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機器搬入後の位置合わせで再設置を減らす5つの手順

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

機器搬入後の位置合わせが再設置を左右する理由

手順1 基準線と基準点を搬入直後に再確認する

手順2 据付位置の許容差を関係者でそろえる

手順3 機器本体だけでなく周辺条件まで合わせる

手順4 仮置き段階で位置と高さを記録する

手順5 固定前に最終確認し再設置の原因を残さない

位置合わせを現場の標準作業にするために

まとめ


機器搬入後の位置合わせが再設置を左右する理由

機器搬入後の位置合わせは、単に機器を所定の場所へ置く作業ではありません。図面上で決められた位置、現場に出された基準線、床や基礎の実際の仕上がり、配管や配線の取り合い、将来の保守作業までを一つずつ確認しながら合わせ込む工程です。ここが曖昧なまま進むと、機器を固定した後に芯ずれや高さ違いが見つかり、アンカーの打ち直し、配管のやり替え、支持金物の再加工、周辺仕上げの手戻りにつながることがあります。機器そのものが高価かどうかに関係なく、搬入後の再設置は工程全体に影響しやすい作業です。


特に建築設備、工場設備、受変電設備、空調設備、ポンプ、制御盤、計測機器などは、搬入時点で周辺工事がある程度進んでいることが多く、動かせる範囲が限られます。床の仕上げ、壁の立ち上がり、架台、開口、ケーブルルート、配管勾配、点検スペースなどがすでに決まっている場合、数センチの位置ずれでも後工程に調整が発生することがあります。位置合わせを最後の微調整と考えるのではなく、搬入後すぐに工程上の重要な確認作業として扱うことが大切です。


再設置が起きる原因は、機器搬入後に初めて発生するものだけではありません。図面の読み違い、基準点の共有不足、現場寸法の未確認、機器外形寸法と必要離隔の混同、搬入口から据付位置までの動線変更、他工種との取り合い確認不足など、準備段階の小さな不一致が搬入後に表面化することがあります。つまり、機器を動かす前、仮置きする前、固定する前のそれぞれの段階で確認すべきことを明確にしておけば、再設置のリスクを抑えやすくなります。


位置合わせで重要なのは、図面の寸法を現場へ写すだけではなく、現場で本当に使える位置として成立しているかを確認することです。図面上では問題がなくても、実際には壁際の立ち上がりが厚くなっていたり、配管の逃げが不足していたり、点検扉の開閉範囲が確保しにくかったりします。また、機器本体の中心だけを見て据え付けると、接続口や操作面、保守面、排熱方向が計画と合わないこともあります。位置合わせは、中心位置、高さ、向き、周辺余裕、接続条件をまとめて確認する作業として捉える必要があります。


この記事では、機器搬入後の位置合わせで再設置を減らすための5つの手順を、実務担当者が現場で使いやすい流れに沿って解説します。対象は、建築現場や設備工事、土木関連施設、工場内設備、屋外機器など、機器の据付位置を正確に合わせる必要がある現場全般です。測量機器を使う場合でも、簡易な測定器具を使う場合でも、基本となる考え方は共通します。搬入後の慌ただしい時間帯でも判断がぶれないように、位置合わせの基準と確認順序を先に決めておくことが、手戻り防止の第一歩になります。


手順1 基準線と基準点を搬入直後に再確認する

機器搬入後の位置合わせで最初に行うべきことは、基準線と基準点の再確認です。施工前に墨出しや基準点設置が済んでいても、搬入日までに周辺作業が進み、墨が消えたり、養生で隠れたり、資材で見えにくくなったりすることがあります。さらに、床仕上げや基礎の打設後に高さの見え方が変わる場合もあります。搬入した機器をすぐに据付位置へ移動させるのではなく、まず現場で使う基準が今も有効かどうかを確認することが大切です。


基準線の確認では、通り芯、壁芯、柱芯、機器芯、配管芯など、どの線を位置合わせの基準にするのかを明確にします。図面では同じように見える線でも、現場では構造芯、仕上げ面、機器中心、開口中心が混在することがあります。たとえば、壁からの離隔寸法を見て据え付ける場合、その壁が躯体面なのか仕上げ面なのかによって、実際の機器位置が変わります。床に出された墨が何を示しているのかを確認せずに作業を進めると、後から図面との不一致が見つかり、再設置の原因になることがあります。


