図は、現場全体の関係性を伝える図面です。どこに何を設置し、どの範囲で作業を行い、人や車両がどこを通るのかが分からなければ、断面図や安全対策図を見ても計画全体を理解しにくくなります。


まず、工事場所を特定できる情報を整理します。敷地外形、道路との接続、出入口、隣地境界、既存建物、既存設備、届出対象となる建設物や仮設物の位置を示します。建物や設備が複数ある現場では、届出対象となるものと参考表示にとどまるものを混同しないよう、名称や記号を統一しておくことが重要です。対象物がどれなのか分からない配置図は、確認作業に余計な時間がかかります。


次に、縮尺と寸法の整合を確認します。配置図に縮尺が入っていても、印刷や電子化の過程で拡大縮小されると、紙面上の距離だけでは判断できなくなります。そのため、重要な離隔、幅員、対象物の寸法は数値として記載しておくと安全です。敷地境界から仮設物までの距離、道路幅員、搬入経路の幅、重機の旋回範囲、足場や作業床の張り出し位置など、判断に必要な寸法は図面上に直接示します。


方位も重要です。方位がない配置図では、周辺道路や隣地との位置関係、搬入方向、避難方向、断面位置の説明が難しくなります。複数の図面を添付する場合、図面ごとに向きが異なると、配置図、平面図、断面図の対応関係が分かりにくくなります。図面の向きが異なる場合は、方位記号、断面線、参照番号を明記し、見る人が迷わないようにします。


さらに、工事中の一時的な配置を反映しているかを確認します。完成後の建物配置だけでは、仮囲い、資材置場、揚重機、作業構台、仮設電源、仮設通路、休憩所、車両待機場所などが分かりません。88条申請の添付図面では、工事中に発生する危険を確認するため、仮設状態の配置が重要になります。設計図を流用する場合でも、工事中の仮設要素を重ねて追記する必要があります。


配置図では、対象物の周囲に作業空間が確保されているかも確認します。設備や仮設物そのものの寸法だけでなく、組立て、解体、点検、資材搬入、作業員の通行、緊急時の退避に必要な余裕があるかを示すことが大切です。図面上では納まっていても、実際には作業員が通れない、資材を置くと避難経路が塞がる、車両が切り返せないということがあります。配置図は、机上の配置ではなく現場運用の成立性を確認する図面として作成します。


周囲の状況と四隣関係を図面でどう示すか

88条申請の添付図面では、現場内部だけでなく、周囲の状況と四隣との関係を示すことが重要です。四隣とは、工事場所の周囲にある道路、隣地、建物、水路、線路、公共施設などとの関係を指して使われる実務上の表現です。工事は敷地内だけで完結しているように見えても、実際には隣地、道路、歩行者、近接建物、架空線、地下埋設物、法面、水路などと関係しながら進みます。


四隣関係を示す際は、単に隣地境界線を描くだけでは不十分です。隣地が建物なのか、空地なのか、道路なのか、水路なのか、公共施設なのかによって、必要な安全対策は変わります。隣地建物の外壁位置、開口部、庇や設備の張り出し、境界塀、電柱、架空線、道路標識、歩道、ガードレールなど、工事に影響する可能性がある要素は図面に反映します。


道路との関係では、搬入車両の出入り、歩行者動線、交通誘導、道路占用や一時的な通行規制の有無が問題になります。配置図には出入口の位置だけでなく、車両の進入方向、退出方向、待機場所、見通しを妨げる物、歩行者との交錯が起きやすい箇所を示すと、計画の意図が伝わりやすくなります。車両が後退して出入りする計画であれば、誘導員の配置や安全確認の方法も施工計画書や安全対策図と整合させます。


架空線や高圧設備が近接する場合は、平面位置だけでなく高さ関係も確認します。配置図に線の位置だけを描いても、重機のブームや吊り荷がどの高さで近接するのかは分かりません。この場合は、断面図や立面図と組み合わせ、離隔、作業制限範囲、接触防止の考え方を表現します。地下埋設管や地下構造物が作業に影響する場合も、掘削範囲や杭施工位置との関係を明示します。


周囲の状況を描くときは、現況と計画を混同しないことも大切です。既存の建物、道路、隣地境界、地下埋設物は現況として示し、これから設置する仮設物や機械は計画として示します。線種や注記を使い分けることで、現況なのか計画なのかを判別できるようにします。現況測量が古い場合や、現場で変更が生じている場合は、最新状態と図面が一致しているかを必ず確認します。


