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88条申請の対象確認で見落としやすい添付資料7選

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

88条申請の対象確認で最初に押さえるべき考え方

見落としやすい添付資料1:対象判定の根拠資料

見落としやすい添付資料2:工事概要書と作業範囲説明書

見落としやすい添付資料3:案内図、配置図、平面図

見落としやすい添付資料4:断面図、立面図、高さ寸法資料

見落としやすい添付資料5:構造計算書、強度検討書、荷重条件資料

見落としやすい添付資料6:工程表、施工手順書、仮設計画資料

見落としやすい添付資料7:安全対策と資格者参画の説明資料

添付資料の不足を防ぐ実務上の確認手順

まとめ:対象確認は現場情報の精度で決まる


88条申請の対象確認で最初に押さえるべき考え方

88条申請は、実務上は「申請」と呼ばれることが多いものの、法令上は労働安全衛生法第88条に基づく「計画の届出」として扱うのが基本です。対象になるかどうかは、単に工事金額や社内の重要度だけで決まるものではありません。第88条では、一定の機械等の設置、移転、主要構造部分の変更に関する計画、重大な労働災害のおそれがある特に大規模な建設業の仕事、建設業その他政令で定める業種に属する一定の仕事について、事前の届出が定められています。届出期限も一律ではなく、第1項の機械等に関する届出や第2項の特に大規模な仕事は三十日前、第3項の一定の仕事は十四日前という整理が基本です。個別案件では、対象条項、届出先、添付書類が変わるため、最新の法令と所轄労働基準監督署等の案内を確認してください。([厚生労働省 法令等データベース][1])


「88条申請 対象」で検索する実務担当者の多くは、届出様式そのものよりも、自分の案件が対象なのか、対象だとしたらどの資料をそろえるべきなのかを早く判断したいはずです。代表的な様式として、機械等設置・移転・変更届の様式第20号、建設工事・土石採取計画届の様式第21号があります。実務でつまずきやすいのは様式の記入そのものよりも、添付資料で計画内容を十分に説明できているかという点です。([厚生労働省][2])


特に見落としやすいのは、届出書の欄を埋めるための資料と、対象確認の根拠を説明するための資料を分けて考えていないケースです。届出書には事業場名、設置場所、計画の概要、参画者などを記載しますが、確認したいのは、その計画がどの危険要因を含み、どのような構造、寸法、工程、安全対策で実施されるのかという具体的な中身です。つまり、添付資料は「紙を増やすための資料」ではなく、「対象である理由、または対象外と判断した理由を説明する資料」です。


対象確認の段階で添付資料を後回しにすると、設計部門、施工管理部門、安全衛生部門、協力会社の間で前提がずれやすくなります。たとえば、設備担当者は機械の更新だけと考えていても、現場では基礎の改修、開口部の新設、足場の組立て、重量物の搬入、既設配管の切替えが発生することがあります。この場合、対象確認は機械単体ではなく、工事全体、仮設、周辺作業を含めて判断する必要があります。


また、88条申請の対象確認では「対象設備の名称」だけに注目しがちですが、実際には寸法、高さ、容量、能力、使用期間、作業場所、取扱物質、作業方法などの条件が判断材料になります。同じ名称の設備でも、規模や用途、設置環境が違えば必要な確認資料も変わります。したがって、初期段階では「この案件は届出が必要か」という一文の答えを急ぐよりも、「対象確認に必要な情報がそろっているか」を確認するほうが安全です。


この記事では、88条申請の対象確認で見落としやすい添付資料を七つに分けて解説します。ここで紹介する資料は、案件ごとに必ずすべて提出するという意味ではありません。むしろ、対象かどうかを判断するために不足しやすい情報、提出資料として整えておくと手戻りを防ぎやすい情報、社内説明や協力会社との認識合わせに役立つ情報として理解してください。


見落としやすい添付資料1:対象判定の根拠資料

最初に見落としやすいのが、対象判定の根拠資料です。多くの案件では、工事概要書や図面は準備されていても、「なぜ88条申請の対象になるのか」「なぜ対象外と判断したのか」を一枚で追える資料がありません。担当者が口頭で説明できる状態と、第三者が資料だけで確認できる状態は別物です。社内審査、行政窓口への相談、後任者への引継ぎを考えると、対象判定の根拠を整理した資料は重要です。


