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88条申請の添付図書が未確定なら?提出前に取るべき対応

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

88条申請について「何日前までに出せばよいか」を調べている実務担当者にとって、提出期限と同じくらい悩ましいのが添付図書の確定タイミングです。工事計画、仮設計画、施工手順、設備配置、安全対策図などは、発注者、設計者、元請、専門工事会社との調整が終わるまで動くことがあります。しかし、図面が完全に固まるまで待っていると、30日前または14日前という届出期限に間に合わなくなるおそれがあります。


ここで注意したいのは、実務上「88条申請」と呼ばれていても、法令上は労働安全衛生法第88条に基づく計画の届出として扱われるという点です。つまり、単に書類を出せばよい手続きではなく、工事や仕事の開始前に、安全衛生上の重要な計画を確認できる状態にしておくための届出です。この記事では、88条申請の添付図書が未確定の場合に、提出前に何を確認し、誰に相談し、どのように書類を整えるべきかを実務目線で整理します。


目次

88条申請は添付図書の完成を待つ手続きではない

まず確認すべきは30日前か14日前かという期限

添付図書が未確定になる主な原因

未確定のまま提出してよいかを判断する考え方

提出前に管轄労基署へ確認すべき内容

仮の図面を使う場合に避けたい書き方

差し替えや補正を前提にした社内段取り

着工日を守るための逆算スケジュール

現場情報の精度を上げることが添付図書の手戻りを減らす

まとめ


88条申請は添付図書の完成を待つ手続きではない

88条申請では、提出期限の起算点を誤解しないことが重要です。期限は、添付図書が完成した日から数えるのではなく、対象となる工事または仕事の開始日から逆算して考えます。法令上は、機械等の設置、移転、主要構造部分の変更に関する届出や、建設業に属する一定の仕事に関する届出について、30日前または14日前という期限が問題になります。したがって、添付図書が未確定だからといって準備を止めてしまうと、期限管理そのものが後手に回ります。


ただし、これは未完成の図書をそのまま出してよいという意味ではありません。届出に必要な図面や書面は、対象となる工事や仕事の内容、安全対策、使用する機械、作業範囲、工程などを確認できるものでなければなりません。未確定部分がある場合は、そのまま放置するのではなく、どの部分が未確定なのか、なぜ未確定なのか、安全性の判断に影響するのか、いつ確定するのかを整理する必要があります。


添付図書が未確定であること自体は、現場実務では珍しくありません。施工計画は、設計図、現地条件、仮設計画、工程、専門工事会社の施工方法、使用する機械、資材搬入経路、周辺道路条件などに影響されます。そのため、早い段階では一部の図面が暫定版であったり、構造検討や安全対策の確認が途中であったりします。問題は、未確定であることそのものよりも、未確定部分を誰も管理していない状態です。


88条申請の目的は、工事や仕事を始める前の計画段階で、労働災害を防止するための方法、設備、施工方法、周辺条件などを確認できるようにすることです。したがって、提出時点で重要なのは、見た目だけ整った図面をそろえることではなく、実際の施工計画に即した安全対策を説明できることです。未確定の部分がある場合は、その部分が安全対策の骨格に関わるのか、後で表記や詳細寸法を整えれば足りる範囲なのかを切り分けなければなりません。


実務上避けたいのは、提出期限だけを守るために、現場で実施する計画と大きく異なる仮図面を添付することです。仮図面の内容が実際の施工とずれている場合、提出後に補正や差し替えが必要になるだけでなく、計画の前提が正しく伝わっていなかったと見られるおそれがあります。逆に、未確定部分を正直に整理し、確定済みの範囲、未確定の理由、確定予定、変更時の対応方針を説明できる状態にしておけば、管轄への相談や社内判断を進めやすくなります。


つまり、添付図書が未確定なときに取るべき基本姿勢は、完成を待って何もしないのではなく、未確定部分を管理することです。どこが決まっていて、どこが決まっていないのか。その未確定部分は、墜落、崩壊、倒壊、接触、巻き込まれ、有害物ばく露、火災、交通災害などのリスクに関係するのか。関係する場合は、どの条件を前提に安全側へ検討しているのか。これらを整理したうえで、管轄労基署などへ事前確認することが、期限遅れと手戻りの両方を防ぐ現実的な対応です。