四隣関係の図面でよくある失敗は、広域案内図のような簡略図だけを添付してしまうことです。広域の位置図は現場所在地を示すには有効ですが、隣地や道路との離隔、仮設物の張り出し、搬入経路の安全性を確認するには不足します。必要に応じて、所在地を示す図、敷地周辺を示す図、工事範囲を詳細に示す配置図を分けると、情報が整理されます。


工事用機械と仮設設備の配置で見落としやすい点

配置図で見落としやすいのが、工事用機械と仮設設備の位置関係です。機械や仮設設備は、安全計画に大きく関わります。どこに機械を置くか、どの方向に作業するか、作業半径がどこまで及ぶかによって、墜落、転倒、接触、挟まれ、飛来落下、第三者災害のリスクが変わります。


揚重機や建設機械を配置する場合は、本体位置だけでなく、作業半径、旋回範囲、アウトリガーや敷鉄板の範囲、吊り荷の通過範囲、地盤補強の範囲を確認します。機械本体を小さな記号で示すだけでは、実際の危険範囲が伝わりません。狭小地、道路際、隣地近接の現場では、吊り荷が敷地外に出ないか、旋回時に架空線や建物に近接しないか、歩行者通路と交錯しないかを図面で説明できるようにします。


足場や作業構台などの仮設構造物では、建物外周との位置関係、張り出し、通路幅、昇降設備、開口部、墜落防止設備、資材置場との関係を確認します。足場の平面配置だけでなく、高さ、段数、控えや壁つなぎの位置、作業床の幅、隣地や道路への近接状況を断面図や立面図で補足すると、確認しやすくなります。仮設物が工程に応じて盛替えられる場合は、どの時期の計画図なのかを工程と合わせて示すことも重要です。


仮設電源、分電盤、発電設備、照明、給排水設備、仮設トイレ、休憩所、資材置場なども、安全衛生上の観点では無視できません。主要な作業範囲だけを描き、これらの仮設設備を省略すると、通路や避難経路が確保できるのか、火気や電気設備の管理ができるのかが判断しにくくなります。全てを細かく描き込みすぎる必要はありませんが、危険源や動線に影響する設備は配置図に反映します。


機械と作業員の動線が重なる箇所も確認します。資材搬入車両のルートと作業員通路が交差する場所、重機の後方死角に人が入りやすい場所、荷下ろし場所と休憩所が近すぎる場所などは、図面上で発見しやすいリスクです。配置図に動線を重ねることで、誘導員の配置、立入禁止範囲、仮囲い、バリケード、通路の切替えなどの対策を検討しやすくなります。


工事用機械や仮設設備の配置は、工程によって変化します。掘削時、躯体施工時、仕上げ時、解体時では、必要な機械や危険範囲が異なります。添付図面では、代表的な工程の配置を示すのか、危険性が高い工程を示すのか、段階別に図面を分けるのかを判断します。工程表と図面の時期がずれていると誤解につながるため、図面名や注記に対象工程を明記します。


断面図で確認すべき高さ・深さ・離隔

断面図は、配置図だけでは分からない高さ、深さ、勾配、離隔、作業空間を説明するための図面です。平面上では十分に離れているように見えても、高さ方向で接近している場合や、掘削深さに対して法面勾配や土留め計画の説明が不足している場合があります。断面図は、こうした立体的な危険を確認するために欠かせません。


まず確認すべきなのは、断面位置が配置図上で明確に示されているかです。断面図だけを見ても、どこを切った図なのか分からなければ、現場全体との関係を判断できません。配置図に断面線を入れ、断面図側にも同じ記号を付けます。複数の断面を示す場合は、道路側、隣地側、掘削部、足場部、機械設置部など、確認したいリスクごとに断面位置を選びます。


高さ関係では、地盤面、作業床、足場、建物、仮囲い、開口部、手すり、架空線、吊り荷、重機の作業高さなどを確認します。高所作業がある場合は、作業床の高さと墜落防止措置の位置が分かるようにします。足場や作業構台では、地盤からの高さ、各段の位置、昇降設備、手すり、中さん、幅木などの安全設備が図面または別資料で確認できるようにします。