この資料では、工事名や設備名だけでなく、対象確認に使った判断項目を明確にします。たとえば、一定の機械等の設置、移転、主要構造部分の変更に当たるのか、法第88条第2項または第3項の仕事に該当し得るのか、仮設物を含むのか、対象となり得る機械や設備の種類は何か、工事開始日や組立期間はいつか、施工場所は屋内か屋外か、高所や開口部、掘削、重量物、化学物質、粉じん、換気、電気、火気などの危険要因が含まれるかを整理します。ここで重要なのは、結論だけを書かないことです。「対象」「対象外」とだけ記載しても、後から見た人には判断過程がわかりません。


対象判定の根拠資料は、法令名や条項を細かく並べるためだけの資料ではありません。むしろ、実務では現場条件との対応が重要です。高さの条件が関係するなら、図面上の高さ寸法をどの資料で確認したのかを書きます。能力や容量が関係するなら、仕様書のどの数値を根拠にしたのかを示します。使用期間が関係するなら、工程表のどの期間を見たのかを明らかにします。取扱物質や換気が関係するなら、作業内容や設備仕様と結び付けて説明します。


よくある失敗は、過去の似た案件で対象外だったため、今回も同じだろうと判断してしまうことです。過去案件と同じ名称の設備でも、設置場所が変わる、周辺作業が増える、仮設構造が大きくなる、作業床の高さが変わる、搬入経路が変わる、既設設備との取り合いが増えると、確認すべき資料は変わります。対象判定の根拠資料を作ることで、過去案件との違いが見えやすくなります。


もう一つの見落としは、対象外と判断した場合の記録です。届出が必要な案件だけを記録し、対象外案件は何も残さない運用にしていると、後から「なぜ届出しなかったのか」を説明できなくなります。対象外であっても、確認した寸法、能力、期間、作業範囲、危険要因、相談履歴などを簡潔に残しておくと、社内監査や安全衛生管理の面で有効です。対象確認は、提出するためだけの作業ではなく、計画段階で危険要因を洗い出す作業でもあります。


見落としやすい添付資料2:工事概要書と作業範囲説明書

二つ目は、工事概要書と作業範囲説明書です。届出様式には計画の概要を書く欄がありますが、欄内の文章だけで工事全体を説明するのは難しい場合があります。特に、既設設備の撤去、新設設備の据付、基礎改修、架台設置、配管接続、電源切替え、試運転、仮設足場、搬入出が一体になっている案件では、どこまでが今回の計画範囲なのかを別紙で示す必要があります。


工事概要書では、何を目的とした工事なのかをまず明確にします。老朽化した設備の更新なのか、生産能力の変更なのか、安全対策の追加なのか、レイアウト変更なのかによって、確認すべきリスクが変わります。目的が曖昧なままだと、単なる入替工事として扱ってしまい、主要構造部分の変更や周辺仮設の検討が抜けることがあります。88条申請の対象確認では、設備名称よりも「計画によって何が変わるのか」を見ることが重要です。


作業範囲説明書では、施工範囲と対象外範囲を分けて書くと効果的です。たとえば、機械本体の据付は今回工事に含むが、周辺配管の恒久改修は別工事である場合、その境界を示します。足場の組立ては協力会社が行うが、使用するのは元方事業者の管理下である場合、計画上の位置付けを明確にします。搬入だけが先行し、据付は別日程で行う場合も、工程上の切れ目を説明します。


この資料が不足すると、届出対象の確認が過小評価されやすくなります。設備担当者が「機械の交換」と説明していても、実際には床の開口、梁への吊り込み、架台の補強、仮囲い、火気作業、停電作業が含まれることがあります。逆に、対象設備に見えるものでも、今回は点検、清掃、軽微な部品交換にとどまり、設置や主要構造部分の変更に当たらない可能性もあります。判断に必要なのは、作業の名称ではなく、作業範囲の実態です。


工事概要書には、関係者の役割も記載しておくと実務上便利です。発注部署、工事担当部署、安全衛生担当、設計担当、施工管理担当、協力会社、設備使用部門の役割が整理されていれば、添付資料の作成責任が曖昧になりにくくなります。88条申請では、図面、工程、構造検討、安全対策が別々の担当から集まることが多いため、誰がどの情報を確定させるのかを早めに決めることが重要です。