まず確認すべきは30日前か14日前かという期限

「88条申請は何日前か」という疑問に対して、最初に押さえるべき答えは、すべてが一律ではないということです。対象が機械等の設置、移転、主要構造部分の変更に関する届出なのか、特に大規模な建設業の仕事なのか、一定規模以上の建設工事などに関する届出なのかによって、期限、提出先、添付図書の考え方が変わります。過去に似た工事で14日前だったから今回も同じ、あるいは前回30日前だったから今回も同じと決めつけるのは危険です。


30日前が問題になる代表的な場面は、危険または有害な作業を必要とする一定の機械等を設置、移転、変更する場合や、重大な労働災害を生ずるおそれのある特に大規模な建設業の仕事を開始する場合です。機械等に関する届出では、所轄の労働基準監督署長への届出が問題になります。一方、特に大規模な建設業の仕事では、厚生労働大臣への届出となる類型があるため、通常の現場単位の感覚だけで提出先を判断してはいけません。


14日前が問題になる場面もあります。建設業その他一定の業種に属する事業の仕事で、法令で定められた種類や規模に該当するものを開始しようとする場合には、仕事開始日の14日前までの届出が問題になります。ここでいう14日前は、添付図書の完成予定日から14日前ではなく、対象となる仕事の開始日から逆算する考え方です。


添付図書が未確定な案件ほど、この期限確認を早めに行う必要があります。図面が未確定なまま日数だけが過ぎると、本来はかなり早い段階から事前相談と図書整理を進めるべき30日前案件を、14日前案件の感覚で動かしてしまうおそれがあります。また、同じ工事の中に、機械等の設置に関する届出と建設工事に関する計画届が重なるような場合には、それぞれの対象、提出先、期限、添付図書を分けて確認する必要があります。


期限の確認では、着工日という言葉にも注意が必要です。現場の感覚では、地鎮祭、仮囲い、準備工、掘削開始、足場組立、機械搬入、設備据付などをまとめて着工と呼ぶことがあります。しかし、88条申請で問題となる開始日がどの作業を指すのかは、対象となる届出の内容によって慎重に見なければなりません。社内工程表の大まかな着工日だけで判断すると、実際には届出対象作業の開始がもっと早かったという事態が起こり得ます。


したがって、添付図書が未確定なときこそ、最初にこの案件は何の届出なのか、提出先はどこなのか、期限は30日前なのか14日前なのか、開始日として見るべき作業はどれなのかを確認します。この四点が曖昧なまま図面作成を進めても、後で提出期限や必要図書が変わり、作業のやり直しが発生します。期限確認は単なる事務作業ではなく、工程リスクと安全リスクを抑えるための最初の確認です。


添付図書が未確定になる主な原因

添付図書が未確定になる原因は、単に担当者の準備不足とは限りません。施工計画は現地条件や関係者調整に左右されるため、合理的な理由で未確定になることがあります。代表的なのは、設計図と施工図の整合がまだ取れていない場合です。意匠、構造、設備、外構、仮設計画の情報がそろっていないと、施工手順、仮設設備の配置、安全通路、資材置場、揚重範囲などを確定しにくくなります。


次に多いのは、現地調査が未完了のケースです。周辺道路の幅員、架空線、地下埋設物、隣接建物、敷地境界、高低差、既存構造物、地盤条件、搬入出経路などが確定していないと、計画図の精度が上がりません。特に掘削、土止め、杭、揚重、足場、仮設通路などは、現地条件の影響を強く受けます。図面上は成立している計画でも、現地で確認すると重機の旋回範囲が足りない、資材置場が確保できない、隣地や道路との離隔が不足する、といった問題が出ることがあります。


専門工事会社の施工方法が未決定であることも大きな要因です。足場の種類、支保工の構成、掘削方法、揚重方法、機械の据付手順、搬入方法、解体手順などは、実際に施工する会社の計画に依存します。元請側で大枠の計画を作っていても、専門工事会社の検討後に部材構成や施工順序が変わることがあります。この変更が安全対策に影響する場合、添付図書にも反映する必要があります。


発注者や設計者との調整が終わっていない場合もあります。工区分け、部分使用、夜間作業、近隣対応、既存施設を稼働させながらの工事、設備停止期間、搬入可能時間などは、施工計画に直結します。これらが未確定のままでは、工程表、安全通路、作業範囲、立入禁止範囲、仮設設備の配置を確定しにくくなります。


