top of page

360度カメラで作業前確認を漏れなく残す7つの撮影項目

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均7分15秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

作業前確認は、事故防止や品質確保のためだけでなく、関係者間の認識違いを減らすためにも重要です。紙のチェック表や通常写真だけでは、見落とした箇所や撮影していない方向が後から問題になることがあります。360度カメラを使えば、作業開始前の現場全体を広く記録でき、周辺状況、危険箇所、搬入経路、養生状態、既設物の位置関係まで確認しやすくなります。この記事では、360度カメラで作業前確認を漏れなく残すために押さえたい7つの撮影項目を、実務担当者向けに整理します。


目次

360度カメラで作業前確認を残す意義

撮影項目1 作業範囲と境界を記録する

撮影項目2 周辺の障害物と危険箇所を記録する

撮影項目3 搬入経路と作業動線を記録する

撮影項目4 既設物と保護対象を記録する

撮影項目5 仮設設備と安全設備を記録する

撮影項目6 作業面の状態と仕上がり前の状況を記録する

撮影項目7 天候や照明など撮影時の環境を記録する

撮影漏れを防ぐための運用ルール

作業前確認を次の施工管理へつなげる方法

まとめ 360度カメラの記録を現場の共通認識に変える


360度カメラで作業前確認を残す意義

作業前確認は、現場に入る前、作業を始める前、設備を動かす前、資材を搬入する前など、さまざまな場面で行われます。確認の目的は、作業条件が整っているかを判断することです。しかし実際の現場では、確認したつもりでも記録に残っていない部分が出やすく、後から「そこは作業前から傷があったのか」「資材を置く前の通路幅はどうだったのか」「安全設備は設置済みだったのか」といった確認が必要になることがあります。


通常のカメラで作業前確認を残す場合、撮影者が向けた方向だけが記録されます。正面の状態は分かっても、背後や横の状況は写っていないことがあります。撮影者が重要だと思った箇所は残りますが、その時点では重要だと判断していなかった箇所が、後から問題の焦点になることもあります。360度カメラは、この弱点を補いやすい記録方法です。1回の撮影で周囲全体を残せるため、作業前の空間全体を後から見返しやすくなります。


特に、建設現場、設備工事、内装工事、保守点検、施設管理、イベント設営、災害復旧、道路工事などでは、作業前の状態を客観的に残す価値が高くなります。現場にいた担当者だけでなく、管理者、発注者、協力会社、後工程の担当者が同じ記録を見ながら確認できるため、口頭説明だけに頼る場面を減らせます。360度カメラの記録は、単なる写真ではなく、現場の状況を共有するための基準点になります。


ただし、360度カメラを置いて撮影するだけで、すべての作業前確認が自動的に完璧になるわけではありません。何を残すべきかを決めずに撮影すると、必要な位置から撮れていない、作業範囲の端が分からない、確認すべき対象が遠すぎる、暗くて状態が読めないといった問題が起こります。作業前確認で使うなら、撮影項目をあらかじめ決めておくことが大切です。


この記事で紹介する7つの撮影項目は、現場の業種や作業内容が変わっても応用しやすい基本項目です。作業範囲、危険箇所、動線、既設物、仮設設備、作業面、撮影環境を押さえることで、作業前の全体像を後から説明しやすくなります。チェック表と360度カメラを組み合わせれば、確認した事実と視覚的な記録を結び付けられるため、作業開始後のトラブル防止にもつながります。


撮影項目1 作業範囲と境界を記録する

最初に残すべき撮影項目は、作業範囲と境界です。作業前確認では、どこからどこまでが今回の作業対象なのかを明確にする必要があります。360度カメラで現場全体を撮影しても、作業範囲が分からなければ、後から見た人は何を確認すればよいのか判断しにくくなります。範囲が曖昧なまま作業が始まると、対象外の場所に資材を置いてしまったり、別業者の作業範囲と重なったり、養生すべき場所を見落としたりする原因になります。


作業範囲を撮影するときは、作業の中心だけでなく、端部や境界線が分かる位置から記録することが重要です。例えば、室内であれば部屋の出入口、壁際、柱周り、設備周辺、床の見切り部分などが境界の手がかりになります。屋外であれば、仮囲い、区画線、道路端、敷地境界、既設構造物、資材置き場との位置関係が分かるように撮影します。360度カメラは広い範囲を写せますが、置く位置が悪いと境界が遠くなり、肝心の区切りが読み取りにくくなります。


