top of page

工区別に切土・盛土量を集計して進捗管理する5つの方法

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均7分45秒で読めます
​
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

造成工事や道路工事、河川工事などでは、現場全体の切土・盛土量だけでなく、工区ごとの施工数量を継続的に把握することが重要です。全体の土量が計画に近くても、特定の工区で切土が先行していたり、盛土材が不足していたりすると、運搬計画や重機配置、次工程の開始時期に影響します。


しかし、工区別の土量管理では、計測範囲の重複、基準面の不統一、データ更新日のずれなどによって、実際の施工状況と集計結果が一致しないことがあります。計算方法そのものが正しくても、集計単位や運用ルールが曖昧であれば、進捗判断に使える数字にはなりません。


切土・盛土の体積計算を進捗管理に活用するには、工区境界を明確にし、同じ条件で計測したデータを比較し、計画数量と実績数量を対応させる必要があります。また、単に累計土量を求めるだけでなく、残数量や施工速度、工区間の土量移動まで確認できる仕組みにすることが大切です。


この記事では、「切土 盛土 体積 計算」と検索している施工管理者、測量担当者、土工担当者に向けて、工区別に土量を集計し、現場の進捗管理へつなげる5つの方法を解説します。計測から集計、確認、共有までの考え方を整理し、日常の管理に取り入れやすい運用方法を紹介します。


目次

• 工区別に切土・盛土量を管理する目的

• 方法1 工区境界と集計単位を施工前に統一する

• 方法2 同一条件の地形データから切土・盛土量を計算する

• 方法3 計画数量と実績数量を工区ごとに対応させる

• 方法4 累計数量と期間数量を分けて進捗を確認する

• 方法5 工区間の土量移動と残数量を一体で管理する

• 工区別の進捗率を正しく評価する考え方

• 集計結果が合わないときに確認したい原因

• 工区別土量管理を現場へ定着させるポイント

• まとめ


工区別に切土・盛土量を管理する目的

工区別管理の目的は、現場全体の土量を細かく分けることではありません。どの場所で、どれだけ施工が進み、どの作業が遅れているのかを把握し、次の判断につなげることが本来の目的です。


現場全体で切土が1万立方メートル進んでいたとしても、その数量が予定していた工区で施工されたものとは限りません。施工条件の良い工区を先行した結果、全体数量は進んでいても、重要な構造物周辺や次工程につながる工区が未着手ということがあります。この場合、全体の切土進捗率だけを見ると順調に見えますが、工程全体では遅れが生じている可能性があります。


工区別に数量を管理すると、施工順序と土量進捗の関係が明確になります。たとえば、第一工区の切土が完了しなければ排水構造物を施工できない場合、第一工区の残切土量を把握することで、次工程の開始時期をより具体的に見通せます。


盛土についても同様です。盛土量の累計だけでなく、計画高まで残り何立方メートル必要なのか、現在の施工速度ではいつ完了するのかを工区ごとに確認できます。盛土材の搬入量や転用土の供給量と組み合わせれば、材料不足が発生する時期も予測しやすくなります。


さらに、工区別の集計結果は、重機や運搬車両の配置を調整する資料として利用できます。切土が予定より早く進んでいる工区から、遅れている工区へ重機を移す判断や、盛土材の供給先を変更する判断を、数量に基づいて行えるようになります。


ただし、工区を細かく分けすぎると、計測や集計の作業量が増え、管理が複雑になります。反対に、工区を大きく設定しすぎると、局所的な遅れを把握できません。工程、施工班、地形条件、土の移動経路などを踏まえ、判断に必要な大きさで工区を設定することが重要です。


方法1 工区境界と集計単位を施工前に統一する

工区別に切土・盛土量を正確に集計するためには、最初に工区境界を明確にする必要があります。工区境界が担当者ごとに異なると、同じ地形データを使用しても集計結果が一致しません。


工区境界は、平面図上の線だけでなく、現地で確認できる位置と対応させます。測点、構造物の位置、道路中心線、敷地境界、施工区画線など、現場で識別しやすい基準を利用すると管理しやすくなります。単に図面上の見た目で区切るのではなく、座標を持つ閉じた範囲として定義することが重要です。


境界線が閉じていない場合や、隣接する工区の間に隙間がある場合、集計対象から漏れる範囲が発生します。反対に、工区同士が重なっている場合は、同じ土量を複数の工区で計上する二重計上につながります。全工区を合計した数量と現場全体の数量が一致しない場合は、境界の重複や隙間を疑う必要があります。