さらに、現場では工程短縮の要請が入ることがあります。提出期限に間に合わせようとしている途中で、工期短縮、施工順序変更、同時作業の増加、重機台数の増加が検討されると、添付図書は大きく変わります。88条申請の添付図書は、形式資料ではなく、労働災害防止のための計画を示す資料です。工程変更が安全対策に影響する場合は、図面も工程表も見直さなければなりません。


このように、添付図書が未確定になる背景には、設計、現地、施工、工程、発注者調整が複雑に絡みます。大切なのは、未確定であることを隠すのではなく、原因別に分けて管理することです。図面そのものが未完成なのか、現地条件の確認待ちなのか、専門工事会社の検討待ちなのか、発注者判断待ちなのかによって、次に取るべき行動は変わります。


未確定のまま提出してよいかを判断する考え方

添付図書が未確定の場合に最も難しいのは、この状態で提出準備を進めてよいのかという判断です。ここでの基本は、未確定部分が、届出内容の確認に必要な安全事項に関係するかどうかを見ることです。届出には、対象となる機械等、建設物等、工法、工程、安全設備、労働災害防止措置などを説明する図面や書面が求められるため、未確定部分がその中心に関わる場合は、安易に軽微な未完成として扱うべきではありません。


未確定部分が、作業範囲、重機配置、支保工や足場の構造、掘削深さ、土止め方法、墜落防止措置、倒壊防止措置、機械の安全距離、作業床、昇降設備、立入禁止範囲、有害物対策、火災防止、交通誘導などに関係する場合は、慎重な対応が必要です。これらは安全性の判断に直結するため、暫定情報で相談や提出を進められるか、提出時までに確定版が必要かを、管轄労基署などに確認する必要があります。


一方で、図面の表記、縮尺の調整、注記の整理、社内承認欄、軽微な名称修正など、安全対策の中身に影響しない部分であれば、提出準備を進めながら最終調整できる場合があります。ただし、それでも提出時に不整合があると確認に時間がかかるため、図面番号、改訂番号、作成日、担当者、変更履歴は整理しておくべきです。


判断を誤りやすいのは、見た目には小さな変更に見えても、安全計画上は大きな意味を持つ場合です。たとえば、足場の一部位置が変わるだけでも、隣地との離隔、壁つなぎ、昇降設備、資材搬入経路、作業床の幅、墜落防止措置に影響することがあります。重機の位置が少し変わるだけでも、旋回範囲、アウトリガー設置場所、地耐力、架空線との離隔、作業員通路との交錯が変わります。掘削範囲の変更も、土止め、排水、法面、近接構造物への影響を伴います。


したがって、未確定図書を、形式的な未完成と安全判断に関わる未確定に分けることが重要です。形式的な未完成は社内で詰めるべき作業です。安全判断に関わる未確定は、管轄労基署などへの事前相談、関係者の再調整、場合によっては開始日の見直しまで含めて扱うべき事項です。


提出期限が迫っている場合でも、未確定部分を曖昧にしたまま提出して期限だけを守ったことにするのは危険です。届出後に計画の前提が変われば、差し替え、補正、追加説明、変更の要否確認が必要になる可能性があります。最初から未確定部分を整理し、どの条件で安全側に見ているかを説明できる形にしておくことが、結果的には最短ルートになります。


提出前に管轄労基署へ確認すべき内容

添付図書が未確定な場合、提出前の管轄労基署などへの確認は非常に重要です。ここで大切なのは、図面がまだできていないのでどうすればよいかと漠然と相談するのではなく、確認すべき内容を整理してから相談することです。管轄側が判断しやすいように、対象工事、開始予定日、届出類型、未確定図書、未確定理由、確定予定日、安全上の影響、暫定条件を説明できる状態にしておきます。


まず確認すべきは、対象となる届出の種類です。機械等の設置、移転、変更に関するものなのか、建設業に係る一定の仕事なのか、特に大規模な仕事なのかによって、期限や提出先が変わります。社内で88条と一括りにしていると、実際には複数の手続きが重なっていることがあります。相談時には、工事概要だけでなく、対象設備や対象作業の開始日も示す必要があります。