撮影前には、作業範囲を示す目印をできるだけ整えておくと、記録の価値が高まります。カラーコーン、表示板、テープ、仮設フェンス、墨出し線、区画表示など、現場で許可された方法で範囲を示したうえで撮影すると、画像を見返したときに対象範囲を把握しやすくなります。目印がない状態で撮影した場合、作業前の空間は残っていても、どこを作業したのかを後から説明するために別資料が必要になります。


また、作業範囲は一方向からだけでなく、必要に応じて複数地点から記録すると安心です。360度カメラは周囲全体を撮れるため、1地点で十分に思えることがありますが、柱や重機、資材、壁、段差などに隠れる部分はどうしても発生します。作業範囲が広い場合や、形状が複雑な場合は、範囲の中央、入口付近、奥側、境界付近など、後から見たときに全体をつなげて理解できる位置で撮影します。


作業範囲と境界の記録は、後からの説明責任にも関係します。作業開始後に傷や汚れ、破損、残材、搬入物の位置が問題になったとき、作業前の範囲が明確に残っていれば、どの場所を管理対象としていたかを確認できます。反対に、範囲が不明確な記録では、作業前確認をしたという事実は残っても、具体的にどこを確認したのかが弱くなります。360度カメラを作業前確認に使うなら、まず範囲と境界を記録の軸として考えることが大切です。


撮影項目2 周辺の障害物と危険箇所を記録する

次に重要なのは、周辺の障害物と危険箇所です。作業前確認では、作業そのものの対象だけでなく、作業に影響する周辺条件を把握する必要があります。通路上の段差、床の開口、低い梁、突出物、仮置き資材、配線、ホース、ぬかるみ、濡れた床、視界を遮る物、接触しやすい設備などは、事故や作業遅延につながる可能性があります。360度カメラでこれらを作業前に残しておくと、作業計画や安全指示の根拠として使いやすくなります。


障害物の記録で大切なのは、存在だけでなく位置関係が分かるように撮ることです。通常写真では、障害物を正面から撮ると形状は分かりますが、作業場所や通路との距離感が伝わりにくいことがあります。360度カメラなら、障害物と周囲の設備、通路、出入口、作業範囲を同時に確認できるため、どの方向から近づくと危険なのか、作業者の移動にどの程度影響するのかを把握しやすくなります。


危険箇所は、近すぎても遠すぎても確認しにくくなります。360度カメラは広角で記録できる一方、細かな文字や小さな損傷は距離が離れると読み取りづらくなります。全体の位置関係を残す360度撮影と、必要に応じた通常写真や近接写真を組み合わせると、実務では扱いやすくなります。例えば、床のひび割れや小さな段差は近接写真で状態を残し、360度カメラではその段差が通路のどこにあるのかを残すという使い分けです。


作業前確認の記録としては、危険箇所が対策前なのか、対策後なのかも分かるようにしておく必要があります。作業前に危険箇所を発見し、注意表示や養生、立入制限を行った場合は、対策前の状況だけでなく、対策後の状態も撮影しておくと説明がしやすくなります。360度カメラで対策後の全体を撮影しておけば、表示が見える位置にあるか、通路が確保されているか、作業者が迂回できるかといった確認にも使えます。


また、危険箇所の記録は朝礼や作業前ミーティングでも活用できます。現場に全員が集まれない場合でも、360度画像を見ながら「この位置に段差がある」「この方向に資材が仮置きされている」「ここは別作業と干渉する可能性がある」と共有できます。口頭だけの説明では伝わりにくい空間の関係が、視覚的に把握しやすくなります。作業前確認を安全管理に活かすには、危険箇所を単独で撮るのではなく、周辺全体の中で記録する意識が重要です。


撮影項目3 搬入経路と作業動線を記録する

作業前確認で見落とされやすいのが、搬入経路と作業動線です。作業場所そのものは確認していても、そこへ資材や機材を運ぶ経路、作業者が移動する通路、搬出時に通るルートが十分に記録されていないことがあります。実際には、搬入経路の幅、曲がり角、段差、天井高さ、床の強度、開口部の位置、他作業との交差などが、作業の成否に大きく影響します。