見落としやすい添付資料3:案内図、配置図、平面図

三つ目は、案内図、配置図、平面図です。これらは基本資料と思われがちですが、実際には不備が多い資料でもあります。場所を示しているつもりでも、工場や建設現場の敷地が広い場合、どの建屋、どの階、どの区画、どの開口部、どの搬入口なのかがわからないことがあります。88条申請の対象確認では、対象物が何かだけでなく、どこで、どのような周辺条件の中で作業するのかが重要になります。


案内図では、事業場の位置だけでなく、敷地内の対象場所までたどれる情報が必要です。外部から見た所在地だけでは、現場内の安全対策を判断できません。敷地入口、搬入経路、作業場所、資材置場、立入禁止範囲、緊急時の退避経路などが関連する場合は、配置図や平面図と連動させて示します。特に大型設備の搬入、重量物の仮置き、移動式の揚重作業、既存ラインの近接作業がある場合、位置情報の曖昧さは安全計画の曖昧さにつながります。


配置図では、対象設備や仮設物の位置を明確にします。既設設備との距離、通路幅、作業床、開口部、階段、避難経路、電源盤、配管、危険物保管場所、換気設備、排気口など、作業上関係する周辺要素を必要に応じて示します。単に対象設備を四角で囲むだけでは、危険要因が読み取れません。周辺との干渉がある場合は、どの範囲を停止するのか、どの範囲を養生するのか、どの範囲に立入制限を設けるのかを図面上で説明できるようにします。


平面図では、寸法と方位が重要です。縮尺が不明な図、古いレイアウト図を流用した図、対象設備の位置だけを手書きで追記した図では、確認者が正確に判断できないことがあります。既設図を使う場合は、今回工事に関係する更新箇所、撤去箇所、新設箇所、仮設箇所を明確に区別します。色分けした図面を使う場合でも、白黒で出力されたときに意味が失われないよう、凡例や注記を付けるとよいでしょう。


この資料でよくある見落としは、仮設物の位置が抜けることです。対象設備本体の平面図はあるものの、足場、支保工、仮囲い、仮設通路、作業構台、仮置き場、搬入車両の停止位置が示されていないと、現場の危険要因を十分に説明できません。88条申請の対象確認では、恒久設備だけでなく、工事を成立させるための仮設計画も確認対象になります。特に短期間だけ使う仮設物は「一時的だから」と軽視されがちですが、墜落、倒壊、接触、挟まれ、転倒といった重大な災害につながる要素を含むため、図面上の説明が欠かせません。


見落としやすい添付資料4:断面図、立面図、高さ寸法資料

四つ目は、断面図、立面図、高さ寸法資料です。88条申請の対象確認では、高さ、深さ、支柱の高さ、作業床の位置、開口部の寸法、設備の全高、揚重時の高さなどが判断材料になることがあります。しかし、平面図だけでは高さ方向の危険が見えません。平面図では問題がなさそうに見える計画でも、断面で見ると高所作業、上部障害物、架空配線、天井クレーンとの干渉、地下ピット、段差、開口部が明らかになることがあります。


断面図では、床面から作業床までの高さ、対象設備の上端高さ、仮設足場や作業台の高さ、支柱や支保工の高さ、天井や梁との離隔、地下部分の深さを示します。高さ条件が対象判定に関係する場合は、どの高さを基準に測ったのかが重要です。床仕上げ面からなのか、地盤面からなのか、作業床面からなのか、支柱の下端から上端までなのかが曖昧だと、判断がぶれます。


立面図では、設備や仮設物の外形だけでなく、作業者がどこで作業するのかを示すと確認しやすくなります。たとえば、設備上部で配管接続を行う場合、設備の高さだけではなく、作業床、手すり、昇降設備、開口部養生の位置が重要です。壁面や屋外に設置する設備では、外部足場や高所作業車両の使用範囲、落下物防止の範囲、第三者の通行範囲との関係も検討します。


高さ寸法資料が不足すると、対象外と見誤るだけでなく、安全対策の不足にもつながります。現場では「いつも使っている足場だから」「短時間の作業だから」という理由で高さ方向の検討が簡略化されることがあります。しかし、88条申請の対象確認では、作業時間の長短だけでなく、構造、規模、作業条件を確認する必要があります。短時間でも、墜落や倒壊の危険が高い作業であれば、計画段階で説明できる資料が必要です。