次に、未確定図書の扱いを確認します。暫定図面を事前相談資料として使えるのか、届出時までに確定版が必要なのか、提出後の差し替えや補正が認められる余地があるのか、差し替えが必要な場合にどのような手順を踏むのかを確認します。ただし、これらは管轄や案件内容によって扱いが変わる可能性があります。一般論だけで判断せず、個別案件として確認することが大切です。


さらに、添付図書の範囲も確認します。公開されている添付書類例は参考になりますが、例示されたすべての書類が常に必要という意味でも、例示された書類だけで必ず足りるという意味でもありません。対象となる工事や仕事の危険性、施工方法、使用機械、周辺条件によって、追加の説明資料が必要になる場合があります。最低限の書類だけを機械的にそろえるのではなく、当該工事の安全性を説明するために何が必要かという視点で準備します。


相談時には、開始日の扱いも確認します。現場の準備作業と届出対象作業の境界が曖昧な場合、どの作業を開始日として見るのかによって期限管理が変わります。仮囲い、現場事務所、測量、墨出し、既存物撤去、掘削、足場組立、機械据付などのうち、対象となる仕事や工事の開始がどこに当たるのかを整理しておくべきです。


相談結果は、口頭で終わらせず、社内の記録として残します。相談日時、相談先、説明した工事内容、未確定図書、受けた助言、次回提出予定、社内対応者を記録しておけば、関係者間の認識違いを防げます。特に、設計者、専門工事会社、現場所長、元請の安全担当、事務担当が別々に動いている案件では、相談内容の共有が遅れると同じ確認を繰り返すことになります。


仮の図面を使う場合に避けたい書き方

添付図書が未確定で、やむを得ず暫定図面や仮条件を使う場合には、書き方に注意が必要です。避けたいのは、実際には未確定なのに、あたかも確定済みであるかのように表現することです。暫定図面であることを示さずに提出または相談に使い、その後に大きく変わった場合、変更理由や安全対策の見直しを説明しにくくなります。


仮の図面を使う場合は、未確定部分を図面上または説明書面上で明確にする必要があります。ただし、未定や調整中とだけ書けば十分というわけではありません。未定と書かれているだけでは、どの条件で安全性を見ているのかが分かりません。実務上は、現時点の前提、想定している最大条件、安全側に見た条件、確定予定、変更時の確認方法を説明できるようにしておくことが重要です。


たとえば、重機配置が未確定であれば、想定している機種、作業半径、旋回範囲、アウトリガー位置、作業員通路との分離、架空線や隣接物との離隔、地盤養生の考え方を示す必要があります。足場計画が未確定であれば、足場の種類、高さ、設置範囲、昇降設備、壁つなぎ、作業床、墜落防止措置、資材搬入との関係を整理します。掘削や土止めが未確定であれば、掘削深さ、法面または土止め方法、地下水、周辺構造物、作業員の立入範囲、崩壊防止措置が問題になります。


仮条件で特に避けたいのは、実際より安全側でない条件を置いてしまうことです。実際にはより大きな重機を使う可能性があるのに小さい条件で図面を作る、掘削深さが深くなる可能性があるのに浅い条件で安全対策を示す、作業範囲が広がる可能性があるのに狭い範囲だけを示す、といった対応は手戻りの原因になります。未確定であれば、現時点で想定される不利な条件を含めて安全側に検討することが基本です。


また、図面間の不整合にも注意が必要です。配置図では重機が北側にあるのに、工程表では南側から作業することになっている。安全通路図では歩行者通路が確保されているのに、仮設計画図では資材置場と重なっている。断面図では足場が成立しているのに、平面図では隣地境界と干渉している。このような不整合は、未確定部分そのものよりも大きな問題になります。


暫定図面を使う場合は、図面の改訂管理も欠かせません。作成日、版数、変更箇所、変更理由を残しておけば、差し替え時にどこが変わったのかを説明できます。反対に、同じ図面名で複数の版が社内に散らばると、古い図面で確認した内容が残り、提出資料と現場施工がずれる危険があります。未確定なときほど、図面の版管理は厳格に行うべきです。


差し替えや補正を前提にした社内段取り

添付図書が未確定な案件では、最初から差し替えや補正の可能性を見込んだ段取りを組むことが現実的です。ただし、差し替えができる場合があるからといって、提出時点の内容を粗くしてよいわけではありません。提出時には、その時点で説明可能な最善の計画を整え、後で変わる可能性がある部分を管理対象として明示するという考え方が必要です。