工区境界を決める際は、境界上の土量をどちらの工区へ含めるかというルールも統一します。通常、境界線そのものには面積がないため、理論上は大きな数量差が生じにくいものの、法面や段差を含む範囲では、境界線の引き方によって体積が変わることがあります。特に法面の途中で工区を分ける場合は、法肩、法尻、測点断面など、明確な位置で区切るほうが再現性を確保しやすくなります。


集計単位についても、施工前に決めておきます。単位は立方メートルで統一し、丸める桁数や小数点以下の扱いを揃えます。日々の管理では整数に丸め、出来形確認では小数点以下まで保持するなど、用途によって表示桁を変える場合でも、元データは同じ精度で保存しておくことが望ましいです。


工区名や工区番号の付け方も重要です。担当者が自由に名称を入力すると、同じ工区が異なる名称で登録され、集計時に別の工区として扱われることがあります。「第1工区」「第一工区」「1工区」のような表記ゆれを防ぐため、工区番号と正式名称をあらかじめ決め、計測データ、写真、日報、土量集計表で共通して使用します。


工区の途中で施工範囲が変更された場合は、境界データを上書きするだけではなく、変更前後の区分を記録します。過去に集計した数量を新しい境界で再計算すると、以前の報告値との比較が難しくなるためです。変更日、変更理由、旧境界、新境界を残し、どの期間から新しい範囲を適用したかを明確にします。


工区別集計の精度は、体積計算の方式だけで決まるものではありません。どの範囲を、どの名称で、どの単位により集計するかを統一することが、信頼できる進捗管理の出発点になります。


方法2 同一条件の地形データから切土・盛土量を計算する

工区別の切土・盛土量を比較する際は、計測時期の異なる地形データを同一条件で処理する必要があります。計測方法、座標系、標高基準、対象範囲などが異なると、施工による変化ではない差まで土量として計算される可能性があります。


切土・盛土の体積計算では、施工前の地形面と施工後の地形面、または現況地形面と設計面を比較します。現況面が比較対象より高い部分を切土、低い部分を盛土として扱う方法が一般的です。ただし、使用する計算方式や符号の定義によって表示方法が異なる場合があるため、切土と盛土の正負を事前に確認します。


計算方法には、平均断面法、メッシュ法、三角網による地形面比較などがあります。どの方法を用いる場合でも、同じ工区の時系列比較では、できるだけ同じ方式と設定を継続して使うことが重要です。途中でメッシュ寸法や三角網の生成条件を変更すると、実際の施工量だけでなく、計算条件の違いによる差が含まれることがあります。


平均断面法では、隣接する断面の面積を平均し、断面間距離を掛けて体積を求めます。直線的な道路工事や水路工事など、測点に沿って施工する現場で利用しやすい方法です。ただし、断面間で地形や施工幅が大きく変化する場所では、断面間隔を細かくするなどの対応が必要です。


メッシュ法では、対象範囲を一定間隔の格子に分割し、各格子における高さの差から体積を積み上げます。広い造成地や複雑な地形でも工区別に分割しやすい一方、メッシュが粗すぎると小さな段差や局所的な掘削を十分に表現できないことがあります。反対に、必要以上に細かくすると、計測ノイズや地表面の細かな凹凸が数量へ反映されやすくなります。


三角網による比較では、計測点から構成した地形面同士の高さ差を用いて体積を求めます。点群などの高密度データを利用しやすい方法ですが、植生、重機、資材、仮設物などが地表面として残っていると、誤差の原因になります。土量計算に使用する前に、施工対象ではない点を除外し、必要に応じて地表面を補間します。


工区別に比較する場合は、各工区で同じ基準面を使用します。たとえば、第一工区は施工前地形と比較し、第二工区は前回計測時の地形と比較すると、工区間で数量の意味が異なってしまいます。累計施工量を求めるのか、前回からの期間施工量を求めるのかを明確にし、比較対象を統一します。


累計施工量は、着工前地形と現在地形を比較して求めます。期間施工量は、前回地形と今回地形を比較して求めます。理論上は期間施工量を積み上げると累計施工量に近づきますが、計測誤差、対象範囲の違い、データ処理条件の変更などによって差が生じることがあります。そのため、一定の間隔で着工前地形から累計数量を再計算し、期間数量の合計と照合することが有効です。