360度カメラを使う場合、作業場所だけでなく、入口から作業場所までの流れを追うように撮影すると、作業前確認の記録として有効です。建物内であれば、外部出入口、共用通路、エレベーター前、階段、廊下、室内入口、作業エリアの順に撮影しておくと、搬入の全体像が残ります。屋外であれば、車両の進入路、仮設道路、荷下ろし場所、資材置き場、作業場所までの経路をつなげて記録します。


動線を記録するときは、人が通る目線だけでなく、運ぶ物の大きさを考えることが大切です。人は通れても、長尺材や大型機材が曲がれない場合があります。通路幅だけでなく、曲がり角の余裕、天井や梁との干渉、扉の開き方向、仮置き物の有無なども確認対象になります。360度カメラで曲がり角や出入口付近を撮影しておくと、後から複数人で確認しながら搬入方法を検討しやすくなります。


作業動線は安全面にも関係します。作業者の移動経路と車両の走行経路が交差する場所、資材置き場と作業場所の間に段差がある場所、足元が見えにくい場所などは、作業前に共有しておくべきポイントです。360度カメラで動線を記録しておけば、危険箇所の説明だけでなく、どの経路を使うべきか、どの経路を避けるべきかを視覚的に伝えられます。


また、搬入経路の作業前記録は、損傷防止にも役立ちます。搬入前の壁、床、扉、手すり、設備、照明、掲示物などの状態を360度で残しておくと、搬入後に傷や汚れが見つかった場合の確認資料になります。特に既存施設や稼働中の建物では、作業前の状態を残すことが信頼関係の維持につながります。作業場所だけを撮るのではなく、そこに至るまでの経路も作業前確認の一部として扱うことが、漏れの少ない記録につながります。


撮影項目4 既設物と保護対象を記録する

作業前確認では、既設物と保護対象の記録も欠かせません。既設物とは、作業開始前から現場にある構造物、設備、配管、配線、機械、什器、仕上げ材、看板、植栽、舗装、周辺施設などです。保護対象とは、作業中に傷つけたり汚したりしてはいけないもの、動かしてはいけないもの、稼働を止められないものを指します。これらを作業前に明確に残しておかないと、作業後の状態確認で認識違いが起こりやすくなります。


360度カメラで既設物を記録する利点は、対象物同士の位置関係を残せることです。例えば、設備配管の近くで作業する場合、配管そのものの状態だけでなく、作業範囲、足場、資材置き場、搬入経路との関係が重要になります。壁面の仕上げを保護する場合も、どの壁が作業範囲に近いのか、どの部分に養生が必要なのかを全体で確認する必要があります。360度記録は、対象物を点ではなく空間の中で把握するために役立ちます。


既設物を撮影するときは、作業で影響を受ける可能性があるものを優先して残します。近くを人や資材が通る場所、振動や粉じんの影響を受ける場所、工具や機械が接触する可能性がある場所、作業後に状態確認が必要になりそうな場所は、作業前の記録価値が高くなります。360度カメラで全体を残したうえで、傷、汚れ、変形、ひび、欠け、浮き、錆、漏れなどがある場合は、別途近い距離から詳細を撮っておくと安心です。


保護対象については、養生前と養生後の両方を残す運用が有効です。養生前の状態を撮影すれば、作業前から存在していた傷や汚れを確認できます。養生後の状態を撮影すれば、保護範囲が足りているか、固定が十分か、通路や作業の妨げになっていないかを確認できます。360度カメラなら、養生の連続性や周辺との取り合いを見やすく、部分写真だけでは分かりにくい抜けを発見しやすくなります。


既設物の記録では、関係者が後から見て判断できるよう、撮影位置と対象の対応を分かりやすくすることも大切です。広い現場では、同じような部屋や通路が複数あり、画像だけでは場所を特定しにくいことがあります。撮影前に部屋名、区画名、階数、通り芯、作業番号などが分かる表示を写し込むと、記録整理がしやすくなります。表示が難しい場合でも、ファイル名や撮影メモで場所を補足することで、後からの検索性が高まります。


撮影項目5 仮設設備と安全設備を記録する

作業前確認では、仮設設備と安全設備の状態も確認したい項目です。仮設設備には、足場、作業床、仮囲い、仮設通路、仮設照明、仮設電源、資材置き場、仮設階段、仮設手すりなどがあります。安全設備には、立入禁止表示、区画材、消火器、保護柵、転落防止措置、注意喚起表示、誘導表示、換気設備などが含まれます。これらは作業開始前に整っていることが前提になりやすい一方、実際には設置位置や状態にばらつきが出ることがあります。