掘削や土留めを伴う工事では、掘削深さ、法面勾配、土留め壁、支保工、地下水位、既設構造物との離隔、重機や資材の上載荷重の位置が重要です。平面図で掘削範囲が示されていても、どの程度の深さで、どのように崩壊を防ぐのかが分からなければ、安全計画として不十分になりやすいです。断面図には、地盤面から床付けまでの寸法、段切りの有無、作業員が入る空間、昇降方法を示します。


隣地や道路に近接する工事では、境界線から仮設物、掘削部、重機、足場、建物までの離隔を断面で確認します。平面距離だけでは、上部で張り出す部材、作業床、吊り荷、仮囲いの高さが分からないためです。道路側に足場を設ける場合や、隣地に近い位置で高所作業を行う場合は、落下物対策や第三者防護の考え方が読み取れるようにします。


断面図で失敗しやすいのは、完成断面だけを添付してしまうことです。88条申請で確認したいのは、完成後の建物の断面だけではなく、工事中にどのような作業状態になるかです。完成断面では、仮設足場、作業床、仮設通路、掘削中の土留め、重機の作業範囲、安全設備が表現されません。必要に応じて、施工時断面、仮設時断面、掘削時断面を別に作成します。


断面図では、数字の整合も重要です。配置図に記載した離隔や幅員、断面図に記載した高さや深さ、計算書や工程表に記載した数値が一致していないと、どれが正しい計画なのか分からなくなります。図面修正を重ねると、一部の図面だけ古い数値が残ることがあります。提出前には、主要寸法を横断的に確認し、図面間の不一致を解消しておきます。


安全設備と作業動線を図面に反映する考え方

88条申請の添付図面では、作業の対象物だけでなく、安全設備と作業動線を示すことが大切です。労働災害を防止するための方法や設備の概要は、書面または図面で説明する事項として扱われる場合があります。そのため、配置図や断面図は、危険箇所を描くだけでなく、危険に対してどのような対策を講じるのかを表す資料として整える必要があります。


安全設備には、仮囲い、立入禁止措置、手すり、開口部養生、落下物防護、親綱、昇降設備、照明、換気設備、消火設備、警報設備、非常時の避難経路などがあります。これらは文章で説明することもできますが、位置関係が重要なものは図面に示したほうが伝わりやすくなります。どこに設置するのか、どの範囲を保護するのか、どの動線を確保するのかが分かるようにします。


作業動線では、作業員、車両、資材、第三者の流れを分けて考えます。作業員の通路は、安全に歩ける幅があるか、段差や開口部を避けているか、重機の作業半径に入らないかを確認します。車両動線は、搬入出の方向、待機場所、切り返し場所、誘導員の位置、歩行者との交差箇所を確認します。資材動線は、荷下ろしから仮置き、使用場所までの経路を整理し、吊り荷の下に人が入る計画になっていないかを確認します。


第三者災害を防ぐ観点では、現場外との境界が重要です。歩道や道路に近接する場合、仮囲いの位置、出入口の管理、落下物防護、視認性、交通誘導の方法を図面で説明します。隣地に人が常時いる建物がある場合や、学校、店舗、住宅、公共施設に近い場合は、周辺への影響を丁寧に確認する必要があります。敷地内で完結しているように見える工事でも、粉じん、騒音、振動、飛散、落下、車両出入りの影響が周囲に及ぶ可能性があります。


安全設備と作業動線を図面に反映する際は、情報を詰め込みすぎないことも重要です。配置図に全ての注記を入れると、かえって読み取りにくくなることがあります。全体配置、安全設備、車両動線、作業員動線、断面詳細など、目的ごとに図面を分けると分かりやすくなります。図面番号や図面名を整理し、どの図面が何を説明しているのかを明確にします。


また、安全対策図と施工計画書の内容を一致させることが必要です。図面では立入禁止範囲を設けているのに、施工手順ではその範囲内で別作業を行うことになっている場合、計画として矛盾します。図面、工程表、施工方法、安全衛生計画、計算書の内容を並べて確認し、同じ前提で作成されているかを点検します。


添付図面で差し戻しにつながりやすい不備

添付図面で補正や追加説明につながりやすい不備には、いくつか共通点があります。最も多いのは、図面の目的が不明確なことです。何を示す図面なのか、どの工程の図面なのか、届出対象がどれなのかが分からないと、確認する側は必要な情報を探すことになります。図面名、対象工程、対象範囲、凡例、記号の意味を明確にしておくことが基本です。