社内では、まず責任分担を明確にします。誰が届出対象を判断するのか、誰が管轄労基署などへ確認するのか、誰が設計図を更新するのか、誰が専門工事会社から施工計画を回収するのか、誰が工程表を最終化するのか、誰が提出版を取りまとめるのかを決めます。これが曖昧なまま進むと、期限直前に図面は誰が持っているのか、この計画で出してよいのかという確認が発生します。


次に、未確定項目ごとに期限を設定します。88条申請の提出期限だけを工程表に入れるのではなく、現地調査完了日、専門工事会社案の提出日、構造検討の確認日、社内安全審査日、管轄労基署などへの事前相談日、提出版の確定日を設定します。提出期限が30日前であれば、提出版の確定はさらに前に置くべきです。14日前案件であっても、図書作成と事前相談を考えれば、開始日の直前に動くのは危険です。


差し替え時の判断基準も社内で持っておく必要があります。図面上の表記修正で済む変更なのか、安全対策の内容が変わる変更なのか、施工方法が変わる変更なのか、届出対象そのものに影響する変更なのかを分けます。安全対策や施工方法に関わる変更であれば、社内判断だけで進めず、管轄労基署などに確認する余地を残しておくべきです。


また、提出後に図面が変わる可能性がある場合は、現場側にもその前提を共有します。届出資料の差し替え前に現場が古い計画で準備を始めてしまうと、書類と現場の整合が崩れます。特に、足場、支保工、掘削、揚重、機械据付、解体などは、資材手配や協力会社の段取りが早く進むため、図面改訂が遅れると現場変更が難しくなります。


社内段取りで重要なのは、提出担当者だけに負担を集中させないことです。88条申請の添付図書は、事務担当者が形式的に集めるだけでは完成しません。現場所長、安全担当、設計担当、施工計画担当、専門工事会社、発注者側の調整担当が関与しなければ、現場実態に合う資料になりません。未確定図書がある案件ほど、早い段階で関係者を集め、どの図書を誰がいつまでに確定するかを決める必要があります。


着工日を守るための逆算スケジュール

88条申請で期限遅れを防ぐには、提出期限から逆算するだけでは不十分です。実務では、提出期限より前に、届出対象の確認、必要図書の洗い出し、現地調査、施工計画の作成、専門工事会社との調整、社内確認、管轄労基署などへの事前相談、図面修正、提出版の作成という工程があります。添付図書が未確定であれば、この前工程にさらに余裕が必要です。


30日前の届出が必要な案件では、工事または仕事の開始日の30日前に提出できればよいと考えるのではなく、それ以前に相談と図書確認を進めるべきです。特に、図面の確定に関係者承認が必要な案件では、開始日の45日前から60日前の段階で届出要否を確認し、未確定図書の洗い出しを始めるのが安全です。大規模案件や複数工区の案件では、さらに早い段階で対象作業ごとの開始日を分けて管理する必要があります。


14日前の届出が必要な案件でも、14日前に書類を作り始めてよいわけではありません。14日前はあくまで提出期限であり、図面作成や確認のための作業期間ではありません。開始日の14日前までに提出するためには、少なくともその前に添付図書の主要部分が固まっていなければなりません。未確定部分が残る場合でも、事前相談で扱いを確認できるだけの資料は必要です。


逆算スケジュールでは、現場の実作業開始日を細かく分けることも重要です。全体工事の開始日、届出対象作業の開始日、重機搬入日、足場組立日、掘削開始日、機械据付開始日、解体開始日がそれぞれ異なる場合、どの日を基準に届出期限を管理するのかを確認します。工程表上の大きなマイルストーンだけでは、対象作業の開始を見落とすことがあります。


また、長期休暇や土日祝日を挟む場合は、社内確認と行政窓口への相談可能日が限られます。提出期限の法的な数え方とは別に、実務上は担当者が相談できる日、図面を修正できる日、社内承認を回せる日、届出が受け付けられる日を見込む必要があります。期限当日に不備が見つかると、修正時間が足りません。


逆算スケジュールを作るときは、最終提出日だけでなく、未確定図書の確定期限を個別に置きます。現地条件の確認期限、専門工事会社の施工計画提出期限、安全対策図の作成期限、工程表の確定期限、社内確認期限を分けておくと、どこで遅れが出ているかが見えます。遅れが見えれば、着工日を守るために、追加人員を入れる、工法を見直す、事前相談を早める、開始日を調整するなどの判断ができます。