また、高さに関する資料は、工程表や施工手順書と一緒に確認することが大切です。完成状態の断面図だけでは、組立中、解体中、仮置き中、揚重中の危険が見えません。足場や支保工は完成した状態よりも、組立て途中や解体途中のほうが不安定になることがあります。設備据付でも、吊り荷が一時的に高い位置を通過する、仮固定の状態で一晩置く、上部作業と下部作業が重なるといった工程上の危険があります。断面図や立面図は、完成形だけでなく、必要に応じて施工段階ごとに示すことが有効です。


見落としやすい添付資料5:構造計算書、強度検討書、荷重条件資料

五つ目は、構造計算書、強度検討書、荷重条件資料です。88条申請の対象確認では、足場、型枠支保工、架台、作業構台、吊り治具、仮設床、機械基礎、支持材など、荷重を受ける構造の安全性を説明する資料が重要になることがあります。にもかかわらず、図面はあるが計算条件がない、計算書はあるが現場図面と一致していない、荷重条件が古い仕様のままになっているという不備が起こりがちです。


構造計算書では、何の荷重を見込んでいるのかを明確にします。自重、積載荷重、作業者、工具、材料、仮置き品、風、振動、衝撃、吊り荷、設備運転時の荷重など、案件によって確認すべき条件は異なります。仮設足場であれば、使用する作業床、積載する材料、手すりや養生材、壁つなぎ、控え、張出し部分などが関係します。設備架台であれば、機械本体の重量だけでなく、運転時の振動、メンテナンス時の人員、周辺配管、将来増設の有無が問題になることがあります。


強度検討書では、図面と計算の対応を取ることが大切です。計算書に部材記号が書かれていても、図面上のどの部材を指すのかわからなければ確認が進みません。支柱間隔、梁の向き、接合部、固定方法、基礎の寸法、アンカーの位置、控え材の位置などは、図面と計算書の両方で一致している必要があります。現場で図面変更があった場合は、計算書も更新しなければなりません。図面だけを差し替え、計算書が旧条件のまま残ると、資料上の整合が崩れます。


荷重条件資料は、意外に見落とされやすい資料です。計算結果そのものよりも、どの前提で計算したのかが確認できなければ、計画の妥当性を判断しにくくなります。設備の仕様書、重量表、搬入時の荷姿、仮置き時の支持点、作業床に置く材料の量、同時作業人数、使用する機材の重量などを整理しておくと、計算書の根拠が明確になります。特に重量物を一時的に仮置きする場合、完成後の床荷重ではなく、施工中の局所荷重が問題になることがあります。


構造計算や強度検討は専門性が高いため、実務担当者が内容をすべて自分で計算する必要はありません。しかし、88条申請の対象確認を担当する立場であれば、少なくとも「どの構造について、どの荷重条件で、誰が確認し、どの図面と対応しているのか」は把握しておく必要があります。計算書を添付するだけで安心するのではなく、図面、工程、作業手順、安全対策と矛盾していないかを確認することが重要です。


見落としやすい添付資料6:工程表、施工手順書、仮設計画資料

六つ目は、工程表、施工手順書、仮設計画資料です。88条申請の対象確認では、完成後の設備や構造だけでなく、工事開始日、組立期間、解体時期、同時作業、危険作業の順序が大きく関係します。提出期限が関わる届出では、工程表そのものが重要な確認資料になります。それにもかかわらず、全体工程はあるが危険作業の開始日がわからない、仮設の組立日と使用開始日がわからない、届出対象部分だけの工程が抜けているというケースがよくあります。


工程表では、着工日だけでなく、届出対象となり得る作業の開始日を明確にします。仮設足場の組立て、支保工の組立て、設備搬入、据付、基礎工事、開口部設置、重量物の揚重、既設設備の停止、火気作業、試運転など、対象確認に関係する作業を工程上で追えるようにします。全体工程の中に「機械工事一式」とだけ書かれていると、どの時点で危険作業が始まるのか判断できません。


施工手順書では、作業の順番と管理方法を説明します。たとえば、設備を搬入してから据え付けるまでの仮置き方法、吊り込みの手順、仮固定の方法、芯出し、接続、試運転、解体撤去の流れを示します。足場や支保工では、組立て、点検、使用、変更、解体の手順が重要です。施工手順書が不足していると、完成図面では安全に見える計画でも、途中段階で危険な状態が発生する可能性を見落とします。