計測範囲の外周処理にも注意が必要です。前回と今回で計測範囲が異なる場合、両方のデータが存在する共通範囲だけを比較するのか、欠測部分を補間するのかによって結果が変わります。進捗管理では、原則として比較可能な範囲を明示し、未計測部分を実績数量に含めない運用が安全です。


座標系や標高基準が異なるデータを重ねると、地形面全体が水平または鉛直方向にずれ、大きな切土・盛土量として計算されることがあります。計測前後で既知点を確認し、位置や高さに不自然な差がないことを確認してから体積を算出します。


方法3 計画数量と実績数量を工区ごとに対応させる

工区別の進捗管理では、計測した実績数量だけでなく、工区ごとの計画数量が必要です。実績が何立方メートル進んだかを把握できても、計画に対してどの程度進んでいるかが分からなければ、工程判断には十分に活用できません。


まず、設計データや施工計画から、各工区の切土計画量と盛土計画量を整理します。このとき、全体数量を単純に面積比で分けるのではなく、工区境界ごとに設計面と施工前地形を比較し、工区別の計画数量を計算することが重要です。地形や計画高が異なるため、面積が同じでも必要な切土・盛土量は同じになりません。


計画数量と実績数量は、同じ範囲、同じ基準、同じ土量区分で対応させます。計画数量が地山状態の体積で、実績数量が運搬車両の積載量である場合、そのまま比較することはできません。掘削前の地山土量、掘削後のほぐれた土量、締固め後の盛土量では、同じ土であっても体積が変化します。


土量変化率や締固めに関する係数は、土質、含水状態、施工方法などによって異なります。一律の値をすべての現場へ適用するのではなく、設計条件、試験結果、施工計画などに基づいて設定します。進捗管理の途中で係数を変更する場合は、過去数量への影響を確認し、変更前後の計算条件を記録します。


切土と盛土は別々に進捗率を求めます。たとえば、切土が計画の80%まで進み、盛土が計画の50%まで進んでいる場合、両方を単純に合計した進捗率だけでは、盛土の遅れを見落とす可能性があります。切土、盛土、場外搬出、場外搬入、仮置きなど、工程上の意味が異なる数量は分けて管理します。


工区内に構造物、既設物、表土除去範囲、地盤改良範囲などが含まれる場合は、計画数量の内訳を明確にします。たとえば、設計上の総掘削量に構造物掘削が含まれている一方、現地計測では造成面だけを対象としていると、実績数量が計画へ到達しないように見えることがあります。


また、計画数量そのものが施工中に変わる場合があります。設計変更、地盤状況の判明、施工範囲の変更などによって最終数量が増減することは珍しくありません。変更が確定した場合は、当初計画数量と変更後計画数量を分けて保存し、進捗率の基準がいつ変更されたかを記録します。


変更後の数量だけを表示すると、前回までの進捗率と連続性がなくなります。たとえば、計画切土量が1万立方メートルから1万2千立方メートルに増えた場合、実績が6千立方メートルなら、進捗率は60%から50%へ変わります。施工が後退したわけではなく、計画数量が増えたことによる変化です。進捗率だけでなく、実績数量と計画変更の内容も合わせて共有する必要があります。


工区別の計画数量を基準として設定しておくと、残数量も計算できます。残切土量は計画切土量から累計切土量を差し引き、残盛土量は計画盛土量から累計盛土量を差し引いて求めます。ただし、過掘りや余盛り、設計変更などが発生した場合は、単純な差だけでは施工上の残作業を正確に表せないため、現場状況と照合します。


方法4 累計数量と期間数量を分けて進捗を確認する

工区別の土量進捗を管理する際は、着工から現在までの累計数量と、前回計測から今回計測までの期間数量を分けて確認します。この二つを混同すると、施工速度の変化や集計ミスを発見しにくくなります。


累計数量は、工区全体の完成度を判断するために使用します。計画数量に対する累計数量の割合を求めれば、工区別の数量進捗率を確認できます。第一工区の切土計画量が5千立方メートルで、累計切土量が4千立方メートルなら、数量上の進捗率は80%です。


一方、期間数量は、一定期間にどれだけ施工したかを確認するために使用します。日次、週次、月次などの単位で期間数量を比較すると、施工速度の増減を把握できます。累計進捗率が高くても、直近の期間数量が急減している場合は、重機故障、搬出先の制約、天候、土質変化などによって作業が停滞している可能性があります。