基準点については、単に点が残っているかを見るだけでなく、その点がどの座標系や現場基準に紐づいているかを確認します。屋外機器や広い施設内の機器では、建物の通り芯だけでなく、敷地基準、構内基準、既設設備の位置、外構計画などが関係することがあります。搬入後に「この点を使えばよいはず」と思い込むと、別工区の基準や一時的な仮基準を使ってしまう恐れがあります。位置合わせでは、基準の出どころをあいまいにしないことが欠かせません。


高さの基準も同じくらい重要です。機器の据付では、平面位置だけでなく、床面からの高さ、架台天端、基礎天端、機器下面、接続口高さなどが関係します。特に配管やダクト、排水勾配、ケーブル引き込み、扉の開閉などは高さの影響を受けやすく、平面位置が合っていても高さがずれると手戻りが発生することがあります。搬入後の位置合わせでは、水平面の基準と高さの基準を別々に確認し、どちらも同じ関係者で共有してから仮置きに進むことが望まれます。


また、基準線や基準点は、現場で見えるように残す工夫が必要です。機器を仮置きすると、床の墨や印が隠れてしまうことがあります。大型機器では、一度置いた後に基準線を確認しようとしても、機器の下に隠れて見えない場合があります。そのため、搬入直後の段階で、基準線を延長して見える位置に逃がす、壁や柱に補助線を出す、写真で位置関係を記録する、複数の方向から測れるようにしておくといった準備が有効です。基準が見えない状態での位置合わせは、感覚作業になりやすく、後から説明しにくいずれを生むことがあります。


基準確認で避けたいのは、担当者ごとに違う基準を見ている状態です。施工管理者は図面の通り芯を見ている一方で、据付作業者は床の墨を見ており、設備担当者は配管芯を見ているという状況では、同じ「位置合わせ」という言葉を使っていても、合わせようとしている対象が異なります。搬入直後に短時間でもよいので、関係者が現場で同じ基準線と基準点を指差し確認し、「この線に対して機器芯を合わせる」「この高さを基準に架台を調整する」と言える状態にしておくことが、再設置を防ぐ土台になります。


手順2 据付位置の許容差を関係者でそろえる

基準を確認した後は、据付位置の許容差を関係者でそろえます。位置合わせでは、理想的には図面どおりに据え付けることが望ましいですが、現場には床の不陸、基礎の施工誤差、既設物との干渉、搬入経路の制約などがあります。そのため、どこまでのずれが許容され、どこからが再調整や協議の対象になるのかを事前に決めておくことが重要です。許容差が共有されていないと、ある担当者は問題ないと判断し、別の担当者はやり直しが必要と判断することになり、作業後のトラブルにつながります。


許容差を考えるときは、機器全体の位置だけでなく、接続部と機能面に注目する必要があります。たとえば、機器外形の位置に多少の余裕があっても、配管接続口やケーブル引き込み位置に余裕がない場合は、わずかなずれでも問題になります。逆に、機器本体の外形位置が図面から少しずれていても、保守スペースや接続条件を満たし、周辺との干渉がなければ、現場判断として成立する場合もあります。位置合わせの目的は、見た目だけをそろえることではなく、機器が安全に使え、周辺設備と正しく接続できる状態をつくることです。


許容差は、平面位置、芯ずれ、水平度、高さ、向き、傾き、離隔のそれぞれで考えます。平面位置では、基準線からの距離や機器芯の位置が重要になります。高さでは、接続口や架台天端、床からの操作高さが関係します。向きについては、操作面、点検面、排気方向、搬出時の逃げ方向などを確認します。水平度や傾きは、機器の性能や耐久性に関わることがあるため、機器の性質に応じた判断が必要です。すべてを同じ精度で合わせるのではなく、機器の機能と後工程への影響に応じて、重点を置く箇所を決めることが現実的です。


ここで注意したいのは、「現場で少し調整できる」という言葉の扱いです。配管や配線に多少の逃げがある場合でも、その調整が本当に施工可能か、見た目や維持管理に支障がないか、他工種へ負担を押し付けていないかを確認しなければなりません。位置合わせでずれを許容した結果、後工程で無理な曲げ、急な勾配変更、点検しにくい納まりが発生すれば、再設置を避けたように見えても、別の手戻りを生む可能性があります。許容差は、据付担当者だけで決めず、接続工事や管理側の視点も含めて判断する必要があります。