360度カメラで仮設設備を記録すると、設備単体だけでなく、作業範囲との関係を確認できます。例えば、仮設通路が設置されていても、資材で一部が狭くなっていれば安全な動線とは言えません。照明が設置されていても、作業面に影ができていれば確認不足につながります。手すりや区画材があっても、必要な範囲を覆えていなければ意味が弱くなります。360度記録では、こうした全体的なつながりを見返しやすくなります。


安全設備の撮影では、設置の有無だけでなく、見える位置にあるか、作業者が認識しやすいか、動線と合っているかを確認します。注意表示が壁に貼られていても、作業者が入ってくる方向から見えなければ効果が下がります。立入禁止の区画があっても、別方向から簡単に入れてしまう状態では不十分です。360度カメラで入口側、作業場所側、通路側から記録すると、安全設備が現場の流れに合っているかを判断しやすくなります。


仮設電源や仮設照明を撮影する場合は、ケーブルの取り回しや足元の状態も記録対象になります。ケーブルが通路を横断している場合、つまずき防止の処置が必要になることがあります。照明機器の脚や配線が作業動線に干渉することもあります。360度カメラは、天井方向から足元方向まで広く残せるため、通常写真では撮り忘れがちな上下方向の情報も確認しやすくなります。


作業前確認の記録としては、仮設設備や安全設備がいつの時点で設置されていたかも重要です。作業開始直前の状態を残しておけば、作業中に設備が移動した場合や、後から安全措置の有無を確認する場合に役立ちます。特に複数の協力会社が同じ場所で作業する現場では、誰が見ても分かる記録があることで、責任範囲や対応状況の確認がしやすくなります。


撮影項目6 作業面の状態と仕上がり前の状況を記録する

作業面の状態は、作業前確認の中でも品質に直結する項目です。作業面とは、これから施工、設置、清掃、補修、撤去、点検などを行う対象面のことです。床、壁、天井、舗装面、地盤、設備表面、配管周辺、基礎部分、開口部周辺など、作業内容によって対象は変わります。作業前の状態を記録しておくことで、作業後の仕上がり確認や不具合発生時の原因確認に使いやすくなります。


360度カメラで作業面を撮影する場合、全体の状態を広く残せる一方で、細かな表面状態は距離や解像度の影響を受けます。そのため、360度撮影だけで細部まで確認しようとするのではなく、全体記録として使う意識が大切です。作業面がどの位置にあり、周囲に何があり、どの方向から作業するのかを360度で残し、ひび、欠け、浮き、汚れ、濡れ、段差、変色などの細部は必要に応じて近接写真で補います。


作業面の撮影で特に重要なのは、作業後に隠れてしまう部分です。仕上げ材で覆われる下地、設備で見えなくなる壁面、埋設される配管周辺、床材の下になる部分、仮設物で隠れる既設面などは、作業が進むと確認できなくなります。作業前に360度カメラで周辺を含めて記録しておくと、後から「施工前はどのような状態だったか」を説明しやすくなります。


また、作業面の清掃状態や乾燥状態も作業品質に影響します。粉じん、油分、水分、残材、浮きごみ、既存の汚れなどが残っていると、施工不良や仕上がり不良につながることがあります。360度カメラで作業面全体を撮影すれば、清掃範囲や残材の有無を俯瞰的に確認できます。ただし、床面の細かな汚れなどは画像で分かりにくい場合があるため、必要に応じて近い位置から補助撮影を行います。


作業面の状態は、作業前の合意形成にも役立ちます。発注者や管理者と事前に状態を共有しておけば、作業後に「もともとの状態なのか、作業による変化なのか」を確認しやすくなります。特に改修や補修の現場では、既存状態にばらつきがあることが多く、作業前記録の有無が説明のしやすさを左右します。360度カメラは、現場全体の文脈を残せるため、作業面だけを切り取った写真よりも状況説明に向いています。