次に多いのは、寸法不足です。敷地境界から対象物までの距離、道路幅員、通路幅、作業床の高さ、掘削深さ、仮設物の高さ、重機の作業半径など、判断に必要な数値が入っていないと、図面を見ても安全性を確認できません。縮尺があるから大丈夫と考えるのではなく、重要な寸法は数値として記載します。電子提出や縮小印刷を前提にすると、寸法記載の重要性はさらに高まります。


図面間の不整合も大きな不備です。配置図では足場が建物全周にあるのに、断面図では一部だけになっている、工程表では掘削が先行するのに配置図では重機が別工程の位置にある、施工計画書の重機能力と図面上の作業半径が合わないといった不整合は、計画の信頼性を下げます。修正を繰り返す中で古い図面が混ざることもあるため、版数管理が必要です。


現況との不一致も注意が必要です。古い測量図や古い設計図を使うと、現場に新しい構造物や設備が追加されていたり、隣地側の状況が変わっていたりすることがあります。既設改修、増築、解体、狭小地工事では、現況確認の精度が図面の品質を左右します。現場写真、測量結果、既存図、施工担当者の確認を組み合わせ、実際の現場と図面が合っているかを確認します。


法令や届出対象に対する断定のしすぎも避けるべきです。88条申請の対象、添付書類、提出期限、提出先は、工事内容や届出区分によって異なります。一定の機械等に関する届出、特に大規模な建設工事に関する届出、一定の建設業等の仕事に関する届出では、提出先や期限が変わる場合があります。過去案件の様式や添付図面をそのまま流用せず、今回の工事がどの区分に当たるのかを確認してから図面を整えることが重要です。


読みづらさも実務上の不備になります。線が細すぎる、文字が小さすぎる、色分けに頼りすぎて白黒では判別できない、凡例がない、注記が重なっている、図面の向きがばらばらといった状態では、内容が正しくても確認に時間がかかります。提出図面は、社内で見る詳細図とは別に、第三者が短時間で内容を理解できるよう整える意識が必要です。


提出前に行う図面チェックの実務手順

提出前の図面チェックでは、まず届出区分と添付図面の対応を確認します。対象が機械等の設置、移転、主要構造部分の変更に関するものなのか、建設工事の計画に関するものなのか、仮設設備を含む工事計画に関するものなのかによって、必要な図面の内容は変わります。過去案件のセットを流用する場合でも、今回の工事に不要な図面と不足している図面を整理します。


次に、図面一覧を作ります。図面番号、図面名、版数、作成日、対象工程、主な記載内容を整理しておくと、提出時の抜け漏れを防げます。図面一覧そのものを提出するかどうかは案件によりますが、社内管理としては有効です。複数の担当者や協力会社が図面を作成する場合、最新版がどれなのかを明確にしないと、古い配置図や断面図が混入しやすくなります。


そのうえで、配置図の基本事項を確認します。方位、縮尺、敷地境界、道路、隣地、対象物、出入口、仮囲い、工事用機械、仮設設備、資材置場、作業員通路、車両動線、立入禁止範囲、安全設備が必要に応じて示されているかを見ます。全ての項目を一枚に詰め込む必要はありませんが、どこかの図面で説明されている状態にします。


続いて、断面図の確認を行います。断面位置が配置図と対応しているか、高さ、深さ、離隔、作業床、足場、掘削、土留め、架空線、隣地、道路、仮設防護などが分かるかを確認します。断面図に必要な寸法が入っていない場合は、後から説明資料を追加するより、提出前に図面へ反映したほうが効率的です。


図面間の整合確認も欠かせません。配置図と断面図の対象物位置、寸法、名称、記号、工程、仮設物の範囲が一致しているかを確認します。施工計画書、工程表、計算書、届出書の記載とも照合します。図面だけを見て問題がなくても、届出書の工事期間や施工方法と合わない場合は修正が必要です。


最後に、読み手目線で確認します。初めて案件を見る人が、どこで何を施工し、どのような危険があり、どのような安全対策を講じるのかを理解できるかを確認します。担当者本人は現場を知っているため、図面の省略に気づきにくいものです。可能であれば、現場を直接担当していない社内の安全担当者や施工管理者に確認してもらうと、不足点を見つけやすくなります。