現場情報の精度を上げることが添付図書の手戻りを減らす

添付図書の未確定を減らすには、書類作成だけでなく、現場情報の精度を上げることが重要です。多くの図面の手戻りは、現地条件の見落としから発生します。敷地境界、既存構造物、道路幅、架空線、段差、仮置き可能範囲、搬入動線、重機の設置可能位置、安全通路の確保範囲などを早期に確認しておけば、施工計画図の精度が上がります。


特に、計画図と現場のずれは、88条申請の添付図書に大きな影響を与えます。図面上では十分なスペースがあるように見えても、現地では既存設備、仮設物、段差、隣接物、植栽、道路占用、架空線などにより、計画どおりに配置できないことがあります。これが提出後に判明すると、図面差し替えだけでなく、安全対策や工程の見直しが必要になります。


現地確認では、写真、位置情報、計測結果、作業範囲の記録を残すことが有効です。現場で確認した内容を関係者が共有できれば、設計担当や施工計画担当が現地に行かなくても判断しやすくなります。また、専門工事会社との打ち合わせでも、現場条件を具体的に示せるため、施工方法の検討が進みやすくなります。


添付図書が未確定な案件ほど、現場と図面を往復する回数を減らす工夫が必要です。現地で測った寸法、撮影した状況、危険箇所、搬入経路、仮設配置候補を整理し、図面に反映する流れを早く作ることで、提出前の不整合を減らせます。これは、単に書類を早く作るためではなく、実際の安全対策を現場に合ったものにするためにも重要です。


現場記録の精度を上げるうえでは、位置情報付きの写真、計測結果、現況図、作業範囲の記録を一元的に管理できる仕組みが役立ちます。どの位置で何を確認したのか、どの図面と現地がずれているのか、どの危険箇所を安全対策図へ反映すべきかを早期に共有できれば、添付図書の作成や事前相談が進めやすくなります。


88条申請そのものは書類手続きですが、その内容を支えるのは現場の正確な情報です。計画図と現場条件のずれを早期に見つけ、提出前の手戻りを減らしたい場合は、現場記録、写真管理、位置情報、計測結果の整理を、書類作成と同時に進めることが重要です。


まとめ

88条申請の添付図書が未確定な場合、最も避けるべきなのは、図面の完成を待ち続けて提出期限を失うことと、期限を守るためだけに実態と合わない仮図面を提出することです。88条申請は、対象類型によって30日前または14日前の期限が問題になりますが、いずれの場合も起算点は添付図書の完成日ではなく、工事や仕事の開始日です。したがって、未確定部分があるなら、早い段階でその内容を整理し、期限、提出先、必要図書、開始日の考え方を確認する必要があります。


未確定部分は、安全判断に関わるものと、形式的な調整に近いものに分けて考えます。重機配置、足場、支保工、掘削、土止め、機械据付、施工順序、労働災害防止措置に関わる未確定は、軽微な修正として扱うべきではありません。管轄労基署などに事前相談し、暫定条件で進められるか、提出時までに確定が必要か、提出後の差し替えや補正で足りるかを確認します。


仮の図面を使う場合は、未確定であることを曖昧にせず、現時点の前提、安全側に見た条件、確定予定、変更時の対応を説明できるようにします。図面間の不整合をなくし、版管理を徹底し、提出後に変更が生じた場合の社内連絡ルートも決めておくことが重要です。


また、添付図書の手戻りを減らすには、現場情報の精度を上げることが欠かせません。現地条件が曖昧なままでは、計画図も安全対策も不安定になります。位置情報、写真、寸法、搬入経路、仮設配置候補を早期に記録し、設計者や専門工事会社と共有することで、提出前の計画精度を高められます。


88条申請は、単なる提出期限管理ではなく、着工前に安全な施工計画を固めるための重要な工程です。添付図書が未確定なときほど、早めの事前相談、未確定項目の見える化、安全側の仮定、差し替え前提の段取り、現場情報の精度向上が必要です。提出期限だけを見て動くのではなく、対象作業の開始日から逆算し、未確定部分を管理しながら、現場実態に合った届出資料を整えていくことが大切です。


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