撮影項目7 天候や照明など撮影時の環境を記録する

7つ目の撮影項目は、天候や照明など撮影時の環境です。作業前確認では、現場そのものの状態だけでなく、その状態を確認した条件も重要になります。同じ場所でも、雨天、強風、逆光、夜間、仮設照明のみの状態、粉じんが多い状態では、見え方や安全性が変わります。撮影時の環境が分からないと、後から画像を見た人が状況を誤って判断する可能性があります。


屋外では、天候が作業条件に直結します。雨で地面がぬかるんでいる、風で仮設物が揺れやすい、日差しが強く逆光になっている、路面が凍結している、視界が悪いといった状態は、作業前に記録しておきたい情報です。360度カメラで空の状態、地面の状態、周辺の水たまり、シートや仮設物の状況を残しておけば、作業開始時の環境を後から確認できます。


屋内では、照明条件が重要になります。照明が不足していると、作業面の状態を見落としたり、足元の障害物に気づきにくくなったりします。仮設照明を使っている場合は、光が届いている範囲と影になる範囲を確認します。360度カメラは明暗差の影響を受けることがあるため、暗い場所では撮影結果をその場で確認し、必要に応じて照明を追加して撮り直すことが大切です。


撮影時の環境は、画像そのものだけでなく、メモやファイル名でも補足すると実務で使いやすくなります。例えば、撮影日時、撮影場所、作業名、天候、照明状態、立会者、作業開始前か対策後かといった情報を残しておくと、後から記録を探すときに役立ちます。360度画像は情報量が多い分、整理されていないと目的の記録にたどり着きにくくなります。撮影環境を記録情報として扱うことで、確認資料としての信頼性が高まります。


また、撮影環境が悪いときほど、記録の品質確認が重要です。雨粒がレンズに付いている、レンズが曇っている、手ぶれや傾きがある、人物や機材で重要箇所が隠れている、明るすぎて白飛びしている、暗すぎて詳細が見えないといった状態では、作業前確認の記録として弱くなります。撮影したらその場で全方向を確認し、問題があればすぐに再撮影する運用が必要です。


撮影漏れを防ぐための運用ルール

360度カメラで作業前確認を残す場合、撮影項目を決めるだけでなく、運用ルールを整えることが重要です。現場では時間が限られており、作業開始前は人や資材の動きも多くなります。撮影担当者がその場の判断だけで撮影すると、必要な項目を飛ばしてしまうことがあります。作業前確認を確実に残すには、毎回同じ考え方で撮影できる仕組みが必要です。


まず決めたいのは、撮影のタイミングです。作業前といっても、資材搬入前、養生前、養生後、仮設設備設置後、作業開始直前など、複数の段階があります。どの段階を正式な作業前記録とするのかを決めておかないと、後から見たときに状態の違いが分かりにくくなります。実務では、必要に応じて段階ごとに撮影し、ファイル名やメモで状態を区別することが有効です。


次に、撮影位置のルールを決めます。毎回違う位置から撮影すると、作業前後の比較が難しくなります。定点として撮影する場所を決めておけば、同じ方向、同じ距離感で確認しやすくなります。入口、作業範囲の中央、境界付近、搬入経路の曲がり角、危険箇所の近くなど、現場ごとに基準点を決めておくと、撮影漏れを減らせます。床や壁に一時的な目印を置ける場合は、撮影位置を再現しやすくなります。


撮影担当者を明確にすることも大切です。誰かが撮っただろうという状態では、記録が残らないことがあります。作業前確認の担当者、撮影担当者、確認者を決め、撮影後に画像を確認する流れを作ることで、記録の抜けを発見しやすくなります。360度画像は撮影しただけでは完了ではなく、必要な方向が見えるか、画像がぼけていないか、項目を満たしているかを確認して初めて作業前記録として使えます。


ファイル整理のルールも必要です。360度カメラの画像は数が増えると、どの画像がどの現場、どの作業、どの時点のものか分かりにくくなります。日付、現場名、区画、作業名、撮影段階をファイル名や管理項目に入れておくと、後から検索しやすくなります。作業前確認の記録は、事故や不具合が起きたときだけ使うものではありません。日々の施工管理、進捗確認、引き継ぎ、報告資料にも使うため、整理しやすさが実務上の価値を左右します。