期間数量を稼働日数で割れば、一日当たりの平均施工量を求められます。ただし、暦日数ではなく、実際に土工を行った日数や時間を用いることが重要です。降雨による休工日や、測量のみを行った日を含めると、施工能力を必要以上に低く評価することがあります。


一日当たり施工量と残数量を使えば、完了までに必要な日数の目安を計算できます。残切土量が2千立方メートルで、直近の平均施工量が一日200立方メートルなら、単純計算では10稼働日が必要です。ただし、施工終盤は作業範囲が狭くなり、仕上げ作業が増えるため、同じ施工速度が続くとは限りません。


進捗予測では、一つの平均値だけを使用せず、直近数日、直近数週間、着工から現在までの平均を比較すると変化を把握しやすくなります。直近の施工速度が継続的に低下している場合は、過去全体の平均だけで完了日を予測すると、実際より早い見込みになる可能性があります。


工区別の期間数量を比較すると、重機配置の効果も確認できます。ある工区へ重機を追加した後に期間施工量が増えたか、運搬経路を変更した後に搬出量が改善したかなど、対策の効果を数量で評価できます。


ただし、期間数量が多ければ常に良いとは限りません。切土を急速に進めても、盛土先の準備が整っていなければ、仮置き量が増え、二次運搬が必要になることがあります。切土工区だけでなく、受入側の盛土工区や仮置き場の状況も合わせて確認します。


計測間隔が一定でない場合は、期間数量だけを並べても施工速度を比較できません。前回から3日間の数量と、前回から10日間の数量では条件が異なるためです。期間日数、稼働日数、稼働時間などで換算し、比較可能な指標にします。


また、累計数量と期間数量の整合も定期的に確認します。前回の累計数量に今回の期間数量を加えた値と、今回の累計数量が大きく異なる場合は、工区境界、比較面、データ処理条件などが変わっている可能性があります。差が発生した理由を記録せずに数値だけを更新すると、後から数量の経緯を説明できなくなります。


方法5 工区間の土量移動と残数量を一体で管理する

切土・盛土量を工区別に集計するだけでは、現場内の土の流れを十分に管理できません。切土工区で発生した土が、どの盛土工区へ運ばれたのか、仮置きされたのか、場外へ搬出されたのかを把握する必要があります。


切土量と盛土量は、必ずしも同じ体積で一致しません。掘削によるほぐれ、運搬中の状態変化、締固め、選別、含水状態などによって体積が変わるためです。また、切土のすべてを盛土材として使用できるとは限らず、土質や異物混入の状況によっては、場外搬出や別用途への処理が必要になります。


そのため、工区別管理では、発生元、移動先、土量区分を対応させます。たとえば、第一工区から発生した切土のうち、第二工区へ転用した数量、仮置き場へ運んだ数量、場外へ搬出した数量を分けて記録します。


工区間の移動量を記録すると、切土実績と盛土実績の差を説明しやすくなります。切土が進んでいるのに盛土が増えていない場合、仮置き量や場外搬出量が増えている可能性があります。反対に、盛土が切土より先行している場合は、場外から材料を搬入している可能性があります。


仮置き場は、一時的な保管場所であるため、搬入量と搬出量を継続して管理します。仮置き場への累計搬入量から累計搬出量を差し引けば、帳簿上の残量を求められます。ただし、仮置き土は沈下や締固まり、整形によって形状が変わるため、定期的に現地計測による体積と照合することが重要です。


帳簿上の残量と計測体積に差がある場合、運搬記録の漏れ、計測範囲の違い、土量換算条件の不一致などを確認します。差をすべて計測誤差として処理するのではなく、どの時点から差が拡大したかを追跡すると原因を絞り込みやすくなります。


残数量を管理する際は、工区ごとの残切土量と残盛土量だけでなく、転用可能な土量も確認します。残切土量が多くても、その土が盛土材として使用できなければ、別途搬入が必要です。反対に、切土材を有効に転用できれば、場外搬出と場外搬入を抑えられる可能性があります。


土量収支を確認する際は、計画段階と実績段階を分けます。計画段階では、どの切土工区からどの盛土工区へ何立方メートル転用する予定かを整理します。実績段階では、実際の移動量を記録し、計画との差を確認します。


計画と実績の差が大きくなった場合は、運搬計画や施工順序を見直します。盛土工区の進捗が遅れ、転用土の受入れができない場合は、切土を一時的に抑える、仮置き場所を確保する、別工区へ転用するなどの判断が必要です。