また、許容差を口頭だけで共有すると、後から認識がずれやすくなります。現場では、搬入作業の音や時間制約、他作業との重なりにより、細かな条件が伝わりにくいことがあります。最低限、図面への書き込み、現場写真への注記、測定記録、作業前の確認メモなど、後で見返せる形にしておくことが望ましいです。特に、図面どおりではなく現場調整を行った場合は、その理由と調整後の位置を残しておかなければ、後日別の担当者が見たときに「なぜこの位置なのか」が分からなくなります。


許容差をそろえることは、作業を緩くするためではありません。むしろ、どこを厳密に合わせ、どこを現場調整の範囲とするかを明確にするための作業です。すべてを感覚で判断すると、重要な部分を見落とし、逆に影響の小さい部分に時間を使いすぎることがあります。機器搬入後の位置合わせでは、限られた時間の中で、再設置につながるリスクの高い箇所を優先して確認する必要があります。そのためにも、基準と許容差をセットで共有しておくことが重要です。


手順3 機器本体だけでなく周辺条件まで合わせる

機器搬入後の位置合わせでよくある失敗は、機器本体の中心や外形だけを見て据え付けてしまうことです。図面上の据付位置に本体を合わせたとしても、周辺条件が合っていなければ、後から再設置が必要になることがあります。機器は単独で存在するものではなく、配管、配線、ダクト、架台、基礎、壁、床、点検通路、搬出入経路、他の設備と関係しながら使われます。位置合わせでは、機器本体と周辺条件を同時に見ることが欠かせません。


まず確認したいのは、接続部の位置です。機器の配管接続口、電源引き込み、信号線の取り出し、排気や排水の方向などは、据付位置の影響を直接受けます。機器の外形を基準線に合わせても、接続口が図面と逆側を向いていたり、壁に近すぎたり、配管の曲がりがきつくなったりすれば、後工程で調整が必要になります。搬入後は、機器の向きが正しいか、接続部が計画どおりの方向を向いているか、接続相手との距離に無理がないかを確認します。


次に、保守スペースと操作スペースを確認します。機器には、日常点検、部品交換、フィルター清掃、扉開閉、計器の読み取り、緊急時の操作など、運用後に必要となる空間があります。施工時には収まって見えても、点検扉が開かない、工具が入らない、人が安全に立てない、表示部が見えにくいといった問題があると、機器の使用開始後に大きな不便が生じます。再設置を防ぐには、固定前の段階で、実際に扉を開ける方向、作業者が立つ位置、点検時の手の届き方まで確認することが必要です。


床や基礎の状態も重要です。機器の設置面に不陸があると、機器が傾いたり、荷重が一部に集中したりすることがあります。架台やレベル調整材で対応できる場合もありますが、調整範囲を超える不陸や、基礎そのものの位置ずれがある場合は、固定前に協議が必要です。無理に据え付けると、機器の振動、騒音、ボルトの緩み、接続部への負荷につながることがあります。位置合わせでは、水平位置だけでなく、設置面の状態と荷重のかかり方も確認するべきです。


周辺との干渉確認では、今見えているものだけでなく、これから施工されるものも考えます。搬入時点では配管や配線がまだ施工されていないため、空間に余裕があるように見えることがあります。しかし、後からダクト、ラック、保温材、カバー、点検歩廊、手すりなどが入ると、機器との離隔が不足する場合があります。位置合わせの段階で、完成時の状態を想定して確認しなければ、後から「置けてはいるが使いにくい」「納まってはいるが施工できない」という状況になります。


また、既設設備がある現場では、図面と現況の違いに注意が必要です。既設配管の位置、床の勾配、壁の出入り、開口の大きさ、天井高さ、梁下寸法などが図面と完全に一致しているとは限りません。改修工事や増設工事では、過去の施工変更が図面に反映されていないこともあります。機器搬入後の位置合わせでは、図面を基本情報としながらも、現況測定によって実際の納まりを確認する姿勢が必要です。図面だけに頼る位置合わせは、現場の実態とずれた判断を生みやすくなります。