さらに、撮影してはいけない情報への配慮も欠かせません。360度カメラは周囲全体を写すため、個人情報、機密資料、表示物、無関係な作業者、隣接する施設内部などが意図せず写り込む場合があります。撮影前に写り込みを確認し、必要な範囲だけを記録する意識を持つことが大切です。共有範囲や保存期間も事前に決めておけば、記録の活用と情報管理を両立しやすくなります。


作業前確認を次の施工管理へつなげる方法

360度カメラで作業前確認を残す目的は、撮影すること自体ではありません。撮影した記録を次の施工管理に活かすことが本来の目的です。作業前の画像を見返しながら作業計画を調整する、危険箇所を朝礼で共有する、作業後の状態と比較する、発注者や管理者へ説明する、後工程へ引き継ぐといった使い方をしてこそ、記録の価値が生まれます。


作業前確認の記録は、作業後の確認とセットにすると効果が高まります。作業前に撮影した位置と同じ場所から作業後も撮影すれば、変化を比較しやすくなります。養生が外れているか、残材がないか、既設物に変化がないか、作業面が予定どおり仕上がっているかを確認できます。360度画像同士を見比べることで、通常写真では気づきにくい周辺の変化にも気づきやすくなります。


また、作業前記録を関係者共有に使う場合は、画像だけを送るのではなく、何を見てほしいのかを明確にすると伝わりやすくなります。作業範囲、危険箇所、搬入経路、保護対象、仮設設備など、この記事で紹介した項目に沿って確認ポイントを添えると、受け取った側も判断しやすくなります。360度画像は自由に視点を動かせる反面、見る人によって注目箇所が変わるため、確認意図を添えることが重要です。


現場教育にも活用できます。新人や別現場の担当者に対して、作業前確認でどこを見るべきかを説明する教材として360度画像を使うと、実際の空間をイメージしながら学べます。危険箇所の見つけ方、動線の確認方法、養生の考え方、作業範囲の捉え方を、実際の記録をもとに説明できます。紙のマニュアルだけでは伝わりにくい現場感を補える点も、360度カメラの強みです。


一方で、360度カメラの記録だけに頼りすぎないことも大切です。画像には写らない情報もあります。音、臭い、温度、振動、床の滑りやすさ、材料の状態、設備の稼働音、作業者の感覚などは、画像だけでは十分に残せません。作業前確認では、360度画像を中心にしながら、チェック表、測定結果、作業メモ、通常写真、関係者の確認記録を組み合わせることで、より実務に強い記録になります。


作業前確認を施工管理につなげるには、現場で使いやすい記録の流れを作ることが重要です。撮影、確認、整理、共有、比較、保管までを一連の流れとして設計すれば、360度カメラは単発の便利機器ではなく、現場管理の基盤として活用できます。作業前の状態を確実に残すことは、作業中の安全、作業後の品質、関係者への説明を支える土台になります。


まとめ 360度カメラの記録を現場の共通認識に変える

360度カメラは、作業前確認を漏れなく残すために有効な場面が多い記録手段です。作業範囲と境界、障害物と危険箇所、搬入経路と作業動線、既設物と保護対象、仮設設備と安全設備、作業面の状態、天候や照明などの環境を押さえて撮影すれば、作業開始前の状況を広く、分かりやすく残せます。


重要なのは、360度カメラで撮影したという事実だけで安心しないことです。どこから撮るのか、何を確認するのか、どの段階で残すのか、誰が確認するのか、どのように整理して共有するのかを決めておく必要があります。360度画像は情報量が多いからこそ、撮影項目と運用ルールがなければ、後から必要な情報を探しにくくなります。逆に、項目を決めて継続的に運用すれば、現場の状態を関係者が同じ目線で確認できる資料になります。


作業前確認の記録は、事故やトラブルが起きたときのためだけに残すものではありません。作業前の段取りを整え、危険を共有し、品質を守り、後工程への引き継ぎを円滑にするための実務的な道具です。360度カメラを活用すれば、通常写真だけでは残しにくい周辺状況や位置関係を記録でき、現場の説明力を高められます。


さらに、作業前確認を撮影日時、場所、作業内容、確認者、関連する図面やチェック表と結び付けて管理できるようになると、記録の価値は一段高まります。どの場所で、どの時点の状態を残したのかが分かれば、写真は単なる画像ではなく、現場管理に使える情報になります。360度カメラによる作業前記録を、確認、共有、比較、保管まで含めて運用することで、現場の共通認識をつくりやすくなります。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page