仮設計画資料では、工事中だけ使用する設備や構造を説明します。仮設足場、仮設通路、仮囲い、仮設電源、仮設照明、換気設備、養生、資材置場、搬入出経路、誘導員の配置、立入禁止範囲などが該当します。仮設は短期間で撤去されるため、資料化が後回しになりがちです。しかし、労働災害は恒久設備だけでなく、仮設や作業の切替時に発生することが多いため、仮設計画を添付資料として整える意義は大きいです。


工程表と施工手順書は、対象確認だけでなく、提出後の変更管理にも役立ちます。届出後に工程が前倒しになる、施工手順が変わる、仮設物の仕様が変わる、協力会社が変更になる場合、当初資料との違いを確認しなければなりません。最初の資料が粗いと、変更が重要な変更なのか、軽微な調整なのか判断できなくなります。初期段階から工程と手順を具体的にしておくことで、後の変更管理がしやすくなります。


見落としやすい添付資料7:安全対策と資格者参画の説明資料

七つ目は、安全対策と資格者参画の説明資料です。88条申請の対象確認では、図面や計算書だけでなく、危険をどのように防止するのかを説明する資料が必要になります。安全対策は、一般的な注意事項を並べるだけでは不十分です。対象工事の危険要因に対応した具体策として、墜落防止、倒壊防止、飛来落下防止、感電防止、挟まれ防止、火災防止、換気、粉じん対策、立入制限、合図、誘導、緊急時対応などを整理します。


安全対策資料でよくある不備は、工事ごとの個別性が薄いことです。社内の標準書をそのまま添付しても、今回の場所、今回の高さ、今回の搬入経路、今回の設備、今回の作業順序に対応していなければ、計画の説明としては弱くなります。たとえば、同じ高所作業でも、屋内の狭い場所で行う場合と、屋外で風の影響を受ける場合では対策が異なります。重量物の搬入でも、通路幅、床耐力、曲がり角、傾斜、周囲の稼働設備によって管理方法が変わります。


資格者参画の説明資料も見落とされやすいポイントです。労働安全衛生法第88条では、一定の工事や仕事の計画を作成するとき、労働災害の防止を図るため、厚生労働省令で定める資格を有する者を参画させることが定められています。ここで重要なのは、氏名や資格名を書くだけでなく、その人が計画のどの部分に関与したのかを説明できるようにすることです。図面の確認、構造検討、施工手順の確認、安全対策の確認、現地確認、変更時の再確認など、参画の範囲が明確であれば、計画作成の実効性を説明しやすくなります。([厚生労働省 法令等データベース][1])


また、点検体制の資料も安全対策の一部として重要です。足場や仮設物、揚重設備、電気設備、換気設備、保護設備などは、設置した時点だけでなく、使用開始前、悪天候後、変更後、作業再開前に確認が必要になることがあります。点検の時期、点検者、記録方法、不備があった場合の是正手順を整理しておくと、計画が机上のものではなく、現場で運用されるものとして伝わります。


安全対策資料は、届出のためだけに作ると現場で使われなくなります。理想は、届出資料としても、作業前打合せ資料としても、協力会社への説明資料としても使える形にすることです。現場で実際に確認する写真、位置情報、図面の抜粋、作業範囲、立入禁止範囲を組み合わせると、関係者の認識がそろいやすくなります。対象確認と安全対策を分離せず、対象になる理由を説明する資料の中に、危険要因と対策を一体で示すことが重要です。


添付資料の不足を防ぐ実務上の確認手順

88条申請の対象確認で手戻りを防ぐには、最初から完璧な資料を求めるよりも、確認の順番を決めることが大切です。まず、計画の概要を把握します。何を設置、移転、変更、解体、組立て、使用するのかを整理し、対象設備や対象工事だけでなく、付帯作業も含めて洗い出します。次に、判断に必要な数値を集めます。高さ、能力、容量、荷重、期間、作業場所、取扱物質、作業人数、搬入経路など、対象確認に関係する情報を早めに確定させます。