周辺条件まで合わせるためには、関係工種との確認が欠かせません。建築、設備、電気、計装、保温、仕上げ、維持管理など、それぞれが見ているポイントは異なります。据付担当者だけで位置を決めると、後から別の工種が困る場合があります。搬入後の位置合わせでは、すべての関係者を長時間集める必要はありませんが、少なくとも重要な接続部や保守スペースについては、関係者が同じ現場を見て合意することが望ましいです。短い確認を省いた結果、後で大きな再設置になることは少なくありません。


手順4 仮置き段階で位置と高さを記録する

機器を本固定する前の仮置き段階は、位置合わせの中で重要な確認タイミングです。仮置きは、ただ一時的に機器を置く作業ではなく、図面、基準線、周辺条件、許容差が現場で成立しているかを検証する工程です。この段階で位置と高さを記録しておけば、固定前に問題を見つけやすくなり、後から位置の根拠を説明しやすくなります。逆に、仮置きの記録がないまま固定すると、ずれが見つかったときに、搬入時からずれていたのか、固定時に動いたのか、周辺作業で基準が変わったのかが分かりにくくなります。


仮置き段階で記録したいのは、機器芯と基準線の関係、壁や柱からの離隔、接続部の位置、高さ、水平状態、向き、周辺との干渉状況です。すべてを細かく測る必要はありませんが、再設置の判断に関わる箇所は必ず残します。特に、機器の角だけでなく、中心、接続口、操作面、保守面の位置を記録することが大切です。機器外形が合っていても、接続口の位置が計画とずれていれば問題になるため、機器のどこを測ったのかを明確にする必要があります。


写真記録も有効です。ただし、写真だけでは正確な寸法や高さが分かりにくいため、測定値や基準との関係を併せて残すことが重要です。写真を撮る場合は、機器全体の位置が分かる引きの写真、基準線との関係が分かる写真、接続部の近接写真、保守スペースの確認写真など、用途を分けて撮影します。床の墨や基準線が写っていない写真は、後から見ても位置合わせの根拠として弱くなります。記録は、現場で判断した内容を後から再現できるようにすることが目的です。


高さの記録では、床面からの距離だけでなく、どの床面を基準にしたかを明確にします。仕上げ前の床、仕上げ後の床、基礎天端、架台天端、周辺の基準高さが混在すると、同じ数値でも意味が変わります。特に、排水や勾配が関係する機器では、高さの数値が後工程に直結します。仮置き時に高さを記録しておけば、配管やダクトの施工前に調整が必要かどうかを判断しやすくなります。高さの確認を後回しにすると、平面位置は合っているのに接続できないという手戻りが起きやすくなります。


仮置き後には、固定前に機器が動いていないかも確認します。大型機器でも、微調整や水平調整、周辺作業によって少しずれることがあります。仮置き時の記録があれば、固定直前に再測定して差を確認できます。差が許容範囲内であればそのまま進められますが、許容範囲を超えていれば固定前に戻せます。固定後の修正は大きな手戻りになりやすいため、仮置き記録と固定直前確認を組み合わせることが再設置防止に役立ちます。


記録を残す際は、誰が見ても分かる表現にします。「少し壁側」「だいたい芯に合う」「問題なし」といった表現だけでは、後から判断できません。基準線からどれだけ離れているのか、どの点を測ったのか、どの方向に調整したのか、誰が確認したのかを残すことで、記録の価値が高まります。現場では時間が限られていますが、短い言葉でも具体性を持たせることが重要です。位置合わせの記録は、作業報告のためだけでなく、後工程の安心材料になります。


さらに、仮置き記録は次の機器据付にも役立ちます。同じ種類の機器を複数台設置する場合、最初の一台で確認した注意点を次の作業へ反映できます。基準線の見えにくさ、接続部の余裕不足、搬入方向による向きの間違い、床不陸の傾向などを記録しておけば、同じ失敗を繰り返しにくくなります。位置合わせをその場限りの作業にせず、現場全体の品質管理につなげるためにも、仮置き段階の記録は欠かせません。