工区間の土量移動を一体で管理すると、単なる進捗確認だけでなく、運搬回数、仮置き量、搬入不足、搬出超過などの問題を早い段階で把握できます。切土と盛土を別々の集計表で管理するのではなく、土の発生から使用、保管、搬出までを連続した流れとして捉えることが重要です。


工区別の進捗率を正しく評価する考え方

工区別の切土・盛土量から進捗率を求める場合、数量進捗率がそのまま工事全体の進捗率を表すわけではない点に注意が必要です。


土量進捗率は、計画土量に対する実績土量の割合です。計算自体は分かりやすいものの、施工難易度や作業時間は場所によって異なります。広く掘削しやすい場所の1千立方メートルと、構造物周辺を慎重に掘削する1千立方メートルでは、必要な時間や労力が同じとは限りません。


施工序盤に作業しやすい場所を進めると、数量進捗率は早く上昇します。しかし、狭い場所、仕上げ掘削、法面整形などが残ると、終盤の進捗速度が低下します。数量進捗率が90%であっても、残り10%に多くの作業時間を要することがあります。


そのため、土量進捗率は、工程進捗、作業日数、施工箇所、残作業の内容などと合わせて評価します。数量だけで完了時期を判断せず、残っている範囲の施工条件を確認します。


切土と盛土の進捗率を一つの値へまとめる場合は、計画上の重要度や施工量に応じた扱いが必要です。切土量と盛土量を単純に合計すると、数量の大きい作業の影響が強くなります。たとえば、大規模な切土が進んでいる一方で、工程上重要な盛土が遅れていても、全体進捗率は高く見えることがあります。


工区別に進捗を評価するときは、土量の多さだけでなく、次工程への影響を確認します。次工程を開始するために必要な部分が完了しているか、作業用道路が確保されているか、排水処理が整っているかなど、数量では表しにくい条件もあります。


また、過掘りや余盛りによって実績数量が計画数量を超えると、進捗率が100%を超える場合があります。これは必ずしも施工が予定以上に進んだことを意味しません。計測範囲、設計面、施工状態を確認し、必要数量を超えた理由を把握します。


進捗率を報告するときは、算定基準日を明記します。異なる日時に計測した工区の数値を同じ一覧へ載せると、工区間の比較を誤る可能性があります。全工区を同日に計測できない場合は、各工区の計測日を表示し、情報の時点を明確にします。


集計結果が合わないときに確認したい原因

工区別集計の合計と現場全体の土量が一致しない場合は、すぐに体積計算の精度だけを疑うのではなく、集計条件を順に確認します。


最初に確認したいのは、工区境界の重複と隙間です。隣接工区の範囲が重なっていれば二重計上が発生し、隙間があれば未計上部分が発生します。工区境界を重ねて表示し、現場全体を過不足なく覆っているか確認します。


次に、工区ごとに使用している比較面を確認します。着工前地形、前回地形、設計面など、異なる面を比較している数量は単純に合計できません。同じ名称の集計結果であっても、累計数量と期間数量が混在している場合があります。


計測範囲の違いも原因になります。前回は工区全体を計測できたものの、今回は重機や資材のため一部が欠測している場合、比較可能な面積が減ります。欠測範囲を自動的に補間した結果、不自然な地形面が生成されることもあります。


地表面に残った重機、土のう、資材、植生、水面などが体積に含まれていないかも確認します。特に点群から地形面を作成する場合、施工対象以外の物体を除外しなければ、盛土として計算されることがあります。


座標や標高のずれがある場合は、工区全体に広く切土または盛土が発生したような結果になります。既知点や変化していない構造物を比較し、前回と今回のデータが正しく重なっているか確認します。


設計面の範囲や形状にも注意が必要です。設計面の外側まで現況面を比較している場合、施工対象外の地形差が数量に含まれます。法面、小段、排水施設、構造物控除などが設計面へ正しく反映されているかを確認します。


集計時の符号や表示設定が異なっている可能性もあります。ある集計では切土を正、盛土を負として表示し、別の集計では反対の設定になっていると、合計時に相殺されることがあります。数値だけでなく、切土と盛土の定義を確認します。


丸め処理による差も発生します。各工区の数量を整数へ丸めてから合計した値と、小数点以下を保持したまま合計して最後に丸めた値では、わずかな差が生じます。工区数が多いほど差が積み重なるため、元データでは十分な桁数を保持します。