現場計測と位置情報管理で図面精度を高める

88条申請の添付図面で失敗を減らすには、図面作成の段階だけでなく、現場計測と位置情報管理の精度を高めることも重要です。既存図面をもとに配置図を作成しても、現場の実測とずれていれば、重機の配置、仮設足場、搬入経路、隣地との離隔、安全設備の位置が実態と合わなくなります。改修工事、解体工事、山間部や傾斜地の工事、既設構造物が多い現場では、現況把握の精度が図面品質に直結します。


現場計測では、敷地境界、既存建物、道路端、出入口、電柱、架空線、埋設物の推定位置、段差、法面、排水施設、仮設物の設置予定位置などを確認します。単に距離を測るだけでなく、図面上の座標や基準点と結びつけて管理すると、配置図への反映がしやすくなります。図面に使う基準点が現場でどこにあるのか、誰が見ても分かる状態にしておくことが大切です。


位置情報が曖昧なまま図面を作ると、現場ではこの位置のはず、この程度の離隔があるはずという判断になりやすくなります。しかし、88条申請の添付図面では、曖昧な位置関係よりも、確認可能な位置関係が重要です。境界から何メートル離れているのか、仮設物の端部がどこまで来るのか、重機の作業範囲が道路や隣地にどれだけ近づくのかを、現場計測にもとづいて整理します。


また、写真と位置情報を組み合わせると、図面確認の精度が上がります。配置図上の重要箇所と現場写真が対応していれば、社内確認や関係者説明で認識を合わせやすくなります。出入口、隣地境界、架空線、狭小通路、掘削予定範囲、重機設置予定位置などは、写真だけでは場所が分かりにくいため、位置情報と紐づけて管理すると有効です。


図面作成後も、現場変更が起きた場合には位置情報を更新する必要があります。資材置場の変更、仮囲い位置の変更、搬入経路の変更、重機配置の変更などは、安全計画に影響することがあります。届出後に計画変更が生じる場合は、変更内容や届出要否を確認する必要があるため、変更前後の位置関係を記録しておくことが実務上の備えになります。


こうした位置情報管理には、現場で取得した高精度な座標や写真を、図面確認に活用できる仕組みが役立ちます。紙図面と現場の目視確認だけでは、担当者の経験に依存しやすく、後から確認したときに根拠が残りにくいからです。配置図や断面図の精度を高めるには、現場で測った位置、撮影した写真、図面上の点を一体で管理する考え方が欠かせません。


まとめ

88条申請の添付図面で失敗しないためには、配置図と断面図を単なる形式資料として扱わず、安全計画を説明する中心資料として整えることが重要です。配置図では、現場の位置、敷地境界、周囲の状況、四隣関係、工事用機械、仮設設備、作業員動線、車両動線、安全設備を確認します。断面図では、平面図では見えない高さ、深さ、離隔、掘削状態、足場、作業床、架空線、隣地や道路との関係を確認します。


失敗が起きやすいのは、設計図や施工図をそのまま流用し、工事中の危険や仮設状態が表現されていない場合です。また、寸法不足、方位や縮尺の不備、断面位置の不明確さ、図面間の不整合、古い現況図の使用、工程表や施工計画書との食い違いも、補正や追加説明につながりやすいポイントです。提出前には、届出区分、図面一覧、配置図、断面図、安全対策、工程、数値整合、読みやすさを順番に確認することが大切です。


88条申請は、対象や提出先、期限、添付資料が工事内容によって変わるため、最終的には最新の様式や所轄窓口の案内を確認しながら進める必要があります。ただし、どの案件でも共通して言えるのは、現場の実態と図面の整合が取れているほど、計画の説明がしやすくなるということです。図面上の線や寸法だけでなく、現地での位置、写真、作業範囲、危険範囲を結びつけて管理することで、添付図面の説得力は高まります。


現場で取得した位置情報や写真を、配置図や断面図の確認に活用したい場合は、LRTKのようなiPhone装着型GNSS高精度測位デバイスを取り入れることで、申請前の現況確認、仮設配置の検討、提出図面との照合、施工中の変更記録までを一貫して管理しやすくなります。図面作成の手戻りを減らし、88条申請に必要な説明資料の精度を高めるためにも、現場と図面を座標でつなぐ運用を早い段階から検討しておくことが有効です。


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