手順5 固定前に最終確認し再設置の原因を残さない

機器搬入後の位置合わせで最後に重要になるのが、固定前の最終確認です。仮置きで問題がないように見えても、固定作業に入る直前には必ずもう一度、位置、高さ、向き、水平、周辺条件を確認します。固定後はアンカー、ボルト、溶接、支持材、配管接続、配線接続などが進み、機器を動かすための負担が一気に大きくなります。再設置を減らすためには、固定前を最後の判断点として明確に位置づけることが大切です。


固定前確認では、最初に基準線と機器位置の関係を再確認します。仮置き時には合っていても、水平調整や作業中の接触によってわずかに動いていることがあります。機器の一方向だけを見るのではなく、縦方向と横方向の両方から確認し、必要に応じて対角や複数点で測定します。大型機器では、片側だけが基準に合っていても、反対側が振れている場合があります。機器の向きや直角性も含めて確認することで、固定後に見た目や接続のずれが目立つリスクを減らせます。


次に、高さと水平状態を確認します。床面の不陸や調整材の入り方によって、仮置き時と固定直前で高さが変わる場合があります。固定によって機器が沈み込む、片側に力がかかる、ボルト締めで傾きが変わるといったことも考えられます。機器の仕様や用途によって必要な水平度は異なりますが、少なくとも接続部や操作面に支障が出ないかを確認する必要があります。高さのずれは、配管やダクトの納まりに影響しやすいため、固定前に見逃さないことが重要です。


固定前には、周辺作業との取り合いも再度見ます。仮置き確認後に、別工種の資材が置かれたり、配管ルートが変更されたり、仕上げの納まりが変わったりすることがあります。現場では、短時間の間にも条件が変わるため、仮置き時の確認だけで安心するのは危険です。特に、搬入後すぐに固定作業へ進む場合は、作業の流れが速く、確認が省略されがちです。固定前に一呼吸置いて、関係する図面と現況を照合する習慣を持つことが再設置防止につながります。


最終確認では、機器の将来運用も見落とさないようにします。固定位置が正しくても、扉が開きにくい、点検口に手が届かない、表示が見えない、周囲を人が通れない、搬出時に逃げがないといった問題があれば、長期的には不具合になります。施工中は「今取り付けられるか」に意識が向きがちですが、機器は設置して終わりではありません。運転、点検、修理、交換まで含めて考えることで、現場にとって本当に使いやすい位置合わせになります。


固定前の確認結果は、その場で関係者に共有します。問題がない場合でも、誰が確認し、どの基準で問題なしと判断したのかを残しておくと、後から確認しやすくなります。もし許容差ぎりぎりの箇所や、現場調整した箇所がある場合は、固定前に合意を取ることが必要です。作業を止めたくないという理由で曖昧なまま進めると、後から「聞いていない」「そこまでずれるとは思わなかった」という話になりやすくなります。固定前の合意は、再設置だけでなく、責任範囲の不明確さを防ぐ意味でも重要です。


最終確認で問題が見つかった場合は、その場で無理に固定しない判断も必要です。小さなずれに見えても、後工程への影響が大きい場合があります。逆に、図面との差があっても、周辺条件や運用上の問題がなく、関係者が合意できれば、現場調整として進められる場合もあります。大切なのは、固定前に判断することです。固定後に同じ判断をする場合、選択肢は少なくなり、費用や工程への影響が大きくなります。固定前確認は、再設置を防ぐ最後の安全弁といえます。


位置合わせを現場の標準作業にするために

機器搬入後の位置合わせを確実にするには、個人の経験や勘に頼りすぎない仕組みが必要です。熟練者がいれば現場は進みやすくなりますが、毎回同じ人が立ち会えるとは限りません。担当者が変わっても一定の品質で位置合わせできるように、確認する順序、見るべき基準、記録する項目、合意の取り方を現場の標準作業として整理しておくことが大切です。標準化されていない位置合わせは、その場の忙しさや担当者の判断に左右されやすくなります。


標準作業にするうえで有効なのは、搬入前、搬入直後、仮置き、固定前、固定後の各段階で確認する内容を分けることです。搬入前には図面、基準点、搬入経路、必要スペースを確認します。搬入直後には基準線と現況を確認します。仮置きでは位置と高さを測り、周辺条件を確認します。固定前には最終判断を行い、固定後には記録を残します。このように段階を分けると、何をいつ確認すればよいかが明確になり、確認漏れを減らせます。