次に、資料同士の整合を確認します。工事概要書に書かれた作業範囲と平面図の範囲が一致しているか、断面図の高さと構造計算書の条件が一致しているか、工程表の開始日と届出期限の考え方が合っているか、施工手順書の仮設計画と配置図が一致しているかを見ます。88条申請では、個々の資料が存在するだけでは不十分です。資料同士が同じ計画を説明していることが重要です。


三つ目に、現地情報を反映します。事務所で作った図面や工程だけでは、現場の実態とずれることがあります。既設設備が図面と異なる、通路に常設物がある、天井高さが想定より低い、搬入口に段差がある、作業エリアの近くで別工事が行われるといった情報は、現地確認で初めてわかることがあります。対象確認の段階で現場写真や位置情報を残しておくと、後から資料を修正する際にも役立ちます。


四つ目に、対象外判断を含めて記録します。届出対象になる案件だけを管理していると、対象外とした案件の根拠が社内に残りません。実務では、対象外と判断した案件ほど、後で問い合わせが来たときに説明が難しくなります。対象外の場合でも、確認した資料、判断した理由、相談した相手、確認日を残しておけば、判断の再現性が高まります。これは単なる防御的な記録ではなく、次回以降の対象確認を速くするための知識になります。


五つ目に、変更管理の入口を決めます。88条申請の対象確認は、最初に一度行えば終わりではありません。設計変更、施工手順の変更、仮設仕様の変更、工程変更、作業場所の変更、協力会社の変更があれば、対象確認や添付資料の見直しが必要になることがあります。現場で変更が起きたときに、安全衛生担当や届出担当へ連絡される仕組みがなければ、資料と現場がずれたまま作業が進む可能性があります。


実務担当者にとって大切なのは、88条申請を「提出作業」としてではなく、「計画の危険要因を見える化する作業」として扱うことです。添付資料をそろえる過程で、危険な工程、曖昧な作業範囲、不足している構造検討、現場と図面の差異が見つかることがあります。これは手間ではなく、着工前に問題を発見できたという意味で大きな価値があります。


まとめ:対象確認は現場情報の精度で決まる

88条申請の対象確認で見落としやすい添付資料は、対象判定の根拠資料、工事概要書と作業範囲説明書、案内図や配置図や平面図、断面図や立面図や高さ寸法資料、構造計算書や強度検討書や荷重条件資料、工程表や施工手順書や仮設計画資料、安全対策と資格者参画の説明資料です。これらは単独で意味を持つのではなく、互いに整合して初めて、計画全体を説明する資料になります。


対象確認で失敗しやすいのは、様式の準備を急ぐあまり、現場の実態を示す資料が後回しになることです。届出様式は重要ですが、様式に書く内容を支えるのは、現場図面、寸法、工程、構造検討、安全対策、現地確認の情報です。特に、仮設物、施工途中の状態、高さ方向の危険、付帯作業、対象外判断の記録は見落とされやすいため、早い段階から確認しておく必要があります。必要書類は案件の種類や所轄の確認事項によって変わるため、準備段階では公式様式や労働局の案内も確認しておくと安全です。([厚生労働省][2])([労働局資料][3])


「88条申請 対象」の判断は、法律用語だけを知っていれば十分というものではありません。現場で何が行われるのか、どの範囲が変わるのか、どの作業が危険を生むのか、どの数値が判断材料になるのかを、資料として説明できる状態にすることが大切です。対象かどうか迷う案件ほど、現地の位置情報、写真、図面、寸法、工程を一元的に残し、関係者が同じ前提で確認できるようにする必要があります。


そのためには、現場で得た情報をすぐに記録し、後から図面や工程、安全対策と結び付けられる仕組みが役立ちます。現場写真、位置情報、寸法、工程変更、打合せ記録を同じ案件単位で管理できるようにしておけば、88条申請の対象確認に必要な添付資料づくりや関係者間の認識合わせを進めやすくなります。88条申請を着工前の負担として終わらせるのではなく、安全な計画をつくるための情報整理として進めるなら、現場情報を正確に残すところから始めることが重要です。


[2](https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=74001000&dataType=0&pageNo=3 [2)]: [https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei36/index_00001.html [3](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei36/index_00001.html [3)]: [https://jsite.mhlw.go.jp/okinawa-roudoukyoku/library/okinawa-roudoukyoku/ken-an/H25/kennsetukoujikeikakutodokenopoinnto.pdf


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