集計結果を修正する場合は、数字だけを直接書き換えないことが重要です。工区境界、比較面、除外範囲、計算条件など、原因となるデータを修正して再計算します。手入力で調整すると、その後の再集計で同じ差が発生し、修正の根拠も追跡できなくなります。


工区別土量管理を現場へ定着させるポイント

工区別の土量管理は、一度だけ精密に計算しても、進捗管理としては十分ではありません。同じ方法で継続的に計測し、結果を確認し、現場の判断へ反映する運用が必要です。


まず、計測の頻度を工程に合わせて決めます。土工が急速に進む時期は短い間隔で計測し、施工量が少ない時期は間隔を延ばすなど、変化の大きさに応じて調整します。ただし、担当者の都合だけで計測日が不規則になると期間比較が難しくなるため、週次や出来形到達時など、基本となるタイミングを設定します。


計測担当者が複数いる場合は、現地での計測手順を統一します。工区境界の確認方法、計測開始位置、計測範囲、欠測時の対応、データ名称などを共通化します。誰が計測しても同じ条件に近づけることで、担当者交代による数値の変化を抑えられます。


データの名称には、現場名、工区名、計測日、データ種別などを含めます。名称だけで内容を判断できるようにしておくと、着工前データと施工途中データの取り違えを防ぎやすくなります。修正版を作成する場合は、元データを残し、修正理由を記録します。


集計結果は、数値だけで共有するのではなく、対象範囲と計測日を合わせて共有します。同じ「第一工区の切土量」であっても、工区境界や基準日が異なれば意味が変わります。確認者が集計条件を理解できる情報を残します。


異常値を判断する基準も決めておきます。前回と比較して期間施工量が急増した場合や、切土と運搬記録の差が大きくなった場合など、再確認が必要な条件を設定します。数値が大きく変化したときに自動的に施工が進んだと判断せず、現場状況と照合します。


定例会議では、工区ごとの累計切土量、累計盛土量、期間数量、残数量、計画との差を確認します。ただし、すべての数字を細かく説明するのではなく、遅れている工区、土量収支に差がある工区、次工程へ影響する工区を重点的に確認します。


進捗管理の目的は、報告書を作ることではなく、施工を改善することです。数量を集計した後に、重機配置を変更するのか、運搬先を変えるのか、計測を追加するのかといった対応へつなげます。集計して終わる運用では、計測負担だけが増えてしまいます。


現場での確認を効率化するには、計測、位置情報、写真、工区名を関連付けて保存することも有効です。数値に異常があったとき、該当位置の写真や計測状況をすぐ確認できれば、原因調査に要する時間を短縮できます。


まとめ

工区別に切土・盛土量を集計することで、現場全体の数量だけでは見えにくい施工の偏りや遅れを把握できます。重要なのは、工区別の数値を作成することではなく、その数値を工程、重機配置、運搬計画、材料手配などの判断へ活用することです。


信頼できる集計結果を得るためには、工区境界と名称を統一し、同一条件の地形データを比較する必要があります。さらに、計画数量と実績数量を同じ基準で対応させ、累計数量と期間数量を分けて確認することで、工区ごとの完成度と施工速度を把握できます。


切土工区と盛土工区の数量は、別々に管理するだけでは十分ではありません。工区間の転用、仮置き、場外搬出、場外搬入まで含めて土の流れを管理すると、盛土材の不足や仮置き場の超過といった問題を早期に発見しやすくなります。


また、土量による進捗率は、施工状況を示す重要な指標ですが、工事全体の進捗を単独で表すものではありません。残っている施工範囲の難易度や次工程への影響を確認し、工程進捗と合わせて評価することが必要です。


工区別管理を継続するには、計測日、対象範囲、基準面、計算条件を記録し、誰が作業しても同じ結果を再現できる仕組みを整えます。集計結果に差が出た場合も、数値を直接調整するのではなく、境界、地形面、座標、除外範囲などの原因を確認して再計算することが大切です。


現場で工区ごとの地形を計測し、切土・盛土の体積計算から進捗確認までを効率化したい場合は、位置情報と現況データを現場で取得できるLRTK Phoneの活用も選択肢になります。工区ごとの計測結果を継続的に蓄積し、計画数量と比較できる環境を整えることで、経験や感覚だけに頼らない土量進捗管理へつなげられます。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

​

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

​

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page