また、位置合わせの標準化では、測定と記録をセットで考えることが重要です。測っただけで記録がなければ、後から根拠が残りません。記録だけがあっても、基準が曖昧なら意味が弱くなります。どの基準から、どの点を、どの方向に、どの程度測ったのかを残すことで、位置合わせの記録は品質管理の資料として使えるようになります。現場写真や測定値を整理しておけば、後工程の担当者にも説明しやすく、引き継ぎ時の誤解も減らせます。


位置合わせの精度を高めるには、現場の見える化も有効です。基準線や基準点が見えにくい現場では、作業者が感覚で合わせざるを得なくなります。基準を延長して表示する、仮基準を分かりやすく示す、機器芯や接続口の位置を現場で確認しやすくするなど、位置合わせしやすい環境をつくることが大切です。位置合わせの失敗は、作業者の注意不足だけでなく、基準が見えない、情報が伝わらない、確認する時間がないといった現場条件からも発生します。


関係者間のコミュニケーションも標準化の一部です。機器据付では、施工管理者、搬入業者、据付作業者、設備担当者、電気担当者、発注者側の確認者など、複数の立場が関わります。それぞれが違う図面や違う目的で現場を見るため、位置合わせの判断がずれることがあります。重要な機器では、固定前に誰が確認するのか、どの条件を満たせば固定してよいのかを事前に決めておくと、現場で迷いにくくなります。


さらに、再設置が発生した場合は、その原因を次に活かすことが重要です。再設置は避けたいものですが、発生した原因を記録すれば、次回の位置合わせ改善につながります。基準線の見間違い、図面情報の不足、許容差の未共有、周辺干渉の見落とし、固定前確認の省略など、原因を具体的に整理することで、次の現場で同じ問題を防げます。再設置を単なる失敗として終わらせず、標準作業の改善材料にする姿勢が、現場全体の品質を高めます。


位置合わせの標準化は、作業を増やすためではありません。むしろ、迷いや手戻りを減らし、短時間で確実な判断をするための仕組みです。搬入後の現場は、時間に追われることが多く、確認を省きたくなる場面もあります。しかし、基準確認、許容差共有、周辺条件確認、仮置き記録、固定前確認という流れが定着していれば、短い時間でも重要なポイントを外しにくくなります。機器搬入後の位置合わせは、現場の段取り力と品質管理力が表れやすい工程です。


まとめ

機器搬入後の位置合わせで再設置を減らすには、搬入した機器をすぐに固定するのではなく、基準、許容差、周辺条件、記録、最終確認の順に丁寧に見ていくことが重要です。まず、搬入直後に基準線と基準点を再確認し、どの線や点をもとに位置を合わせるのかを関係者で共有します。次に、据付位置の許容差を明確にし、どこまでが現場調整の範囲で、どこからが協議や再調整の対象になるのかをそろえます。


そのうえで、機器本体の中心や外形だけでなく、接続口、操作面、点検スペース、周辺設備、床や基礎の状態まで確認します。仮置き段階では、位置と高さを具体的に記録し、固定前に再測定できる状態をつくります。最後に、固定前の最終確認で位置、高さ、向き、水平、周辺条件を見直し、再設置の原因を残さないようにします。この流れを現場の標準作業にすれば、担当者が変わっても確認品質を保ちやすくなります。


位置合わせは、図面どおりに置くためだけの作業ではありません。機器が安全に使え、周辺設備と無理なく接続でき、将来の点検や更新にも支障が出ない状態をつくるための工程です。固定後に問題が見つかると、機器の移動だけでなく、配管、配線、支持材、仕上げ、工程調整まで影響が広がります。だからこそ、搬入後の短い時間であっても、基準を確認し、現況を測り、記録を残し、関係者で判断することが大切です。


現場での位置合わせをさらに確実にするには、位置情報、写真、測定結果を一体で管理できる仕組みづくりが役立ちます。機器の仮置き位置、基準点、接続部、周辺状況を現場で記録し、後から確認できる形にしておけば、再設置の予防だけでなく、施工管理や引き継ぎの精度も高めやすくなります。特定の機器や方法だけに頼るのではなく、現場条件に合った測定方法と記録方法を選び、位置合わせを標準作業として運用することが、再設置を減らす現実的な対策になります。


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